酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2005年11月30日(水) 『結婚なんてしたくない』 黒田研二

 佐古翔35歳はプレイ・ボーイ(って古いか。笑)。毎夜ナンパに励み、ひとりの女を愛することなどない。藤江克実29歳はアニメ・オタク。アニメのキャラクターを愛する現実恋愛経験皆無。蒲生要33歳はイケメンでモテル好青年、だがゲイであることを隠して生きている。真鍋聡士42歳は焼き鳥屋を繁盛させていて、身の回りはオフクロさん任せ。相馬浩文27歳は、恋愛はすれども結婚に踏み切る気持ちがない。そんな5人の男たちが、奇妙な縁と事件に巻き込まれ、結婚について考えるのだが・・・

 面白かったですv 5人の男たちがそれぞれ今そこにいそうな人たちで、結婚に踏み切らない気持ちがよくわかります。特に現代って男も女も総じて子どものままなのでしょうね。恋愛はしても責任の伴う結婚→出産を避けている、と言うか。知識ばかり頭に詰まっていて、実際には大人になれていない人間ばかりになっていっているのかもしれないなぁ。それってトッテモ怖いことだわ・・・。カタチはどうあれ、信頼できる愛する人(性別問わず)の存在はあった方が、人生は豊かになると思うのですけどね。クロケンさんのオチもそれに近いかもしれないなー。

『結婚なんてしたくない』 2005.11.10. 黒田研二 幻冬舎
 



2005年11月29日(火) 『サスツルギの亡霊』 神山祐右

 カメラマンの矢島拓海は不審な存在に導かれ、兄が命を落とした南極へ赴く。日本南極地域観測隊の一員として参加した拓海が知った兄の死の真相とは・・・

 不思議なもので南極を舞台にした物語を続けて2冊読むことになり、たまたま見始めた懐かしの『Xファイル』で南極が舞台の回がありました。南極には未知の生物が凍結されていたり、未知の物体が飛来していたりしそうなのでしょうね。その未知なるものが人間を脅かす生命体となったり、人間の醜い争いの原因になったりしてしまう。なんにしても未知なるものに対する人間って小さいものなのだなぁと思いますわ。
 この物語は、兄の死の謎を弟が追いかけると言う、なかなか洒落た小細工がきいています。兄と弟は血のつながりがなく、わかり合うことなく決別していた。そこへ届く兄の死・・・いや〜それで南極まで行く弟ってなかなかいいですねー。拓海にとっては大きな未知よりも、身近にいた兄の未知が問題だったわけです。謎が解明してよかった。よかった。

 遺された者は、時として死者の記憶に囚われてしまう。

『サスツルギの亡霊』 2005.11.10. 神山祐右 講談社



2005年11月27日(日) 『グッドバイ 叔父殺人事件』 折原一

 ネットで呼びかけて集まった人たちが一緒に自殺する。その中に僕の叔父がいた。しかし叔母は叔父の自殺に疑問を抱き、僕に調べるように命じた。しぶしぶながら調べ始めると、集団自殺を手がけようとしていたジャーナリストの存在が浮上してきた。そして僕を見張る冷たい視線・・・。叔父は自殺したのではなかったのか?

 フォントを変えて語り手を変え、視線が変わる。これに騙されないぞーと意欲満々で読みすすめたと言うのにしっかり騙されました。お見事っv 騙されていた事実がひとつとは限らない。折原さんならではのウマサでありまする。すごいなぁ。最後の最後で本当にビックリしたよー。いやぁ、あいかわらずのだまされ読者>私
 物語として読んだケレドモ、題材の集団自殺については背筋が寒い思いがいたします。死にたいけど一人で死ぬ勇気は無い、寂しい。だから死にたい人たちで一緒に死にましょ・・・なんてものすごい怖いことですよ。生きていれば、そりゃぁ泣きたいほど死にたくなる時があります。無い人は幸せだ。でもやはり自殺はいかんです。生きていればいいことがあるなんて美しいことも言えないけれど・・・でも自分から死ぬのはやーめーてー。

