冒険記録日誌
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2006年03月17日(金) たけたろうの冒険 ──FF番外・王子の対決編 その12──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 扉の先は漆でも流したかのような、真っ暗闇だった。
 闇の中でかすかな気配がする、意識を集中すると、巨大な悪魔が宙に浮かんでいるのがわかった。
 染みだらけで腐りかけた体は無数の触手に覆われていいて、無関心な表情で私をじっと見つめていた。
 さっきの夢魔とは比べ物にならない存在感!私は旅が終わりに近づいているのを悟った。悪魔からしゅうしゅうと声が流れてきた。
「王家の血をひく者よ。三つの地獄の穴はいくつある?」
 なんのこと?この旅で数字なんて、1と8と刻まれた指輪くらいしか…。
 そのとき私は「地獄」と刻まれた指輪のことも思い出した。
 間違いない。18か81が答えだわ。でもどちらが正解なのだろう?
 文字通りに一か八かで、もらった指輪の順に答えてみた。
「そのとおり」
 悪魔はしゅうしゅうと答え私を、数本の触手でつまみあげて3つの宝石の前に運んでくれた。
「おまえが国を治めるつもりなら、宝石を選ぶがいい」
 私は悩んだ。目的の宝石は青い宝石のはずなのに、3つとも違う色だから。
 しかし、宝石を照らす照明に色がついていることに気がついた私は、覚悟を決めてその一つに手を伸ばした。

「女王ともみ。聖なる宝石は汝を跡継ぎとして選んだ。さあ、祖国へ戻れ」
 悪魔が私を扉まで戻して、そう呼びかけた。
 やったわ!
 私はホールに戻りながら、きらめく青い宝石を誇らしげに見つめた。
 こうして私は見事に使命を達成し、冒険は終わったのでした。
 


2006年03月16日(木) たけたろうの冒険 ──FF番外・王子の対決編 その11──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 余計な好奇心をおこさずに黙々と旅を続けていくと、オークムート島のすぐ近くの地までたどりついた。
 私はオークムート島が、大陸と一本の細く古びたつり橋で結ばれている光景を目の前に見た。島の上には、塔がそびえていて、その前を3つ首のヒドラがとぐろを巻いているのが見える。
 おそるおそる私はつり橋を渡ったが、つり橋はなんとか耐え切った。ふぅ、きっと2人分の体重なら支えきれなかったと思うわ。
 幸いにもヒドラは寝ているようだったので、忍び足で塔の入り口に近づく。

ゴーン…ゴーン…

 突然、鐘の音が響いてヒドラが目を覚ました。3つ首が私の方をにらみつける。
「おれは島の番人だ。お前を通すわけにはいかん」
 ど、どうしましょう。戦うにはやばすぎる感じだわ。
「ねぇ、ヒドラさん。短気はやめて。私を通してくれたら欲しいものはなんでもあげるから」
 必死に作り笑いをして、ヒドラに話しかけるとヒドラはじっと考えこんだ。(運試し……吉)
「いいだろう。ただし、杖以外の持ち物は全ていただこうか」
 ゲゲッ。ここで指輪を渡すのはまずいわ。でも戦って勝てそうな相手でもないし…。
 悩んだすえ、私は取引に応じた。ヒドラは隅ににじり寄って道を開けてくれる。

 塔の中の通路を進むと、円形の大きな部屋に出た。コボルトの大群がキイキイ泣き声をあげながら騒いでいる。
 うわぁ、戦える数じゃないわね。
 コボルトはここを通りたければ、貢物を差し出せを言ってきた。もちろんそんな品物はない。
「かわりにこの呪文をプレゼントするわ!」
 転倒の術(魔法点3を消耗)を唱えると部屋の上下が逆さまになって、コボルトたちはひっくりかえってしまう。部屋は崩れ、床はデコボコに隆起して、コボルトたちが大混乱を起こしている間に次の間に進んだ。

 通路は曲がりくねって長く長く地下へと続いていた。(ここでパワーストーンを拾って、体力点を1点回復)
 やがて、祭壇の設置してる広場にやってきた。私は用心しながら祭壇に近づく。
 キャア!!
 突然、黒く巨大な影が出現すると鋭い爪のついた手で、私の腰をつかんで持ち上げた。夢魔だわ!
 そいつは地獄の炎を背中から噴出させながら、私の顔を覗き込んだ。
「おまえは王になるつもりらしいが、おまえごときにどんな王になれるというのだ?」
 夢魔は身動きのできない私を、しわがれ声であざけった。
「ええ、立派な女王になってみせるわ。考えてみてよ。あの心配性のたけたろう兄貴が王になったら、それこそ国が滅んじゃうわ」
「お前の兄は死んだ」
 予想外(?)の夢魔の言葉が、私をうちのめした。
「嘘よ」
「嘘ではない。今頃は地下深くの洞窟で、氷漬けになっているところだ」
「嘘よ!氷漬けになるのはあなたなんだから!」
 凍結の術(魔法点3消耗)を唱えると、即座に視界が白くなり洞窟が冷気に振動する。
 視界が元通りになったとき、夢魔は黒い彫像となって結晶化していた。
 身をよじって体を自由にすると、床にへたり込む。
「本当に死んだのかしら…。兄貴はドジなんだから」
 立ち上がろうとしたけど、また視界が曇っている。いつの間にか涙がでたらしい。
 顔を拭いて気をしずめると、2つの扉のうち片方を選んで先に進む。

続く


2006年03月15日(水) たけたろうの冒険 ──FF番外・王子の対決編 その10──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 カラムダー港で、オークムート行きの商船に乗り込んだ私は、しばらくの船旅で休息した。
 船に乗って6日目に、海賊船に襲われる。臆病な船長は抵抗もせずに、あっさり荷物と、乗客を奴隷として海賊船に差し出すことに同意してしまった。
 じょうだんじゃないわ。私はこっそり魔法の空飛ぶ絨毯で逃げ出すと、海賊船が立ち去るのを待ってから商船に戻った。逃げるのは性に合わないけど、食料を全部食べてしまっているから、体力を節約しないと。
 しかし、被害はそれだけじゃなかった。その晩になって、他の乗客のいなくなった客室で一人で寝ていると、かすかに扉の外で船員の声が聞こえたのだ。
「あいつは金持ちにに違いねぇ。いいか。魔法を使われないうちに、すぐに口を塞ぐんだぞ」
「なーに。寝込みを襲えば、あっというまさ」
「なかなかの上玉だから、最後に俺たちが遊んでやってもいいな。ヒヒッ」
 なーに言ってるのだか。乗客を見捨てたうえに物盗りとは、こいつらも海賊同然ね。戦闘の準備を開始しましょ。

船員  技術点7 体力点6
船員  技術点6 体力点4
船員  技術点6 体力点4

 あまり強くなさそうなので、電光の術を唱えて戦った方が確実な気もするけど、体力の消耗は避けたい。ここはまた眠りの術(魔法点1消耗)を唱えると、見事に全員が眠ってしまった。
 こんな奴らに情けは無用とばかりに、トドメを刺す。

 その後は何事もなく眠り、翌朝商船はペレウスの王国に寄港した。
「この国の王は、原因不明の病気にかかっているため、治世はおなざりになっています。こんな物騒な地域は、用がすんだら早く出港しますよ」
 船長が不機嫌な声で私に言う。昨日の騒ぎを私のせいだと思っているらしい。
 このまま船旅を続けるか下船するかの選択肢だけど、私はすぐに下船した。この船の治世よりは、よっぽどましよ。

