冒険記録日誌
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2003年12月31日(水) 掘り出し物

大昔からあるような鄙びたおもちゃ屋で、今となっては入手困難で貴重な古い玩具が新品のまま売られていた。そんな話しをたまに聞きませんか。
最近初めてそういう経験をしました。
車で2時間ほど離れた町に行ったとき、時間潰しに寂れがちな商店街を散策したのですがね。その中の一軒にごちゃごちゃした感じのおもちゃ屋があったのですな。
店内を見てまわると、あのアメリカのスティーブジャクソンがデザインしたTRPG「カーウォーズ」のセットとか、富士見書房の絶版になったTRPG教本やD&D関連小説、社会思想社のT&Tソロゲーム、ウィザードリィのカードゲーム、その他初めて聞くような名前のTRPGキットとかが、定価で売っていたのです。私はそれほど詳しくないのですが、きっとTRPGファンなら垂涎ものの品揃えだったと思います。
さらに店のおばちゃんに「これ新品?」と聞いたら、「新品ですよ。最近こうゆうのは売れなくてね」とのこと。まあ売れないも何ももう絶版だしね。
そんなわけで、とりあえず本を4冊ほど買いました。本当はもっと欲しかったけどお金がないし。でもまた一年後にきてみても、品揃えがそのままの気がする。

*購入した本*
・アイスウィンドサーガ2巻、4巻(富士見書房)
・ファンタジーRPG100の常識 アイテム編(富士見書房)
・ブラック・リバー・エメラルド シャーロックホームズ・ソロミステリーズ2(ボビージャパン)

特に最後の「ブラック・リバー・エメラルド」は、結構レアなゲームブックなのです。
それが21世紀の年の瀬に新品で入手できるとは縁起がいい。来年は良い年になりそうだ。


2003年12月30日(火) ブラッドソード1 勝利の紋章を奪え!(デイヴ・モリス オリバ−・ジョンソン/富士見書房) その12

(ここから先はネタバレ満載です。ブラッドソードをプレイ予定の方は読まないで下さい)

 疲れと傷により、体力はそろそろ限界にきている。念のために治癒の巻物を使いきっておく。

「俺と手を組まないか」
 勝利の丘を登る2人に向って、不意に男の声がかかる。振り返ると黒い鎧をつけた戦士が立っていた。
 そいつは厳めしい顔つきで、礼儀ただしく話し掛けてきた。
「イコンのワーロックだ。神を恐れぬイコンと呼ぶ奴もいるが、まあ好きに呼んでくれ。それより、このままお互いが競っても共倒れだ。ここは共闘しようではないか。賞金は減るだろうが、それでもお互い十分な財産になるだろう」
 どことなく、うさんくさい奴だ。誘いを断るとイコンの顔は怒りにゆがんだ。
「勝手にしろ!」
 イコンがなにやら呪文を唱えると、その体が炎のようなエネルギーに包まれた。
 そして剣を抜いてこちらを睨み据えた。
「その愚かしさが命取りになるぞ」
 イコンの攻撃より先にバーガンが動いた。しかし彼に斬りつけた瞬間、痛みに顔をしかめた。イコンを取り巻くエネルギーに近づくと火傷を負うらしい。ひるんだスキにイコンの鋭い一撃を喰らってバーガンはうめく。
───こりゃ、勝てそうにないな。
 奴の勢いに圧されながらそう思ったが、ここまできて逃亡はできない。
 バーガンは作戦を替え、イコンの攻撃をかわすことに神経を集中した。攻撃は出来ないが、守りに徹すればしばらく持ちこたえる事はできると踏んだのだ。
「逃げの一手か、臆病な。そのままでは俺を倒すことはできんぞ」
 イコンが嘲った。そのとき、リー・チェンの放ったエネルギー波がイコンを貫いた。
「決闘に横やりとは卑怯者め」
 イコンの苦々しげな声を無視して、リー・チェンがもう一度ソードスラストの魔法を準備する。
 バーガンがイコンの攻撃をかわしながら言った。
「悪いが生き残ることの方が大事なんでな。それにどうせお前も、俺達が手を組んだら裏切るつもりだったのだろう」
 再びリー・チェンの放ったエネルギー波が閃き、イコンは口から血を滴らせて地面にひざまずいた。しかし、驚くべきことにイコンは倒れなかった!
「魔法が俺の命を守ってくれる。だがくそっ、勝利の紋章を目前に撤退するとは。・・・このかたきは必ずとってやる。覚悟していろ」
 イコンはそういい残すと、煙となって去っていった。
「消えた。なんなんだあいつは。吸血鬼か?」
「いや、東洋人のようだったな。やっかいそうな奴だ。また会うような気がするよ」
 リーチェンはバーガンにそう答えると、そんなことがないようにと魔除けの印をきった。

 丘を登りきって、勝利の紋章を手に入れると次の瞬間、2人はマグス達に囲まれたホールに転送されていた。
 マグス達は、勝者へ祝福の拍手を送った。もっとも、良く観察すると苦い顔をしているマグスも多い。
 勝負には敗者がつきものなのだ。彼らの送り込んだ戦士が戻ってくることはないのだろう。
 マグス・バラザールは、もちろん最高の上機嫌だった。次の冒険を求める前に、彼の歓待を受けることにしよう。
 そのときバーガンの視界の端に、こちらを睨み付ける黒っぽい人物が見えた気がした。目を凝らしたが、そこにはもう何もいなかった。

第一話完


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 やっと1巻が終わりました。
 このシリーズには、ファイティングファンタジーシリーズと同じく最善の選択肢、いわゆる「真の道」に該当するコースがあって、その選択肢をたどれば最小限の戦力でもクリアが可能になっています。
 クリアした方はお分かりでしょうが、今回の冒険は最も大きなイベントを経験していなかったり、もっと効率の良い行動に気づかなかったりと、真の道から踏み外しているところが多いのですが、それでもなんとかクリアできました。
 クリアの為の謎解きではなく読者の選択を重視して、どんな行動の後にも救いの手を用意している作りが、私がこのシリーズを気に入った一番大きな理由です。

 2巻以降もまたそのうちに紹介しようかと思います。まだ未読で、ネタバレの警告にも関わらず日記を読んだ方は、それまでにこの本を探し出して是非とも挑戦しておきましょう。


2003年12月29日(月) ブラッドソード1 勝利の紋章を奪え!(デイヴ・モリス オリバ−・ジョンソン/富士見書房) その11

(ここから先はネタバレ満載です。ブラッドソードをプレイ予定の方は読まないで下さい)

 目的地の丘に向かって駆け足で近寄ろうとしたが、そうすんなりとはいかなかった。
 接近すると、靄に隠れていた深い谷が目の前に現れたのだ。亀裂は深く、とても渡れる幅ではない。
 茫然と立ち尽くしていると、空を舞っていたダージ達が嘲るように鳴いた。
 しばらくすると、そのうちの1羽が近寄ってきてこう言った。
「谷を渡りたいのだろう?俺があんたちを運んでやってもいいぜ」
 そして、そのダージは意地悪そうに付け加えた。
「なにか、俺の得になる事があればな」
 すかさずバーガンは橋で手に入れた毒薬の壷を取り出した。
「ここにうまい酒がある。渡してくれたらこれを飲ましてやろう」
 ダージが疑わしそうな目で見ると、バーガンは酒を一口飲んでみせた。正確には慎重に酒をこぼして、飲む真似をしたのだが。
 それを見て安心したダージは、自分も味見をすると納得したらしく、2人を乗せて谷の上を舞いあがった。谷底は深く、目がくらみそうだ。
 谷の真ん中まで進んだところで、ダージが欲深い声を出して言った。
「ところで残りの酒は今、飲ませてくれないか。くれないとお前達を谷底に振り落とすぞ」
 バーガンはダージに乗ったまま、ニヤリと笑って酒の正体を明かした。解毒剤が欲しければ約束通り俺達を運べと言うと、ダージは振るえあがって命令に従った。
 対岸に辿り着くと、バーガンは解毒剤だと言ってさっきの壷を手渡す。
 ダージの運命を見届けることなく、2人とも丘に向かって立ち去った。


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 これですよ、盗賊の素晴らしさは。
 彼の機転には毎度、その手があったか!と驚くばかりです。
 TPPGをする方は彼の行動の箇所を読んでいると、きっと参考になるでしょうね。
 もっとも善のキャラクターなら、あんまり卑怯なことはできないかもしれませんが。

続く


2003年12月28日(日) ブラッドソード1 勝利の紋章を奪え!(デイヴ・モリス オリバ−・ジョンソン/富士見書房) その10

(ここから先はネタバレ満載です。ブラッドソードをプレイ予定の方は読まないで下さい)

 神殿に近づくと、ハッグたちは見世物が終わったとばかりに、大鍋に集まって何やら調理をしているところだった。
 話し掛けるとスープを味見するように進められたが、僧侶がいないので中身が安全なのかわからない。
 大鍋のそばで蠢くイボガエルや目の腐ったカラスなど横目に見ながら断った。スープの効果がどうあれ、材料が食欲をそそるものでないのは確実のようだ。

