冒険記録日誌
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2015年01月31日(土) |
レーリッヒ断章の考察(フーゴ・ハル/創土社) |
昨年末に地味に「狂気山脈の彼方」が創土社から発売されていました。クトゥルー神話のオマージュ・アンソロジー・シリーズ(クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)の最新作ですね。 さて、今まで日記でこのシリーズをネタにするたびに、山口プリンはクトゥルー神話の知識がないことを強調してきましたが、狂気山脈といえばシュゴス。シュゴスの正体は、メイドのお姉さんということくらいは知っていますよ。清楚でほんわか、ちょっと天然な性格も入ったテケリさんは萌えます。嫁にしたい。 冗談はともかく、そんな某ラノベを読んだのをきっかけに、元ネタとなるラヴクラフトの「狂気の山脈にて」も、以前本屋でざっと立ち読みしたことがあるので、今回は多少の予備知識を持って読むことができました。
前フリが長くなりましたが、「レーリッヒ断章の考察」とはその「狂気山脈の彼方」に収録されている3作品のうちの1つです。 フーゴ・ハル作ということもあり、当然ゲームブック目当てで購入しましたが、読んでみると「レーリッヒ断章の考察」はゲームブックではなかったです。(ゲームブックの定義は人それぞれですが、私のいうゲームブックとは読者が選択をして物語を変えることのできる小説や漫画です。)しかし、普通の小説でもありません。一言で言えばパズル小説かな。
この小説は、昔あった大量殺人事件の犯人とされる男の残した手記を読んでいくスタイルです。 手記は数枚の紙に書きつづられており、そこには男が謎の化け物に襲われて気絶した日以来、生きているネズミを生で齧ることを好むようになるなど、少しずつ正常な世界から離れていく男の恐怖の日常が描かれています。 しかし、ひととおり読み終った後に、新たに男の手記の一部分が発見されたということで、さらに数枚の紙が加わります。全部で14枚となった紙を並び替えると、今までの解釈とはまったく違う真実の物語が浮かび上がった、というストーリーなのです。 パズル的に説明すると、文章は14章に分かれていて、各章の文末は文脈に関係なくセリフの途中などでブツ切れになっており、隣の章とはまったく話しがつながっていません。一本の物語にするには各章を並び替える必要があり、小説版ジグゾーパズルとでもいえばいいような仕掛けです。
内容は当然ながらホラーなうえ、人食などグロイ描写もありますが、なかなか小説としても読みごたえのある内容です。ただ、シリアスと思わせて、まじめくさったセリフの中に「〜ハプニングが起きる時に“14”とかある数字が必ず関わっていたり」なんて言葉がしれっと混ざっていたのには笑ってしまった。完全に不意をつかれた。 フーゴ・ハルは以前にもこの方式のパズル作品(呪われた宝石をめぐる話しや5つ子の料理人の女の子が魔女の屋敷で冒険する話し)を、某夢時間な掲示板や某パズル雑誌に掲載しており、これらは並び替えるのにひっかけも多くて歯ごたえのある難易度でしたが、この「レーリッヒ断章の考察」は、ただ文脈が自然につながる次の章を探せばいいだけなのでパズルとしてはとても簡単でした。まあ、今までの1パラグラフあたり数行の物語と違って、今回は本格的な小説となっている分、辻褄合わせが大変だったはずですから難易度低下は仕方ないとは思いますが、ここは残念かな。 本書収録の3作品の中では一番ページ数が少ないのですが、同じ文章で物語2回分が収録されているという密度の高さで、見かけ以上にボリューム感はあります。ゲームブックではなかったし、ホラーも苦手なのですが、満足できる一作でした。
2015年01月26日(月) |
パックス砦の囚人(モーリス・サイモン/富士見文庫) その3 |
(ネタバレ注意。致命的なネタバレは避けてますが、プレイ予定の方は読まない事をお勧めします。)
4回目〜10回目のプレイ 戦闘で負けて目が覚めたら地下牢で身動きが取れないとか、隠し扉を見つけきれずに追いつめられるとかバッドエンドが続く。 パックス砦に入ってからは、盗賊的な能力が必要なシーンが多く感じてきたので、途中からは偵察技術点をやや多めのバランス設定にして遊ぶようになった。 だからといって戦闘もないわけではないので、戦闘力の減少は痛い。ゲームバランスが厳しめに感じる。
10回目〜20回目のプレイ(このあたりから回数はうろ覚え)
経験値を増やす作戦に切り替えた。 具体的には2回目や3回目のエンディングをわざと繰り返すのだ。これらのグッドエンディングに到達すると、経験値を1点を増やす指示が出る。
