冒険記録日誌
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2004年06月30日(水) ダイエット・クラブ(奥谷道草/白夜書房)

 パズル雑誌クロスワードランドの2004年8月号に載っているはみ出しゲームです。
 今月号は、超人気ダイエット・クラブに入会するために、入会テストを受けるというお話しで、いかにも(クロスワードランドのメイン読者と思われる)主婦向けという感じがしますね。
 ダイエット試験会場は迷路のような森で、万歩計で歩数を計りながら、そこかしこに開催されているダイエットの催しを体験するという内容となっています。
 いや、はみ出しゲームでこのテーマなら、ゲーム中に「腕立て伏せ10回!」とか「ストレッチ20回!」とか「息つぎなしでこの文章を最後まで読むこと」とか要求される肉体派作品(こんな分類が出来るゲームブックは、はみ出しゲームシリーズくらいだなぁ)ではないかと覚悟していたのですが、そういうことはなかったのでちょっと安心。
 でもやたら同じ箇所をウロウロしてしまったので、歩数のカウントがみるみる増えてしまいました。最近のはみ出しゲームって、マッピングが難しすぎませんかねぇ。
 最後にクリアすると歩いた歩数の合計と、ダイエットの催しに参加したダイエット点で相応しいダイエットコースを紹介してもらえます。私の場合はやはり歩き過ぎだそうで、「サハラ砂漠横断ダイエット」がお勧めと言われました。
 なるほど脱水症状で体重は減りそうですね。


2004年06月29日(火) 夢の船旅危機一髪!(奥谷道草/白夜書房)

 この作品はクロスワードランド1999年10月号のはみ出しゲームとして掲載された作品です。
 昨年の12月の日記といい、なぜこんな昔の雑誌を読むことが出来たか疑問に思う人もいるかもしれませんね。MANATさんのサイトでばらされてしまったので白状しますが、理由は奥谷道草氏に頼んで雑誌をお借りしたからなんです。ありがたいことです。なんまいだぶなんまいだぶ。チーン。
 ついでに書きますが2003年12月6日の日記に書いた「初めてのはみ出しゲーム(奥谷晴彦/白夜書房)」に書いている内容に間違いがありました。
 掲載していた雑誌名が「お絵かきパズルランド」だったので、“現在連載している雑誌のそのものよりも長い連載だったわけですね。うひゃーー。”と書いてしまったのですが、実は「お絵かきパズルランド」は「クロスワードランド」の前身というわけでもなく、現在も発売されている雑誌なのです。
 はみ出しゲームが「クロスワードランド」へ引っ越したというのが正解のようです。ここに訂正いたします。

 さて、余談が長くなりましたが「夢の船旅危機一髪!」は、氷山にぶつかり沈没していく豪華客船から脱出するという、映画のタイタニックブームに便乗したような内容の冒険です。
 町内会の福引で当てた旅行だったそうですが、まことにお気の毒な主人公です。しばらくゲームをしていると、無線で外部と通信ができるのですが、「なぜまだいるんだ。君以外の乗客は全員無事に脱出したぞ」と聞かされてますます落ち込みます。
 船内は開かない防水扉などが時々邪魔をしていて、上下左右に伸びる迷路みたいです。さらに下層部は水没していて、水没したパラグラフを読んでいる間は、息を止めておかねばならないルールですので、肉体的にもなかなかキツイ冒険です。
 しかも奥谷道草氏は、中盤のイベントでさらに船内の浸水が激しくなり水没区域が増えるという、小憎らしい演出をやってくれます。肺活量が鍛えられること間違いなしでしょう。謎解き部分は簡単な方でしたが、クリアは大変でした。

 ただ人気のまったくない船内を右往左往するだけの展開は少々寂しいかも。
 いっそ、同じく取り残された人々を集めて脱出していく映画「ポセイドンアドベンチャー」みたいなノリにしたらもっと面白かった思うのですが。はみ出しゲームの容量ではやり過ぎでしょうかね。


2004年06月28日(月) 久しぶりに日常ネタいろいろ

 冒険記録日誌のネタに素晴らしいアイデアが浮かんだので、資料になるものを早速ヤフオクで競り始めた。
・・・・・・って駄目だ。日記のために余計な出費するなんて、狂気の沙汰だよ。
当面没にしておこう。

 昨日は選挙啓発のために某水族館前で、ティッシュ配り。これも趣味の範疇。
 投票に行きそうも無い人はそもそもティッシュすら、受けとってくれないのだよなぁ。そもそもこんなので投票率あがるのか?投票したとしてもいい加減な気持ちで入れた一票に価値があるのか?とも考えることもあるが、もっと効果的な啓発方法があったらとっくにそれを実践している。まぁ、何もしないよりは良いわな。
 それにしても雨の為に着ぐるみ「めいすい君」の着用ができなかったのは残念。選挙マスコットの「めいすい君」は、ピカチューにどことなく似ている。ポケモンではなくパチモンって感じがとっても素敵だ。

 携帯電話を購入するか検討中。公衆電話がめっきり減ってしまったもので、最近は特に不便なのだ。余計な機能がない通話だけできるものが欲しかったのだが、そんな機種は存在しないらしい。いまいち気持ちがのらないので、スゴスゴと店から退散。

 東京プリンの話題が最近少ない。今でもブログとか夕刊フジでコラムを連載しているようだし、深夜番組でも出演しているようだけどね。やっぱり地方ライブや新曲が聞きたいよ。カラオケの配信曲ももっと増やしてくれないと。

 阪神どうしたのよ。まったく。
 でも世の中は1リーグ制導入だかの話題で今年のペナントレースはどうでもいい感じだね。阪神が首位にたつまで、そう考えることにしておこう。

 ザンスが面白いのでついつい続きを読んでしまう。この分だとゲームブックをする時間が減ってしまう。困ったな。


2004年06月27日(日) 最後の戦士(マーク・ガスコイン/社会思想社)

 ファイティングファンタジーシリーズの第31巻。
 本書は数年前に古本屋で300円で購入していたのですが、同シリーズの27巻以降は特に入手困難ですから、今思えばこれは本当にラッキーだったようです。

 冒険の舞台は、タイタンの南アランシアに位置するヴィモーナの街から始まります。
 この街は6年前からトカゲ兵の帝国軍に攻められ続け、いまや陥落寸前の状態。勇気と剣の神ラテクは、街の人間達に最後のチャンスを与えるべく、神託を“君”にくだしたのでした。──ヴィモーナの北東のかなたにあるテラク神の山に赴き、悪の軍に立ち向かえる武器を手に入れねばならぬ。ラスカルという男を捜すことだ、と。
 ちなみに、テラク神は「出来るかぎりの援助はしよう」と最初に言ってくれますが、テラク神自身も天上の門を悪魔軍に攻め込まれている状態だそうで、実際の冒険中にはほとんど援助はしてくれません。リーブラ様と違って、頼りにならない神様です。