『グッドバイ 叔父殺人事件』 2005.11.21. 折原一 原書房



2005年11月26日(土) 『凸凹デイズ』 山本幸久

 凪海は凹組というデザイン会社で働いている。先輩は大滝と黒川という変人ふたりっきり。慈極園(遊園地)リニューアルプランのコンペで凪海のキャラクターが採用されたことから、なんとかかんとかうまくやってきていた3人に変化が。火に油を注ぐような、ふたりの先輩のモト仲間の女・醐宮の存在・・・

 この小説はタイトルがずっと気にかかっていたので読んでみました。なにがどうしたと言うでもないのでケレドモ、ことのほか良かったのですよね。登場人物がいいからかしら。言葉が好みだからかしら。小さなデザイン会社の奮闘ぶりにもエールを送りたくなってしまうし・・・。たぶん凪海の先輩ふたり+天敵女の凸凹な3人への憧れとも言うべき複雑な気持ちがトテモよくわかったから好きになったのかもしれないわー。なかなかよい物語だと気に入ってしまいました。

『凸凹デイズ』 2005.10.30. 山本幸久 文藝春秋



2005年11月24日(木) 『恋せども、愛せども』 唯川恵

 金沢で小料理屋をしている母と祖母、東京で脚本家を目指す理々子、名古屋で大手不動産会社の総合職として働く雪緒。女だけの家族4人。そして彼女達に血縁関係は無かった。母が祖母が娘二人がそれぞれに恋にときめき、愛に惑う。血の繋がりは無くとも、家族の絆に結ばれた4人。4人がそれぞれに決める愛の行方は・・・

 恋と愛。近いようで遠い気持ちなのかもしれません。いくつになろうと恋する女はいいもんだと思いました。ときめきを忘れないで生きていくって案外むずかしいことなのかもしれません。
 血の繋がらない4人の恋愛模様よりも仕事に対するスタンスや覚悟ってものが興味深かったですね。これは男とか女とか関係なく、人としてのこととなる。きちんと意識をもって生きていけるとよいなぁ、そんなふうに感じる事ができました。あいかわらず優れものの物語でございます。さすがは唯川さんv

 大人になればなるほど、恋なんて、と照れたり、投げ遣りになったり、時には、嘲笑さえしてしまうことがある。けれども、それは強がりだ。誰だっていつだって、人は恋を待っている。恋する人を待ち焦がれている。恋ほど人を熱く燃やすものはないのだから。

『恋せども、愛せども』 2005.10.20. 唯川恵 新潮社



2005年11月22日(火) 『痛いひと』 明野照葉

「パンドラの匣」
 淑彦は避けていた満員電車に乗る羽目になり、さまざまな人間の妄想が心にダメージを与える。まさに痛勤地獄・・・

 明野さんって方の目の付け所ってスポットを当てられると当たり前なところにあります。でも普段の生活では私は気づかない。と言うか流してしまっている。そういうところが違いのワカル作家さんならではなのだなぁとアラタメテしびれてしまう訳なのです。はい。
 この主人公の淑彦さんって感知してしまう人で、人の多い場所では人に中ってしまう・・・。そう言えば私が満員電車や人込みが苦手なのってこういうことなのかもしれないなぁなどと気づかされる始末。うう、おそるべしx明野照葉。
 単純にタイトルの『痛いひと』を想像するとやられてしまいますよー。痛くて痛くて疲れてしまう。ああ、痛い。

 あちらに立てばこちらが異常。こちらに立てばあちらが異常。正常、異常の線引きは、境界線がきわめて曖昧で、考えれば考えるだけ気が滅入ってくるほどに難しい。

『痛いひと』 2005.11.25. 明野照葉 光文社



2005年11月21日(月) 『ネクロポリス』 恩田陸

 ジュンイチロウはアナザー・ヒルにやって来た。ここで<ヒガン>を体験するために。<ヒガン>は、死者と出会える祝祭。死者たちは‘お客さん’と呼ばれる存在で、彼らは決して嘘をつかないと言う。ジュンイチロウには千客万来でばんばか‘お客さんたち’にめぐり合う。そして事件が起こった・・・