 道をすすみ、神殿の拝殿にたどり着いた。
 そこは無人で、何体ものガーゴイルの像が侘しげに佇んでいる。
「なんだか怪しい雰囲気だな、おい。早くこんなところは出てしまおう」
 リー・チェンが不満そうに言ったが、バーガンはかまわずに拝殿の中にめぼしい物がないか捜索をはじめた。
 やがてバーガンが炎の護符を発見した───と、8体ものガーゴイルの像が動き始めたではないか。
「だから言わんこっちゃない」
「文句言っている場合か!こっちが2人じゃ勝負にならん。早く逃げるぞ!」
 出口を塞いでいるガーゴイルに向って2人は突進した。
 バーガンの剣は外れ、リー・チェンの魔法も失敗した。その間にも他のガーゴイル達が迫ってくる。
 しかたなく先程の魔法の巻物を使用した。素早く戦闘から脱出できる巻物だ。
 その瞬間、視界が切り替わって2人は拝殿の外に続く崖道を走っていた。
 だが、ほっとするのもつかの間。岩陰からボロボロの鎧に身を包んだ2人組みの冒険者が現れたのだ。
「金と命をもらうぞ」
 そう言って男達は向かってきた。見たところ身なりは悪いが、それなりに強そうだ。
 2人は顔を見合わせる。覚悟を決め、剣を抜いて相手に向い合うと気合をあげた。
 その声に男達は一瞬立ち止まった。瞬間、2人は背を向けて逃げ出す。
「あ、ちくしょう。待ちやがれ!」
 背後で聞こえるわめき声を無視しながら、今度は火山口の方角へ走りつづけた。
 さっきから続く全力疾走で、もはや息が苦しい。
 しかもまた目の前に敵が現れる。炎の化け物、スキアピールだ。
 奴らは火山口から次々と現れて、こちらをすっかり囲んでしまった。
 氷の宝石はもう使った。さっき手に入れた炎の護符を使おうか迷ったが、ヘタをすると逆効果になりかねない。
 もはや完全に追い詰められた。スキアピールが襲ってくる。バーガンが身を守りながら叫んだ。
「リー・チェン。早くこいつらを魔法で追い払ってくれ」
 リー・チェンが必死に呪文を唱える。再び視界が切り替わる。
 気が付くと2人とも火山口の外側に立っていた。
 驚くバーガンにリー・チェンが説明した。
「緊急脱出の魔法を使ったのだよ。一度で成功してよかった。なんだかさっきから逃げてばかりだがね」
 バーガンは目の前に見える、洞窟の天井に届きそうな小高い丘の上に目を凝らしてから言った。
「いや、目的さえ果たせれば何でもいいさ。見ろよほら。ゴールは目の前だぜ」
 バーガンの指差す丘の上に、勝利の紋章がひるがえっているのが見えた。


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 ゲームブックの戦闘では大抵の場合、逃亡すると良いことはありません。重要なアイテムが入手できなくなるとか、結局戦闘をする羽目になったりとか、逃げるという概念すらないことが多いです。ファイティングファンタジーシリーズのルールにいたっては、逃亡の説明で「臆病風は高くつく」とまで言われています。
 しかしブラッド・ソードの世界では、逃亡という行為は無駄な戦闘を避ける一つの作戦なのです。この辺もこのシリーズの戦闘の面白さを増している要素でしょう。

続く


2003年12月27日(土) ブラッドソード1 勝利の紋章を奪え!(デイヴ・モリス オリバ−・ジョンソン/富士見書房) その9

(ここから先はネタバレ満載です。ブラッドソードをプレイ予定の方は読まないで下さい)

 2本の橋のどちらを進むべきか。バーガンはコインを投げて決めると、片方の橋を一人で渡りだした。
 渡っているとふいにチクチクする妙な感じに襲われる。こちらの荷物を盗もうと見えない手が伸びてきたのだ。すかさず身をひねってかわすと、逆に奴らの一人が握っていたものを掠め取る。見るとそれは毒薬の入った壺だった。
「盗賊の俺から盗もうなんて甘いぜ」
 そうつぶやくと、橋を渡り終えようと前方を見る。そして立ち止まった。
 ぼんやりした人影が橋の先にたたずんでいたのだ。近づくとバーガンは思わず息を呑んだ。
 盲目の魔法使いヒュロンダス。驚いたのは、こちらを睨む奴の白濁した目のせいではない。奴は死んだはずなのだ。
「おれの待ち望んだ敵だ」
 ヒュロンダスの声には明らかに悪意がこもっていた。
「ついに復讐のときが来た」
 バーガンは恐怖を表に出さなかった。
「敵だと?俺にとってお前はライバルでも敵ですらもなかったがな」
 ヒュロンダスは剣を槍のように構えて突進してきた。バーガンはヒュロンダスが目の前に迫った瞬間。奴の肩に手をついて、宙に舞い上がった。
 そして相手の反対側に着陸すると、そのまま橋を駆け下りる。
 背後から絶望のうめき声が聞こえた。振り返るとヒュロンダスが橋から谷底に落ちていくところが見えた。
 バーガンは冷や汗をぬぐった。
「ヒュロンダスなんてこんなものさ」

 一方、バーガンが無事渡り終えたのを見届けたリー・チェンは、もう一つの橋を渡ることにした。
 用心の為に攻撃魔法のソードスラストを、いつでも唱えられるように構えて、そろそろと橋の上を歩き始めた。
 橋の向こうに人影が見える。それは数ヶ月前に倒したはずの悪魔の騎士、サー・ギルガメの姿へと変わった。
「また、会ったな。今度は俺がお前を死神の元へ送ってやる」
 奴は軽く会釈をした。
 そして突進してきた。辛うじてそれをかわすと魔法で反撃する。
 いや、反撃しようとしたが、魔力が作動しない。
 さっきの悪夢の戦いが記憶に蘇り、顔が青ざめる。ギルガメに残虐な笑みが広がった。
 焦る気持ちを抑えてもう一度魔法を唱える。
 今度は、ほとばしるエネルギー波がギルガメを切り裂いた。奴が苦痛に吠えた。
 リー・チェンは、不慣れな剣を抜いて斬りつけた。与えたのはカスリ傷だったが、弱ったギルガメには十分効いたらしく、その鎧に包まれた体は橋の上に崩れ落ちた。
 倒れたギルガメの死体をまたぎ越すと、リー・チェンもバーガンの待つ向こう岸に渡り終わった。


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 この橋のシーンは、一人一人に与えられる試練ってシュチェーションになっていてかなり気に入っています。
 ただ、盗賊だけ他のキャラクターの試練より難しい気がするのですが、気のせいでしょうか。もっとも普段は、盗賊の方が反則なほど有利になることが多いから、たまにはいいか。

続く


2003年12月26日(金) ブラッドソード1 勝利の紋章を奪え!(デイヴ・モリス オリバ−・ジョンソン/富士見書房) その8

(ここから先はネタバレ満載です。ブラッドソードをプレイ予定の方は読まないで下さい)

 巻物の部屋から出て程なく、2人は地下闘技場にたどり着き、そこでクレフという男にゲームを挑まれた。
「お前の勝ちだ。これまでに、このゲームでわしを負かしたものはなかった」
ほどなく彼はバーガンに、にが笑いを向けてそう言った。
 そして氷の宝石と八角形のプリズムを渡してくれた。クレフの呪文によって2人は床下に沈んでいく。

 ついた先は地下に広がる巨大な空間だった。中央の火山口から熱風が吹き上げ、遠くに神殿が見えた。
 しばらくその壮観な大パノラマに見とれていた。すごい光景だ。
 空を飛ぶいやらしいダージ達が襲ってきた。体力の消耗は避けたかったので、さっきの氷の宝石の魔力と引き換えに追い払う。
 きっとゴールは神殿の先にあるのだろうが、深い谷が行く手をさえぎっている。そこには2本の橋がかかっていた。
 神殿を見ると汚らしい魔女達がだらしなく寝そべったり、こちらを見て騒ぎ立てているのに気づく。
 天井近くのガーゴイルの彫刻から声が漏れた。
「おまえが最も恐れるものに立ち向かえ。あるいはより恐れぬものと対決せよ」
 意味深な言葉だ。どちらにせよ橋を渡るしかないようだが、さてどうしたものか。


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 実はクレフとのゲームでは最も正しい選択をすると、一瞬で勝つことができるのです。
 それにも関わらず、他の選択肢を選んだ場合でも単純に失敗とはせず、相当のパラグラフ数を使用してゲームの勝敗がキチンと付くようにしています。
 どんな選択誌の先でも、安易にゲームオーバーにしたり、手を抜いたりせずに最後まで書き込んでいるところが、ブラッドソードシリーズのすごいところです。

続く


2003年12月25日(木) ブラッドソード1 勝利の紋章を奪え!(デイヴ・モリス オリバ−・ジョンソン/富士見書房) その7

(ここから先はネタバレ満載です。ブラッドソードをプレイ予定の方は読まないで下さい)