 一応、私も王女の立場なので、ペレウスの城に行き王に挨拶をすることにした。
 私はすぐに玉座の間に通される。豪華な椅子に座ったペレウス王はぼんやりした目で、私をみつめて言った。
「王家の血を引く者とな。なら兄弟よ。わが家で一夜を過ごして私の病気を治してもらえないか」
 その言葉を聞くと、家臣は私をいそいそと城の高い塔に案内して、頂上に据えられた寝室に通した。何か不吉な気配のする部屋だ。
「ここがあなた様のお部屋でございます。どうか王の為にここで一晩お過ごし願います」
 いやな予感がするけど、もう引き下がれない。覚悟を決めてベットに潜り込んだ。

 真夜中になると異常な気配に目を覚ました。天井を見上げると、燃える槍がベットに飛んでくるところだった。
 とっさに身をかわすと、槍の刺さったベットが燃えはじめる。槍は意思をもって再び私の方へ、切っ先を向けた。

槍を持つ悪霊  技術点11 体力点4

 ここは技術点11じゃ、勝負にすらならない。敵の体力点が少ないので、眠りの魔法が一番確実な気もする。
 でも悪霊が眠るなんて変じゃない?ルールに書いて無くても、ここで眠りの魔法なんて私の美学が許さないわ。
 結局、爆発の魔法を唱える。(魔法点2消耗。サイコロ一つ分のダメージを与える)
 サイコロの目は5。槍は爆発して、真っ二つに折れると床に転がった。そのまま形を変え、槍は血をたたえた聖杯と姿を変えた。
 ペレウス王に聖杯を持って行くと、王は目を輝かせながら、それを飲み干した。とたんに王の顔色はよくなり、以前より若々しくなったようだ。
「余は生き返った」
 王は喜びに身を震わせながら、私に指輪を差し出した。指輪には「地獄」の文字が彫られている。
「兄弟よ、これを受け取るがいい。そちをしっかり見守ってくれるだろう」
 私は指輪を受け取って礼を言うと、荒涼とした地に向かって旅を続ける。
 オークムート島まであと数日だ。


続く


2006年03月14日(火) たけたろうの冒険 ──FF番外・王子の対決編 その9──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 さらに旅を続けた私は、小さな町にある賑やかな宿屋で疲れを癒した。
 そして、そこにいた年老いた修道士から、ガンドバッドの聖なる宝石の情報を得たの。なんでも北の果ての海に浮かぶ、オークムート島で宝石が見つかるらしいわ。
「しかし、それには知識を彫った指輪を手に入れる必要があるのじゃ」
 それだけ言うと修道士は人ごみにまぎれて去っていった。
 やりぃ、指輪も2つ持っているし、これでたけたろう兄貴より一歩リードね。
 
 翌朝、険しい山道を迷子になりながら歩き続けると(体力点3消費)、ボブコブリンが襲ってきた。

ボブコブリン 技術点8 体力点6

 どうしよう。また眠りの魔法を使いたいけど、もし術をかけるのに失敗したら、相当苦戦するわね。ここは爆発の術で勝負よ。(魔力点2消耗。敵の体力点をサイコロ1個分減らす効果)
 サイコロさん、お願い。最低でも4以上を出してね。
 サイコロの目は……3!
 そのあとは、必死で杖で応戦をして、私の残り体力3のところまで消耗して、やっと倒しました。私の技術点が5なのを考えれば、運がよかったわ。
 食料で体力を回復させたあと、洞窟に入ってさらに歩き続けると、二人の男が二匹のボブコブリンに囚われているのを発見。
 気は進まないけどまた戦闘よ!

ボブコブリン 技術点8 体力点6
ボブコブリン 技術点8 体力点4

 またしても敵は強いので、今度は運任せに眠りの術を唱える。(魔力点1消耗)
 結果は二匹目のボブコブリンだけ、眠った。残り一匹と死闘。残り体力が5のところで運試しに成功して、4点ダメージを与えて勝つことができた。
 ふぅ、よく勝てたわ。
「ありがとうございます。おかげで命拾いをしました」
 男たちはぐったりした様子ながらも、礼を言ってきた。しばらくすると体力が回復したらしく、立ち上がると私を安全な地帯まで道案内してくれる。
「この先の陸地の旅は大変危険ですから、船旅にすべきですよ。ここからならカラムダー港が近い」
 男たちはそう助言をしてくれると、別れをつげた。
 陸路か船旅かの選択肢ね。ここは素直にカラムダー港に向かいましょっと。

続く


2006年03月13日(月) たけたろうの冒険 ──FF番外・王子の対決編 その8──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 戦士の書─たけたろう─

 痛む体をいたわりながら何日も荒野を歩き続けますと、やがて天候が悪くなって今にも雨が降り出しそうになってきました。
 うへぇ、雨にうたれて風邪でもひいたら最低ですよ、これは。
 必死に雨宿りができるところを探すと、嬉しいことに山の洞窟を発見します。大粒の雨が降り出すのと、私が洞窟に飛び込むのは同じタイミングでした。
 洞窟の中は天然の鍾乳洞で、他の生き物の気配はありませんが、広くて奥深くまで続いているようです。一息ついて食事(体力点2回復)をすませると、洞窟探検をしてみます。
 洞窟内にわいている水たまりの上を、飛び石沿いにジャンプしながら(運試し……成功)進むと、穴が左右に分かれていたのに遭遇します。
 左の穴を進んでみるとあきらかに人口の階段があらわれます。息を呑んで剣を握り締めると、階段を下りていきました。階段の途中に扉があったのでそっと中を覗いてみますが、アイスピックを手に握った一体の骸骨が、木の椅子に座っていました。アイスピックを取りに行く選択肢もありますが、怖いので扉を閉めて階段を先に進みます。
 階段はどこまでもどこまでも下へ続き、だんだん空気も寒くなってきました。
 ついに階段が床についたとき、あたり一面が氷に覆われた巨大な部屋に立っているのに気がつきました。
 壁の一つに赤ひげの大男が氷づけになっているのが見えました。いかつい顔をして、手には巨大なウォーハンマーを握っていかにも怖そうです。
 えーと、ここでの選択肢は…(持っていれば)アイスピックで氷をかき割るか、(持っていれば)ランタンで氷を溶かすか、さもなくば剣で氷を割らねばならない……って、なんですか。このまま戻って階段をあがる選択肢がどこにもありませんよ。なにが悲しくて、こんなごつい大男を掘り出さなきゃいけないのでしょうか。
 仕方なく剣で氷を割っていると、いきなり大男が生き返って襲ってきました。
 アワワワワワ、やっぱりです!今の私は技術点5なんですよ!早く、逃げ、逃げなきゃ!
 慌てて階段に向かって走り始めましたが(運試し……失敗)、非情にも大男のハンマーが私の脳天に命中して、永遠に気を失ってしまいました。