 ゲームのルール面の方は非常にオーソドックスな作品で、特殊ルールは一切なし。冒険の使命もありがちで平凡な作品のようにも見えますが、そこはファイティングファンタジーの世界をまとめた本「タイタン」の編集者でもあるガスコインの作品だけあって、タイタンという世界の厚みを感じさせる場面にいくつも出会います。
 特に主人公がオークの葬儀を行う会場にバッタリ遭遇してしまうシーンがあって、ここは一見の価値あり。
 会葬者は死者に敬意を込めて“死体を一口づつ齧る(かじる)”というオークの風習が見られます。日本ならここは“ご焼香”にあたるのでしょう。
 さらに今回は悪名高きオークの酒、グアーシュを飲むことさえできます。「タイタン」の本では“ゴキブリを鼻に詰めたような味”と紹介されていましたが、ここでは“からだの中をネズミに齧られるような味”だそうで、あいかわらず凄まじそうです。
 ストーリーの序盤は選択肢次第で大規模戦争の場面になったり、一人でトカゲ兵の敵地を駆け抜けたりといきなり派手派手。逆に終盤はラテク神の加護を受けた武器を手に入れて“さぁこれからだ!”というところで終わってしまうので、結構あっさりです。そのせいか一人のヒーローの英雄談というより、広大なタイタンという世界の一つのエピソードを描いたという印象がします。
 昔はいろんなゲームブックの冒険談が、タイタンという世界を作ってきましたが、この物語はまるでタイタンから冒険が生まれてきたみたいです。タイタンという世界が、それだけ成熟してきたのだなぁと感じさせる作品でした。


<追伸>
 後期のファイティングファンタジー作品は、理不尽なくらい難易度が高すぎる印象があったのですが、今回は特に苦戦することなく4度目の挑戦でクリアしました。これは意外でした。
 もっとも普通にキャラクターを作って遊んだにもかかわらず、生まれたのは4回とも技術点が11か12のキャラクター(4人目の主人公に至っては技術点12、体力点23、運点12という奴。恐るべきサイコロ運!)でしたから、本当はもっと難易度が高いのかもしれません。


2004年06月26日(土) 送り雛は瑠璃色の(思緒雄二/社会思想社)

 創土社版が販売されて希少価値か下がったおかげか、ヤフオクで社会思想社版を割合に安価で購入できました。(作品自体の感想は、2003年6月の日記で紹介済)
 しかし入手してみたものの、よく考えたら創土社版を持っているのに私はなんで買ったんだろう?と、我ながら自分に対して疑問に思ってしまった。
 作品自体についても「話しの意味がサッパリわかんねぇ!」とか思っているのに。
 創土社版にはなかった顔の無い村(2002年3月の日記で紹介済)は好きだが、これも掲載されたウォーロックを持っているしなー。これがコレクター精神というものなのか。

 いやいや、なんだかんだ言いつつ、結構気に入っているところもあったから旧版も入手したのだよ。何度も読んでいると味がでる作品(これは本当)だから、微妙な改訂部分の違いを楽しみたいというか、うん。
 と、あわてて否定し、自分自身にそう言い聞かせつつ本棚に収納。


2004年06月25日(金) ロシア不正規隊 亡命ゲーム(さいとうたかを/西東社)

 いわずとしれたゴルゴ13で有名な“さいとうたかを”の書いた漫画型ゲームブック。ソ連を舞台に亡命を希望する要人を助け、ソ連の秘密警察(KGB)による妨害の間隙をぬって無事に脱出させるという、スパイものの基本のようなストーリーです。
 主人公は西側諜報機関に所属する秘密工作員、コードネームは「ホーク」。その素顔が太い眉毛の日本人なのはお約束でしょうか。とにかく渋い男で、寡黙に徹しています。一番多いセリフは「………。」というあたりが、“さいとうたかを”作品らしいです。
 続いてゲームブックとして見てみると、漫画形式だけにパラグラフ数は200にも満たない小作品にもかかわらず、ストーリーは以下の3章に分かれています。

 いきなり無実の罪で投獄された強制収容所から脱出する第一部。
 2人の仲間と連携して、要人を収容施設から救出する第二部。
 要人とその家族をソ連から脱国させる第三部。

 各章では、それぞれ選択肢の結果にスパイとしての適正を図る得点がついていて、最後に主人公の手腕を評価される材料になります。
 変わっているのは第二部で、ここだけホークとその仲間達(つまりタイトルにある、ロシア不正規隊)という意味で、主人公が3人います。起こる事件は同じですが、3人の視点で別々のストーリーが用意されているのです。
 誰の視点でゲームをするかは第一部の成績次第。優秀な成績だったなら引き続きホークで、失敗していたなら脇役として任務をこなさなくてはなりません。このシステムは面白いので3部でも採用してほしかったくらいです。

 まあ全体を通して見れば、運任せでしかない選択肢や、戦闘機の名前から二人乗りの戦闘機を選別するというマニアすぎる選択肢も中にはあって、ウギーッ!!と思うこともありますが、小さいことは言っこなし。
 “さいとうたかを”ならではの劇画タッチの世界が拝めるわけだから、こりゃもう満足するしかありませんな。


2004年06月24日(木) 猫といじめっ子反撃大作戦(スーパー頭脳集団アイデアファクトリー/桐原文庫) その6

(ネタバレ注意だニャー。プレイする予定があったら、後書き以外は読まない方がいいニャヨ)

 3回目のプレイで君はノラ猫達を仲間にして、学校で一緒に襲ったけど返り討ちにあったり、4回目のプレイでタツロウ君の家をガードしている殺し屋を倒して(タツロウ君の家ってどんな家なんだ)、口に咥えたナイフを投げてタツロウ君を追い詰めたのにあと一歩で逃げられたり、と苦労したけど、5回目のプレイでついにタツロウ君を泣かせることに成功したのだった。
 タツロウ君はちょっと悔しそうに「猫様、参りました」と言った。

・・・・・・気がつくと君は、自分の部屋に戻っていた。人間の姿に戻っている!
 今までのは夢だったのだろうか?すると神様が現れて言いました。
「夢ではないぞ。まあ、学校でタツロウ君に会えばわかる」
 君は待ちきれない気持ちで朝早く学校に行って、そして驚いた。
 あのタツロウ君が一人で教室の掃除をしていたのだ。君を見てタツロウ君が挨拶をする。
「おはよう!今日も1日よろしくね!」
 君はいじめっこを退治したのだ!

おしまい


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(後書き)
 はっきりいってこの作品は純粋に面白かったです。
 ゲームとしては簡単にクリア出来る方だと思います。クリアの為に本当に入手が必要な武器は1つしかないし、それがなくても技術点が高ければ何とかクリア出来るのですから。ただし最後に成功率50%の強制的な運試しをするシーンがあって、失敗するとバットエンドになる難関があるのが問題ですが。
 終盤以外の展開のバリエーションが豊かで、基本的にどの選択誌を選んでもいい(戦闘にしても逃げても戦ってもいい)のは、かって気ままな猫ライフを楽しむにはピッタリのゲーム性だと思いました。
 とぼけたノラ猫達や、怒りっぽい人間達を相手にすることが本当に面白い面白い。

 どうやら今回は、あの“スーパー頭脳集団アイデアファクトリー”の真髄が体験できなかったようです。いずれ他の作品達もプレイしてみる気になってきました。
 スーパー頭脳集団アイデアファクトリーに栄光あれ!