 次の部屋に入ると、黒装束の男達の死体があった。さっきの蛮族達が戦った跡だろう。
 持ち物をさぐるが手裏剣しかない。使いこなせないので投げ捨てる。
 部屋をしつこく捜索したあげく、バーガンは金の指輪を見つけ出した。4回だけ戦闘中に防御力を増やす効力があるようだ。
 この部屋は行き止まりだったので、別の道を進むことにした。

 道の途中で妙に気になる扉を見つける。
 バーガンが調べるとふっと感覚が狂い、気がつくと1人で小さな小部屋にいた。
 どうやら魔術が働いているようだ。
 部屋の中には巻物が散らばっていた。巻物を調べて見て、バーガンは感嘆のため息をついた。これらは全て魔法の巻物ではないか。
 あれこれ悩んだ末、素早く戦闘から脱出できる巻物を1本と治癒の巻物を3本ばかり持っていくことにする。
 未来を予知する巻物や、時間を戻して戦闘をやり直せる巻物(これがあれば先程の悲劇は避けられただろうに)も欲しいが、荷物の量には限界がある。恨めしい事だ。

 入ってきた時と同じように魔法の力が働き、元の位置へ帰った。
 そこではリー・チェンが心配そうに待っていた。
 彼はバーガンが無事に帰ったことを喜んだが、魔法の巻物を見せたとたん「弓矢を捨てれば、もっと持って来れたのに」とぶつくさ言いだした。


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 小部屋の巻物の中に「能力調整の巻物」というのがあったが、これは反則な気がするので選ばなかった。
 戦闘力・精神力・機敏度・生命力の能力値を、巻物1本につき1点だけ自由に移動させられるという効果なのだが、この巻物を複数使用するとゲームバランスを崩しかねない強さを得ることができると思う。
 極端なことをいえば、魔術師の精神力を上げるのに巻物を5・6本使用すれば、精神力14くらいの凶悪な大魔術師が誕生するのだ。魔術師にとって、これはレベル20以上の実力だろう。
 もちろん実際にそうするかは、読者の好みの問題なのだが。

続く


2003年12月24日(水) ブラッドソード1 勝利の紋章を奪え!(デイヴ・モリス オリバ−・ジョンソン/富士見書房) その6

(ここから先はネタバレ満載です。ブラッドソードをプレイ予定の方は読まないで下さい)

 ふいに床から話し声が聞こえた。
 床を見ると鉄格子がはまっており、その下に別の通路が見える。
 じっと見ていると4人の蛮族がやってきた。賞金の使い道などを話し合っているらしい。こちらにも気づかない程度で、たいした余裕だ。
 彼らが去っていくまで待つ。跡を追いかけようかと考えたが、結局そのままじっとすることにした。

 そして時間がたち、また蛮族達が戻ってきた。自慢話をしているところを見ると、他の冒険者を倒してきたようだ。
 奴等が油断している今が不意打ちのチャンスだろう。
 一行は目で合図をした。
 ルーカスとバーガンは剣をそっと抜く。魔術師のリー・チェンは、全員の戦闘力を上げる「虎の目」の魔法を準備状態にした。アンジェラも六角棒を構える。
そして。
 一行は鉄格子を外して、蛮族達の目の前に一斉に飛び降りたのだ。
 さあ、先制攻撃だ!

 盗賊の攻撃───スカ!
 戦士の攻撃───スカ!
 僧侶の攻撃───スカ!
 魔術師の魔法───失敗!

 うまくいかない。最初は驚いていた蛮族達もすぐに応戦してきた。
 敵の攻撃は正確だった。特にアンジェラは2人に囲まれ苦しい体制になる。
 ルーカスとバーガンが1人ずつ蛮族を打ち倒す前に、アンジェラがうめき声をあげて倒れる。
 リー・チェンは安全な位置にいたが、その後も魔法がまったく発動しないことにいらだっていた。敵の数が減ったので、呪文の準備を攻撃用の「白い火」に変更する。
 ルーカスも新たに相手をした蛮族に致命傷(残り生命点1)を負わせたものの、痛恨の一撃をくらって倒れる。バーガンは危なげなくもう1人を倒した。
 リー・チェンの魔法は相変わらず不発が続く。
 結局バーガンが瀕死の蛮族にトドメを刺して勝負はついた。しかしこの戦いがもたらした傷跡は重すぎた。
 生き残った2人はしばし押し黙った。
 リー・チェンがうなだれて座っている。戦いの最中に、彼の魔法は一度も成功しなかったのだ。
 一息つくとバーガンは、仲間と蛮族の死体から金貨を回収した。ルーカスの持っていた“ブルート・ゲトランカー”も形見に頂いておく。
 そして「お前のせいじゃないさ」とリー・チェンの肩を叩いて、起き上がらせた。

 ルーカスとアンジェラの死を悼む祈りを捧げると、残された2人はダンションを再び進み始めた。
 2人とも漠然と広がる絶望的な気持ちを隠しながら。


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 戦いのパラグラフには、敵と主人公達の位置を示した、五目のようなマップが表示されています。
 このマップのうえで、機敏度の高いキャラクターの順に、移動、攻撃、魔法、防御のいずれかの行動を起こしていくのが戦闘の基本です。
 体力の減ったものを背後に退却させたり、強敵を複数の味方で取り囲んで攻撃するなど、高い戦術性をもつ戦闘が楽しめます。
 それにしてもダンションに入ったばかりだというのに、戦士と僧侶を失ってしまいました。
 かなりテンション下がっています。果たして戦力が半減してもクリアは可能なのでしょうか。

続く


2003年12月23日(火) ブラッドソード1 勝利の紋章を奪え!(デイヴ・モリス オリバ−・ジョンソン/富士見書房) その5

(ここから先はネタバレ満載です。ブラッドソードをプレイ予定の方は読まないで下さい)

 翌朝になり、一行はマグス・バラザールと共に、クラースのダンションへと向かった。
 道すがら、他のマグスとその雇われた戦士達の姿を何度も見かける。町中は賑やかに飾られ、人々がこちらを見つめて騒ぎ立てた。
 ちょっとしたお祭り騒ぎのようだが、もちろんそれらを楽しむ余裕などない。そのあとすぐに、一行はダンションの中へと入り込んだのだ。

 ダンションで最初に待ち構えていたものは意外にも豪勢な食事を置いた机だった。マグス・バラザールの心尽くしらしい。
 アンジェラが毒味をして安全を確認したあとは、全員がガツガツとむさぼり食った。残った食料を包み込むと、それぞれしっかりと背負い袋にしまう。
 しばらくダンションを進むと、盗賊のバーガンが隠し通路を発見する。
 ここで進路を変え隠し通路を歩き始めることにした。


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 いよいよダンションの中に入りました。
 ちなみに他のマグスに仕えていた場合、序盤のダンションの様子が違います。
 もしかしてダンションの入り口は一つではなく、各マグスによってそのスタート地点が違うのでしょうか?

続く


2003年12月22日(月) ブラッドソード1 勝利の紋章を奪え!(デイヴ・モリス オリバ−・ジョンソン/富士見書房) その4

(ここから先はネタバレ満載です。ブラッドソードをプレイ予定の方は読まないで下さい)

 今年もクラースの砦のダンションで「勝利の紋章」をめぐる争奪戦が行なわれる。
 その競技が明日にせまった夕暮れに、4人の冒険者はクラースに辿り着いた。
 クラースの領主達がダンションへの挑戦者を求めている広場にやってくると、まだ3人の領主が闘士を探しているようだった。
 4人の冒険者はしばらく誰を選んだものかと迷っていたが、やがて僧侶のアンジェラがマグス・バラザールの旗をとった。彼女はかつて読んだ古い書物から、信用に足る領主を知っていたのだ。
 バラザールの屋敷にやってきた一行は、にぎやかなパーティに招待された。客の中からマグス・バラザール本人を探しだすことが闘士として採用する条件だというのだ。
 アンジェラは読心力を使った。そしてある男を見つけ出し──なんとその男に襲い掛かった!
 仲間と協力して打ち倒すと、マグス・バラザールが魔法を解いて他の客を消し去った。パーティは全て彼の魔法による幻影だったのだ。
「そいつは私をねらう刺客だったようだな。もう考える必要もないだろう。お前達が私の闘士に決定だ」
 マグス・バラザールが言い放った。
 そして命を救ってくれた礼にと、魔法の剣「ブルート・ゲトランカー」を戦士のルーカスに手渡してくれた。
 一行はバラザールの闘士として、明日ダンションに挑戦することになったのだ。
勝てば富が約束される。負ければ・・・・・・考えることもないだろう。ダンションの露と消えるだけだ。


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 こんな感じで物語はスタートしました。
 しかし昔読んだ古い書物の情報から、今年のクラースの様子を知ることができた僧侶もすごいですね。
 読んだのは予言書だったのでしょうか。

続く


2003年12月21日(日) ブラッドソード1 勝利の紋章を奪え!(デイヴ・モリス オリバ−・ジョンソン/富士見書房) その3

 あと今回は、
・戦闘時で一回の移動距離は無制限。
・接近戦の状態から移動するときは、自動的に敵の攻撃が命中する。
という原書の方だけのルールを採用したいと思います。