END


**********

 魔法使いの書─ともみ─
 
 邸宅の中の廊下を進んで扉を開けるとギョッとします。
 何十人といういろんな人々が、座り込んだ格好のまま宙に浮いて目をつむり瞑想しているの。はっきりいって不気味。
 試しに傍に浮いている、太った女の人を起こしてみる。その女の人は目を覚まして一瞬、きょとんとした様子で私を見たけど、指で聖なる印を作るとすぐにただよって行ってしまった。(魔力点が5回復する)
 魔力が回復したのはありがたいけど、怪しいわ。ほっといて先に進みましょ。
 次に扉をあけた先の大広間は豪華な宴会場だった。そこにはたくさんの奴隷の姿と、頭にターバンを巻いて水ギセルを吸っている裕福そうな何人かの男たちが笑っているのが見えた。そしてここにこの邸宅の主人もいた。そいつは巨大なジンで、奴隷の人間たちをいたぶって殺したりして遊んでいた。
 なんてこと、早く止めさせないと!でもジンなんかと戦っても、私じゃ勝てっこないわ。
 すぐ傍に飲み物をのせた魔法の絨毯があるのに気がついた。急いでそれに飛び乗ると、私の魔力でコントロールできるか挑戦してみる。
 絨毯は私の指示通りに私をのせたまま、宴会場の中央に飛んでいった、そして助けられるだけの奴隷を絨毯にのせると、急いで宴会場から脱出する。
 ターバンを巻いた男たちは大騒ぎで逃げ出す。ジンは怒って私を追いかけて飛び出してきた。
 一足早く、窓から脱出しようとすると、そこは屋根つきの中庭だった。急いで絨毯を廊下に向かせると、低空飛行で屋敷中を飛び回った。ジンが雷を飛ばしてきて、絨毯のすぐ近くで爆発する。衝撃で頭がクラクラするわ!(体力点を2減らす)
 それでもなんとか外に抜け出す窓を発見して、私は脱出に成功した。数キロ飛んで隠れ家になりそうな谷間に絨毯を着陸させると、私が救い出した奴隷たちが泣いて喜んで口々に私へ感謝の言葉を言った。いいことしたあとは、気持ちがいいわぁ。
 そのうちの一人が別れ際に、私に8という字を彫った指輪をくれた。彼がジンの隙をみて盗んだものだそうだ。
 以前、妖精の女王にもらったのと似ているわ。大切に持っていましょ。
 私はみんなと別れた後、魔法の絨毯を巻いてしまうと、一人丘へ向かって歩き始めました。
 でも、一人旅もちょっとあきたかも。そろそろ、たけたろう兄貴と合流してもいいわね。

続く


2006年03月12日(日) たけたろうの冒険 ──FF番外・王子の対決編 その7──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 戦士の書─たけたろう─

 私は必死にともみの姿を探しましたが見つかりません。あきらめて一人悲しく旅を続けます。
 数日後のある夜、厚く生い茂った森の中を苦労しながら歩いていると、大きな翼を持ったグロテスクな怪物が空から一直線に向かってきます。
 身をすくませて反応できないでいるうちに、怪物は私の体をつかんで高い空に舞い上がってしまいます。
 私は恐怖のあまり気を失ってしまいました。キュー。

 目を覚ますと、どうやら私は怪物の巣穴にいるようでした。傍には私と同じように不幸な、旅人の遺体と思われる骨や服の残骸が転がっています。
 しかし、幸いにも今の巣穴には怪物の姿も雛鳥一匹もいませんでした。逃亡するチャンスです。
 巣穴から顔を出すと、ここが高い山腹の途中にある洞窟だとわかりました。
 洞窟の奥へ入る選択肢もありましたが、万が一洞窟の先が行き止まりだったら、さっきの怪物が帰ってきて戦う羽目になる可能性もあります。
 意を決して険しい崖を慎重にはい降りていきます。
 崖からかなり下って地面がもうすぐ見えてきたとき(ここで技術点のチェック……失敗!)、私は足を滑らせてまっ逆さまに落ちていきました。(ここで運試し……成功)幸いにも茂みの中に落ちたので命は助かりましたが、腕をひどく捻ってしまい技術点と体力点を2点ずつ減らすペナルティです。
 アイタタタタタ。これはいろんな意味で痛すぎますよ。

**********

 魔法使いの書─ともみ─
 
 たけたろう兄貴と別れてしまった私は、薄暗い森の中をひたすら歩き続けたの。
 森の中にはところどころ沼地があって、そこで光が見えるけど無視をし続けて歩く。あんなのは旅人を沼に引きずり込む悪質な鬼火と相場が決まっているもの。
 でもいくら進んでも、同じところ(パラグラフ)をグルグル回っていたみたい。
 もう日も暮れるし、いい加減に疲れて、光の方向についていくとやっぱりだまされた沼地にはまってしまった。もう、なんなのよ!
 必死に脱出(体力点を5消耗)して、さらに別の光の元へ行くと今度は掘っ立て小屋にたどり着いた。
「こ、こんばんはー」
 すると年老いた男の人が、私をあたたかく小屋に向かい入れてくれた。この森の番人をしているという。
 老人に怪しいところはなく、私は暖炉にあたり食べ物をもらって、一晩休ませてもらった。(体力点を4回復する)
 翌朝、元気を出して旅を再開しました。兄貴の方は大丈夫かなー。
 
 歩き続けると危険なほど熱い温泉地帯に入ります。蒸気をあげ続ける熱湯の湖を前にちょっと困ったけど、氷結の術(魔法点3を消耗)を使ってカチカチに凍らせると楽々と先へ進みました。本当は、魔力を節約したいけど、ケチって危険な目に会うよりましだわよね。
 やがて立派な邸宅が見えてきたので、近づいて見るとイボイノシシに似た衛兵が2人あらわれて「また、ご主人様の食い物がきたぞ」と言いながら襲ってきました。

衛兵  技術点7  体力点6
衛兵  技術点7  体力点6

 技術点5の私には強敵ね。どの呪文を使おうかしら。
 のろまの術(相手の技術点を2減らす)は一匹にしか効かないし、電光の術(全ての敵の技術点−1、体力点−2)でもまだ勝てるか不安だわ。
 考えたあげく、眠りの術(魔力点1を消耗)を唱えました。
 この呪文は、それぞれの敵の体力点の数だけサイコロを振って、6の目が一度も出なければ、その相手を眠らせる魔法なの。運がよければ無傷で二匹とも倒せる。一匹だけでもなんとか勝てるかも。2人とも効かなかったら運のつきね。
 術はうまく効いたらしく、衛兵は2人とも高いびきをかいて寝てしまいました。ふう、よかった。
 私は邸宅に入ってみます。罪もない旅人を襲うなんて、とんでもない奴が住んでいるに違いないわ。私が退治してやるんだから。


続く


2006年03月11日(土) たけたろうの冒険 ──FF番外・王子の対決編 その6──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 少し道を行くと、粗野な男が小さな折り畳み式テーブルの前に座っていたのに出くわす。
 片目に眼帯をしたその男の背後には、重装備のならず者が沢山控えています。
「俺は帝国の徴税官だ。この道を通るのなら、お前たちに通行税を払ってもらわねばならん。一人あたり金貨5枚だぞ」
「帝国の徴税官ってなによ!私はガンドバッドの王女なのよ!お金なんて銅貨一枚だって払う必要ないわ」
 猛抗議をするともみを、たけたろうが必死で止めます。
「離してよ。なんであんな奴らの言うとおりにしなくちゃ、いけないのよ」
「無駄ですって。この人たちは強そうだし、何よりここで戦う選択肢が用意されてないのだから。あきらめましょうってば」
「くっ、悔しいわ」
 ともみが徴税官に金貨5枚を放り投げます。そのまま怒って通り過ぎようとすると、たけたろうがもじもじしながらともみの服を引っ張りました。
「なによ」
「あの…、金貨を貸してもらえませんか。盗まれちゃって今は一文無しなのですよ」
「ハァ!?」

