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| 2007年01月29日(月) ■ |
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| 最後のおつまみ |
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肉をのこすなんて それで生きてると言えるんかい
それは最後のおつまみなり ただまっ白な皿に帰依するまえの わずか一遍の抵抗なり
それはすでに冷めていて 美味しそうとは言いがたい けれどそのけなげな存在を 誰も無視することが出来ないのだ
我われはなにを食べてきたのか 酒のお供に過ぎないおつまみ いくらでもあると過信ばかりで 感謝も祈りもなく口に放り込んできた
我われは失ってから気づくのだ あのあたたかさもあぶらっこさも かくしてそれは遅すぎる 愛とおつまみは得てしてそういうものだ
それぞれの視線がそそがれている お喋りしながらちらちら見てるぞ いまにも手が伸びるに違いない この静かき深き熱き攻防
それは一枚の冷めた肉片 それは本日、最後のおつまみ
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