 うーんと、上下巻に渡る恩田陸ゴシック・ホラーワールド(と私は解釈した)は上記のような味も素っ気もない物語ではありませんので(笑)。長くって、陸ちゃんアイテムてんこもりでうまく説明できなかったので読んでくださーい。
 陸ちゃんってば、またもややっちゃいましたねぇ(大笑)。あまりにも陸ちゃんアイテムを「これでもかー」と盛り込んでいて、もったいないことこの上なしでした。大盤振る舞いは陸ちゃんの持ち味ねv トッテモ面白かったですv
 ただ設定が死んだ人に逢えると言うシロモノで、読んでるとトシに逢いにアナザー・ヒルに行きたくなっちゃって。ほろり。嘘をつかないらしいのでトシのいろんな本心を聞きたいなぁナンテしんみりしちゃいましたとさ。あい。

 人間というのはなんと不可思議な存在だろう。極めて物理的な存在でありながら、やはり自然の一部であり、容れ物である身体に比べて。精神活動は超自然に近い。現実的であろうとする精神は、常に矛盾の間で引き裂かれつつも、その奇妙なバランスの取れた小さな一点を縫うようにして未来へ向おうとする。

『ネクロポリス』 2005.10.30. 恩田陸 朝日新聞社



2005年11月19日(土) 『きみの友だち』 重松清

 小学生の時の友だち。中学生の時の友だち。高校生の時の友だち。・・・私にとって私と言う個人が友だちを得たのは高校生になれてからだった。それ以降は様々な時代に様々なカタチで友だちが出来た。そう思えば、小学生や中学生の時の私は友だちの意味ナンテわかっていなかった気がするわ。自分が自分である時に気づいてハジメテ友だちを得る事ができたのよね。
 この重松清さんの『きみの友だち』はそういうほろ苦い事を思い出させてくれました。相手にとって自分が自分らしくあれること。そうでないならば友だちではない。ひとりでトイレに行くことや、ひとりで御飯を食べること。そういうことを寂しいとか恥ずかしいナンテ思っていた遠い日の自分が愚かにも微笑ましくて。友だちって理屈じゃないものね。いい物語です。トッテモv

「わたしは『みんな』って嫌いだから。『みんな』が『みんな』でいるうちは、友だちじゃない、絶対に」

『きみの友だち』 2005.10.20. 重松清 新潮社



2005年11月18日(金) 『孤宿の人』 宮部みゆき

 江戸より9つの少女‘ほう’が、讃岐の国の金毘羅参りに出向かされた道中で、連れの女中に捨てられた。丸海藩で途方にくれる‘ほう’は、様々な人と出会い、流人の加賀殿のお屋敷で働く事になる。生きながら鬼、悪霊と恐れられた加賀と天涯孤独な‘ほう’との心の触れ合い。しかし加賀殿は・・・

 鳥肌が立ちました。宮部みゆきと言う人の凄さをまたしても知らされたと言う感じです・・・。小さな少女を主人公に据え、いったいどのような展開を見せるのかと思いましたが。すごすぎる。これは文句無く今年のマイナンバー1だなぁ。この物語を読んでいない人がいるならば、是非に読んでください。そう御願いしてしまいますね。宮部みゆきを越える人は出てこない。宮部みゆきだからこそ描けた物語だわ。感服。

「しかし、これは本当におまえの名前なのだろうか」

『孤宿の人』 2005.6.21. 宮部みゆき 新人物往来社



2005年11月17日(木) 『セリヌンティウスの舟』 石持浅海

 ダイビングで死にそうになった6人は、6人で死を乗り越えたゆえに強い絆を持った。年齢も性も職業もバラバラな6人だったが、たまに集まりダイビングを楽しんでいた。ある日、ダイビングのあといつもの呑み会に突入し、目覚めるとひとりの女性が死んでいた。これは自殺か、他殺なのか。警察は自殺と判断したが、残された5人は彼女の死の真相について探りはじめるのだが・・・。