 こうしてともみが金貨10枚を払って、徴税官に道を通してもらうと、そのまま丘の上に向かって歩き続けます。
 途中でいたずら好きのスカットリーたちが、荷物をひったくって逃げましたが、ともみが発見の術(魔法点1を消耗)を使って取り戻しました。
 しばらくすると、道の先の石に3人の老婆が腰掛けているのに出くわしました。近づくと、それぞれ目が一つしかない奴、歯が一本しか生えていない奴、指が一本しかない奴といずれも化け物じみた様子です。
 たけたろうは顔をそらして歩きすぎようとしたものの、ともみは元気に挨拶をしてみました。すると、老婆たちは微笑んでこう言います。
「言っとくれ。あたしらのうち、誰が一番きれいだと思う?」
 心優しいともみは困ってしまいました。どれもドブスなんて正直に言ったら、彼女たちは傷ついてしまうことでしょう。
「えへへ、ここはたけたろう兄貴にまかせるわ」
「駄目ですよ。なんで私が」
「じゃあ、今すぐ金貨5枚を返してよ」
「いやそれは…、えーと、一つ目のお婆さんが一番綺麗ですかねぇ…」
 それを聞くと一つ目のお婆さんは喜んで、猫目石をともみに与えたうえ、たけたろうの体力を原点まで回復させてくれました。
 でも怒ったのは、残りの老婆たちです。歯が一本しか生えていない老婆がともみに噛み付き、指が一本しかない老婆がたけたろうを引っかきました。(ともみの運点を−2、たけたろうの運点を−1にする)
 さらに霧がたちこめて、3人の老婆の姿は消えてしまいました。霧が晴れたとき、2人は驚きます。いつの間にか2人は、それぞれまったく別々の場所に飛ばされていたからです。


続く


2006年03月10日(金) たけたろうの冒険 ──FF番外・王子の対決編 その5──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 戦士の書─たけたろう─

 再び馬に乗ると、私は曲がりくねった道を5時間ほど進み続け、適当な空き地でキャンプをはって、一晩をあかします。
 今頃、ともみはどうしているでしょうかねぇ。

 翌朝になって東へ進む道を歩き続けていると、村に入りました。
 そのまま大通りの道を歩き続けていると、村の広場はちょっとした人だかりになっているのが見えます。
 広間を覗くとなんと老婆がさらし首になって、みんながそれに向かって、くさった生卵や石を投げ付けているではありませんか。
「ちょっと、ちょっと、なぜあのお婆さんはあんな目にあっているのですか?」
「お前には関係ないぜ。よそ者。一緒に楽しまないのなら、さっさと失せな」
 ブルル、ここの村人はおっかないです。危ない事には関わらずに、さっさと宿屋に入って、宿の主人に料金を尋ねてみます。
 すると外から私の馬のいななきが聞こえてきました。誰かが私の馬を盗もうとしているのです!
 慌てて宿屋から飛び出すと、馬はもう跡形もありません。がっかりして宿屋の中に戻ると、今度は宿屋においたはずの食料と金貨の入った荷物もなくなっています。
「お前の荷物?さあ、知らんな。金がないならとっとと出ていきな」
 宿屋の主人はそっけなく言うと、私を無視してしまいました。なんて嫌な村なのでしょうか。
 怒った私は、宿のテーブルに置かれてあった蜂蜜酒を一瓶盗み出すと、村から出て行くことにしました。


**********

 魔法使いの書─ともみ─
 
 げほっ、げほっ。
 私は川から体を引き揚げると、土手に大の字になって体力を回復させた。
 思ったより下流に流されたわね。きっと兄貴とは多分離れちゃったわ。
 そのまま川に沿って歩いて下流へ向かうと、大きな湖が行く手を塞いでいました。
 近くには桟橋があって、小船が舫っています。そのとき3人の男たちが、私に声をかけてきたの。
「お嬢ちゃん。金貨6枚で湖を渡ってあげるよ」
「ずいぶん、料金が高いじゃない。こんな泳いで渡れそうな湖のくせに」
 私が文句をいうと、男たちはニヤニヤ笑っています。
「泳ぐのは駄目なんだな。この湖には透明な毒魚が住んでいるのさ。ま、お嬢ちゃんなら代わりに、おじさん達と遊んで払ってくれても…おおっ!!」
 私は浮遊の術(魔力点3を消費)を唱えて、湖を飛び越えた。あんなチンピラを相手にする時間がもったいないわ。

 湖からは森の中をひたすらに歩き続けていくと、いつの間にか夕方になってしまう。やーね。今日はこんな場所で野宿するしかないのかしら。
 そのとき軽やかな歌声の合唱が森の奥から聞こえて来た。声のする方に近づくと、妖精たちが輪になって踊っている。女王らしき一羽の妖精が私に気がついたようだ。
「ようこそ、歓迎しますわ。一緒に踊りませんこと?」
 私も喜んで躍りにくわわった。こうして一晩中、私は妖精たちと素敵な夜を過ごし続けた。
 でもいいことばかりじゃない。とんだハプニングが起こって、大ピンチ。私は偶然にも女王の花で作られた冠を蹴飛ばし、それを踏んづけてしまったの!
 妖精たちはたちまち静まりかえり、女王は私に向き直った。
「あなたは私の力の源を壊したのです。この償いをしていただきます」
 女王が手をひらめかせると、私の魔力点はなんと0点になってしまった。
 私は慌てて訴える。だって魔力がなくては旅ができないもの。
「待って、待って!悪い事をしたのだから謝るわ。でも、何か他に私にできることで償わせて」
 私の申し出に女王は、洞窟に住むという凶暴なワイトの退治を依頼してきた。
 ワイトか。魔法が使えない今の状態でまともに戦うのは、無謀ね。外におびき寄せなくちゃ。
 そう思った私は女王に教えてもらった洞窟の前で、歌を歌う。

「おお、しわだらけのワイトさん、
 とっても腹ペコ 寒いでしょう。
 つかまえられるなら 追ってきなさい、
 おまえにそれほど勇気があるなら」

 途端に洞窟からうなり声が上がると、ぺちゃぺちゃと足音を立てながら、見るも恐ろしげなワイトが飛び出してきた。
 急いで丘の方角へ逃げ出すと、案の定、ワイトもこちらを追いかけてきたわ。
 ワイトに捕まったら一巻の終わりだから、息を切らせながら全力疾走で走る私。でも予想より、ワイトの足は速く、丘の頂上の一歩手前で追いつかれてしまった。ワイトは皺くちゃの両腕で私をつかむと、喉を締め上げながら体を持ち上げて勝ち誇る。
「さあ、お前に勇気の意味を教えてやる!」
 ワイトが高らかに勝利宣言をしたとき、地平線から朝日の光が差し込んくる。ワイトは私を放り投げて、苦しみながら太陽光線に分解されてしまった。
 私は安堵のため息をついた後、妖精たちのいた広間に戻ると、女王は私を祝福して(魔力点を原点まで回復させる)くれたうえ、数字の1と彫った大きな指輪をくれた。
 私の旅に必要なものみたいね。ありがたくいただきましょう。

 こうして旅を再開した私が広い道を歩いていると、別の方角からまったく思いもかけずに、たけたろう兄貴がやってくるのを発見。
「ともみ。会いたかったですよ!」 
「しょーがないわね。またしばらくは、兄貴に付き合うわよ。まったく」


続く


2006年03月09日(木) たけたろうの冒険 ──FF番外・王子の対決編 その4──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

