2007年10月13日(土) ボク、大人になったヨ!(中編)
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まず通されたのが入院患者用の病室でさ、 薄い壁とカーテンで区切られた3畳ほどの個室には 介護ベッドとテレビ、一人用のロッカーがあって。 オレは日帰りなんだけど手術の前後はここで過ごすわけで、 「ああ、日帰りといえどもこれはれっきとした入院なんだな」と ここで改めて思い知らされることに。心拍数急上昇。緊張はMAXに到達。
そこで手術着に着替えて数十分を過ごした後、いよいよ手術室へ移動ですよ。 エレベーターで担架に乗せられた重体っぽい人と居合わせたのね。 オレは手術着で、なぜか点滴も打たれてて、帽子をかぶってたから髪もボサボサで、 向こうからすりゃあんたも大変だなってところだろうけど、 どっこい、こちとら単なる包茎手術よ(笑)。申し訳ない気分でいっぱいです。
オレは勝手にたかが包茎とナメてたんだけど、病院側からすれば手術は手術。 すげーのな、手術室が。ドラマのセットのまんま。そこに8人ほどの医師チームが待ちかまえてて。 上から大きなライトに照らされた手術台の周りには見慣れない計器がたくさんあって、 「オレ、ここで手術されちゃうの !?」と考えると恐怖感も増大。 冗談半分、というか冗談だけで手術を決めた昨日までのオレを殴ってやりたい気分に。
まずは消毒の後にいよいよ麻酔を打つことになるんだけど、 正直、思ってたより痛くなくてさ。そりゃ痛いけど耐えられる範疇で。 それでもお医者さんの指が局部に触れる度、腰がビクッと動いちゃうのね。 お医者さんも「怖がらなくていいですよ」なんて言うんだけども、やっぱりビクッとなっちゃう。 「すぐに終わりますからねー」・・・ビクッ。 「リラックスしてくださいねー」・・・ビクッ。 「おかしいなあ、もう麻酔は効いてるはずなんですけどねぇ」 ・・・・・違うんだよ! あんたの腕がオレの金玉に当たりまくってんだよ! 注射よりそっちにビビって腰がビクッって動いちゃうんだよ! しかしそんな緊迫下の状況で「先生、金玉に気をつけてください」なんて言い出せず、 「あ、すいません」と返す気弱なオレでした・・・。
施術時間は一時間と知らされていたものの、 ネットなんかを調べると包茎手術は平均30分程度なんて書かれてあるし、 てっきりそれぐらいで終わると思ってたのね。 しかしオレのチンコが悪いのか医者の腕が悪いのか、 次のオペの予定まで延期して、手術に要した時間は一時間半! 長っ! 向こうに言わせりゃ万全を尽くすために時間がかかったらしいけど、 心配していた通り、途中で徐々に麻酔が切れ始め、 もちろん手術シーンを直接見ることは出来ないんだけど(見たくもないし)、 自分の局部で何が行われてるか手に取るようにわかるのな。 今、皮を切断して、それを茎に縫合して・・・ス、スプラッター! 恐い! しかもだんだん傷みさえも感じ始めてきたもんだから、 あわてて「先生、ま、麻酔が切れてきました!」なんて麻酔の催促をして。 終わったころには握った手のひらに尋常じゃない量の汗をかいてました。 はじめて知ったわ、力を込めて長時間手を握り続けると、手が青黒く変色するのな。 さらには消毒液で手術着が汚れたからとの理由で、 手術台の上で寝たまま服を脱がされ、また新しい手術着を着せられる羽目に。 もう完全に介護されてるおじいちゃん気分よ。すでに恥も消えました。
まだ麻酔が効いているかもしれないからとの理由で、 人生で初めて、車椅子に乗せられて元の病室へ。 車椅子で点滴付けて、髪はボサボサで顔は緊張と恐怖でやつれ果てて、 そりゃ手術室に来た時以上に、誰が見ても悲惨なルックスなのな。 廊下ですれ違う人たちが少しひいてるのがわかるので、 あえて床の一点を見つめて絶望めいた表情を作り、 明日死ぬような演技をして同情を買ってみたりもして。包茎手術なのに(笑)。
二時間ほど休んだ後に病室で昼食を取って、先生に術後の止血具合を見てもらい、 入院から約五時間、ようやく退院と相成った次第。 しかし本当の辛さが始まるのはこれからで・・・。
(つづく)
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