冒険記録日誌
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2012年04月15日(日) |
スーパーマリオ ヨッシーアイランド(エムズカンパニー/ファミ通ゲーム文庫) |
スーパーファミコンで発売されたマリオシリーズのゲームブックです。 出版は1996年。ファミ通ゲーム文庫のレーベル自体がそうなのですが、ゲームブックブームが完全に廃れてからひょっこり発売された感じです。 作者はエムズカンパニーと団体表記ですが、巻末をみれば執筆者は双葉文庫でマリオシリーズ4作を含め、沢山のゲームブックを書いていた池田美佐さん。 つまり双葉ゲームブックのマリオシリーズの実質的続編みたいなものという考え方もできるわけで、もし出版当時に私がこの本を店頭で発見していたら、ちょっと懐かしさで感動したかもしれません。 そんなわけで味わい深い気持ちで遊んでみたわけですが、シュールだな。こりゃ。 赤ん坊のマリオを拾ったヨッシー達が、両親のもとへマリオを送り届けてあげるというストーリーがそのままなのはいいですが、落ちているアイテムを拾ったら、ヨッシーが唐突にヘリコプターに変身して空を飛んでいくとか、ボスを倒せばステージクリアということで、急に極寒の地形に移動するとか、アクションゲームだから許されるような仕掛けをそのまんまストーリーに使っているので、原作を遊んでいないと意味不明な展開が多いです。
ゲームシステムの特徴では、黄色ヨッシーとか紫色ヨッシーとか、マリオをつれていくヨッシーは選択していくことができ、それぞれジャンプが高いとか、ヒップアタックが強力とか、勘が鋭いとか長所があるので、状況とヨッシーの能力が合う箇所では楽に進めることができます。 ただ、双葉ゲームブックよりも低年齢向けを意識した書いているのか、ゲーム自体はルールも含めてすごく簡単なので、どのヨッシーを選ぼうが大概の人は簡単にクリアできるゲームバランスです。 ヨッシーはゲーム中盤で一回だけ、他のヨッシーと交代しますが、個人的には、これがこの作品の一番の問題点です。なぜなら最初から、ある一匹のヨッシーの視点で冒険が進んでいるのに、途中でそのヨッシーが舞台から去って、新しい別のヨッシーの視点に変わるので、感情移入しにくいのですよ。 どうせ交代するなら、こんな中途半端なことではなく、数匹のヨッシーを状況に応じて、次々に切り替えて使い分けさせるようなゲームシステムにしてほしかったです。
そんなわけで、ストーリーもシステムも物足りなさが残る作品です。 ただ、各ステージにはスペシャルコインという隠しアイテムが隠されていて、全部見つけ出さないと、真のエンディングに到達できないようになっているのが、工夫してある部分といえるかな。 ただし、選択肢では正しいルートが判別できないステージがいくつかあるので、初回プレイでスペシャルコインのコンプリートは困難でしょう。 私的には不気味なクッパの存在だけを感じさせるノーマルエンドの方が好きかも。マリオの両親に無事マリオを送り届ける任務自体は完了できてるしね。
2012年04月01日(日) |
百年眠りの冬(大杉水京/東宝出版事業室) |
かなりマイナーなゲームブックです。 ゴジランドゲームブックというレーベルの第一作目ですが、このレーベル自体ゲームブックファンでもコレクターくらいしか存在を知らないのではないでしょうか?(ちなみに第二弾の「ショコラ色の恋」は、2002年10月30日の冒険記録日誌で紹介済) しかし、元々マイナーなゲームブックの世界で、評判の良い最近のゲームブックなどには手をつけずに、こんな本を選んで遊んでいる私のような人種もマイナーレベルではいい勝負かもしれませんね。
さて、内容です。 1ページ1パラグラフの漫画形式のゲームブックで、全150パラグラフ。ルールもなく純粋な分岐小説として楽しみます。 主人公はナックルという一匹狼の盗賊で、依頼人に会うため某国にやってきたところからゲームは始まります。酒場にやってきた衛兵を蹴散らして、出会った依頼人はなんとこの国の大臣。彼は、この国を脅かす“百年眠りの冬”という強大な化け物に、国王の命令により生贄にされようとしている王子を、誘拐して救ってほしいというもの。 漫画の雰囲気は劇画調で、一応中世ヨーロッパ風ファンタジーを舞台にしたであろうとは思うのですが、無国籍感があちらこちらに漂っています。 中世風に剣と兜で武装した衛兵が襲ってくるのを、裸に皮ジャンを着たワイルドな格好の主人公がパンチとキックで倒す。アメコミの登場人物みたいな姿で、空を飛んだり、姿を消す奴もいたり、城はどこぞの古代遺跡のようなデザイン。主人公とクサレ縁の信用できない美女も、飛び入りで登場という感じ。 北斗の拳やコブラ、ルパン三世といったあたりの影響を受けているのかなといった印象を受けました。 数か所の迷路ゲーム以外に謎解き要素はありません。正体を隠して演技で命乞いしたら剣で刺されたりと、選択肢により死ぬときはあっさり死ぬので、何度かゲームオーバーになるかもしれませんが、それでも30分もあればクリアできるボリュームです。 あと、”百年眠りの冬”の正体は結局なんだったんだろ?ドラゴンなのか精霊なのか。対決シーンを読んでも、派手だけど抽象的だったからちょっとわからなかったな。
以上ですが、今となってはどうみてもコレクター向けの本なので、無理をして入手を勧めるような内容ではありません。 しかし、以前にネット古書店で25,000円の買取価格が本書についていて、仰天した覚えがあるので、古本屋でみかけたらとりあえず確保しておくとお得かもしれませんよ。
[追記] 平成25年12月のヤフオクに本書が出品されていましたが、なんと落札価格が44,500円でした。みかけたら即入手すべし!です。
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