「るんるんるん♪」
「ちょっと、兄貴。あんまり上機嫌にならないでよ。これは王位継承権をかけた真剣勝負なのよ」
 2人はそれぞれ馬に乗って、一緒に田舎道を歩き続けました。しばらくすると数人の村人に出会います。
 ともみが挨拶をすると、村人もにこにこして雑談に応じてくれました。
「ねぇ、みなさん。よかったら、この先に何かあるか教えてくださいませんか」
「お嬢ちゃん。危ないから引き返した方がいいよ。この先はオークの住む小屋があるんだ」
「なーに、そんなの私たちが退治してあげるわ。みなさん、お話し相手になってくれてありがとう。もう出発します」
 そういって、元気よく旅を再開するともみと、嫌な顔をしてついて行くたけたろう。
「るんるんるん♪」
「ちょっと、ともみ。あんまり安請け合いしないで下さいよ。これは王位継承権をかけた旅なんだから、無駄な戦いはやめましょうって」
「そうもいかないのよ」
「なんで?」
「だってこのゲームブックって、戦いを避ける選択肢がほとんどないから、オークが登場するなら、どのみち戦うしかないの」
 会話をしているうちに、オークの住む小屋が見えてきました。ともみの言うとおり、窓から侵入するか、扉から攻め込むかの2つの選択肢しかありません。馬から降り、そっと中の様子を覗くと、オークは3匹いるようです。
 2人は扉から突進して攻め込むことにしました。
「イーチ、ニー、のサン!」

オーク  技術点8  体力点6
オーク  技術点7  体力点4
オーク  技術点6  体力点4

「最初は私にまかせて。そのかわり後は頼むわよ、兄貴!」
 ともみが電光の呪文(魔力点を3消耗)を唱えると、オーク達が悲鳴をあげます。(オーク達の技術点−1、体力点−2)
 たけたろうも剣を抜いて突進します。たけたろうが1匹目と2匹目を退治し、ともみは杖で3匹目を葬りました。
 宝石と金貨をかき集めると、宝を山分けにして先に進みます。

 その後、ゆるゆると馬に乗ったまま道を歩き続けると、川の上にまたがってそびえる建築物に侵入します。中は無人らしく、荒れ果てていました。
 突然、何かが頭上から舞い降りて、たけたろうに襲いかかります。
「ぎゃー、助け!助けてください!」
「大きな蛾くらいでいちいち驚かないでよ。兄貴、しっかりしてよね」
 ともみは、冷めた目でそれを見ると、着火の術(魔力点を1消耗)を唱えました。たけたろうに、まとわりついていた巨大蛾は、たちまち燃えて消えてしまいます。
 どうやらこの建物は、蛾の生育に適していたようです。周囲を探索していると、蛾の幼虫の包まれた、巨大なまゆがいくつも転がっていました。
 たけたろうが近づいて、まゆをほぐしながら、即席のロープにしようかと作業を開始します。ともみはそんな面倒くさいのはごめんとばかりに、壁にもたれかかります。
 そのとき、ともみのさわった壁がいきなり回転して、ともみは外に放り出されたのです。
「キャーー!」
「と、ともみ。大丈夫ですか!」
 たけたろうが、あわててその壁から外を見回しましたが、すでにともみは下の川に転落して、はるか下流に流されていくところでした。
「あらら、これからはまた別行動ですか。ともみも、たぶん大丈夫とは思うけど、また会えますかねぇ」
 たけたろうは深いため息をついてぼやきました。

続く


2006年03月08日(水) たけたろうの冒険 ──FF番外・王子の対決編 その3──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

「お嬢さん、お嬢さん」
 森の中を歩き続けると、頭上から小さな声が聞こえてきます。
 見上げると大木の枝から、小妖精がこっちをみて笑っていたの。気色悪いおっさん顔。
「お嬢さん、あなたを待っていたのです。私は、あなたの旅に必要な助言をしてあげられます。さあ、樹のうろを通って私のところまでお上りなさい」
 何と言われても、あんな顔の奴は信用できないわ。無視して行っちゃいましょう。でも、小妖精はクスクス笑っています。
「無駄ですよ。そんな選択肢はありません」
 あ、本当!樹のうろにある階段を上がるか、木登りをして登るかの2択しかないわ。
 しょうがない、木登りをしましょ。
 
 ここで運試し……失敗!

 登っている最中に枝がぽきっり折れたので、飛行の術(魔力点3を消耗)を使って登りました。すると、なんてことでしょう。木の枝々が私を取り囲むようにせまってきて、枝が体を縛り付けて…くるわ…苦し…い。
 樹の妖精はそんな私を見て、笑い転げている。
「うひゃうひゃうひゃ。お嬢ちゃん、いい眺めだね。ほらほら、もっと縛り付けてあげるよ。こんなのはどうだね」
 枝が両手両足を縛り付けて、私を空中に固定させると、妖精がいやらしそうな目つきで近づいてきた。まったく…腹が…たつわね!
 声を振り絞って縮小の術(魔力点2を消耗)を唱えると、枝が縮めはじめる。私が体を振るうと、小枝がバラバラと体から落ちていった。
 妖精は不利な様子を感じ取って、へっぴり腰になっている。いまさら謝っても許さないからね。
 戦いの呪文を唱えると、私の影が宙に舞い上がりました。(魔力点1を消耗)影の騎士よ!あのくそったれな妖精をやっつけて!

樹の妖精  技術点6 体力点6
      VS
影の騎士  技術点7 体力点4

 戦闘の途中で影の騎士は倒れたけど、戦闘を引き継いだ私が、杖で妖精の頭を叩くと、妖精はちいさくしぼんで消滅しちゃったわ。
 収穫は「樹液」と書かれたラベルの張った小瓶だけ。サイテーね。
 
 その後、たけたろう兄貴と合流しようかと、橋の方へ向かった私はトロールの番人に出会いました。
 ここで問題が発生。橋の通行料は金貨2枚なのです。私は鬼たちに盗まれて一文無しなので、ここを通過するにはトロールと戦うしかないみたい。

トロール  技術点9 体力点10

 強い!強いわ!のろまの術(魔力点2を消耗)をかけて、トロールの技術点を7点に減らしたけど、技術点5の私にはどうにもならないじゃない!
 くやしいけど、ここで冒険は終了…。

END


******

 はっとすると、木陰で休んでいる自分に気がついた。
 目の前にたけたろう兄貴が立っています。
「どっちも早く死んじゃったら、日記にならないだろって、山口プリンさんが言ったんだ。もう一回最初からだよ」
 たけたろう兄貴の説明に私も力なくわかったわ、とうなずき返した。いくらなんでも終わるのが早すぎよ。
 仕方ない。今度はたけたろう兄貴と二人で同じ道を進むことにしようっと。
「たけたろう兄貴、今度は一緒に行こうか」
「と、ともみ!ようやく私を信頼してくれるのですね!」
「か、勘違いしないでよ!二人旅の方が体力を温存できるから仕方なくよ。今度こそ勝つのは私なんだからね!」

続く


2006年03月07日(火) たけたろうの冒険 ──FF番外・王子の対決編 その2──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

「まったく、ともみも頑固なんだから。一緒に行ったほうが戦いだって楽なのに」
 私こと、たけたろうは、ぶつぶつ言いながら一人で野道を歩き続けました。
 一応、ともみとは別れ際に、ここから数日行った先にある橋で、落ち合う約束をしたのですが、ちゃんと来てくれるでしょうか。
 お日様はポカポカ、蝶が野花のまわりを飛んでいます。まだまだ冒険の最初だけあって、平和なものです。
 ところが数時間歩くと、事件が発生していました。叫び声が聞こえるので、道の前方に目をこらすと、うら若い乙女がコボルト達に襲われていたのです。
 否も応も選択肢もありません。私は乙女を救いに駆け出しました!
 コボルトもこちらに気がついたようで、剣を抜いて私に近づいてきます。私も負けじと剣をぬいて声をかぎりに叫びました。
「コボルト達め。お前達くらいの雑魚など、このたけたろうの剣の錆びにしてくれますよ!イヤーーー!」  