本書のルールによると「獲得した経験値は以降のプレイに持ち越せる」とあるので、以降は経験値の初期値が多い状態で遊ぶことができる。 本作における経験値は、ゲーム中に能力値を成長させる為に存在するものではなく、ここぞというシーンでサイコロを振る時、任意に経験値を消耗することでサイコロの目を増やせるという使い方をするもの。経験値は多ければ多い程ゲーム的に楽になる。 エンディングを10回も繰り返せば、経験値が10点プラスの状態でスタートできるのだ。 こう書くとルールを適当に省略するタイプのプレイヤーには信じられないほど無意味な手間と思われるかもしれない。でもゲームブックブーム当時は、読者投稿冊子のアドベンチャラーズイン上でも、ワルキューレの冒険のゲームブックでゲーム中に金策する方法とか、ドルアーガの塔(もちろんゲームブック)で雑魚を延々を攻撃して成長することの是非の意見が、真面目に投稿されていたのだ。 ファミコンゲームで言うなら、時間はかかるが1UPアイテムが無限に取れる箇所で残機を増やしてから、難易度の高い終盤を乗り切る作戦と同じです。今どきこんなことをしているのは、私以外ではゲームセンターCXの有野課長くらいかもしれないけど。
21・22回目のプレイ(もはや適当)
エルフの少女と合流するストーリー中盤以降は、ストーリーが脇道に逸れて打ち切りなんて展開はなくなった。そのかわり、少々違う選択肢を選んでも一つのルートに戻されるか、ゲームオーバーになる感じで、自由度はなくなってきたような気もする。遊んでいるときはそれほど気にならなかったけど。 話しが進むにつれて仲間が増えて行き、最終的にはケンダー(ホビットやグラスランナーみたいな種族だろうか?)の女と、見た目は18歳の魔法使いの美少女(でもエルフなのでパーティ最年長)と、再会した弟の4人パーティになる。シリアスなストーリーではあるけど、何気に女っ気は多いな。 ケンダーとエルフの女の意見が分かれて、最終的に主人公がどちらの意見を採用するか選ぶという選択肢が時々ある。この結果で片方の女の子の好感度があがるとかならギャルゲーだけど、進路を間違うと奈落の落とし穴に落ちる一発デットエンドになってしまった。やっぱりシビアな洋ゲーです。
23回目??のプレイ
元凶となった親玉を退治して、やっとこさクリア。 ただ、本書を紹介している別のサイトの情報で申し訳ないですが、原作の小説遵守の展開は、今回選択しなかった親玉を退治するまでにはいたらない最終パラグラフのエンディングの方らしいです。これもグッドエンドではあるけどね。 ドラゴンランスファンにとっては、あのとき滅ぼせなかった憎いアンチクショウを倒せるという、if展開も楽しめるという意味で良かったのかな。 ゲームブックとしては悪いわけじゃないけど、取り立てて特徴もない作品なので、やっぱり小説を読んでからの方が楽しめるかなという作品でした。
2015年01月25日(日) |
パックス砦の囚人(モーリス・サイモン/富士見文庫) その2 |
(ネタバレ注意。致命的なネタバレは避けてますが、プレイ予定の方は読まない事をお勧めします。)
1回目のプレイ
冒険が始まり村に到着した主人公は、生き残っていた年の離れた従妹の老婆に事情を聞くことができた。村は襲われてまだ間がないようだ。 老婆の話しによると、邪悪なドラゴニアンの軍隊が村に火を放って襲撃し、生き残った村人たちはみな連れ去られてしまったようだ。その中には主人公の弟もいた。 襲撃者たちを追いかけようとすると、老婆は単身で軍隊を追いかけても勝ち目はないと警告してくれる。 そこで違う方法をとる選択肢を選んでみると、老婆はエーベンというリーダーがエルフの村で抵抗軍を集結させつつあると助言してくれた。 主人公は焼き落ちた自分の村をもう一度振り返ると、森の中に飛び込み、エーベンを探すべく長く辛い旅を始めたのだった。
完
2回目のプレイ
老婆の静止を振り切って、主人公はドラゴニアンの襲撃者どもを馬で追いかけ、追いつくことに成功した。村人たちは檻に閉じ込められているらしい。 襲撃者らの野営中に村人の救出を試みるが、見つかってしまい逆に檻に放り込まれてしまう。 かくして村人と同じく、捕虜となった主人公はパックス砦の囚人として強制労働を始めることになった。 何日か脱出のチャンスをうかがっていたところ、酔っ払いのボブコブリンを利用するチャンスを得て、うまく砦から脱出することに成功。 単身ではどうにもできない現実を知った主人公は、協力者を求めてエルフの村を訪ねる決心をした。俺の戦いはこれからだ。
完
3回目のプレイ
老婆の静止を振り切って、襲撃者どもを馬で追いかけ追いつく。 今回は高い戦闘力にものを言わせて、怪物どもを蹴散らして村人を次々に救い出す。武器も入手した村人達は果敢に戦い、空を飛んで逃げ出した一匹以外は襲撃者どもを退治した。 親玉の正体はわからなかったが、村は救われたのだ。
完
こんな調子で続きます。 なんだろう?自由に行動できるのはいいけど、本書の意図しない方向にストーリーが進むと、すぐに打ち切り漫画みたいに話しが強制終了してしまう。バッドエンドではないんですが、尻切れトンボな感じ。
続く
2015年01月24日(土) |