2004年06月23日(水) 猫といじめっ子反撃大作戦(スーパー頭脳集団アイデアファクトリー/桐原文庫) その5

(ネタバレ注意だニャー。プレイする予定があったら、読まない方がいいニャヨ)

 日が暮れて、君はタツロウ君の家の前に立った。
 タツロウ君の家は豪邸といっても間違いない建物と広い庭で、番犬や使用人までいるようだ。どこから侵入しようか迷ったけど、裏手の塀を乗り越えて庭に入ることにした。
 タツロウ君の部屋はどこかなー、と探していると、エメラルド色の瞳をしたかわいいメス猫がこちらを見つめているのに気がついた。
「お散歩しませんこと?」
 彼女は甘い声で君に囁く。思わずフラフラ・・・っとついていったら、針山つきの落とし穴に落ちて串刺しになってしまった。

おしまい


<嫌だ、こんな終わり方は認めないぞ。2回目に挑戦しよう>

 神様に姿を変えられた僕は、お母さんから食事をもらうのを諦めて、飼い猫のニャン太に相談してみることにした。
 ところが、ニャン太。むしゃむしゃ、ご飯を食べているだけで、君のことをまるで無視。こいつ、結構嫌な奴だったんだな。
 辛抱強くニャン太の機嫌を伺っていると、ニャン太も気分よく残飯あさりが出来るお店を紹介してくれた。おかけでお腹は満たされたけど、飼い主のプライドはズタズタだよ。トホホ。
「おりこうそうで、かわいい猫ねぇ。家で飼っちゃおうかな」
 商店街で僕は、保健室のマユミ先生に拾われた。
 前から憧れていた美人のマユミ先生に拾われて天にも上る心地だ。このまま、猫として一生過ごすのもいいかなぁ。どうしようかなぁ。
 君は辛かった人間時代を思い出して、どうしていいかわからなくなる。

 サイコロを振って運試し。

「一生、猫でいいや!」
 君は猫として幸せな余生をおくることになった。

おしまい


(猫にも誘惑は多いものだニャー、と思いながら)
続く


2004年06月22日(火) 猫といじめっ子反撃大作戦(スーパー頭脳集団アイデアファクトリー/桐原文庫) その4

(ネタバレ注意だニャー。プレイする予定があったら、読まない方がいいニャヨ)

 歩いていると、後ろから人相(猫相?)の悪いノラ猫が3匹ついてきた。
 逃げるか迷ったけど、無視して商店街を抜ける。そして邪魔の入らない空き地で、大喧嘩を始めた。ノラ猫達は強かったけど、技術点12の君の敵じゃない。あっという間に蹴散らしてしまった。
 タツロウ君もこんな感じでやっつけられたらいいなぁ。

 学校の前に到着すると、お巡りさんが大勢して騒がしい。耳をそばだてると、凶暴な泥棒がこのあたりに逃げ込んだとか聞こえてきた。
 でも猫の君には関係ないので、人が出払ったパトカーに進入して遊んでみる。クラクションを鳴らして遊びたい気持ちを、グッと我慢して手錠を盗んでみた。
 その後、お巡りさんに見つかりそうになった泥棒さんを助けてみた。お礼にチーズをもらって、ムシャムシャ。体力回復だ。

 でも、タツロウ君はもう家に帰ってしまったようだ。
 こうなったら、夜にタツロウ君の家に侵入して、やっつけてしまおう。

続く


2004年06月21日(月) 猫といじめっ子反撃大作戦(スーパー頭脳集団アイデアファクトリー/桐原文庫) その3

(ここから先はネタバレ注意だニャー。プレイする予定があったら、読まない方がいいニャヨ)

 とりあえず腹ごしらえしなくちゃ。
 まだ慣れない猫の体で君は台所にトコトコ歩いていく。ふうっ、階段を降りるのも一苦労だ。
 台所ではお母さんが朝食を作っていて、いい匂いが漂ってくる。
 お母さんはこちらの気配に気がついたみたいだ。
「まだよ、ニャン太。もう少し待ってね」
 そういってこちらを振り返った。
「なによ!どら猫じゃない。あっちいけ、シッシッ」
 お母さん、僕だよ、気が付いてよ。
 しばらくお母さんの周りでニャンニャン鳴いていると、横っ腹に蹴りが飛んできて、見事に壁までぶっ飛ばされた。(体力点マイナス2)
 しかたがない。ここはあきらめて、早くタツロウ君をやっつけに学校へ行こう。

 いつもの通学路を通ろうとすると、猫の身には車が多くて危険だとわかった。風圧に今にも体が飛ばされそうだ。しょうがないので商店街を抜けて行くことに決めた。
 下から見上げながら歩く商店街。働く人達もいつもより一風変わって見えて、君はキョロキョロしながら歩いていった。
 なんだか、「迷子の迷子の子猫ちゃん〜♪」と歌いたくなる気分だニャー。

続く


2004年06月20日(日) 猫といじめっ子反撃大作戦(スーパー頭脳集団アイデアファクトリー/桐原文庫) その2

 最初にルールを読んで見ます。
 能力のチェックは技術点(6+サイコロ1個)と体力点(12+サイコロ2個)のわずか2種類。あとはわずかな荷物のチェックくらいかな。
 サイコロを使用した戦闘システムもあって、これはソーサリーなどと同じものです。無いのは運点ルールだけと思えばわかりやすいでしょう。
 さらには主人公は小学生なのですが、“君”という一人称を使用しているあたり、微妙にファイティングファンタジーシリーズを意識しているような気がします。
 まあ、それはともかく始めましょう。


 主人公の君は学校ではいつも、苛めっ子のタツロウ君に苛められていました。
 今日も放課後に校舎の裏で30分くらい、ごつきまわされました。もう頭はコブだらけです。
 さらにはタツロウ君のお父さんは、君のお父さんの重役で、それを笠に「むしゃくしゃする」と言ってはいつも君を殴るのです。君の愚痴を聞いてくれるのは、飼い猫のニャン太だけ。
「いいなぁ。ニャン太は気楽で。僕もおまえみたいになりたいよ」
 ニャン太はニャア、と無邪気に鳴きました。
 その様子を見ながら、いつの間にか君は寝入ってしまいました。

 しかしです。神様はちゃんと見ていました。
 神様は君を助けてあげたいと心から思いました。
 
 目を覚ますと君は猫になっていました。
「ギャーーーー!なんじゃこりゃーーー!!!」
 すると神様があらわれて言いました。
「なんじゃ、せっかく願いを叶えてあげたのにワガママな奴じゃな」
「神様、あれは本気の願い事じゃなかったんです。元の姿に戻して!」
「そういわれてもなぁ。それじゃあ、こうしよう。これから三日以内にタツロウ君を退治して“猫様、参りました!”と言わせるのじゃ。そうすれば元の姿に戻してやろう」
「あのタツロウ君を!それもこんな姿で!」
「そうじゃ。それくらい出来ないようでは、どのみち人間として暮らしていても良いこともないじゃろう。駄目だったら、そのまま猫として暮らしなさい」
 そう言って、神様は消えました。

 さあ、とんでもないことになりました。
 タツロウ君はひ弱な君と違って、野球部所属、エースで四番のスポーツマン。この前は吠え掛かったドーベルマンと喧嘩して、倒してしまったくらいです。しかもタツロウ君のまわりは、ナイフやらチェーンやらを持った親衛隊がいつも一緒についていて、一体どんな小学生だ?と思わず突っ込みたくなる奴なのです。
 取り敢えず、“君”は鏡の前でネコパンチ、ネコキックを繰り出してみます。
・・・・・・よわっちい感じです。本当に大丈夫でしょうか。
 