*再び参考*
ヤズトロモの庵(ブラッドソードの日本語版と原書のルールの差異について説明があります)
http://page.freett.com/yaztromo/


 実際試したところ、この方が戦闘のテンポもよく、ゲームバランスがとれていました。最初は盗賊と僧侶の持つ弓矢の矢数が少ないと思っていましたが、ちゃんと計算されて6本と設定されていたことがわかります。
 さて前振りが長くなりましたが、いよいよ冒険を始めてみます。
 せっかくなので、4人の主人公に名前をつけておきましょう。

戦士───ルーカス・スターキラー
盗賊───勇者バーガン卿
僧侶───レディ・アンジェラ・セントーリ
魔術師──黒竜のリー・チェン

 どうです?いい名前でしょう。
 え、何処かで聞いたことがありますか?きっと気のせいですよ。

続く


2003年12月20日(土) ブラッドソード1 勝利の紋章を奪え!(デイヴ・モリス オリバ−・ジョンソン/富士見書房) その2

さて、4人のキャラクターから1〜4人を選んで冒険するわけですから、その組み合わせは15パターンもあります。
これからブラッドソードを読もうかと考えている人は、どの組み合わせが良いか迷うかもしれません。
 そこで参考に各職業の特徴を紹介してみました。
 ただし山口プリンが偏見に満ちたコメントであなたを罠にはめようとしている点も忘れないように。

<戦士>
 戦闘シーンでは最も強いキャラクター。レベルの高い戦士なら1人でも大抵の強敵を粉砕できます。複数で冒険する場合でも戦闘の要であることは間違いないでしょう。
 ただし彼は騎士道精神の持ち主であるため、仲間を見捨てて逃げるなどの卑怯な行為をすると、ペナルティとして経験点が減ることがあります。それに他のキャラクターと比べて戦闘以外の特技に乏しいので、ピンチには人一倍弱い点も問題です。
 他の職業より扱い易いキャラクターなので、ブラッドソードのルールが煩雑だと思ったら、最初は彼1人で冒険を始めることをお勧めします。ほぼ普通のゲームブックの感覚でプレイすることができるでしょう。

<盗賊>
 盗賊というと鍵をこじ開ける技術などを除けば、弱くて使えないイメージがあるのですが、このブラッドソードでは強力な存在です。
あらゆる状況で機転を効かせて不用な危険や戦闘を避け、危機に陥ってもそれを鮮やかに切り抜けていきます。
 その姿はまるで一休さんが、とんちで将軍様や桔梗屋をへこますように痛快です。(イメージはかなり違うけど)
 戦闘シーンでも、その素早さを生かして先手で行動することができるので、非常に役立ちます。
 初めから弓矢を装備しているので、遠距離攻撃も可能な万能戦士です。もし魔法の武器を装備することができれば、戦士にも負けない強さを発揮できるでしょう。

<僧侶>
 聖職者というイメージに反して、神について語ることや、その存在を意識するような場面はありません。ブラッドソードの僧侶は、むしろ賢者に近い存在です。
 地理や歴史、言語解読、統計学など幅広く豊富な知識をもっているうえ、入手した正体不明の道具や薬品の鑑定までしてくれるのでとても便利です。
 僧侶がいれば数々の謎や、未知の危険に悩まされる心配が無くなるでしょう。
 さらに僧侶は生命回復術、空中浮遊、読心術、悪霊退散、透視力の5つの超能力が使えます。特に重要なのは生命回復術。戦闘シーン以外ならいつでも使用でき、リスクも少ないので常に全員の体力を万全にすることができます。
 敢えて僧侶の欠点をあげれば、戦闘シーンではそれほど目立った活躍ができないことでしょうか。(六尺棒術という相手を転倒させる特殊攻撃もあるが、命中率が悪いので使い勝手が悪い)
 盗賊と同じく弓矢を使用できるので、複数で冒険するときは援護攻撃に徹した方が良いようです。

<魔法使い>
 この職業といえばやはり魔法を使えることが魅力。魔法使いは、キャラクターレベルに関わらず、最初から15種類の魔法を使うことができます。
 体力の方も魔法使いにしてはそう貧弱でもなく、剣が扱えます。腕はさすがに劣るようですが。
 戦闘シーンではとうぜん魔法攻撃が中心となりますが、ブラッドソードの魔法システムは、魔法の発動に成功判定(精神魔法なら相手の抵抗判定も必要)をしなければならず、威力が大きいかわりに失敗する可能性も高い、というバクチのような戦い方になります。
 精神力が増えれば多少成功率が上がりますが、これが滅多に増えないのです。他の職業に比べると、レベルアップの恩恵が少ない気がします。
逆にいえば低いレベルのうちから強力な魔法が使えるので、複数(つまりレベルの低いキャラクター達)で冒険をしているときは強敵相手に重宝します。接近戦は他のキャラクターにまかせて、背後から攻撃力の高い魔法でトドメを刺す戦略が有効です。
 使える魔法の大半は戦闘用のものですが、それ以外で面白いのは「ファルタインの招集」という、異次元にすむ妖精を呼び出す魔法です。この妖精に頼めば大抵の困難は解決してくれるのですが、こちらの足元をみて高い代償を要求したり、わざと命令を勘違いして失敗したりすることもあり、油断がなりません。
 このように他のキャラクターと違う点は多いですが、使いこなせればなかなか面白い職業です。

続く


2003年12月19日(金) ブラッドソード1 勝利の紋章を奪え!(デイヴ・モリス オリバ−・ジョンソン/富士見書房) その1

 今回は久しぶりの長編ゲームブック、ブラッドソードネタで書いてみたいと思います。
 皆様ごゆるりとお楽しみ下さい。

・・・。

・・・。

 あ、ブラッドソードをご存知ないですか。もちろんそんな方も、いらっしゃいますよね。
 無理もありません。私だってゲームブックブーム当時は、読んでいなかったのですから。
 私の場合、本屋で立ち読みした記憶はあるのですが、あの長々としたルール説明に敬遠していたのです。
 しかし今読んでみると、他には見られないタイプの素晴らしいゲームブックであることがわかりました。
 とても1日分の日記ではその魅力は語れませんが、ひとまず簡単に説明してみます。

 ブラッドソードとはシリーズもののゲームブックです。
 それは全5巻にわたる壮大なスケールの物語となっており、読者は同じキャラクターを引き続き使用して冒険を進めることができます。
 さあまずは、第一巻の「勝利の紋章を奪え!」から手に取りましょう。
 まずルールを読みます。
 さっきも書きましたがその説明の長さにクラクラ。なんと50ページくらいあるのです!
 魔法システムやキャラクターのレベルアップ、所持品は10個までしか所有できないなど、細々と書いてあって非常に面倒くさそうです。しかし、大半は戦闘ルールに関する説明が中心なので、慣れてくると他は意外に理解しやすく作られていることがわかります。
 能力値は戦闘力・精神力・機敏度・生命力の4つだけですし、後は所持品のチェックくらいで簡単です。経験値はゲーム中であまり気にしなくていいでしょう。

 冒険前に決めなくては、いけないことは職業の選定で、これは戦士・盗賊・僧侶・魔法使いの中から選びます。つまり4人のキャラクターが用意されているわけです。
 そしてここからがブラッドソード最大の特徴ですが、このゲームブックの主人公は1人でなくてもかまいません。複数の読者が2〜4人を操作して遊ぶこともできるのです。この場合は一緒にゲームブックを読み、キャラクターを一人ずつ担当することで、ゲーム中は仲間として共に行動することになります。
2人用のゲームブックというものなら他にも存在しているのですが、どれも対戦用に作られたものばかりで、TRPGのごとく友達と相談しながら遊ぶことを前提としたゲームブックは、このブラッドソードだけです。
 ただしゲームバランスをとるため、少数の冒険者で旅をする場合ほど、強いキャラクターで始められるようになっています。経験値も人数で割って分配されるので、最大の4人で冒険をすればその分、成長は遅くなるわけです。
 まあ別に、普通のゲームブックのように1人の冒険者でプレイするのもいいし、1人で複数のキャラクターを操作してもかまいません。現代では私と一緒にブラッドソードをプレイしようという、奇特な方もいないので今回は1人で4人を操作します。

続く


2003年12月18日(木) 魔域の対決 魔法の王国3(モ−リス・サイモン/富士見書房)

いよいよ魔法の王国シリーズの大詰め、最終章の「魔域の対決」です。
この頃のカー・デリングは魔法の研究を更に重ね、幼い頃に魔術の修業をしたあの「神秘科学アカデミー」の学長にまで出世しています。
しかしその代償に彼は、テレポートの魔法の失敗が原因で腰を傷めており、階段の昇り降りにも苦労する程、肉体的には衰弱していたのです。(余談ですがファンタジー小説で、悪魔と取り引きをするわけでもないのに、魔法使いが長寿という設定が多いのはなぜなんでしょうね。こんなに不健康そうな生活ぶりなのに)