パックス砦の囚人(モーリス・サイモン/富士見文庫) その1 |
富士見のAD&Dゲームブックシリーズの第一作目です。 ゲームブックの中ではこのシリーズは割とメジャーです。ブーム当時にはよく本屋に並んでいましたから、本作を知っている人もそこそこ多いのではないのでしょうか。 私も存在は知っていましたが、まだ遊んだことはなかったです。なぜなら本作は「ドラゴンランス戦記」というD&D小説と関連しており、登場人物も小説から幾人か登場しているようですが、小説を読んでから遊ぼうと思っていたからです。しかし、私にとって「ドラゴンランス戦記」は、ハードカバーやつばさ文庫で復刊する度に読もうと挑戦しては、毎回1巻途中で挫折しているという、二大挫折ファンタジー小説の一つになってしまっています。(もう一つはハリーポッター) このままでは永遠にプレイできそうもないので、今回は原作未読のまま遊んでみます。
ゲームルールは能力値の管理がやや多めですが、アイテムやフラグチェックの存在がないので、遊ぶのは簡単な方です。ただ、サイコロが必要なので電車で手軽には遊べません。 ルール説明にサイコロなしで遊ぶ方法という欄があったので読んでみると、「1〜6の数字を書いた札を作って箱に入れて引いて遊んでください」と、実に面倒くさい事が推奨してありました。本作発売後のゲームブックの歴史で、サイコロ代わりにページ端にサイコロの印刷を入れるようになったのは大発明だったと感じさせてくれます。
というわけで、早速プレイ開始。能力値はTVゲームでいうヒットポイントにあたる生命点と経験値があり、他には戦闘技術点(戦闘の強さに影響)、偵察技術点(隠密行動や隠し扉を探す等の盗賊の能力)、基礎体力点(走ったり、扉に体当たりする時などに使用)の3つがあります。最後の3つの能力は与えられた合計9点を好きに3つの能力値に割り振ってキャラクターの能力を確定させるルールです。 様子のわからない初回は、戦闘技術点を振れる最大値の7点にして挑戦することにしました。
冒険のプロローグは旅を終えて故郷に帰ってきた主人公が、自分の村が何者かに荒らされ、燃やされているところに遭遇して、呆然とするシーンから始まります。 後、どうでもいいですがタイトルの囚人は「しゅうじん」ではなく「とらわれびと」とルビが入っていました。今回読んで初めて知った30年目の真実。
続く
2015年01月20日(火) |
その後のタイタンふたたび(友野詳) |
(ここから先の内容はさらにネタバレです。リプレイ本を読む予定の人は読まないでください。)
AFFのリプレイ小説「タイタンふたたび」の続きの話しです。 文庫版は3番目の運命の森の冒険で完結していますが、ウォーロックの連載はゲームマスターを友野詳さんに交代してさらにリプレイ小説が続いていました。 あと文庫本一冊分の文量だし、最後まで文庫化してほしかったものです。今回はその幻となった部分の話しをしましょう。
さて、運命の森編でそこそこの財宝を手に入れたパーティは、しばらくポートブラックサンドで骨休みしていました。ここでミシャップ君の怪しげな投資話にパーティの全財産を注ぎ込んだ一行は、投資した貨物船が沈没してしまい、財産はパァ。再び放浪の旅を始めるのでした。というのがキャンペーン後半のプロローグです。 4番目の冒険は、その貨物船を引き上げしなくちゃ、ということで「深海の悪魔」と同じ海底の冒険。5番目は「恐怖の神殿」の舞台であるドクロ砂漠とヴァトスの都市、最後は全ての原点である「火吹山の魔法使い」の舞台であるザゴールの洞窟です。 全てのシナリオの敵役にルクレチアが絡んでいるのは、さすがにやり過ぎというか食傷気味でした。もはやタイムボカンのドロンジョ状態。せめて「深海の悪魔」編は、ルクレチアが無関係でもよかったのではないだろーか。 印象的なのはヴァトスの都市で、他の敵に捕まっているルクレチアを、これ幸いと散々いたぶってくるパーティメンバーですな。結局、双方の因縁をさらに深めただけでしたが、万が一ゲームマスターが、あそこで彼女が改心するシナリオを考えていたとしても、ぶち壊しでしたな。 ザゴールの洞窟では、ファンサービスなのかゲームブック版の(?)冒険者に遭遇します。彼は旧ファイティングファンタジーTRPGのルールで行動しているので、パーティのメンバーと会話がかみ合わないというメタ展開にニヤリ。 最後にはルクレチアとの因縁も決着がつき、“魔王子の影”なる強敵も退治して、キャンペーンゲームは一応の一件落着を迎えるけど、パーティメンバーはどこに通じているかわからない次元の亀裂に飛び込んだところで終了なので、その後の一行の運命がどうなったかわからずでモヤモヤするなぁ。 もしも、あのままキャンペーンゲームが続いていたら、パーティンメンバーがクール大陸や旧世界に飛ばされて新展開とかなっていそうです。ニューバーグやカーレでのシティアドベンチャーとか、八幡国でドタバタ時代劇風シナリオとか、ちょっと見てみたかったかな?