続く


2004年06月19日(土) 猫といじめっ子反撃大作戦(スーパー頭脳集団アイデアファクトリー/桐原文庫) その1

 翻訳問題で柄に合わずいろいろ考えてしまっていた私は、頭が病んで来たようです。
 冒険記録日誌も2年をこえた今ごろになって、ついに謎のゲームブック創作集団、スーパー頭脳集団アイデアファクトリーの作品を取り上げる気になりました。
 ゲームブックの楽しさの原点に帰ろうと考えた結果、こういった作品を読みたくなるのは、私が根っからのB級体質なのかもしれません。ゲームブック自体マイナーなのに更にマイナーを求めてどうする、と自分で自分に突っ込む気持ちもあるのですが。

 この「スーパー頭脳集団アイデアファクトリー」の素晴らしさについては、すでに“蒼洋”というHPで麻呂氏が3作品ほどレビューをしておりますので、改めて私が言うことはありません。
 一度そちらのゲームブックの項をご覧ください。

蒼洋
http://www15t.sakura.ne.jp/~mope/index.html

 しかし先入感はいけません。やはり、すべてにおいて評価と言うのは最終的には自分で読んで判断するべきでしょう。
 そんなわけで自分が所有している彼らの作品の中では、一番面白そうだと思った本書に挑戦してみることにします。
 さて、どんな結果になることやら。

続く


2004年06月18日(金) 熱核姉妹ツインノヴァ 惑星ディクターの陰謀(草野直樹・バンダイ文庫)

 本書は、古本屋で発掘してからずっと物置に放置していたのですが、ゲームブックの交換のために手放すことになったので、その前に急遽読んでみる気になりました。
 内容は人類が亜光連航法を編み出し、宇宙中の惑星に人々が生活するようになった、遥かな未来が舞台のSFゲームブックです。

 まずは普通にプロローグから。「主人公はまだうら若き双子の姉妹、五月と菊花。UWFA公安局特捜課の特捜士官として犯罪捜査に関わっているが、二人が関わった事件は、文字通り惑星が破滅するほど酷い結末をいつも迎えるので、ツインノヴァという悪名高いコンビ名がついている」・・・・・・って、あれ?
 これって、なんか前に読んだ富士見書房のゲームブック「ダーティペア ヴァッサーインゼルの大追跡」(2002年7月7日の冒険記録日誌で紹介済)に設定がソックリだな。
 さらに読んでみるとゲームルールやストーリーの違いはあるものの、装備している武器もダーティペアと同じ。ごく稀にツインノヴァに予知能力が発現すること。猫丸(ダーティペアではムギという名前)という電気を自在に操る大きな猫のような生き物を相棒にしている点まで、何もかも一緒。違うのは登場人物の名前と主人公達が双子という設定だけ。
 どういうことなのでしょう。高千穂氏の原作「ダーティペア」そのものには詳しくない私には、どんな事情があったのか謎が深まるばかりです。

 まあ、それはそれとしてゲーム自体は、「惑星ディクターで宇宙艦の部品盗難事件を調べろ」という小さな事件(主人公に言わせればセコイ事件)の捜査から始まり、それがなぜか行く先々で謎の男たちによる襲撃や、派手なカーチェスに巻き込まれて、次第に事件の全容が大きくなっていくという展開となっています。
 推理よりアクションシーンが多いのと、ノー天気でスカッとしたツインノヴァ(ダーティペア)の性格もあってか、物語がサクサク進んでいくので、捜査ものにありがちなフラストレーションを溜めることなく楽しめました。

 ただねぇ。例え事件を解決しても、最後のドンパチでうっかり核施設まで破壊してしまい、放射能汚染が広がって惑星ディクターが死の星になるという、悲惨極まりない(そのくせ実にあっけらかんとした)エンディングは凄いね。
 原作の方でもこの豪快さ(最後に事件は解決するけど、必ず何千万人もの人が巻き添えをくらうオチ)が売りみたいですけど・・・・・・いいのですか?これで。
 突っ込むのも野暮なのですが、どう考えても犯罪組織よりツインノヴァ(ダーティペア)を始末した方が、住民にとって幸せだったような気がします。


2004年06月17日(木) 開眼

 ソーサリーが新訳で発売されたことで、私はなんとなく旧訳との比較や他のいろんなゲームブックサイトの意見が気になって、翻訳のあり方とか誤訳とかいろいろ考えていました。
 しかし今日、他の掲示板に書かれたある新婚さんの書き込みを読んでふっきれました。

(以下無断転用)
>あと、双葉文庫のGB群を読んでると、誤訳や超訳なんて小さな事はどうでも良くなってきます。ちゃんと選択肢間違いとか無くて読めさえすればって思えてきますよ。オススメ。


 そうだよ!おいらは気楽なA級・B級なんでもござれの悪食ゲームブックファンだったよ。
 双葉、朝日ソノラマ、富士見、勁文社、ジャクソン、鈴木にブレナン。ララララ、みんなみんな大好きさ〜♪
 旧訳、新訳、そんなの気にしないしないのただ楽しむのよん。
 あっはっはっは〜。

 というわけで、私はもう難しく考えずに楽しむことに決めました。ハイ。
 でも翻訳に絡んでいろんな方の意見が聞けたことは、有意義だったと思っています。感謝。

(わかる人しかわからない日記だなぁ)


2004年06月16日(水) 七匹の大蛇(スティーブジャクソン/創土社)

 角笛城のネタがまだ完結していないので、先走りしてこんな日付で書きますが、やっと「七匹の大蛇」を入手しました。
 なんかねー。
 いろいろ翻訳について考えてしまったせいか素直に楽しめなくなったなぁ。というのが正直な感想。
 新訳もいいところが多いのだが、私は全体的に見てやはり旧訳の方が趣味に合うようだ。
 浅羽さんの訳って癖あるからね。あのどこまでもあか抜けない言葉遣いに、好き嫌いが出るのはしょうがないと思う。いいとか悪いとかじゃなくて。(話がややこしくなるので、今回は誤訳の話は別としておく。私の場合は誤訳による失点を差し引いても、自分の趣味が合う翻訳を選ぶという事だ。もっとも“十字をきる”みたいなゲーム進行にまで影響する誤訳だけは困るけど)
 これが昔読んだ愛着ゆえなのかは、自分でもわからない。愛着だけの理由ではないと思うのだが断言できるほどでもない。
 それゆえに逆に、浅羽さん以外の人が訳した「バルサスの要塞」なども読んでみたい気がしている。扶桑社から新訳での復刊に期待していたのだが、どうやらそれもかなわぬ夢のようだ。

 とはいえ、創土社版のソーサリーだって、私が楽しむことに変わりはない。全四巻が揃ったらプレイしてみようかと思っている。やっぱりゲームブックは遊んでなんぼ。きっと新たな感想が生まれるだろう。
 あと自分でも理由はわからないが、なぜか「火吹山の魔法使い」だけは浅羽さんの訳が、最も相応しかっただろうと考えている。一方で舞台がSFの「さまよえる宇宙船」は、浅羽さんの以外の新訳でも読んでみたい一番の作品だ。たぶん、華々しい雰囲気になるか、安っぽい雰囲気になるか、そのどちらかになると予想できて興味深い。
 そういえば、みんなは翻訳についてどう思っているのだろう?あまり気にしてないのかな?