さて、この巻ではシリーズのクライマックスとして、恐るべき怪物タラスキュー、そして宿敵の魔術師アルノとの対決が待っています。二人とも恐るべき力を持っている強敵です。
もちろん大魔法使いにまで成長したカー・デリングも負けてはいません。強力で多彩な魔法を使えるのです。特に前ニ作にはなかった「永遠個人」という種類の魔法達が重要で、これらはゲーム性に深く関わっています。
この呪文を発動するには、判断力というポイントを1つ消費しなくてはなりませんが、アルノとの魔法対決でもこれなしではあっさり負けてしまう可能性大。このあたりの駆け引きはちょっと面白いです。

そんなこんなで、この巻はストーリー的にもゲーム的にも、オススメの一冊です。・・・・・とまとめたいのですが問題点もあります。
エンディング直前が、ちょっとバグっぽいのです。
本書のエンディング到達までは、大きく二通りの方法があります。詳しくは書きませんが、それは先にタラスキューを殺してアルノと魔法で最終決戦を行うか、アルノ亡き後にタラスキューを倒すかです。そしてどちらのルートも難があります。
まず前者の方法だと、最後の戦闘で勝つために必要な「判断力+サイコロを2個を振って計34以上を出す」という勝利条件が厳しすぎるのです。この条件を満たすためには、例えゲームスタートに判断力の初期設定を最高値にしていても、判断力を消耗する「永遠個人」の魔法を使用する余裕がほとんどありません。通常のプレイでクリアするには、絶望的難易度と言えます。目標値は28以上くらいが妥当じゃないかと思うのですけどね。
そして後者のルートだと、駆けつけてきた仲間の説得に成功するシーン(パラグラフ192)の後に、何があったのか不可解なくらいに唐突な形でエンディング(パラグラフ212)に飛ばされます。どうもこれはバグのようで、192の後はパラグラフ180へ続くのが正解のようです。
とってもいい盛り上げ方をしておいて、最後の最後でこれは酷いでしょう。これからプレイする人は、このあたりを訂正してから始めることをオススメします。
死んだカー・デリングの父についても、謎が残るままでどうにも後味の悪い読後感でした。非常に残念。


2003年12月17日(水) 魔術師の宝冠 魔法の王国2(モ−リス・サイモン/富士見書房)

続いて魔法の王国シリーズ第二部「魔術師の宝冠」です。
シリーズ第二巻といっても、前作「魔力の杖」のプレイデータを引き継ぐことはありません。あくまでも物語上のみ関連するシリーズなのです。
ちょっとオープニングからゲーム序盤のあらすじを書いてみましょう。

山育ちのわんぱく少年だったカー・デリングも青年となりました。しかし、魔法の研究に没頭する日々を送っていたために、体力面はガタガタです。
だんだん魔法使いらしくなってきた証拠とも言えるのですが、第一部で知り合った仲間達はカー・デリングの不健康な日々に心配顔。
そんなある日。カー・デリングは「神秘科学アカデミー」から、巨大な悪が生まれようとしているという情報を聞きつけます。「神秘科学アカデミー」とは、父が設立し、幼い頃のカー・デリング自身も魔術の修行をしたあの魔法学園のことなのです。しかも、その邪悪の中心人物とはアカデミー時代、主人公にやたら嫌がらせをしてきた兄生徒アルノだったのです。

こんな出だしです。それにしても第一部から登場している物語の重要人物と思われた仲間が、序盤からちょっとした事故であっさりと死んでしまいました。これには唖然とさせられます。(悪い意味でなく、意表をつかれたということ)
それから第一部では、選択肢次第でアルノに出会わないままクリアすることもあったのですが、ストーリーに矛盾が生じないのでしょうか?逆にアルノに会うルートしか読んでいないと、第ニ巻のオープニングはいきなり見知らぬ仲間達に囲まれることになるので、それはそれで混乱します。
結局、前作「魔力の杖」を骨の髄まで遊んでから、読んだ方がいいという事でしょうね。
このころのカー・デリングは、レベル的にも中級魔法使いというところで、数多くの魔法を知っていることになっていますが、意外にもゲーム中に魔法が使われるシーンは、それほど多くありません。
まあ、魔法使いの本領は、魔法そのものより知識や判断力だと考えてプレイしましょう。
非力な魔法使いが、機転で危機を切り抜けるなんて格好いいもんですしね。


2003年12月16日(火) 魔力の杖 魔法の王国1(モ−リス・サイモン/富士見書房)

今回は魔法使いを主人公にしたゲームブック、魔法の王国シリーズ3部作を取り上げたいと思います。
このシリーズの特徴はやはり、主役である魔法使いカー・デリングでしょう。
魔法の王国シリーズはAD&Dの世界を背景にしているので、カー・デリングは「魔法の知識は豊富だが、体力的なことはまったく駄目な学者タイプ」という、TRPGの方でおなじみのタイプの魔法使いなのです。
ゲームブックで登場する一般的な魔法使いは、剣もそこそこ使える魔法戦士のような奴が多いので、ゲームブックでは逆にちょっと新鮮です。

そんなわけで、そのシリーズ第一作目になる「魔力の杖」ですが、物語はカー・デリングの幼年時代から始まります。
病気で危篤状態となった母を台車にのせて、生まれ故郷の村に帰ってきた幼いカー・デリング。彼の父親は偉大な魔法使いでしたが、父亡き後は余所で貧しい生活を過ごしてきたのです。
そんな母子らを魔法を使う如何わしい者として、村人達は冷たく追い返そうとします。
親切な村の僧侶と共に母を看取ってもらった後、たった一人となったカー・デリングは、唯一の身内である叔父が経営している魔法学院を頼って一人で旅立ったのでした・・・。

ま、こんな出だしなのですが、僧侶から聞かされる父の謎の死など、壮大な物語になりそうな雰囲気を漂わせています。
それからゲームルールですがこれは能力値が3つあるだけで簡単です。ゲーム性もあまりなく、物語を楽しむタイプのゲームブックと思ったほうがいいでしょう。
さらにこの頃のカー・デリングは、既に才能はあったものの、まだ魔法に目覚めていない、ただの子供だったので、魔法ルールも特にありません。
この「魔力の杖」は、中盤のストーリーが2つに大きく別れています。
叔父が経営している魔法学院に頼るか、善か悪かもわからない父の友人を自称する男についていくかです。
最終的には、どちらでも同じように魔法は学べるのですが、面白いのは魔法学院の方。ここには同じように魔法を学ぶ生徒達がいて、みんな魔法の実験をくりかえしているのです。中には意地悪なクラスメートもいて、嫌がらせを受けたりもします。
このあたり、あの大ヒット、ファンタジー小説「ハリーポッター」に登場する学校を彷彿とさせるかもしれませんね。(もっとも、私はハリーポッターを読んでないのですが)
「魔力の杖」のストーリー自体はそんなに長くないのですが、強力なマジックアイテム「魔力の杖」をめぐる終盤の話しの盛り上がりがすごく、シリーズの続きを十分期待させるような内容です。


2003年12月15日(月) 運命の赤い糸(奥谷道草/白夜書房)

1999年4月号のクロスワードランドに掲載されたはみ出しゲーム。

「運命の恋人より」という匿名のカードとともに、あなたにキャンディが送られてきました。
気が付くと、カードからは赤い糸がのびていたのです。あなたは運命の恋人を探すために赤い糸を辿って町を歩きだします。

こんなスタートなのですが、なんだかメルヘンチックなお話しですね。なんだかおもはゆい気分になります。
しかし浮かれているばかりでは、運命の相手にめぐりあえません。
それにこの赤い糸は、他人の赤い糸と、何度もこんがらがっていているので、町の交差点に来るたびに、どっちが自分の赤い糸か頭を悩ませることになります。
適当に辿っていくと、いずれかの異性に辿りつくのですが、本当に自分の運命の人なのかは、簡単にはわかりません。2度も相手を間違えると、赤い糸がプツンと切れてしまいます。
運命の相手を発見するためには、赤い糸が描く道をマッピングしてから、頭を捻らないと発見できないでしょう。私も地図なしでクリアはちょっと無理でした。

それから今回は、男性と女性の主人公がそれぞれ用意されています。なんと二倍楽しむことができるわけですね。すごい!万歳です!