2015年01月19日(月) |
タイタンふたたび(山本弘/社会思想社) |
本書はゲームブックではなく、アドヴァンスド・ファイティングファンタジー(以下AFF)TRPGのリプレイ小説です。全一巻で、元々は雑誌ウォーロックに連載されていたものです。 リプレイ本というのは、なにかというと……説明が長くなるので知らない人は適当に検索して調べてください。ウィキペディアの「リプレイ (TRPG)」の項目とか。 作者の山本弘さんは、日本にリプレイ本というものをヒットさせた「盗賊たちの狂詩曲(ラプソディ)」(ソード・ワールドRPGリプレイ)のシリーズを書いた方。その方が本作がファイティングファンタジーシリーズ(以下FF)でお馴染みの世界タイタンを舞台にした冒険のリプレイ本を書いたとくるなら、ゲームブックファンとしては期待せざる得ないではないですか。 そう煽りたいところですが、この作品はネットでの評価が低いんですよね。 読んだのは結構前なのですが、そのときから低評価がわかっていたので期待せずに読んでいました。 読んだ感想としては、思っていたよりは面白かったし、自分的にありなんだけど、低評価な意見もわかる。グループSNEのリプレイということを考えれば当たり前なんですが、全体にギャグ調なんですよね。AFFのルール本に掲載されていた「ダンジョニア・アドベンチャー」みたいな格好良いシナリオを期待していると、間違いなく裏切られます。 「FF=硬派なファンタジー」と考えているファンなら、本書を黒歴史扱いしても不思議はないです。本家FFでも「天空要塞アーロック」が黒歴史扱いされているのと同じ理屈ですな。アーロックはT&Tソロシナリオなら丁度いいんですが。
どこから感想を書こうか迷いますが、とりあえずウィキペディア風に主な登場人物である6人のパーティメンバーについて紹介を書いていきます。この書き方が楽だし。 あと若干のネタバレがあるので、この先を読むかどうかは自己判断でお願いします。
・カル・ニールセン 人間の男。20歳。 弓攻撃が得意なレンジャー風キャラでちょっとは魔法も使える万能タイプ。冒険記録紙によるキャラ紹介で最初にでるキャラクターだけあって、主人公的なポジションだったと思われる。(過去形) 性格は一言で言うと普通。故郷から出て行った幼馴染の娘を探しているというプレイヤー設定があり、実際に冒険の途中にその娘は登場しますが、ゲームマスターの山本弘さんがあまりこの設定にのる気がなかったのか、適当に処理されてしまい、プレイヤー的にもなんだか可愛そうな扱いに。ここが主役になりきれなかった分岐点かなぁ。
・ミシャップ 男の森エルフで行商人(パーティ内の役割は魔法使い)。125歳。 卑怯者キャラという設定ですが、こいつは絶体絶命のピンチで、本当に敵方に寝返って仲間を邪魔したという、良い意味でひどいキャラ。 敵が逃げたとたん、仲間を振り返って服の乱れを直し、「やあ、友だちじゃないか」には笑った。
・ティンラーン 人間の女で傭兵。19歳。 原技術点12と高い戦闘スキルにものを言わせた戦闘の主力キャラ。 作成したばかりのキャラでドラゴンにも勝てるくらい強いというのは、AFFならではです。設定は勝気な性格ということで姉御肌タイプかと思ったら、単にわがまま娘でした。 それにしても、気のせいかグループSNEのリプレイは、女の方が強いパーティが多いなぁ。
・シニア 人間の女。22歳。 カルと違って本職のレンジャー兼吟遊詩人。ちゃんとパーティに献上しているのに目立たない人。女同士ということでティンラーンと一緒に行動することが多いかな。
・ランスター 人間の男。23歳。 なぜか黒人というリプレイ小説では珍しい設定。パーティーが行動に迷うと、おもむろにウサギの骨を投げて骨占いをするという怪しい行動を始める。(ちなみに骨占いはルールにありません。実際はサイコロを一個振るだけのコイントスみたいなもの) この骨占いが意外と当たるので、最初は気持ち悪いとか言っていた他のメンバーも、後半になると「骨占いの結果ならしょうがない」という程信用してしまっているのが面白い。戦闘もストーリー的に美味しいところでクリティカルヒットで強敵を倒してしまうなど、キャンペーンが後半になるにつれ活躍するようになり、最終的に実質主役となった奴。
・バーク ドワーフの戦士。男で130歳。 典型的なドワーフとの性格設定だけど、実際のプレイでは変装のためとはいえあっさり髭をそってさっぱりした顔になってしまうこだわりのなさは、ドワーフというよりただのおっさんな感じ。 ドワーフらしくエルフ嫌いだから、ミシャップを嫌っているとの事だが、パーティメンバー全員がミシャップ嫌いだから特徴になってない。(笑)
全体的に地味なメンバーが多いパーティでして、目立つのはミシャップとランスターくらいかな。AFFは戦闘で個性を出しにくいので、プレイヤーの行動で個性を表現する必要がありますね。 リプレイの舞台はアランシア大陸。最初の依頼は、ある女の頼みでバルサスダイヤ亡き後のバルサスの要塞に潜入してほしいというもの。 ゲームブック版でお馴染みのつむじ風女とかガンジーとかのキャラ、いや妖怪が沢山登場するのは懐かしい。 ゲームマスターはもちろんのこと、プレイヤーもゲームブックをプレイ済の人ばかりみたいで、プレイしながら前世の記録が湧いてきただの言いつつ、ゲームブックと同じ罠に引っかかったりしてます。プレイ当時もすでにゲームブックブームがほぼ終わっている時期だったせいか、みなさんほどよく記憶が薄れているようです。 最後は窓のカーテンが剥がされていて、傍になにかの白骨が転がっている部屋(笑)で、ボスと対決するわけですが、このボスの存在と扱いが許せるかが、良くも悪くもこのリプレイの評価が分かれる基準だろうねぇ。 この後の展開ですが、2番目の冒険はポートブラックサンド(盗賊都市)、3番目にして最後の冒険はダークウッドの森(運命の森)と、ゲームブックの冒険の舞台ばかりを再訪問するようなシナリオばかりです。登場するNPCも主要人物はゲームブックで登場した人ばかり。 ダークウッドの森にミニマイトが生息しているとか、100%ゲームブックと同じ設定ではないですが、個人的にはこのリプレイの舞台はゲームブックに縛られ過ぎてやや窮屈な印象を受けました。ゲームブックの事を思い出しながら読めるのは悪くないけど、時々はオリジナルの都市とか人とか、ゲームブックにないものを使って、新しい空気を感じさせてほしかったところです。