2004年06月15日(火) 角笛城の反乱(ケビン・バレット&ソール・ピーターズ/ボビージャパン) その8

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 台地を登ると、意外にもヘルルフは私を待っていた。剣を持った手が垂れ下がっている。すぐ近くで雷鳴が轟く。いつの間にか降り始めた激しい雨に2人ともずぶ濡れだ。
「我が友の曇り族は来てくれなかった」
 へルルフは落ち着いた声でそう喋った。なんらかの事情で作戦は失敗したのだ。
「なぜ我ら民を裏切ったのですか。ヘルルフ様」
私は剣を抜きながら問い掛けた。
「我が民?貴様らの民だ。私の父は曇り族の人間だ。貴様らのご立派なセオドレド王子に父は殺されたのだ。裏切るには十分な理由だろう!」
 すぐ近くの落雷が引き金となった。
 お互いに剣を構えて突進し、(攻撃のサイコロは最良の12、クリティカルヒット!)ヘルルフの体は崩れ落ちた。
 もう角笛城に戻る気力も無くなった私は死んだヘルルフの体の傍に倒れ、返り血を雨が洗い流すに任せ続けた・・・。

 夜明けの光が優しく地上を照らす。私は力を奮い起こして立ち上がり、角笛城へと戻った。
「若者よ!」
 声をかけられたので見返すと、馴染みの歩哨隊隊長だ。
「まことに、あれこそ戦いだったな!姿が見えなかったから、お前は死んだものかと思った」
「私は死んでませんよ。気分はそんなものでしたけどね。よくあの大軍に勝ったものだ。信じられません」
「灰色のガンダルフ様が散り散りになった騎兵とともに来られたからさ。それに見てみろ!」
と、彼は広大な森の方を指した。
「逃走したオークどもはあの森に逃げていったが、一匹も出てこん。まるで森が飲み込んだかのようだ。どんな魔法なのかだと?魔法使いのやり方が私に分かるわけないだろうが!」

 隊長と別れると、上官ガムリングが私を待っていた。
「昨日のお前の戦い振りは実に勇敢だった。お前を辺境騎兵に命じる!この名誉、受けてくれるな」
 もちろんだ!ガムリングから剣を受け取った私は、空高くそれをかかげた。
「ローハンよ!我は汝の忠実なるしもべなり!」





<後書き>
 以上がプレイ状況でした。最後のヘルルフ戦は、戦闘疲れの主人公には厳しい戦いだったのですが、運がよかったです。実のところヘルルフの生死はエンディングには影響しないので、無視した方がクリアしやすいのですが、やっぱりこのクライマックスは格好いいのでつい選択してしまいますね。
 ちなみにエンディングは一つではなく、ヘルルフの裏切り行為を確実に証明できれば、セオデン王から直々にお褒めの言葉をいただくベストエンディングとなります。
 不満点は指輪の仲間達にわずかしか会えないこと。ギムリは口をきいてくれないし、ガンダルフの姿を見ることはなく、アラゴルンに至っては名前すら登場しないのですから悲しいじゃないですか。
 他にストーリーの前半部分は、展開にいろんなバリエーションがあって良いのですが、後半の角笛城の攻防戦は展開がほぼ一本道なのは残念。パラグラフをもう50くらい増やして、もっと楽しませて欲しかったな。
 とはいえ、ローハンの一兵士としての立場で、物語に参加している感はよく伝わってきました。いいですね。
 このミドルアースクエストシリーズ、未訳の3巻以降も含めて復刊してくれないかなぁ。


2004年06月14日(月) 角笛城の反乱(ケビン・バレット&ソール・ピーターズ/ボビージャパン) その7

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 深網谷は暗黒の夜のとばりに包まれている。不意に襲う稲光が闇を裂くが、雲はまだ雨を吐き出そうとしない。私はじりじりとした気持ちで、城壁の配置について待っていた。
 しばらくすると、谷の奥から赤い輝きが見えて来た。サルーマンの軍勢がやってきたのだ。みるみる松明の輝きは谷全体を赤く燃やしているようになった。
 塁壁を守っていた者たちは、ひとたまりもなくオークの軍隊に飲み込まれ、角笛城へ赤黒い波が向かってきた。

 眼下に迫り来るオークの軍隊へ向かって、私は矢を引き寄せやたらと打ち込んだ。こちらにもオークの矢が飛んでくるが、危ない程のこともない。
 戦闘の音は徐々に激しさを増してくる。残りの矢はたちまち減ってしまった。
 その時、後ろから透き通ったような声が聞こえた。
「エオルの裔よ。つるを離すときは、もっと手を安定させるのだ」
 振り返るとエルフの姿があった。レゴラスだ!
 レゴラスは接近すると、なめらかに弓を二度引いた。
 たちまち視線の先のオークが二匹倒れる。
「一本たりとも無駄にはできないぞ!」

 オーク達は城壁までたどりつき、攻城ハシゴを次々と城壁の頂上に立てかけた。 オーク達が登ってくる。ハシゴをはずそうとする兵士は、オークの矢で狙い撃ちされた。
 私も手近にかかったハシゴに飛びつくと、力任せにハシゴを押し戻そうとした。

(ここで筋力ボーナスチェック・・・成功)

 ハシゴは城壁の反対側に押し戻され、しがみついていた4匹のオークが空中に舞った。
 しかし全てが私のように成功したわけではない。ハシゴから登ってきたオーク達と剣を交えた。
 なんとか倒して周囲を見ると仲間達も撃退に成功しており、ちょっとした小康状態となった。見るとレゴラスが矢を回収してまわっている。
 見習って矢を拾おうと腰を屈めたとき、上官が召集をかけた。深網防壁が強襲されているとの声に、20人程の兵士と一緒になって走り始める。
 そのとき10本の雷がいっせいに落ちたような音と衝撃が伝わった!
 防壁に閃光が走り、城壁のさらに頭上高くまで、ブロックの破片が飛び散っていった。オークたちが崩れた壁を越えて城内に突入していく。
 思わず私は立ちすくんでその光景を見上げた。これはサルーマンの魔法か?

 城壁から降りた私は、既に人間とオークが入り混じって混戦となっている戦場に突入した。
 ひときわ目を引いたのはドワーフのギムリの奮闘ぶりだ。オークが何人でかかろうと、たちまち斧で切り伏せていく。
 そのとき背後からギムリに飛び掛ろうとしたオークに私は気付いた。
 今こそヘアムガメルの行動に習う時だ。私は危険も顧みずに、真っ直ぐにそのオークに突入して、(攻撃はクリティカルヒット!)首を刎ねた!
 さらに別なオークに目標を移そうとした時に、落雷が台地にあがる崖の道を照らし出した。そこに見えた兵士の姿に私の目は、釘付けになった。ヘルムの塚に誓ってあいつはヘルルフだ!逃げ出すのか、曇り族の軍を手引きするのか。
 私は戦場を脱出し、ヘルルフを追って崖の道を走り出した。

続く


2004年06月13日(日) 角笛城の反乱(ケビン・バレット&ソール・ピーターズ/ボビージャパン) その6

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 悪夢が消えて現実に戻ってきたが、悪夢を見ていた方がましだったと、私は後悔した。
 殺風景な野営地に、排泄物と腐肉が混ぜて醗酵させたような匂いが充満している。いたるところで武器をいじったり、いがみ合ったりしているオーク達。わずかに生えている木々には、ローハンの騎士達の死体がぶら下がっていた。
 きっと残虐な死に方だったに違いない。