<今回のバク報告コーナー♪>
“男性”を選んでスタートしたとき、まずパラグラフ16でカードの中身を読んでからパラグラフ29へ進めと指示されているのですが、29では「あなたが女性なら──37へ。男性なら──ふりだしの16へ」と書かれていること。
つまり男性は永遠に運命の相手にめぐり合えません。
奥谷様。しょっぱなからバクっとるのは勘弁してください。

他には、
・パラグラフ60の「西へ進む──34へ」が「東へ進む──34へ」の間違い。
・パラグラフ32で「北へ進む──62へ」を選ぶと、62でいきなり湖の中で溺れてしまう。
この号は他にもバグが結構ありそうな感じです。


2003年12月14日(日) 幻のやきいも屋(奥谷道草/白夜書房) その2

昨日は悔しい思いをした私。
しかたありません。ここは住宅街をマッピングして、やきいも屋さんの軽トラックを追い詰めていくしかないようです。
そう思って、地図の作成に取り掛かりましたが・・・うまくいきません。
なぜなら「東へ進む」を選択しても、ぐねぐねと道が曲がっているらしく、次のパラグラフで「住宅地を東→北→西へ進んだ」とか表示されるので、混乱してしまうのです。何メートル歩いたかなどの距離感もわからないので、ますます地図はぐちゃぐちゃになってしまいます。
ふぅ。私にはマッピングの才能がないようです。
結局、地図を書くことをあきらめた私は、時々出会う町の人達のヒントを頼りに、捜索を開始します。
そのうち焼きいも屋さんに出会える大体のポイントを発見。
「どうか、焼き芋を食べられますように」とお祈りしていると、「い〜し〜やき〜い〜も〜」の声だけは聞きなれた軽トラックがやってきました。
おおっ。
こうして私はおいしい焼き芋を食べることができたのでした。めでたしめでたし。


2003年12月13日(土) 幻のやきいも屋(奥谷道草/白夜書房) その1

続いては2001年1月号のクロスワードランドに掲載されたはみ出しゲーム。
ものすごくおいしいと評判のやきいも屋さんから、やきいもを買うのが今回の目的です。
そのやきいも屋さんは、軽トラックで町を「い〜し〜やき〜い〜も〜」とかいいながら巡回しているのですが、車の速度が早くてなかなか捕まえられないのでした。

そんなわけで、まずはプレイしてみましょう。
幻のやきいも屋が出現するという、町の駅に降り立ったところからスタートです。
おおっ、いきなり北の方角から、「い〜し〜やき〜い〜も〜」の呼び声がします。
住宅街を北へ進みましょう。すると今度は西の方から「い〜し〜やき〜い〜も〜」の呼び声が・・・。
こんな感じで町の中をさまよっている間、どこからか「い〜し〜やき〜い〜も〜」の声は聞こえるのですが、いつまでたっても追いつけません。
いつまでも声を追いかけていると、見覚えのある場所に戻ってきてしまいました。
どうやら、何も考えずに追いかけていても、結局ぐるぐると町の中を彷徨ってしまうだけのようです。
ならばと、立ち止まって、やきいも屋さんの軽トラックが来るまで待つという選択誌を選んでみます。
寒さにガタガタ震えながら待っていると、そのかいあって軽トラックの屋台がやってきました。やったね。

しかし、ニコニコしている私に向かって、おじさんはすまなさそうに言いました。
「すまないね。今日はもう売り切れてしまったんだよ」

ガーン!

また明日、出直すしかありません。


2003年12月12日(金) スリル!闇なべの夜(奥谷道草/白夜書房)

2000年1月号という、昔のクロスワードランドに掲載されたはみ出しゲームの紹介です。それにしても紹介する順番がバラバラですな。まっ、いいか。
「スリル!闇なべの夜」は、タイトルどおりに闇鍋パーティ(真っ暗にした部屋で、参加者がそれぞれもってきた食材を鍋にいれて食べるというやつ)をあなたを含めた4人でやっちゃおうという話し。
お箸を前後左右に動かし、箸に触れた食べ物があったら食べるかどうか判断します。
もちろん部屋は真っ暗ですから、その食べ物がなんなのかは、口に入れるまでわかりません。ただ箸でさわった感覚(丸くてツルンとした感覚なら卵とか)で推理するだけです。
ヘタをすれば、友人が入れた消しゴムやレモンなどを、食べさせられるハメになるので御用心。
おいしいものを食べたら、おいしいポイントがアップ、まずいものを食べたら、おいしいポイントがダウン。おいしいポイントがマイナス3以下になったらゲームオーバーです。
箸を動かしている最中に鍋の端に当たったら、ちょっと一休み。ここでいつでもゲームを終了できます。
さあ、あなたはおいしく食べることができたでしょうか?

まあ、こんな感じのゲームでしたが、こうゆうのワクワクしますねぇ。これはなんだろうって、食べ物を想像するのが楽しいです。
他のはみだしゲームよりも、気軽に挑戦できるあたりもポイント高い。
エンディングでは、終了時のおいしいポイントで評価されます。私の場合は、「なかなかの成績で闇鍋通」だそうです。やったね。


<今回のバグ報告コーナー♪>
今回は最初に「暗闇の中なので思わぬ方向へズレることも」という注意書きがあります。
なので、箸の動きを地図に書いてチェックしたとしても、バグなのか区別がつきません。
よって今回はバグはなし・・・・・・と思ったら、14ページでカステラを食べさせられたあと「まだ大丈夫なら──53ページへ」で、話しがつながらなくなってしまいました。
もしかして、一番食えないのは「はみだしゲーム」なのかもしれませんね。


2003年12月11日(木) 電車でGOOL!(奥谷道草/白夜書房)

2002年7月号という、これまたちょっと昔のクロスワードランドに掲載されたはみ出しゲームの紹介です。
まず、今回の舞台を紹介します。
友人とサッカーのワールドカップ観戦にでかけたところ、大混雑の駅のホームで二人は離れ離れになってしまいます。同じ電車には乗れたもののお互いどこにいるか分からなくなってしまったのです。
具合の悪いことに観戦チケットは友人が持っています。なんとしても友人を見つけなくてはなりません。
と、こんなスタートなのですが今回さまようのは迷路みたいな場所ではありません。電車の中だけに、前後の車両のどちらかへ進むだけです。
もっとも、友人を探すのが簡単そうに見えながら、人がギュウギュウで前に進めないところはあるわ、財布を掏られてしまいスリ探しもしなければならないわ、他の駅に到着して人の流れにホームまで押し流されるは、友人も勝手に移動するはと、なかなか一筋縄ではいかないのがはみ出しゲームらしいところ。
さらには時間ポイントまで設定されていて、一つページを移動するたびに1分経過。あんまり時間がかかると、目的の駅を乗り過ごしてしまい、結局サッカー観戦はパァーになってしまいます。
20分も経過するとだんだんあせってきます。私は30分ちょっとでクリア。なんとかセーフだそうです。でもスリを探す時間がなくて無一文だったりします。掏られる前に一度犯人の前を通り過ぎていたのだけどなー。ちくしょー。


<今回のバク報告コーナー♪>
今回も地図を書かなかったので、はっきりしたことはわかりません。
しかし、23ページで「逆方向へ進んでみる──23ページへ」というのだけはどこに進んでいいのか迷ってしまいました。
いったんホームに出てから他の車両に進入してクリアしましたけど。


2003年12月10日(水) 殺しの刻印(奥谷道草/白夜書房)

2001年6月号という、ちょっと昔のクロスワードランドに掲載されたはみ出しゲームの紹介です。
「殺しの刻印」は推理小説仕立ての「シャーロックゲームズシリーズ」となっております。遊び方は、町のマップを見ながらそれに対応したパラグラフ番号に移動してはヒントを集め、証拠をもとに犯人を推理するもので、このシリーズではお馴染みのものです。
さて、今回の主人公ゲームズの仕事は、困津田警部の依頼により、3件も続く連続バラバラ殺人事件を捜査するというもの。
事件の舞台は、スネに傷を持つものが集まる歓楽街、歌激町。
名前だけでも怪しげな空間ですねぇ。さっそくゲームを開始しましょう。
まず最初に事件冒頭で電話のあった、タレコミ屋のマツの棲家を探し出すことが先決となっています。彼は犯人を突き止めたらしいのです。
しかし地図を見て発見したマツの家にいってみると、彼はすでに殺されており、ベランダの物干し竿に引っかかって、案山子のようにぶら下げされていました。一足違いで4人目の殺人が起こってしまったのです。
彼の部屋からは、マツの残したメモが発見されました。それは3人の容疑者について書いた暗号のようなものだったのです。
以下、こんな感じで捜査は進展します。
・3人の容疑者がいったい誰なのかを発見すること。
・その3人それぞれの、事件との関連性を調査すること。
・4件の殺人事件のすべての共通するヒントを発見すること。
そんなわけで1時間くらいたって、私は3人のうちの1人に目星をつけることに成功しました。しかし、有力といえる証拠がない。はっきりした動機もわからない。
悩みました。
しかしこのゲームは時間制限があって、2時間を越えると、どのみち探偵失格なのです。
あれこれ考えてもわからなかったので、結局ギブアップして回答編を読んでみると・・・

なんと完全正解。
私がこれだけでは不十分だろうと思っていた証拠を突きつけると、犯人はあっさり犯行を認めてしまいました。
しかも動機は「歓楽街に住む人間への漠然とした憎しみ」というなんともあいまいなもので、エンディングの最後の文章によると「動機に関してはいまだに黙秘しているという。本人にもはっきりわからないかもしれない」とのこと。

なんじゃそりゃあ!一時間余分に考えて損したぞい。



<今回のバク報告コーナー♪>
バグというより誤植だけど、回答編のタイトルの部分が

***************
シャーロックゲームズゲーム
『死を呼ぶ音楽』エンディング
***************

となっていました。
たぶん前回のシャーロックゲームズのタイトルを、そのまま書き換え忘れたようですね。


2003年12月09日(火) 雪投げ大合戦(奥谷道草/白夜書房)