それから、AFFは結構アバウトなゲームデザインらしく、ここはどうするの?とプレイ中にみんなが迷ってしまい、ゲームマスターが即興で判断することも多いです。金貨一枚の価値とか、ゲームブックでは各自バラバラですから、経済なんかメチャクチャになりそう。(このリプレイでも魔術師ヤズトロモの塔で買い物なんかしていますが、ゲームブックと同じということで魔法の品が金貨2・3枚で買えるから格安です。実際、ここで買った万能薬を、後でミシャップが街で転売していました。ドサクサに普通の薬草まで高値で売りさばく小悪党ぶりがいいですね。) 特にゲームデザインの根本をなす経験値のルールが、ルール通りではいまいち機能していないと判断され、リプレイ中に変更されてしまうのは大味すぎる。 ただ前向きに言えば、遊ぶ人が手軽にルールをいじりやすい、このゆるさがAFFの魅力とは思います。 シンプルイズベストという意味では、アドヴァンスドのついていないFFのTRPG(2002年12月25日の冒険記録日誌を参照)の方がさらに上とは思いますが、最近のTRPGに比べればルールは簡単だし、ちょっと人が集まったらすぐにルールを覚えて遊ぶことができるという意味では、忙しい現代こそ向いているTRPGかもしれないですね。 あんまり目くじらを立てずに、気楽に読む分には良いリプレイ本だと思いますよ。
2015年01月18日(日) |
リンクの冒険─暗黒トライフォース伝承─(井上尚美/JICC出版局) |
タイトルでわかるとおり、ファミコンゲームを原作にしたゲームブックです。パラグラフ数は200もありません。 見た感じ攻略本みたいなデザインなうえ、表紙には「ファミコン必勝本」とまで銘打たれている非常に紛らわしい装丁をしていまして、当時は間違って買ってしまった小学生が絶対いただろうなぁと思わせてくれます。 原作の「リンクの冒険」はプレイしたことはありませんが、ゼルダの伝説と同じ世界観のアクションゲームだそうです。 ゲームブックの主人公は原作と同じくリンクです。ハイラルの危機を救うため、魔法ガノンを倒しに行くという、これ以上ない程に王道なストーリーで、ルール面も単純な分岐小説タイプです。
本作の特徴は魔法システムです。リンクは魔法が使えることになっており、必要な状況になると、どの魔法を使うか選択肢から選ぶのですが、その魔法の名前が「みたす」「とかす」「かえす」「はなす」「おもいだす」など動詞なのです。妖精の説明では“言葉に魔法をかける”との事ですが、各魔法の効果はその状況によって違ってきます。 例えば「はなす」魔法は、無口な少女に対して使えば心の内を語ってくれる(話す)効果かもしれませんし、敵に対しては掴まれた腕を振りほどく(離す)のに役に立つのかもしれません。「みたす」魔法を使えば、薄れゆく日の光が再びあふれるかもしれないですし、水牢の中ならたちまち水がみちて溺れ死んでしまうかもしれないというわけです。 つまり魔法の選択シーンでは、リンクが助かるような展開になる単語を選ぶことができるかという、ちょっとした言葉遊びのようなパズル性があるのです。 基本的に小学生向けに作られた作品なので、クリアは難しくありません。ゲームオーバーは存在しますが、魔法以外の選択肢は、無難な行動を選んでいけばそんなに詰まることはないでしょう。とはいえ、ゲームオーバーにつながる選択肢で、自分的に2か所ほど判断に迷う箇所があり、実際のプレイでは一度だけゲームオーバーになりましたけどね。 小説的には地の文章は悪くないものの無難な出来で地味な印象ですし、ゲームブックとしても大まかなルートが一本しかないのは不満ですが、魔法システムのおかげで面白さは保てたのじゃないかなと思います。
それにしても本作の魔法システムが、単発の使い捨てアイデアとはいささか勿体ない気もします。作りかた次第ではもっと面白く発展させられそうです。 ここはネオゲーム文庫のゲームブックあたりが、このシステムを使って新作を作ってみてくれるといいですね。キャット&チョコレート方式(6つくらいの単語から2つ選んでパラグラフ移動する方式)ばかりじゃ飽きてしまいますし。他には同人製作でもありだと思います。ゲームブック作家の皆様方、一つどうですか。
2015年01月17日(土) |
運命の道(オー・ヘンリー) |
いやー、週に1回に更新をすると目標を立てて、いきなり破ってしまった。 でも、先週は日記のネタにと、去年発売されていた新作ゲームブックをちゃんとやっていたんです。 パズルと融合している、どちらかといえば私の苦手なタイプのゲームブックでしたが、これはさらに自己啓発本っぽい要素を入れているせいか、小説面が抽象的でつまんなかったです。日記に取り上げるのは没にします。