 私はテントの中に放りだされた。
 私の予想に反して、そこにいたのは不思議な美しさをもつ美女だった。サルーマンの手下だろうか。しかし、彼女からは敵意が感じられない。
「わたしをゆるして。あなたをそんな目に合わせてしまったなんて」
 彼女はすまなさそうに私に言った。まるで小鳥のようにかわいい声だ。
「オークや死のことなんて忘れていいのよ。蜂蜜やお酒のこと。香りたつ花やさらさらな雪のことを考えて。そういうのはお好き?」
 彼女の声を聞くと安らぐ。
「あなたを守りたいの。・・・暖めて私で満たしてあげたいの。聞かせて・・・さあ、聞かせて・・・」

(ここで魔法ボーナスチェック・・・成功)

 私は彼女の魅惑の魔法に気付いた。
 そのまま魔法にかかったふりをして、そのまま偽の情報を流そうと試みる。

(ここで知性ボーナスチェック・・・失敗)

 女の表情が変わった。もはや見せかけの魅力は吹き飛んでいる。
「あんた私を馬鹿にしてるね。こいつを夕食につれていきな!目障りだよ」
 オークが再び私を捕まえて、厨房に引きずっていった。もちろん材料は私だ。
 絶対絶命の危機だったが、オークのコックが飛んできた石に気を取られたおかげでなんとか脱出に成功した。
 九死に一生とはまさにこのことだ!

 全速力で逃げだす私に突如騎士の姿が現れた。
「エオルの裔よ!こっちだ」
 先程私を助けてくれたのは、彼だったのだ。
 彼はヘアムガメルと自らを名乗り、しばらく一緒に走っていたがオークに見つかってしまった。オーク達から矢が放たれ、ヘアムガメルの腹部を貫いた!
 私は生き延びるために、彼を見捨てて走りつづけるしかなかった。
 彼の親切を決して忘れまい。自分が強くなったら彼のように振舞おうと強く誓いながら。

 こうして私は夕闇がせまるころまでに、城の塁壁まで戻ることができた。
 私は指揮をとっている上官ガムリングにヘルルフの裏切りを告発した。ガムリングはひどく驚いた様子で話しを受け止めかねているようだった。
「ふうむ。お前の話を裏付ける物はないのか」
 半信半疑ながらも、私のキッパリした報告に対して、心を動かされたようだ。
「わかった。時間を見つけてヘルルフと話してみよう」
 だが、その次の言葉に私は緊張と興奮に身を強張らせた。
「だが今夜は包囲に備えねばならん。白い手(オークの軍隊)は今夜襲ってくる。すぐに城壁へ配備するのだ!」
 私は、塁壁から城へ続く土手道を歩き始めた。
 すると角笛城の城壁から数千の歓呼の声があがった。
 セオデン王が到着されたのだ!
 もう、モルドールが全軍で押し寄せようと怖くは無い!
 騎兵達が次々に私を追い越して城門へと登っていく。親切な一騎が止まって、私を馬に乗せてくれた。
 私は馬の上で親切な騎士と話す。そのとき一騎が勢よく追い越していった。
「中つ国にもいろいろな人間がいるものだが」
 騎士はその一騎に目を向けて言った。その馬には2人の乗り手がいるようだ。
「よりによって、ドワーフとエルフが我々と馬に乗っているとはね。ギムリとレゴラスという名だそうだ」
 私は驚いた。そもそも病に伏せていたセオデン王が、兵を率いておられる。
 こんな奇妙なことが続くことは、これまでなかったなと思いながら。


続く


2004年06月12日(土) 角笛城の反乱(ケビン・バレット&ソール・ピーターズ/ボビージャパン) その5

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 私は曇り族の男を追い、暗い洞窟へと入っていった。
 しかし我ながら、戦闘しか能の無い私のこと。またもや曇り族を見失ってしまう。
 前方が三本に道が分かれている分岐点でしばし悩んだが、運任せに暗闇の中を壁に手を当てつつ歩いていった。
 すると突如、ナイフの切っ先が目の前に突き出た。尾行に気付いた男が待ち伏せしていたらしい。
 熾烈な戦闘が始まった。
 今度の敵はなかなか手強い。
 対するこちらは先ほどの戦闘ですでに負傷しているのだ。あきらかに不利だ。
 逃げ出す選択肢もある。だがここまで来て引き返せるものか!

(余談だがこのゲームブックの戦闘は、サイコロを振って戦闘結果表を参照してダメージを算定するシステムになっている。中には残り耐久力に変わりなく一撃で“気絶”や“即死”になる結果があるので、たとえ不利でも勝つ可能性はあるし、その逆もあるので、緊張感のある戦闘が味わえていい感じだ。また運と状況がよければ負けても死なずにゲームは続けられる)

 残念ながら私は戦いに負け気絶してしまった。
 そして意識を取り戻したときは、私は馬に縛られてどこかに運ばれていた。
 いや、よく見ると馬は歩みを止めている。頭をめぐらすと、私を倒した男は既にここにいないらしい。別の曇り族の男数人が、オーク達と言い争っているのが見えた。
 仲間割れか・・・?よくわからない。
 それにもう昼間なのにオークが平気でうろついている事にも私は疑問を感じた。サルーマンの生み出した新たなオークなのだろうか。
「あいつは、俺たちのものだ!」
「今まではな。だがこれからは俺たちウルクハイのものだ。あいつはクリアの姉さんの所へ連れて行く。これは命令だ!」
 オークの一匹が私の髪を荒々しく掴んで引き寄せた。臭くて熱い息が顔にかかる。
「どうした生肉」
 しわがれ声でオークが言った。
「まずクリアの姉さんがおめえで楽しむ。それから俺たちがおめえをもらうって寸法さ!」
 奴の足元に唾を吐きかけたが、手痛い平手打ちを喰らう。
 一方では曇り族の男達とオーク達の戦闘が始まっていた。戦局はオーク達が優勢だ。明らかに普通のオークとは違う。
 だがどちらが勝とうが、今日の運命は私にとって最悪のようだ。
 私は絶望的な思いにとらわれながら、また気絶してしまった。


続く


2004年06月11日(金) 角笛城の反乱(ケビン・バレット&ソール・ピーターズ/ボビージャパン) その4

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

私のカンは当たった!
兵舎に潜んでいた曇り族の男が襲いかかってくる。
剣で応戦して男を切り伏せ、その顔を改めて覗き込む。失望したことに、ヘルルフと一緒にいた男とは違う奴だ。
切っ先を男の喉に当て問い詰める。
「どうやって峡谷に入り込んだ。言え!」
「しゃ、斜面の・・・お前達の大事な城の・・・すぐ上・・・こ、殺さないで・・・」
男は途切れ途切れに声を振り絞って答えたが、すでに致命傷を負っており、まもなく生き絶えた。
敵とは言え、あまりいい気持ちはしない。だが秘密の通路が斜面のどこかにあることはこれで判明したわけだ。

さらに斜面を進むと曇り族の男と思われる足跡を発見した。
そのまま最新の注意を払って探索していると、人影を発見した。
見つけた!今度こそあの男だ!
男は見られているとも知らずに、黒苺の茂みの下を腹ばいに潜っていく。
見つけていなければ、大の大人が通る道とはとても気付かなかっただろう。
そのまま様子を見ていると男は大岩の前まで進み姿を消した。