 まだこの物語について読んだ人たちの感想を見ていないのですが、読後どんな感想を持たれたのかしら。そこがトッテモ気になるところ。死にそうな目にあって、それを一緒に乗り越えた人たちの独特の絆もしくは連帯感ってものは理解できます。だからその絆ゆえに死が登場するって私には違和感でありました。とても純粋なのだろうケレドモ、だからって・・・。純粋ではあっても歪だなぁ。この作家さんの描写が爽やかさんなので読まされてしまうケレドモ、こういう死に方を選ぶ人間のことは理解できないからいやだったなぁ。

『セリヌンティウスの舟』 2005.10.25. 石持浅海 カッパ・ノベルス



2005年11月16日(水) 『誰よりもつよく抱きしめて』 新堂冬樹

 月菜の夫は不潔潔癖症で不完全潔癖症に苦しめられていた。そのためふたりの間にセックスはない。月菜は愛すればこそ、抱きしめてもらえない苦しみに翻弄される・・・

 男と女の愛のカタチなんて、その組み合わせの数だけあるのだろうなぁ。愛する人と一緒に生活できても、セックスどころか抱きしめてももらえない。それって蛇の生殺し状態だわ。ふたりの苦しみや決断に結構感情移入しながら読みました。ラストは私的には「ありえねー」なのですケレドモ、物語としては美しくてよかったです。ふふふふふ。

『誰よりもつよく抱きしめて』 2005.9.25. 新堂冬樹 光文社



2005年11月15日(火) 『白魔の湖』 響堂新

 南極大陸のヴォストーク湖で掘削作業が行われていた。この湖は100万年もの間そのままの状態。はじめて人間によって調査が行われていた。太古の水が採取され、そこに光る粒?が含まれていた。その発見以降、おそろしい事態が引き起こされ・・・

 アハハ。おもしろーいv ありがちなSFホラーっぽいのですケレドモ、なかなか楽しんで読ませていただきました。未知との遭遇って人間には恐怖であり、魅力でありますからねぇ。ただラストはどうだろう。そして誰もいなくなった、の方がゾクゾクしたと思うのですけどねぇ。残念っ。

『白魔の湖』 2005.10.8. 響堂新 角川春樹事務所



2005年11月14日(月) 『探偵は黒服』 藤田宜永

 銀座で殺人事件発生。第一発見者は、被害者がかつて勤めていたクラブの黒服だった。第一発見者で被害者と知り合いだったために警察に疑われた黒服・福光は独自に調査をはじめたところ、連続殺人とエロアニメとの関連に気づき・・・

 かつて(バブル以前)銀座に勤めていた女性はものすごい勉強家だと聞いたことがありました。若く美しく賢くなければ銀座では働けないというイメージだったケレドモ、今では銀座もたいしたことばくなってるのねぇ・・・。この物語の展開はどうなのかしら。もっとこんがらがってるかと想像したいたので、ちょっぴり肩透かしでした。不感症の彼女は魅力的なのになー。

『探偵は黒服』 2005.10.30. 藤田宜永 角川書店



2005年11月13日(日) 『包丁人轟桃次郎』 鯨統一郎

 流れ流れた板前・轟桃次郎は、美人女将の彩乃の店<ふく嶋>に流れ着く。<ふく嶋>は、大手の<加賀屋>に買収されそうになっているが、孤軍奮闘中。ひょんな流れから<ふく嶋>をかけて桃次郎と<加賀屋>の一流板前陣が料理対決することになった。料理対決のたびに発生する殺人事件。しかも殺されるのは許せない犯罪者たちだった・・・!?