そんなわけで今回代わりにネタにするのが「運命の道」という小説です。 「あの最後の葉っぱが落ちたら私は死ぬの……」で有名な「最後の一葉」を始めとする沢山の短編小説を書いたオー・ヘンリー。そんな古典ともいえる大御所作家が、ゲームブック風の小説も書いていたという情報をネットで見かけたので、さっそく収録されていた短編集を読んでみたのですが。 うーん。残念ながらこれはゲームブックじゃないです。 ストーリー的にはフランスの田舎に住む羊飼い(&自称詩人)の男が、恋人と喧嘩して家を飛び出し、田舎を出る街道の3つの道のどれを選んだかで運命が分岐してしまうという短編小説です。 これをゲームブック的に考えると、わずか4パラグラフの作品なのです。それより問題なのは、道が分岐するときに主人公が選択に迷うシーンが描写されていないこと。 ゲームブックの定義自体は曖昧なものではありますが、これをゲームブックと呼ぶなら、パラレルワールドネタのSF(例えば、涼宮ハルヒシリーズの“分裂”や“驚愕”とか)や、結末が複数ある実験的小説(マイナー作品ですが“羊飼いの指輪”とか)など、ifの展開がある小説は全てゲームブックになってしまいます。 それでも冒険記録日記のネタに取り上げたのは、小説としては面白かったから。さすが有名作家だけあって文章は旨いですが、それよりもオー・ヘンリーらしからぬ内容が逆に印象に残った感じです。
(オチが重要という作品ではないのですが、ここから先は一応ネタバレを含む感想なので注意してください。)
まず、オー・ヘンリーの作品というのは、私の好きな「二十年後」など、時々はビターな結末の作品もあるものの、基本的にほのぼのというか牧歌的といいますか、大抵はハッピーエンドな作品ばかりです。 しかし、この「運命の道」は結末が3つもあるのにどの道を選んでも、撃ち殺されるだのピストル自殺をするだの、主人公がロクな死に方をしないという、救いがまるでない作品なのです。 どの道を選んでも助かる見込みはあったはずなのに、ヘタクソな詩に夢中になって現実がみえていない愚かな男という、ドンキーホーテみたいな主人公の性格が自ら破滅を招いてしまうという展開ばかり。 違う状況を3つも用意しておきながら、全てこんな結末になっているのは、なんでしょう?結局、失敗する人はどんな状況になっても、自分に問題がある限り失敗するという暗示ですかね。 チャンスに恵まれないとか、世の中の不景気とかのせいにして自己弁護する人には耳が痛い小説かもしれません。 反面、どんな状況でもやり方次第ではうまく成功するチャンスはあるともいえます。 「運命の道」で、決闘する展開では行動次第では社会で成り上がるビッグチャンスに巡り合っていたともいえるし、ピストル自殺する展開は心構え次第で幸福に過ごすこともできた。革命に巻き込まれる展開では成功に結び付けるのは難しいかもしれませんが、少なくても主人公が普通にすごしていれば革命に巻き込まれる事もなく無事にヘボな詩を書き続けられていた事でしょう。 主人公に詩の才能がなかったのも不幸でしたね。熱中することは悪いことではないけど、現実も見ようという教訓にも思えます。詩の才能はないから諦めて仕事しろと言う内容を、主人公に告げる時の牧師さんの実に婉曲な言い回しが妙に印象的。 主人公を現代人に例えると、売れない芸人や商業デビューできない漫画家みたいな感じなのかな。主人公のモデルは作家の道を歩み始めた当時のオー・ヘンリー自身とする説もあるようですが、本当のところはどうなんでしょうかね。
2015年01月04日(日) |
タイムバブルからの脱出(影山貴市/朝日ソノラマ) |
ここ数年最も探していたゲームブックの一冊ですが、このたび個人の方からお借りすることができたので、プレイができました。所有者の方に感謝感謝です。 ストーリー的な内容は一言でいうと、不思議な世界に放り込まれた主人公が元の世界へ脱出するゲームです。 この不思議な世界とは、タイムバブルと呼ばれていて、簡単にいうと小さな沢山の世界がブドウの房や泡のようにつながっている空間です。一つ一つの世界は、モヘンジョダロやローマ帝国など地球の過去の姿だったり、アトランティスみたいな伝説のような世界、住民が様々な闘技を繰り返す奇妙な世界など、バラバラです。 この世界を作り出したのは、人類より高度な力を持つタイムビーイングという種族で、このタイムバブルに地球からさらわれてきた主人公、北条麟という高校生男子が放り込まれてしまいます。 プロローグと序盤の説明で、タイムビーイングたちが彼がこの世界から無事脱出できるのか賭けの対象にしているとわかるのですが、上から目線の存在に仕掛けられたゲームに参加させられるのは嫌な感じがしますね。ただ、直接は書かれていないものの、主人公は地球で地震に巻き込まれて死ぬ直前にタイムバブルにつれてこられたようなので、ある意味タイムビーイングたちは命の恩人でもあるようです。
ゲームブックのシステム面の話しもしますと、能力値などやアイテムのルールは一切なく、パワーグローブというアイテムの所有数を管理するだけですので、サクサク遊べます。 なお、パワーグローブとは小粒な物体で、元の世界に戻るために必要なエネルギーであり、脱出のためには最後に持っている数が多ければ多い程良いと言うもの。この世界では貴重品らしく宿賃の支払いなどにも使えるという貨幣としての価値もあるようです。 プロローグで主人公の脱出する成功率は25%だろうと、タイムビーイング達が評価していましたが、それに反してゲームの難易度は低いようです。今、振り返ると初回のプレイは割と損をする選択肢ばかり選んでいたようなのですが、それでも初回プレイでギリギリ脱出(クリア)できてしまいました。 ランダム要素がないこともあり、一度解決法がわかってしまうと、最低限のパワーグローブ数でクリアできるようになるのでさらに簡単です。パワーグローブ不足でゲームオーバーということは、あまりないのではないでしょうか。