秘密の抜け道を発見したからには、一度城に戻って報告に戻るべきかもしれない。
一人で敵が何人いるとも知れない抜け道に入るのは危険に思われた。
またヘルルフの動向も気になるところだが・・・・・・。
それでも私は、黒苺のトゲに引っ掛かれながらも、男を追って前進を続ける道を選んでいた。


続く


2004年06月10日(木) 角笛城の反乱(ケビン・バレット&ソール・ピーターズ/ボビージャパン) その3

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

ヘルルフに呪いあれ!
私は毒つきながら、らせん階段を飛ぶように降りる。
そのまま裏門から忍び出て、2・3歩進むと、さっきの2人が持っていたカンテラが地面に転がっているのを発見した。

(ここで知性ボーナスのチェック・・・失敗)

さらに裏階段を降りつづけ、暁の光の中で灰色に煙る谷底へと向かっていった。

(ここで一般ボーナスのチェック・・・失敗)

急ぐあまり、私は足を踏み外して転げ落ちた。武器や防具が派手な音をたてる。
その音が峡谷中にこだまする。私がいかにぶざまだったかを説明してくれるようだ。
曇り族の待ち伏せを警戒した私は、物音が止んだあともしばらくジッと転がって耳を澄ませたが、何も聞こえない。やれやれ。
足を少々挫いたようだが、かまってはいられない。痛みに顔をしかめ槍を杖代わりになんとか立ち上がる。
不意打ちを警戒しながら、曇り族の痕跡を探して岩が邪魔をする道を歩き出した。

(ここで一般ボーナスのチェック・・・失敗)

しかし、依然として曇り族の足跡すら見つからない。

(ここで知性ボーナスのチェック・・・また失敗)

曇り族は峡谷の一番奥に向かったに違いない。この先にはローハンの兵舎があったはずだ。
今は兵舎の騎士たちが進軍中の為に無人のはずで、そこが隠れ家に使われていないとも限らない。
私はそう判断して再び出発する。


(うーん。キャラクター能力を戦闘重視に設定したからなぁ・・・と思いつつ)
続く


2004年06月09日(水) 角笛城の反乱(ケビン・バレット&ソール・ピーターズ/ボビージャパン) その2

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

「嵐が来るな」
私はそう言って、角笛城の城壁から夜明けの地平線に集まる雲を見つめた。
その言葉は自分自身に向けたものだったが、傍にいた歩哨隊の隊長にまで聞こえたようだ。
「うむ。嵐か。雷鳴は行軍の足音、稲妻は輝く剣、雨は矢じゃな」
そう答えてから隊長は、さらに付け加えた。
「すぐにでも戦は始まるのじゃなかろうか。今すぐにでもな」
遠い昔、栄光に満ちたゴンドール時代に建てられた角笛城の城壁から、私はひっそりと静まる峡谷を見つめた。
隊長を監視所に残し、私は外城壁をゆっくりと歩き始めた。隊長の言葉を考えながら。もちろんまだ薄暗がりの中、目と耳には神経を集中させて見張りの任務は怠らない。

今日は異常なしか。

そう判断して、監視所に帰ろうとしたとき、かすかに押し殺したような声が聞こえた。それも城壁のすぐ下だ!
あわてて私は声のする方へ駆け出し、たいまつを片手に城壁から身を乗り出して、目を走らせた。
いた。城壁の下の茂みに曇り族らしき男と、ローハンの騎士らしき人物が見える。・・・あれはヘルルフだ!
私は自分の目が信じられなかった。ヘルルフといえば、オークを相手に勇敢に戦った功で信頼されていた指揮官ではないか。
私は思わず驚愕のうめき声をあげてから、目を凝らしてみる。
彼は曇り族らしき男に羊皮紙を渡していた。もし本当にあれが曇り族なら間違いない裏切り行為だ・・・。

2人はパッとこちらを見つめた。ヘルルフの怒りの表情と、見知らぬ男のおびえた様子まで見て取れる。
しまった!とっさに松明を地に落として明かりを消す。すぐにもう一度見渡したがもう2人の姿は消えていた。
私の頭は混乱していた。どういうことだ?ヘルルフは裏切り者なのか。いや、もしかすると、あの曇り族こそ仲間を裏切ってこちらに情報を明かしていたのかもしれない・・・。
ヘルルフを探し出して問い詰めるべきか、任務を続行して後で隊長に報告すべきか迷った。
そんな一瞬の躊躇の後、私は決断をくだすと峡谷を降りるために、急いで城壁を走り始めた。
追いかけて、あの曇り族の男を捕まえるのだ!

続く


2004年06月08日(火) 角笛城の反乱(ケビン・バレット&ソール・ピーターズ/ボビージャパン) その1

 本書は、いわずとしれた超有名ファンタジー小説「指輪物語」を原作とした作品でして、最近では映画の影響なのか特に入手困難なゲームブックです。
 どのくらい入手困難かというと、「ヤフオクで嫌がらせに値段を吊り上げていたら、そのまま落札になってしまい、泣く泣く5250円で購入する」くらいに貴重な作品なのです。
 ええ、あくまで例え話しですけどね。

 「角笛城の反乱」はローハンの若い騎士が主人公。あの角笛城の攻防戦を舞台にしたお話しで、指輪ファンならずともワクワクするような題材です。
 ゲームシステムは前作の指輪物語ゲームブック「イセンガルドの密偵」(2002年10月の日誌で紹介済)と同じく、TRPG「指輪物語」のルールを採用しています。
 しかし意外にもゲーム中は前作とは違う一方向システムとなっていました。今回は大まかな戦争の流れもあるので、確かに双方向システムよりこの方がピッタリくるのでしょう。
 ただその分、今回は時間のルールが蛇足気味に思えるので、これは無視してもいいんじゃないかと思います。
 それでは実際にプレイしてみましょうか。お金を出したぶん楽しまなきゃね・・・。

続く


2004年06月07日(月) つゆ時洗濯タイム(奥谷道草/白夜書房)

 パズル雑誌クロスワードランドの2004年7月号に載っているはみ出しゲームです。
 今月は、電車も止まるほどの大雨の中、洗濯物を乾かしにコインランドリーを探して迷路みたいな町を彷徨う話しで、牛丼探しや焼き芋屋探しのように、はみ出しゲームとしてはオーソドックスな内容ですな。

 そう思ってプレイしたら甘かった。今回は地図作成なしでは、全然クリアできそうにない。
 途中からマッピングをはじめて、この迷路の町は大雨の為に視界が悪く、進行方向によっては脇道を見逃して突き当りまで行ってしまう罠があることが判明。
 やはり奥谷氏。油断させておいて、意地が悪い仕掛けを作るなぁ。おかげで距離感がつかめないから、キレイに地図が作成できない。地図を書くというより、パラグラフ番号のつながりを書いたフローチャートを作る気分でメモをとっていく。集中しないと頭がグチャグチャになりそうだ。

 最後はヘロヘロな気分で、目指すコインランドリーに到着。
 洗濯物を突っ込んでホッとひと息をついた。


 他にもバグとか、同じ内容のパラグラフが二つあるとか発見したけど、今確認したらMANATさんのサイトに既に全部書いてあったので報告は省略。
 あと個人的に気にいった小技は、パラグラフ69番。
 ここは迷路の北端で、北は水位が上がった川があって進めないのだが、普通なら「北へは通れない」と書けばすむところを、