ゴボルト  技術点9 体力点6
ゴボルト  技術点8 体力点4
ゴボルト  技術点8 体力点4

 ゴボルトの剣の錆びになってしまいました。
 ともみと別れてから、まだ1パラグラフしか経過していないのに…。

END


******

「たけたろう兄貴には悪いけど、一人の方が気がらくだモンね」
 私こと、ともみは、静かな森の中をどんどん分け入っていきました。
 するとまもなく、大きな凶暴そうな2匹の鬼達が、ひょいっと茂みから飛び出て、「命が惜しかったら有り金よこせ」と大きな棍棒を手に持って近寄ってきます。
 あちゃ、厄介そうな鬼さんね。ここは一つ、話し合いで解決しましょうっと。
「ちょっと待って、立派な鬼さん。私はすでに強盗にあったばかりで一文なしなの」
 鬼達が「俺たちの縄張りの森で、そんな奴がいるのか!」と憤慨して叫びます。チャーーンス。
 ここぞとばかりに、たけたろう兄貴の特徴を教えてあげます。鬼達は怪訝そうな顔をするけど、ここで臆しちゃ駄目よ。
「本当の話よ。ここから少しいった橋で通るはずなの。それに私を殴らないと約束してくれたら、残ったこの金貨一枚を差しあげるわ。それなら、公平でしょう?」

 ここで運試し……失敗!

 うそっ、鬼達は私の話しを信じない。襲ってくる!
 慌てて敏捷の術(戦闘で受けるダメージを2点から1点に減らす効果。魔力点2を消耗)を唱えて、戦いにそなえます。

鬼(2匹分)  技術点9 体力点8

 ああん、こっちが技術点5じゃ、どうにもならないわ!
 呪文の効果もむなしく、大して反撃もできないまま、地面に倒れて気絶してしまいました。

 どのくらい時間がたったのか。
 私は目をパチッと開きました。慌てて周囲を見渡すと鬼達の姿は消えています。
 幸いにも棍棒のダメージは浅くて、体力を半分(7点)回復していました。
 財布を改めてみましたが、もちろんカラッポです。
 ひどいめにあったわ…、たけたろう兄貴をはめようとした罰かしら。でも金貨を盗まれただけですんだから、むしろ運がよかったのかもね。
 しばらく休憩をしたあと、背伸びをして、また歩き続けます。


続く


2006年03月06日(月) たけたろうの冒険 ──FF番外・王子の対決編 その1──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい。“王子の対決”はシステムが独特な作品ですが、2002年10月21日の冒険記録日誌に紹介しています)


 気がつくと私は皮鎧と剣を携えて旅したくを整えていました。
 後ろは王宮の城下町。
 前方へ進む道路はただっぴろい荒地につながっていて、埃っぽい風が吹き付けてきます。ここは町の出入り口のようです。

 あれ?

 えっと、次の冒険は確かSFが舞台の“電脳破壊作戦”でしたよね。
 私はなんでファンタジー世界の格好なんかしているんでしょう?
「心配するな、するな、するな、するな、するな……」
 ああ、天空から残響音付きで響くその声は山口プリンさん!
「いつも、お前の一人旅じゃ、マンネリだからなぁ、なぁ、なぁ、なぁ……。たまには趣向を変えて、二人用ゲームブックに挑戦してもらうことにしたわけじゃよ、じゃよ、じゃよ、じゃよ……。まあ、二人でがんばりたまえ、まえ、まえ、まえ、まえ……。健闘を祈る、祈る、いのる、いのる……」

 な、なんですって!
 二人用ゲームブックといえば“王子の対決”じゃあないですか!
 と、なると背後にそびえ立つ町は、黄金都市ガンドバッド。私はこの国の王子様ということでしょうか。
「何を寝ぼけておる。たけたろう王子」
 驚いたことにいつの間にか、町の入り口付近の広場に大勢の騎士たちが集結しています。その中心部に豪華な衣装を着たガンドバッドの王様が立って、私を見つめています。
「そなたはこれから、試練の冒険に旅立ち、世の跡継ぎの資格の証明となる宝石をもって帰ってこねばならん。それまではこの国に帰ってくるでないぞ」
 そんな唐突な。と、呆然とする私を無視して王様はさらに話し続けます。
「あやつにはすでに、先ほど旅立った。追いかけて一緒に旅をするも、別々に歩むも自由だ。だがもちろん、王たる者はいつの世も一人!旅立つのは二人でも、成功するのは一人だけだ。お前も負けるでないぞ」
 そこまで言うと、周囲の騎士たちが王様を取り囲み、王の姿は見えなくなりました。私は、騎士たちに追い払われるかのように、町の入り口から飛び出て、荒地へ進む道を歩き始めました。
 歩きながらもまだ疑問がいっぱいです。二人用ゲームブック。旅立つのは二人。
 …でも私には男の兄弟がいないのですよ。誰がライバルになるというのでしょうか?私は戦士ですから、ライバルは魔法使いになることはわかりますが。

 その疑問は小一時間も歩かないうちに、解決しました。
 道はY字路に差し掛かり、その真ん中に立ち木がありました。
 そのとき私は、その立ち木の木陰で休んでいる小柄なローブ姿を発見したのです。緊張してしばらく離れた位置で立ち止まると、様子を伺います。気難しい魔法使いなら、出会い頭に魔法をかけられてヒキガエルにされかねませんからね。
 ところが、その人影が顔をあげて私を見たとき、私の顔はひきつってしまいました!
 ローブの中にいたのは、長い黒髪を束ね、なかなか美人ですけど、ややきつめの目つきをした娘だったのです。それも私のよく知っている人物。私は思わず大声をあげます。
「ともみ!なんでお前がこんなところにいるのですか!」
「何って決まっているでしょ。私も女王の座を目指して、旅をしているのよ。たけたろう兄貴って、そんなことも知らなかったの!あきれた」
 思いもかけぬ腹違いの妹の登場に、口をパクパクをしながら、かろうじて次の言葉を搾り出します。ともみは服のほこりを払って立ち上がりました。
「だって、…これは王子の、男の対決じゃないですか!」
「王子だって、王女だっていいじゃない。とにかく、私とたけたろう兄貴が、王の座をめぐって争うことになってるの!そろそろいくわよ。たけたろう兄貴が先に行ってよ。私は反対の道を行くから」
「ええぇ!待って待って。一緒に同じ道をいきましょう。その方が安全ですし」
「いやなこった。私は一人でいくわ」
「そんな寂しいこと言わずに。ともみだって、能力値は最低なんでしょ。絶対危ないですって」
「魔法が使える分、たけたろう兄貴よりは大丈夫よ。もう私はこっちに行くことに決めたわ。じゃあね。ついてこないでよ」
 そういって、ともみは左の道を歩いていきました。
 しょうがないので、私はもうひとつの道を進むとしましょう。やれやれ、どんな冒険になることか…。


<たけたろう:戦士>
 技術点   7
 体力点  14
 運点    7
 所持品:剣、皮鎧、金貨10枚

<ともみ:魔法使い>
 技術点   5
 体力点  14
 運点    7
 魔力点  14
 所持品:杖、ローブ、金貨10枚 

続く


2006年03月05日(日) たけたろうの冒険 ──FF17・サイボーグを倒せ編 その5──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)
 
 翌日は、朝一番にパーカー飛行場に向かいます。朝の9時に恐怖会議は始まるはずです。
 格納庫に潜んでいると、分厚いコートを着た6人の人影があらわれ、ジェット機に乗り込み、ジェット機が発進し始めます。
 待ちなさい。逃がしませんよ!

