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| 2006年11月06日(月) ■ |
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| 「ニーナ」 |
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「 その椅子は木でできた丈夫な椅子 こげ茶色のクッション 木彫り花模様ひじ掛け 背もたれの両端には小さな赤い石 それはそれは美しい木の椅子だった
その椅子を作ったのは椅子職人のおじいさん 曲がった腰 なれた手つき 鋭い目 出来上がった椅子があんまり美しかったので 死んだ妻の名前をこっそり入れたのさ 」
矢野絢子 「ニーナ」 アルバム 「ナイルの一滴」から
雑貨屋さんで見つけたときから この椅子に座ることに決めたのさ 試しに座ってみたわけじゃなくて この椅子なんだとわかったわけ
背中の受けとめかたも 両手の組ませかたも 居ずまい正しく 座りこなすわたしの姿も
いつかふたりとも年をとって 別れゆく日がくるなんて 考えることもできなくなって また深くよりかかり目をとじる
よくわからないけれど よくわからないということは なにか好きだというときには 忘れちゃいけないことなのだ
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