「北へ進む→橋が壊れ、なんとか手すりにつかまって助かるが、洗濯カゴが川に流れてしまいEND」

という、わざとすっ呆けた選択誌をつけているのだ。思わずニヤニヤ笑ってしまった。
 はみ出しゲームの最大の魅力は、実はこんなユーモア部分にあったりするかもしれない。


2004年06月06日(日) 青空ナンプレ大会(奥谷道草/白夜書房)

パズル雑誌クロスワードランドの2004年6月号に載っているはみ出しゲームです。
内容は全体が巨大なナンプレになっている迷路を探索するという話し。
つまりゲームブックの形式を使って、ナンプレを解く二重のパズルなのだ。
あいかわらず、チャレンジ精神旺盛なゲームブックを考えるなぁ。さずが奥谷氏。



でもね。


プレイしてないので感想は書けないのです。てへ。


いや、ナンプレが苦手なんだよね。私って。



この号の感想は、MANATさんとこのサイトにある4月30日の日記に詳しくかいてあるのでガマンしましょう。



2004年06月05日(土) 真面目に反応してみる 2

 くだんの人物とメールでやり取りしてみた。
 まあ、別にはじめてメールする相手ではないのだけど。
 結果として考え方の違いはそのままなのだが、それをどちらが正しいか決着をつけたいとはお互いに思っていないので、割と楽しく相手の考えを聞けたと思う。
 正直、同じゲームブックファンでも、ゲームブックに対する好みや考え方が、私と正反対な人だなぁと(それ自体は別に不快でもなく)前々から思っていたので、興味深さもあったのだ。驚いたのはあの批判は、私に対するものではなかったという返事。だって、あの書き込みでは最初に私が送ったメールのことを話題にしているから、てっきりそうだと思うよ。ねぇ。
 こちらが今後はこの話題をする気はないというと、批判や意見の交流は必要だと返すし、その批判のあり方についても、お互いの考え方の相違がさらに判明してきて、ますます面白かった。
 その中で私が最も同意できたのは、くだんの人物が最後に返信した次の言葉だろう。


>まあ、あとは楽しむ余裕さえあれば、こじれることはないということで。


 あと、内容はいえないけど、思わぬ収穫もあったので結果的に大満足なのでした。
 この話しはここまで。


2004年06月04日(金) 真面目に反応してみる

某掲示板で、私の意見に反応したと思われる書き込みを発見。
ちょっとした誤解と、こちらの過ちが合わさった結果だと思うので、直接その方にメールしてみることにした。
こうゆうのは手段が間接的なほど誤解が多くなるし、本当は直接会って話してみたいくらいだ。
こういうゲームブック談義も面白そうだし。

ちなみに冒険記録日誌は、自分が正直に思ったことを書くスタンスなので、その内容を反対されることについては「しょうがないなぁ」という気分である。それについては、自分の意見が間違っていたとは思わない。こうゆう考え方をする人もいるのだなぁ、という程度に合わない人はスルーしてもらえればよい。もともと、他人に考えを押し付ける気は毛頭ないのだから。
でも私自身、批判的な意見が多い日誌や掲示板を見ると、気分が悪くなるタイプなので、なるべくそうゆう話題は避けるのも冒険記録日誌のもう一つのスタンスだと思っている。
わざわざ不快感をまくサイトなど作っても楽しくないのだ。不快に感じる人がいれば、その時点で冒険記録日誌の主旨に反しているので、今後反省して気をつけなければならないかな。

うっかり勢いだけで書いてしまわないように、気をつけていこうっと。


2004年06月03日(木) 騎士と魔法使いシリーズ

尻上がりに気にいったのは「魔法の国ザンス」だけでなく、ゲームブックだと双葉文庫のペパーミントシリーズなどもそうなのだが、最初から妙に気にいってしまったゲームブックシリーズもある。

それが近代映画社の「騎士と魔法使いシリーズ」なのだ。
今までの冒険記録日誌でも3回ほど取り上げているが、安っぽい装丁、メチャクチャなゲームバランス、値段の割に話しが短いというコストパフォーマンスの悪さ、などと悪い点をあげれば本当にきりが無い。
それでも主君に忠義を誓う騎士と魔法使いの物語が、すっかり気に入ってしまった。
いささか古めかしさを意識した訳文の魅力もあったろうと思う。

まだ読んでいない日本語版はあと、3巻の「サラリンダ姫を救い出せ」だけだ。
サラリンダ姫はカバーイラストの画像データを見る限り、いかにも洋物の作品らしく、濃いィィ顔をしている。が、そんなことかまうものか!お会いしたいぜ、サラリンダ姫。
この本の情報を求む。


<追伸>
ちなみに海外サイトを見ると、なぜかフランス版だけカバーイラストが違っている。結構かわいい顔をして純白のドレスを着たサラリンダ姫が、しゃれこうべで作られた椅子に座っている絵で、いわゆる萌え・・・・・・る絵なのかも。


2004年06月02日(水) 魔法の国ザンス

友人から本を借りる機会があって、ピアズ・アンソニィの「魔法の国ザンス」を最近読んでいる。
ゲームブックファン足るもの、ファンタジー小説の見聞も広めておくべきだろう。
などと呟きながら、ただいま5巻目を読了。
このシリーズは、昔に読んだことがあるけど、1巻を読了した時点で「なんて退屈な内容なんだ!」と投げ出したことがある。
しかし、最近ウォーロックを読み返してみると、「ザンスは、最初は退屈だったけど、3巻あたりから面白くなって〜」みたいなコラムがあったので、今回は我慢して読みつづけた。

うん。確かに3巻あたりからは面白くなってきたぞ。
それぞれ違った超能力をもった仲間達がパーティを組んで旅をするという、基本的なストーリー展開(1巻で一話完結。ただしパーティのメンバーは毎回違う)は、これまでどの巻も同じようなものなのに。
この独特の世界観になれてきたせいだろうか。普通なら、幻想的な短編ファンタジー小説でしかお目にかかれないような、この「ザンス」という魔法の国を長編で描きつづけるのは見事というしかない。どっぷりと別世界の冒険に浸ることができる。
並みの力量の小説家なら、物語を続けられずに設定が破綻してしまうだろう。

読みながらこの物語が何かに似てるなと思ったが、思い出した。
1人につき生まれつき魔法を一種類だけ身に付けられるという、ザンス独特の魔法のシステムが、「ジョジョの奇妙な冒険」のスタンドみたいなのだな。
そういえばパーティで旅をする構図も、ジョジョの第3部や第5部みたいだ。
もしかして荒木氏も、このシリーズのファンだったのか?


2004年06月01日(火) 方針転換

また日記が停滞してしまった・・・。

1ヶ月ほったらかしにしていたのに、日記に備え付けのカウンターを見る限り、来訪者は結構来ていただいていたようだ。
なんだか申し訳ない気になるなぁ。
ネットオークションで悲喜こもごもあったり、先月もゲームブック関連の話題は沢山あったんだけど纏まった時間がなくて、ついズルズル日記を書かなかったんだよ。(言い訳)

これからは短い文章でもいいから、なるべく毎日更新するよ。

以上


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