 私はもの凄いスピートで走り出すと、離陸する直前のジェット機に追いついて、緊急ハッチから中に飛び込みます。
 空に飛びたった飛行機が安定姿勢をとるまでじっとしてから、それからジェット機の中に作られた会議室の扉を開けます。
 6人の男達は驚いたように私を振り返りました。
「シ・シルバークルセイダー」
 男の一人があえぐようにいうと、恐怖結社の首領が前へ進み出ました。昨日見た普通の人間の姿と違い、その目は電子ゴーグルで輝いていました。今の彼は電子的に補強された腕力をもつ危険なチタニウム・サイボーグなのです。
「さがっていろ、お前達。軟弱な賓客など、このチタニウム・サイボーグの敵ではない」
 私はニタリと笑って、昨日手に入れた回路妨害機のスイッチを押しました。
 とたんにチタニウム・サイボーグが、苦悶の表情を浮かべます。彼の電子機能が封印されたのです。
「貴様…、それは回路妨害機!」
「へへん、自分から弱点の装置を私にくれるなんて親切でしたね。でも、容赦なんかしませんから。オラオラオラオラオラオラオラァ!!」

チタニウム・サイボーグ  技術点9 体力点10

 あっさり退治された首領を見て、他の男達は降伏します。彼らを縛り上げた後で、ジェット機のパイロットに指示すると、飛行機をパーカー飛行場に戻させました。

 私の通報を受けてパーカー飛行場にやってきた警察官たちは驚きあきれ果てています。なんといっても世界最大の犯罪組織のボス達を私一人で捕まえたのですから無理もありません。(英雄点を10点得る)
 でも、今回は言わせてもらいます。たけたろうが世界を救いましたよ。
 バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ!


最終英雄点 29点


2006年03月04日(土) たけたろうの冒険 ──FF17・サイボーグを倒せ編 その4──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)
 
 翌日になりました。今日は奇跡です!
 私の心配にもかかわらず、今日は何の犯罪にも巻き込まれず、犯罪探知機も一度も鳴らなかったのです。
 私は真面目に仕事をこなすことができ、クビの危機を乗り越えました。
 17時になり仕事を終えた私は、久しぶりに叔母さんの家を訪問しました。
 叔母さんは私のだらしない姿に小言を言いながらも、お茶とクリームケーキでもてなしてくれました。
 幸いにも明日は土曜日なので仕事に行く必要もありません。今夜は叔母さんの家に泊めさせてもらうことになりした。
 お休みなさい。


 さらに翌朝になると「未来の家庭用品展」にぶらぶらと立ち寄って見ます。
 すると、なんと恐怖結社の首領が家庭用アンドロイドの実演販売をしていました!驚きです。
 でも、いったい何でそんなことをやってるんでしょう。趣味でしょうか?
 とにかく、クルバークルセイダーの衣装に着替えてから、逮捕するために近づくと、首領は逃げ出してしまいました。
 奴の残した家庭用アンドロイドが会場内で暴れ始めます。くそっ、せっかくのチャンスを逃すのは残念ですが、首領を追いかけるより、今は市民の安全優先です。
 暴れる家庭用アンドロイドの体を強引に掴みあげると、空高く飛び上がってから突き落とします。アンドロイドは地面に墜落して砕け散りました。(英雄点を4増やす)
 首領のいた販売ブースに戻って調べると、興味深いものが見つかりました。
 パーカー飛行場発のジェット機の予約ができたというFAX書類と、「回路妨害機」という小さなペン型の装置です。役に立ちそうなので、もらっておきましょう。

 お次は大統領パレードが行われる場所に向かいます。情報のとおり、リージェントホテルの屋上に飛んでいくと、暗殺者がライフルを構えて大統領を狙撃しようと狙いを定めている最中じゃないですか。電光のような速さで突進すると、ライフルをはじき飛ばします。オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!

暗殺者  技術点9 体力点8

 ぶっ倒れた暗殺者の襟首を掴んで引き起こすと、恐怖結社の情報を教えろと尋問します。
「その会議は明日、開催される。他は…知らない…」
 それだけ言って気絶してしまった暗殺者。肩に担いでホテルの屋上から降ろすと彼を警察に引き渡します。(英雄点を6増やす)
 会議は明日ですか。ならば今日は早めに帰って、英気を養いましょう。

 
続く


2006年03月03日(金) たけたろうの冒険 ──FF17・サイボーグを倒せ編 その3──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 タイタン遊園地ことウィズニーランドに行くと、平日にもかかわらずお客さんは沢山いるようでした。
 何に乗ろうかなぁ。ジェットコースターは怖いし、ゴーカートは運転が下手だし。そのとき、目の前にびっくりハウスが目に入りました。ここにしよっと。
 びっくりハウスに入ると、鏡に横長に写った自分の顔を見て、ウキャキャキャと笑い転げます。次の部屋は床がトランポリンになって、体が飛び跳ねてしまいます。

 おもしろーい!

 ワハハハハハハハハハ。

 ハハハ…ハハ。

 一人では…寂しいとです。

 もう、帰ろ…。


 むなしくなって帰ろうとした私の脳裏に、冒険を始める前に得ていた情報が、ふいに頭によみがえりました。最近になって“ふざけ魔”という犯罪者が、自分の趣味にピッタリの新居を建てたというものです。
 ポンポンポンポンッとトランポリンで勢いをつけて飛び上がると、天井近くに小さな扉を発見しました。そこから隠し部屋に入ると、道化姿のふざけ魔が慌てています。見つけたからには逮捕でーす!

ふざけ魔  技術点9 体力点8

 傷一つ負うことなく、ふざけ魔を捕まえると警察に引き渡します。(英雄点を3増やす)
 ふざけ魔は重要な紙きれを持っていました。恐怖結社のマークと共に「忘れるな。会議は午前9時に始まる」と書かれています。
 これは貴重な情報ですね。これで日時と時間が判明しましたよ。

 ウィズニーランドを出たときは夕方でした。せっかくの外出なので、このままミュージカルを楽しみに行くことにします。チケットを買いに行くと、人気の“ラッツ”の公演チケットが購入できました。
 ところがまたしても事件にまきこまれます。よりにもよって公演中の最中に突然現れたヘビ男に、主演の女優が私の目の前で誘拐されてしまったのです。
 私は慌ててトイレに駆け込みます!シルバークルセイダーの衣装に着替えると、急いで楽屋裏に突進すると、窓から女優をつれて逃げようとしているヘビ男が見えました。ヘビ男は私を見てせせら笑います。