 うーん、鯨さんはヤッパリいいですねぇ(うっとり)v なかなかブラックホラーでありますよ、これは。でもさらりと読ませるのでグロまではいっていません。際のとこでうまいこと料理しています。桃さんはいったい何者なのか。ここに流れてきた前のことや、これから流れていく先のことも物語で読みたいものでありまする。トッテモおすすめv

『包丁人轟桃次郎』 2005.10.31. 鯨統一郎 早川書房



2005年11月11日(金) 『激流』 柴田よしき

 修学旅行先の京都でバスの移動中にひとりの少女・冬葉が姿を消した。その自由時間の時に一緒に行動していた美弥は、二十年経って不可思議なメールを受け取る。『わたしを覚えていますか? 冬葉』・・・そして、美弥とあの時の仲間たちは引き寄せられるように集まり、それぞれに事件に巻き込まれていく。

 柴田よしきさんの新刊が出ない、と思っていたら出ましたっ! 修学旅行の自由時間に7人で行動していて、バス移動でひとりの少女が忽然と姿を消してしまう。こんなショックングな目に遭ってしまうと京都が嫌いになりそうです。京都って本当に不思議な場所ですよね。魔界都市と言われるのも頷ける魔力があると言うか。少女がふっと消えてしまっても不思議じゃない気がしますもんねぇ。京都に住まれていた柴田さんならではの風景が浮かぶような導入で分厚い本だと慄いていたのにスンナリ引きずりこまれてしまいました。うまいよなぁ。
 内容の面白さは読んでいただくとして(笑)、私は7人の中で貴子がトテモ気になります。貴子を軸に貴子の物語を描いて欲しいくらいですね。貴子になにがあったのか。貴子はどうなってしまうのか。それが最後まで気にかかってしまいました。
 しかし、柴田さんはさまざまな想いを物語に描きこまれていました。印象的なのは「あたまがおかしい」人のこと。繰り返し「あたまがおかしい」と言う言葉が使用されていて、実生活でなにか大変なことがおありだったのだろうなぁと。一方的になんだかんだと言い寄られてしまうのでしょうね。人気作家さんも大変だ。

『激流』 2005.10.31. 柴田よしき 徳間書店



2005年11月10日(木) 『アンボス・ムンドス』 桐野夏生

 「桐野さんっておそろしい女(ひと)だなぁ」・・・。短篇なのにズッシリくる内容を読んだ後の感想がそれ↑でした。桐野さんはブレイク前から好きで、骨太な根性ある体育会系のイメージを持っていました。だから有名になるにつれて、その女優さんばりの美貌(女優さん以上と言う噂も)を拝見した時に背筋が寒くなった覚えがあります。忘れられないシャープな美が、こんなおどろおどろしい人間の闇を切り裂いていらっしゃると思うと、ますます惚れてしまいますよぅ。怖くておそろしい。ううう。
 なんて言えばいいのかしら。駆け抜けていらっしゃる感じをいつも受けます。人の感想うんぬんはどうでもよくて(勝手にそう思ってるだけですケレドモ)書きたいことを天衣無縫にマシンガンのように書き殴っている、そんな感じと申しましょうか。こういう作家さんを私は他に存じ上げませんね。ゾクリとするオーラを放っていらっしゃるんだろうなぁ・・・。魔女だな。

『アンボス・ムンドス』 2005.10.15. 桐野夏生 文藝春秋
 



2005年11月09日(水) 『風の盆幻想』 内田康夫

 富山県八尾町で風の盆祭りの前に老舗旅館の若旦那が死んだ。警察は自殺で片付けたが、名探偵・浅見光彦と迷作家・内田康夫が現地へ飛び調べ始めたのだが・・・

 軽井沢のセンセ(笑)の物語は、いつも知らないいろんなことを教えてくれるので読むようにしています。わかりやすいの。トッテモv 今回は、名前でしか知らなかった「風の盆」祭りについて知ることが出来ました。こういう状況になっているのかー。全国的に有名なお祭りも大変なのね。あ、だからこそ大変なのか。
 こういう長いシリーズものは、良し悪しよりも習慣で読んでしまいます。もはや登場人物はオトモダチ気分v 個人的には、出版社によって浅見さんの扱う事件の色が違う事が面白かったりするのですケレドモ。ふふふ。