このようにゲームバランス的には易しすぎる面もある本作ですが、読み物的には奇妙な世界を次々にめぐっていく展開がとても面白く、ジュヴナイル的なSF世界を堪能できて、とても完成度が高いです。 ゲーム開始まもなく、エリという女子高生くらいの謎の女の子が現れ一緒に同行してくれるのですが、ジュヴナイルといえば少年少女ペアでの冒険はお約束ですね。 また、タイムバブルの小さな世界というのはどんな世界かというと、例えばある世界では住民の脳内データはすべて電子化されてコンピュータの中だけで生きているとか、サムライ達が蛮族と戦っている世界とか、金銀財宝に価値がないのに海賊船が暴れる海洋地帯だとかそんな奇妙な世界ばかりです。 私のお気に入りは、スポーツの盛んな世界。主人公が高額報酬につられてサッカーのゴールキーパー役へのスカウトに応じたら、実はこの世界のサッカーは、刃物付きボールで狙い打って相手ゴールキーパーが死亡したら得点というルール。試合が始まり、先に出場した別のゴールキーパーは目の前でクビチョンパとなり、主人公は顔真っ青、エリちゃんは黄色い歓声をあげて主人公をのん気に応援という、いい感じに狂った世界観がステキです。 次に向かう奇妙な世界への扉は2〜5の選択肢の中から選べ、後戻りはできないので、一度クリアしてもまだ行ってない別の世界を試すために2度目に挑戦したくなります。
それから、ヒロインのエリちゃんはかなり謎な人物です。 女子高生くらいの外見と、愛想のよい性格とは裏腹に、行動はかなりしたたかで、主人公より要領よく立ち回って、パワーグローブを稼いでくれることもあります。主人公がエリちゃんの奴隷になって一緒にホテルに泊まるという、どうしてこうなった?な展開では、エリちゃんが迫ってきて、ジュヴナイルじゃアウトなことまでしています。彼女を怒らせたときの展開は、冗談でなく恐ろしいことになり、主人公とキスをするシーンにいたっては主人公に「初恋の味どころか成熟の極みだった」と言わしめるほどで、底が知れません。 主人公の仲間にはもう一人?指導ロボットのディーという案内役がいますが、エリちゃんに比べると、どうでもよくなりますね。一応、ディーはディーファイブとディーセブンの2タイプあって序盤でどちらかを選ぶことになりますが、お好みで選んで問題なし。タイプによって助言の内容が違い、世界を移動するときに、初めて行く世界の情報を知りたいときは参考になります。私はディーセブンの方が好みかな。
ラストは結構あっさりした感じで、物足りなさというか寂しさがありました。もしかすると真の隠しエンディングでもあるのかと探し回ったほどですがないようです。ちょっと残念。 しかし、久しぶりに大ヒットなゲームブックでした。読み終ったけど数年後とか、たまに読み返したいので、今後とも入手できる機会があるようなら是非入手したいと思う作品です。
2015年01月03日(土) |
新春!サソリ沼の迷路(スティーブ・ジャクソン/社会思想社) その3 |
(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないでください)
その後は戦士の死体から金のペンダントを入手、沼オークとの戦いに勝ったあたりで、すでに体力は1ケタの黄信号。 息も絶え絶えに北へと這い進む。 このあたりにいる森の番人と庭園のあるじは、プームチャッカーの依頼と絡まない。安全なのはいいが少々寂しい。 他に巨人とは仲良くなったりしたが、流砂地帯やヘドロの化け物でじわじわと体力を削られる。 目的地のウィロウベンドに近づくころには、残り体力点4の赤信号。 ウィロウベンド手前で出会う山賊の一味とは、山賊の頭と決闘をする展開でも良かったが、せっかくなので持っている“友情の術”を使用して、山賊たちと仲良くなり無事通過する。 ウィロウベンドに到着して、ここで折り返しだ。
ウィロウベンドの宿で一泊してわずかに体力を回復した後は、街にあるハリーの魔法ショップを訪ねる。ここは中立の魔法石を売っているのだ。体力増強の術を補充しないと帰りの道中はとても持ちそうにない。他の術も使って、もう残りは開運の魔法石1個しか持ってないのよ。 魔法石は主人公の所持金では買えないくらい高価なので、価値あるものと物々交換という事になっている。交換に使えるものは、狼の護符、ユニコーンの角、金のネックレスの3つ。ここでユニコーンの角と金のペンダントを体力増強の魔法石2個に交換した。すぐに1つ使って体力を回復させる。 ゲーム的には、冒険中に役に立たない狼の護符も、体力増強の魔法石と交換すると安定してクリアできる。それでも交換しなかったのは悪の依頼人のシナリオでは、グリムズブレイドがあれほど高額の報酬と引き換えに欲しがっていた魔法の護符を、たった魔法石1つと交換とか買い叩きすぎだろハリーさんよ、って気持ちが湧いてしまったからです 冒険が終わったら脳内エピローグでもっと高く売りとばそう。
帰り道は、そんなに問題なく進んだ。 鷲の巣のあるところで金の鎖を入手。帰り道に出会ったクモのあるじは、やはり悪即斬!運試し4点ダメージでザクザク斬り捨てる。クモの護符入手。 ここで全ての魔法石を使い果たしたが、まだ体力に余裕があるので、ゴール目前でちょっと寄り道して、沼怪獣を倒して額にはめてあったスミレ石をはぎ取って入手。こんなに美味しい沼怪獣が、乱獲でたちまち絶滅危惧種にならないか心配になるね。 こうして無事にたどり着いた私は、プームチャッカーに地図を見せ、無事に冒険を達成したのでした。
(今回の報酬一覧) ・プームチャッカーのウィロウベンドとの交易による利権の一部(金貨数百枚相当。地図があっても交易がうまくいくとは限らないが) ・プームチャッカーから特別報酬の宝石(くれた魔法石の数も渋かったプームチャッカーの事だから案外安物かも……) ・狼とクモの護符(価値は売り方次第。グリムズブレイドなら金貨1000枚出すだろうし) ・スミレ石(きらめくでかい宝石。これが善の依頼だと、まともな財宝と呼べる報酬はこれくらいしかないような気がする) ・金の鎖(大きさ的に金貨10数枚程度の価値かな?)