ヘビ男  技術点8 体力点8

「シルバー・クルセイダーか。邪魔をするなこの田吾作がァ!」
「脅したって逃がしませんよ!」
 私が睨みつけると、ヘビ男が牙をむき出して笑いました。
「俺の毒歯はな。噛むたびに、なんとお前の技術点を1点減らすことができるんだぜ。ドゥー・ユゥー・アンダァスタンンドゥ!」
 そう言い捨てると、ヘビ男が飛び掛ってきました。私は冷静に攻撃をかわします。
「つまり攻撃が当らなけりゃ問題ないわけですね。オラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!」
 私のパンチを受けて、ボッゴオオーン!と派手な擬音をたてながらヘビ男が吹っ飛びます。私はぶっ倒れたヘビ男の胸倉を掴んで、無理やり引き起こすと、ヘビ男は泣き声で命乞いをします。
「はひぃ〜、はひぃ〜、や…やめちくれぇ〜〜っ。もう戦えない…。もう殴るのはやめてくれ〜。もう再起不能だよォ〜〜〜。鼻の骨が折れちまったァ。歯も何本かブッ飛んだよォ。下アゴの骨も針金でつながなくちゃならねーよ。きっとォ…はひぃーはひぃー」
「しゃべってもらいましょうか。貴方の知っている恐怖結社の情報を」
「そ!それだけは口が裂けても言えねえ…ぜ。誇りがある…。殺されたって…仲間のことはチクルわけには…いかねえ…ぜ」
「なるほどご立派です。じゃあ、このパンチでもう1点分あなたの体力点を減らしますか」
「思い出した。実は大統領がタイタンシティを訪問したときに、暗殺する計画があるんだ」
 ヘビ男は警察に引き渡されました。残念ながら彼の情報はすでに知っているものでしたが、さらわれかけた女優が私に駆け寄ってきて笑顔で礼を言ってくれます。(運点と英雄点が2点増える)
「ありがとう、シルバークルセイダー。これは私からのお礼よ」
 彼女は私に顔を近づけるとズキュウーン!とキスをして、恥ずかしそうに去って行きました。
 エヘヘ。今夜は得したなぁ。


続く


2006年03月02日(木) たけたろうの冒険 ──FF17・サイボーグを倒せ編 その2──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 もう夕方です。疲れました。
 空港から自宅に帰った私は、テレビを見ながらのんびりとくつろぎます。
 結局、今日は会社をサボってしまいました。上司に何を言われるかわかったもんじゃありません。明日こそ、早く会社に行くことを誓って、ベットに潜り込みます。お休みなさい。

 翌朝。
「スリだ!誰かあいつを捕まえてくれぇ!」
 乗客の誰かが叫んでいます。
 ああ、なんということでしょう。通勤電車で、またしても事件発生です。これで今日も遅刻確定。スーパーヒーローも楽じゃありません。
 しぶしぶ、犯人を追いかけようとすると、犯罪探知機が電子音を鳴らして「ラッド広場」と事件の発生を告げます。あーもう!
 ラッド広場に駆けつけると、公園の噴水のあたりで、緑色の鱗に覆われた大きな怪物が暴れていました。空を飛んで、そいつにパンチを叩き込みます。

噴水の怪物  技術点 10  体力点11

 戦っていると、不意に怪物が跡形もなく消えてしまいました。
 あっけにとられましたが、公園にいた人々が私に感謝してくれます。(英雄点+2)感謝どころかみんな私に向かって、次々にサインをねだってきます!差し出された紙と鉛筆に向かって即席のサイン会が始まりました。いやぁ、スーパーヒーローはつらいなぁ。 6("ー )
 そのうち群衆に混ざって、イタチのような顔をした男が近づいてきました。ネズミ男のフラナガンです。
「ちょっと、クルセイダーさん。こっちに来てくれませんか」
 ついていくと、彼は紙切れを渡すと去っていきました。紙切れを読んでみると、なんと大統領暗殺計画の情報でした!
 ネズミ男が何を企んでいるかわかりませんが、この情報はありがたくいただいておきましょう。
 さて、すっかり遅くなりましたが、会社に行きましょうか。

「たけたろう。私の部屋にこい。す・ぐ・に・だ!」
 やっと会社の事務所に到着した私を上司が厳しい顔で呼びつけます。
 昨日の無断欠勤、今日の遅刻。でも、本当の事情を話すわけにはいけません。しどろもどろに言い訳をしていると、上司は「もういい」と席をたって通告をしました。
「今日は親切な気持ちがしておるんだ。今日はもう休んでもいいぞ。無給でな。そして明日の朝一番に出勤できないようなら、次の職探しをするんだな」
 そう言うと私を追い出してしまいました。
 仕方がないので遊園地でも行って時間をつぶしましょう。今日一日は停職扱いですから。
 スーパーヒーローはつらいです。 (;_q)


続く


2006年03月01日(水) たけたろうの冒険 ──FF17・サイボーグを倒せ編 その1──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 ついにこの巻がやってきました。タイタンシティを舞台に英雄シルバー・クルセイダーこと、たけたろうマンの冒険ですよ!

 フッ、フハハハハハハハハハハハハハハハハッ!
 最高にハイ!ってやつです。一つ歌でも歌いたい気分です。

 なんといっても、シルバー・クルセイダーの超能力のうち“超体力”を選べば、私でも無敵の強さになるのですからね。


技術点   7
体力点  14
運点    7
超能力:超体力(空を飛び、百人力の力をもつ。戦闘時では技術点13として戦うことができる)


 早速、冒険をはじめましょう。タイタンシティの朝の通勤中の道端から、スタートします。
 さっそくサイレンを鳴らしたパトカーがやってきたのについて、公園に行ってみます。どうやら殺人事件があったようです。証拠を探しますが(運試し……凶)見つかりません。
 ……ま、いいか。この事件は警察にまかせましょう。

 そのとき私の腕に装着した犯罪探知機が、電子ブザーの警報を発して、犯罪の発生した場所を私に告げます。
「パーカー飛行場、ピーター研究所」
 二箇所で同時に犯罪が発生したよです。どちらが、より重要なのかはわかりませんが、パーカー飛行場へ向かってみます!
「シ、シルバー・クルセイダー!あなたが来てくれて、良かった!大変なんです、とにかく管制塔まで来てください」
 パーカー飛行場へ到着すると、警備員が驚いて慌てて、私を案内しました。
 うむむむ〜〜〜んんんんんん〜〜。頼りにされるのは気持ち良いもんですな。
 管制塔につくとすぐに航空管制官が、心配そうな顔で私の前に現れました。
「シルバー・クルセイダーさん。もうお聞きになりましたか?拷問鬼と名乗る男が、ジャンボジェット機をハイジャックしたのです!そのくせ、奴は何にも要求してこないのですよ。スーザンのせいだと喚くばかりで、手のほどこしようがなく、困っています。お願いです。乗客の命を助けてください」
「まかせなさい!」
 私はすぐに管制塔から、マントをはためかせ、空へと飛び立ちました。
 地上の人々が私を見て叫んでいるのも、私の超人的な聴力に届いてきます。
「鳥だ!」
「飛行機だ!」
「たけちゃんマンだ!」
 そのまま、空港の上空を旋回しているジャンボジェット機まで飛んでくると、非常脱出口から飛行機の中に潜入します。乗客が私を見て息を呑むのを、シィと指をたてて黙らせます。
 幸いにも操縦席にいるハイジャック犯の拷問鬼には気づかれなかったようです。
 そのまま、すべるように操縦席の傍まで近づくと、中の様子を見てみます。縛られた二人のパイロットに、歯をむき出して笑いながら操縦桿を握る拷問鬼。
 一気に扉をぶち破って突入し、驚く拷問鬼にパンチを浴びせます! オラオラオラオラオラオラオラ!!!!

拷問鬼  技術点 8 体力点 9
 
 ぷぺぽ〜!
 情けない悲鳴をあげて壁に吹っ飛んでのびた拷問鬼をそのままに、急いで操縦桿を握り締めながら、大声でスチュワーデスを呼びます。
 しばらくして、縄をとかれたパイロットの手によって、飛行機は無事に飛行場に着陸できました。
 拷問鬼を警察に引き渡す前に、気絶したままの拷問鬼のポケットから興味深い紙片を発見しました。
「恐怖結社…会合は今月の27日…」
 メモに目を通したあとは、紙片をベルトの隠しに閉まっておきましょう。(英雄点を2点得る)


続く


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