『風の盆幻想』 2005.9.25. 内田康夫 幻冬舎



2005年11月07日(月) 『精霊探偵』 梶尾真治

 事故で妻を亡くし、私は内部で最初の死を迎えた。なにをやる気も起こらない。そしてあれ以来、奇妙なことに人の背後に霊が見えるようになった。驚いたことに何かと気をかけてくれるマンション一階の喫茶店「そめちめ」のマスターには私の母が、ママには私の父が見える。ふたりが私を気にかけてくれるのも当然か? この奇妙な現象のおかげで、失せモノの場所を言い当てたりしているうちに、ある人物の失踪事件に巻き込まれ、ますます奇妙なことになってしまうのだが・・・

 これねー、まさに大当たりですよーっ(叫ぶ)! もしかしたら年内における最後の大きな花火かもしれない。私的には超ヒットv こう書くとおそらく仲間の数名は読んでいただけると同じ思いをしてくださるはず(自信あり)。設定がうまく、流れも奇妙で、ラストがしっかり意表をつきました。「うまいっ」と泣きながら声を出しましたものv
 旦那を早くに亡くした私にとって、この方の作品は個人的に鬼門だと思っていて(ごめんなさい、梶尾真治さん)、『黄泉がえり』なんて映画をたまたま観たばっかりにしばらく涙で顔が腫れて頭痛くって大変でした。愛しい人を亡くした人間には、ツボすぎるのも酷なのですよね・・・。この『精霊探偵』は、そういう路線ではなかろうと読んだのですケレドモ、甘かったですね。泣きました。でもいい感じにスッキリ爽やかハッピーになれたの。是非あまり情報を頭に入れないで読んでいただきたいですね。私と同じ驚きを貴方にも是非っv

 やっぱり、人間の暮らしって、ちょっとした緊張と驚き、それから、少々のお金って必要なんだよなぁって思うよ

『精霊探偵』 2005.9.30. 梶尾真治 新潮社



2005年11月06日(日) 『魔王』 伊坂幸太郎

 両親を亡くし、弟とふたりで生きていくことになり、『考えろ考えろ』と常に思考する兄(魔王)、兄まで亡くし、そこから微妙な変化をとげた、兄に言わせれば何かをやりとげるならオマエのような奴の弟(呼吸)。不思議な力を持った兄と弟のふたつの物語。

 これねー、すっごく不思議なトーンで読ませてくれるのですよぅ。なんて言うのか、政治だのファシズムだの、それこそ「どーでもいーじゃーん」的なとこのある私なのに、読むし、考えたし。こういう流れでトーンで、このテのものを読ませきる伊坂幸太郎さんの筆力にやられました。兄と弟がそれぞれでトテモいいし。兄が弟のことをちゃんと理解していたことが一番すてきなことなのかもしれないなぁ。なにがどうしたんだって感じなのですが、でもトッテモよかったのって物語なのでありました。んー、うまく言えないんだケレドモ(笑)。

「馬鹿でかい規模の洪水が起きた時、俺はそれでも、水に流されないで、立ち尽くす一本の木になりたいんだよ」

『魔王』 2005.10.20. 伊坂幸太郎 講談社



2005年11月05日(土) 『ララピポ』 奥田英朗

 奥田さんらしいはっちゃけたエロ話の連作集。ひとつひとつがエロくて情けなくてよいのだケレドモ(いや、ほんと)、一番のエロはやはりカバーをめくった時の絵。なんじゃこら。エロにもほどがあるー。こういうのも書いていきたいってことなんだろうね。・・・じゃなくて奥田さんの持ち味がコレなのでしょうねぇ。名前に似合わぬ風貌の小百合さんがしたたかでグー。ララピポって聞いたことがあるような、ないような響き。その意味がわかってスッキリ〜。