2015年01月02日(金) |
新春!サソリ沼の迷路(スティーブ・ジャクソン/社会思想社) その2 |
(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないでください)
地図を作るという依頼ではありますが、中の人(プレイヤー、つまり山口プリン)は今まで散々遊んでいたので、もうマッピングしなくてもおおまかな地図は脳内に入っているので、マッピング作業は省略。 サソリ沼に入ったら、まず沼の入り口付近にいる狼のあるじに喧嘩を売って、狼の護符を入手。 プームチャッカーの依頼には狼の護符は不要なので、むやみに好戦的にならなくても良いとは思うが、今回は体力に余裕があるうちに価値のあるものが欲しい気分だったもので。 剣の木の林を戦いながら抜け、その先にいる傷を負ったユニコーンも倒して、ユニコーンの角を入手。ここで運試しにも成功して、魔法石2個を入手(友情の術と開運の術)。しまったな、ここで開運の術が入手できるなら体力増強の術を3つにしてもよかったかもしれない。ここまでで体力増強の術1回消費。連戦を考えればさほど傷を負わずにすんだ方だろうけど、ちょっと調子に乗りすぎたかな。 しばらく行くと泥棒のいる空き地に到着した。 泥棒は1回目のリプレイでも身ぐるみを剥がされた他、戦闘ではどうも山口プリンと相性が悪いので苦手なのだ。しかし、ヘタに戦闘を避けるとかえって酷い目にあうので、一気に攻撃を仕掛ける。サソリ沼の世界は悪即斬!が基本です。優しい鳥のあるじだって、邪悪なクモのあるじについて「さっさと殺してしまいなさい」と助言するくらいですからね。 苦手意識が出たのか、勝つには勝ったものの、サイコロの目が振るわず大苦戦。戦闘での運試しも利用したのに。体力ほぼ満タン状態から残り体力点5になったので、体力増強の術をここで使い果たす。 ついでに開運の術も1回消費して回復。今後は豊富な運点を盾に戦闘を乗り切るしかない。
続く
2015年01月01日(木) |
新春!サソリ沼の迷路(スティーブ・ジャクソン/社会思想社) その1 |
おけましておめでとうございます。今年もゲームブックにまみれた一年になりますように。 今年の初夢もゲームブックネタになるかなーと思ったのですが、「ビブリア古書堂の事件手帖」と近藤史恵の「サクリファイス」を足して二で割ったようなミステリー風の夢でした。語り部である主人公の僕が死亡していたというところで目が覚めました。夢らしく自由すぎる展開です。
さて、ゲームブックに関する今年の目標は、冒険記録日誌を最低週一回は更新!としておきます。更新していれば自然にネタとなるゲームブックのプレイ回数も増えてくるので一石二鳥の目標です。 ここ数年ごぶさただったリプレイ日記とかも書きたいですね。 というわけで、新年最初の日記は「サソリ沼の迷路」のリプレイです。 すでに冒険記録日誌に2度もリプレイを書いているのに(2004年4月と2005年5月の冒険記録日誌参照)、なぜまたネタにするかというと、この作品が好きだからです。文句あるか。 ファイティングファンタジーシリーズの多くが、国や世界の危機を救うような大仰な話しなのに、「サソリ沼の迷路」はTRPG的な冒険の1エピソードにしか過ぎないスケール感が逆に新鮮。洋ゲーにありがちな死んで覚えろ的な理不尽さがまったくなく、双方向システムで簡易で楽しいマッピング作業、冒険の目的は3種類魔法あるうえ選択とルートの選択の幅が広く繰り返しプレイにも耐えられる、低い能力値でもクリア可能なゲームバランスと私的にはベストな作品なのです。 まあ、正月だし、マイナーゲームブックばかりじゃなくて、たまには初心に戻る意味もあります。
前置きはここまで。さっそく能力値をサイコロを振って決めましょう。
原技術点 10 原体力点 23 原運点 12
なかなかバランスがいいじゃないでしょうか。 このゲームブックは善、中立、悪という3人の依頼人がいて、冒険の目的を選べるシステムです。前2回のリプレイが善と悪でクリアしていますから、今回は中立のプームチャッカーから依頼を受けることにします。 彼の依頼は、サソリ沼を抜けて北にあるウィロウベンドという町へ至る地図を作って欲しいというもの。要するにウィロウベンドまで行って戻ればいいのです。 中立のプームチャッカーからは、中立の魔法を使える魔法石(1回使い捨て)を5つもらえるので、技術回復の術1回、体力増強の術2回、開運の術2回を選択しました。能力値の原点が高いと、回復系の術の効果が高い(原点の半分回復、端数切上)ので使いがいがあるね。
でも体力増強3回、開運1回の方がよかったかなーと若干思いつつ、続く。
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