いつのまにか今月の冒険記録日誌は、奥谷道草特集のようになっていますが、今日もまたクロスワードランドに掲載されたはみ出しゲームの紹介です。
雪投げ大合戦は、2001年4月号に掲載されたちょっと昔の作品。赤帽、白帽をかぶった2チームに分かれて、広い原っぱで雪合戦大会をするという設定なのです。
主人公は白帽チームの一人なので、赤帽チームの大将に雪玉をぶつけたら勝ち。逆に雪玉を3回ぶつけられたらゲームオーバー。原っぱに点在する雪の小山に隠れたり、林の中を抜けたりしながら相手の陣地を目指すのですが、危険と警告された方角に進むと、ほぼ間違いなく雪玉が当たります。参加者はみんないい歳をした大人達で、雪合戦といえども、まるで戦場にいるかのようにピリピリした雰囲気です。
そして今回の最大の面白さは、簡単ながらも戦闘システムが存在すること。緊張感がアップしますね。
(どんな戦闘システムというと障害物のカゲに潜んでいる赤帽の敵に出会ったら、戦う前に適当な数字を頭に思い浮かべて、次のページに進む。そして次のページに表示された番号に当てはまなければ、相手に雪玉をぶつけることができるというもの。番号が一致していたら相打ちで、相手の雪玉が一発当たってしまいます)
他にも敵の大将の戦いの癖を発見したり、隠し通路を探したり、白帽チームの仲間に疑われて質問されたりと、イベントが多くて飽きさせません。40パラグラフの中によくもこれだけの要素を詰め込めたものです。
大将との戦いもワクワク。なんだか童心にかえって、本物の雪合戦をしたくなるような楽しさでした。
でも、私の地元では近年は雪が降らないのだよな〜。


<今回のバク報告コーナー♪>
ちゃんとマッピングしながらプレイしなかったせいか、「雪投げ大合戦」ではバグを発見できませんでした。
残念だ、悔しいぞ。(?)


2003年12月08日(月) クマの冬じたく(奥谷道草/白夜書房)

クロスワード・ランド2004年1月号にのっている、はみ出しゲームブック。
もう新年号ですか。年が経つのは早いなぁ。

「クマの冬じたく」の主人公は、冬ごもり前の熊さん。
冬眠する前にお腹いっぱいエサを食べなくてはなりません。食べ物を求めて山をさまようわけです。
今月号は過去のはみ出しゲームと違い、山はちょっとした迷路にもかかわらず、地図を書かないで遊ぶことになっています。熊だけに西とか東とかの概念がないためだそうです。
もしかして、私がこの冒険記録日誌で「地図を書くのが面倒くさー」とか、よく書いていたからでしょうか?いやいや、まさか・・・ね。
ま、そんなわけで地図も書かずに、熊さんはエサを求めてあっちをトボトボ、こっちをノコノコ歩いていきます。
人間様をガォーを脅かしたり、ウサギを追いかけたり・・・・・・なんだかのどかです。
途中で発見したクマの着ぐるみを着て、町の中で踊ったりするシーンが、想像すると最高に可笑しい。
割と簡単にクリアできたのですが、今回は頭を必死で使うというより、環境ビデオを見るかのようにまったりと楽しめました。
こうゆうの大好きだなー。


<今月のバグ報告コーナー♪>
37ページの選択肢で「近づいて声をかけてみるなら、」の移動先が書いていません。
「近づいて声をかけてみるなら、──72ページへ。」に訂正しないと、クリアできませんよ。


2003年12月07日(日) ソーサリーの翻訳について

冒険記録日誌自体も久しぶりの更新なのだが、気がつくと剣社通信(21世紀でもゲームブックを出版する稀有な出版社、創土社のサイトのゲームブックコーナー)も久しぶりに更新されていた。
読んでみるとなになに・・・12月発売予定のソーサリーの第2巻「魔の罠の都」の情報か。ちょっと抜粋してみよう。

>発売は12月24日前後に書店に並ぶ予定です。クーガを勇牙、弟を四牙と訳し
>て、漢字の神様にするというのを考えていたのですが、あまりに無茶苦茶すぎる
>ということで、カットする方向に。

たしかに無茶苦茶かも。個人的には好きな浅羽訳だが、なるべくカタカナ翻訳に頼らないで訳すという方針が、極端すぎる気もするのだよなぁ。もし普通の翻訳者が訳した「火吹き山の魔法使い」が存在したら、是非読んでみたいとも思う。
あ、携帯アプリ版の「火吹き山の魔法使い」があるか。でも、ちょっとあれは興味ないかな。
それから、

>創土社版では、くちづけの手順が書かれた記述は省略無しで、全部訳されるので、ヒントをきちんと集めていれば、やぶれかぶれキスで神様に殺されることは無くなります。

これにはびっくり!あの欠点は、ソーサリー最大の欠点と思っていたのだが、創元推理文庫版の翻訳の過程で発生した問題だったのか。
創元推理文庫版の翻訳って、巻によって翻訳者が違うためか、言葉の不統一(例えば1巻では“野宿”と書いている言葉を、3巻は“キャンプ”と訳している)があったりと、確かに突貫工事で仕上げたような印象はあるものの、あれはあれで好印象をもっていたのだけどな。安心したような残念なような、複雑な気持ちだ。

しかし、もし創元推理文庫版のソーサリー1巻のタイトルが「魔法使いの丘」ではなく「シャムタンティの丘を越えて」のタイトルで当時発売していたら、売上は実際よりも落ちていたと思う。
当時、ファンタジーに馴染みのない日本人が興味を持つように、あえて超訳(本来とは違う訳し方)をしていたと思われる部分もあるし、創元推理文庫版の翻訳を浅羽訳と比べてどうこう言うのは、止めておきたいと思う。ただ翻訳の違いを楽しむのみだ。


2003年12月06日(土) 初めてのはみ出しゲーム(奥谷晴彦/白夜書房)

二見書房の有名ゲームブック「ドラゴンファンタジーシリーズ」のイラストを書いていた人といえばフーゴハル氏。
そのフーゴハル氏が現在毎月発売されているパズル誌「クロスワードランド」に奥谷道草というペンネームで、ページ欄外を使った「はみ出しゲーム」というミニゲームブック企画を連載していることは、この日記を読んでいる人ならお馴染みの話しでしょう。
しかし、この「はみ出しゲーム」はいつから連載していたのだろうと疑問に思いませんか?
今回紹介するのは、その記念すべき第1作目です。
「はみ出しゲーム」の歴史をずずずーーーーっとさかのぼって見ますと、最初は平成9年の6月号の雑誌に掲載されていたのですな。
掲載していた雑誌名も「クロスワードランド」ではなく「お絵かきパズルランド」となっています。現在連載している雑誌のそのものよりも長い連載だったわけですね。うひゃーー。
それで第1作目の内容ですが、瀬戸内海のある小島の洞窟で、宝捜しをするという王道ものです。サブタイトルはありません。洞窟はちょっとした迷路となっていて、やはり地図を書くことを推奨されているところを見ると、最初から「はみ出しゲーム」の基本は決まっていたようです。
とりあえず宝箱とその鍵が隠されている場所を発見すればエンディングです。最近の「はみ出しゲーム」に比べると割と簡単にクリアできるのですが、そこはフーゴハル。書き終わった地図を見て、ちょっとした発想の転換をしないと宝箱は発見できないようになっています。
もっとも私は地図を書かずにクリアしましたがね。捻くれ者ですから。

(おまけ)
この号には、「はみ出しゲーム」の他に「奥谷晴彦パズル実験室 第1回 五つ子創作紙芝居」というものが掲載されていました。(このころは奥谷道草というペンネームはまだ生まれていなかったようです)
これは、バラバラになった紙芝居の紙を、物語が成立するように並べ替えて下さいというパズル。
紙芝居自体の内容は、五つ子の女の子たちが悪い魔女の住む屋敷を訪問するというショートストーリーなのですが、これが絶妙のバランスで作られています。
組み立てが間違っていると物語が成立しないのではなく、五つ子の女の子たちが魔女に食べられてしまう話に変わってしまうあたりが面白い。
この紙芝居パズル。また復活してくれないかなぁ。


2003年12月05日(金) 酔っぱらってゴー!(奥谷道草/白夜書房) その3

迎い酒なんて言い訳・・・・・・ってなことで、さらに酒を飲んだ私は意識不明となり、気がついたらスタート地点に立っていました。ふり出しに戻った私は再び家を目指して歩き始めます。
ふらふらふらふら
「だめだよー、ここは工事中だよー。出口はあっちを真っ直ぐに進むのだよ」
───それが出来ればいいんだけどね。
ふらふらふらふら
「お客さん、占ってしんぜよう。キエエエエ!お客さん、ズバリあなたは酔っていますよ」
───知ってるよ。
ふらふらふらふら
それにしても夜でもいろんな人が起きているもんだ。
調べていない道はあと一箇所。地図をジグザグにたどっていくと───飲屋街の入り口にあるアーチ型の看板が、見えてきました。ゴールです。
看板のそばでたむろしていた、酔っ払った学生の集団が少々やっかいだったものの、それも無事通り抜けることができました。
飲屋街の外はタクシーの乗り場。こうして私はタクシーに乗って帰宅することに成功したのでした。





*おまけ*
「酔っぱらってゴー!」は一言でいって、直進できない迷路ゲームという、割と単純な内容なのですけど、主人公が酔っ払いという設定だけで一気に面白い雰囲気になっていました。この作品に限った話ではないのですが、こういう身近なネタをゲームブックにできる、奥谷氏の想像力はスゴイですね。
最後に、はみ出しゲームには定番の、バグ報告をしておきます。(こっちはスゴクない)
・25ページの「西へ進む」は「南へ進む」が正しい。
・栄養ドリンクを飲んだ時に「北へ進む」を選ぶと、「ウォー!と北へ真っ直ぐ走る」はずなのに、なぜか北北東あたりの場所に移動してしまう。(一度右折したのだろうか)


2003年12月04日(木) 酔っぱらってゴー!(奥谷道草/白夜書房) その2

終電を逃した私は、再びふらふらと道を歩き始めます。
途中で酔い覚ましに栄養ドリンクを飲んでみますと、効きました!
ウォーー!と叫びながら道をまっすぐ走ります。
でも、しばらく東に走ったあとは、息切れして元に戻ってしまいました。
完全に酔っ払いの行動です。

このあたりで大まかな地図が完成してきたので、それを見て考えながらたどり着いたことのない道を目指して歩きはじめます。
すると、紺色の制服を着たお巡りさんに出会いました。
酔っ払った私を見ていきなりクイズを出してきます。答えられなかったら強制的に翌朝まで交番に宿泊させられてENDだそうです。横暴ですよ、お巡りさん。
でも答えると親切に、「このへんは悪質なお店や酔っ払いがいるから気をつけて下さい」と言ってくれました。ありがとう、お巡りさん。
さらにふらふら歩いていると、だんだん地図の内容が合わなくなってきました。途中で西と東を間違ったようです。もしかして私は本当に酔っているのかも。
今度は飲み屋のお姉さんが「酔い覚ましは迎い酒が一番よ」とさそってきました。思わずお店に入ろうといたのですが、さっきのお巡りさんの忠告を思い出しました。でもやっぱりお店に入っちゃいました。テヘ。

続く


2003年12月03日(水) 酔っぱらってゴー!(奥谷道草/白夜書房) その1

今回は今年のクロスワード・ランド2月号にのっていた、はみ出しゲームブックを紹介します。この号は、なかなかの傑作ですよ。
また「なんで今更2月号の紹介?」と思った方もおりましょうが、気にしないで読んで下さい。
それから「きっとネタ切れのせいだろう」と思った方。そんなことはないのでほっといて下さい。

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さて、舞台は夜更けの飲屋街の歩道であります。道は入り組んでいて、ちょっとした迷路のようです。
楽しい忘年会も終わって、家に帰ろうと思った私ですが、すっかり酔っているので千鳥足になってしまい、どうにもまっすぐ歩けません。
つまり四つ角、T字路に差し掛かっても、直進と後戻りができないのです。意思に関係なく、足は右に左にふらりふらりと曲がってしまいます。
うーむ。このままでは夜明けまで帰宅できないではないか。
ここはやはり飲屋街の道路マップを作成しながら歩く必要があるようです。
とりあえず最初は、適当に左右を選んでふらりふらりと歩いていきます。

ふらふらふらふら

途中で屋台のラーメン屋のおじさんが話しかけてきます。
「家に帰れないのかい?あっちに交番があるから、そこを尋ねるといい・・・って、おいおい、そっちじゃないよー」
反対方向に歩き去る私におじさんが叫んでいます。
親切なおじさん御免なさい。わかっていても道を引き返せないの。足がそっちを向かないのよ。

ふらふらふらふら

さらに歩き続けると、やった。駅が見えてきましたよ!
近づくと終電も終わって、駅員がシャッターを閉めているところでした。
ふう。あとは文字どおり飲屋街の出口を探すしか道がないようです。


続く


2003年12月02日(火) ドラゴンクエスト 蘇るロト英雄伝説(エニックス文庫)

言わずとしれた大人気TVゲーム(日本でRPGといえば、TRPGやウィザードリィなどより、こちらの方が有名ですよね)を原作としたゲームブック。
エニックス文庫のドラゴンクエスト(以下ドラクエ)ゲームブックはシリーズ化されており、なんと6まで続いています。
6が発売された頃(1996年)は、ゲームブックブームもすっかり終わって、一般にはゲームブックの存在すら忘れられた時期(注1)でしたからびっくりですね。しかしまぁ、そんな時期でもゲームブックが売れると出版社が判断したのは、それだけ当時のドラクエ人気が高かったからでしょう。
ゲームブックファンが減り続ける90年代、ブーム終盤までゲームブックを発売し続けたのは、創元推理文庫や社会思想社ではなく(注2)、双葉文庫やエニックス文庫ですからね。この頃は営業的には熱狂的ゲームブックファン向けより、ライトユーザー向けのゲームブックの方がまだ需要があったみたいです。

さて、話が脱線しましたが、この“ドラゴンクエスト 蘇るロト英雄伝説”は上下2巻で構成されています。
ドラクエゲームブックは双葉文庫版もあって、あちらは結構お気に入りだったのですが、エニックス文庫版の方は未体験。しかし、ネット上の評判を調べて見ると、割と好評価のようで期待できそうです。
ゲームの方式としては、本についている双六のようなマップを切り離し、マップ上でコマを動かしながらプレイするようです。
原作のフィールドマップを旅するような感覚で旅ができそう。さらにルールを読むと、経験値、レベルアップ、ヒットポイント、マジックパワー、武具の装備、ドラクエお馴染みのアイテムの説明など、原作のルールをよく再現しています。これは本格的な冒険になりそうです。

そこでさあ、そろそろプレイを始めよう。と思ったのですが。
・・・・・・んっ?

あっ、マップがない!

そうなのです。私は古本屋でこの本を入手したのですが、マップが切り取られてついてなかったのです。
つまりプレイ不可能なわけ。がっくし。
そんなわけで、「マップを持っているからコピーをあげるよ」という奇特にも親切な方がいたら是非連絡を下さい。(注3)







(注1)
今でもたいして変わりませんが(苦笑)
やはり創土社さんは偉大です。

(注2)
あの2社はブーム後半で、ゲームブックがマニア化&高難易度化していって新規ゲームブックファンを作れなかったですね。それはそれでいいんだけど創土社の“チョコレートナイト”のようなゲームブックも時々混ぜて欲しかった。
それに後期はゲームブックから、T&TやドラゴンウォーリアーズなどのTRPGの宣伝に力を入れていったのも、従来のゲームブックファンの離脱を加速させる流れとなりました。あの戦略は失敗でしょう。
ゲームブックはTRPGの入門編、いわば“TRPG>ゲームブック”というスタンスに私的は反感を感じます。
(ああ、つい熱く考えてしまうな)

(注3)
このまえ挑戦しようとした双葉文庫の“学園妖怪バスターズ”もマップがない(ついでにエンディング部分も切り取られている)のでプレイできません。
これだから古本はなぁ・・・・・・ぶつぶつ。
こちらもマップの提供者を募集しています。


2003年12月01日(月) ババ・ヤーガの悪夢の王国(ロジャー・E・ムーア/富士見書房)

富士見のD&Dゲームブックシリーズの一冊です。
ババ・ヤーガという魔女に盗まれた“賢者のエメラルド”という宝石を取り戻すため、ドワーフの相棒ジョルニールとともに、恐ろしい罠の待ちうける魔女の小屋へ侵入する。というストーリーとなっています。
小屋といっても、もちろん魔女の住処だけあって普通の小屋ではありません。小屋の床からは鶏の足がニョッキリと生えて、常に地面を足踏みして侵入者を妨げています。中に入れば、しゃべる猫やネズミがいるくらいは当たり前。湿地帯を歩いたり、大空を泳ぐことになったり、暗闇の中で得体の知れない化け物に襲われ、博物館でアイアンゴーレムと戦ったりと、タイトル通りに悪夢のような冒険になること間違いなしです。
雰囲気としては、まるで腐った沼地の中を歩くような感じでスッキリしません。
そう思うのは、邪悪な魔女“ババ・ヤーガ”が主人公の手に負えない強力な存在で、基本的に魔女を倒すことはできないという設定のせいもあるでしょう。結局、主人達は魔女が退屈しのぎに考えた“賢者のエメラルド奪還ゲーム”に参加させられたコマにすぎないようだからです。

それからゲームとして見た感想ですが、どの選択肢を選んでいても“賢者のエメラルド”まで割と簡単に到達するので、思ったよりあっさりと冒険は終わってしまいます。
その分、何パターンものルートが用意されているので、プレイするたびにいろんなストーリーを楽しむことができるのですが、残念ながら終盤の展開は一つしかないので、そのうち厭きてしまいます。ここはいろんな結末を用意して楽しませて欲しかったものです。


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