『ララピポ』 2005.9.30. 奥田英朗 幻冬舎



2005年11月04日(金) DVD『24』シーズン��

 ジャックは、ミッション遂行のためヘロイン中毒になっていたことからCTUを解雇されていた。現場の仕事を望めばどこにでも就けたジャックだったが、ヘラー国防長官特別顧問となり、事務方として働いていた。ヘラーの娘オードリーと愛し合うようになり、静かな生活を手に入れられそうだったが、ヘラー国防長官がオードリーと共に誘拐され、CTUに一時的に復職し、現場で指揮を取り始めるのだが・・・。

 えーっと、こういうシリーズものでネタバレなしに内容を説明するってトテモ難しいものですね。もしも私がまだ見ていなかったら、絶対に知りたくない事を避けて書くと味も素っ気もない紹介となってしまいました(苦笑)。是非にこのシーズン�犬離薀好箸肪�り付いた方と語り合いたいものです。まだのかたは急いでっ!!!(笑)
 シーズン�靴裡庁孱弔粘�にシーズン�犬髻屬海譴任發�」と言う煽り方をしていて、アレはうまかったな〜。ジャックは自分の本能を断ち切ることは出来ない。←ジャックならぬ惹句ネv 確かにその通りで・・・以下自粛。
 まずは、ひとつだけ納得できないことがあります。私は今回のジャックが愛する女性に納得できませぬ。いや、素敵な女優さんなのでしょうケレドモ、あの妙にスレンダー過ぎて清潔感あふれすぎで、胡散臭いのです。まぁ、だからこその物語だったと言えましょうけど・・・「あんた、ニーナがお似合いやで、ジャック」って気分でありましたねぇ。あれが今回出てくる悪役の女性タイプならOKなのに。ま、私の女性の好みを訴えたところでどうにもなりませんわね。ええ、わかってますとも(涙)・・・
 今回のテロは原子炉のメルトダウンやら核ミサイルやら、とんでもなさそうで今今そこにある危機なのだろうなぁと言う、あいかわらずのぶっとびモノでありました。ジャックは鬼畜のように動き判断し、またそれが極悪非道でも正しいのよね。だから、今回のエンディングのどうしようもない突き放され感はすさまじい。だから観てない人は早く観てくださいませ。
 そんなテロ阻止をするCTUの中でふたつの愛の形が様々に揺れます。結局、国や愛する人のためにどう動くか、そこを大きく描きたいのでしょうね。ジャックには誰もなれない気がします。ジャックはジャックであるがゆえに孤独。可哀想だけど、仕方ないことかも。その代わりに確かな絆はいくつも手に出来ていて、エンディングの寂しさと感動はそこを無茶苦茶うまく表現されていました。泣きましたもん、私。
 正直言うと今回のシーズンはそうでもないと思っていたのですが、ラスト近くになり、あのラストになり、今までにはない衝撃を受けました。あんなラストを持ってくるなんて・・・。シーズン�垢浪椎修覆里任靴腓Δ�。←完璧中毒者



2005年11月02日(水) 舞台『天保十二年のシェイクスピア』大阪シアターBRAVA!

 脚本が天才・井上ひさし、演出は鬼才・蜷川幸雄、音楽は日本の魂(ソウル)を表現させたらぴか一な宇崎竜童さま(大好きなの)v 実は親友から唐沢寿明さんを見たいかー?と問われ、見たいーと欲望のままに出かけた大阪。まさかこんな豪華な名前の人たちの舞台とは露知らず。しかも、唐沢さんより私のハートを鷲づかみにしてしまった若者がいた。その名は‘きじるしの王次’を演じた藤原竜也くんだっ(唾を飛ばした)!!! エロイ舞台だとは聞いていたケレドモ、まさかアノ藤原竜也のあーんなことやそーんなことを観れるなどと思ってもいなかった。若いって美しいと心底惚れてしまった・・・。
 この舞台は喜劇&ミュージカルと言えばいいのかしら。シェイクスピア作品をこれでもかとぶっこんだ井上ひさしさんの才能の凄さを見せ付ける物語。主役でありながらあえて醜い男を演じた唐沢寿明さんも勿論素晴らしかった。マシンガン・トークのような台詞の連打はまさに本物の役者。夏木マリや白石加代子と言った妖怪女優(大笑)たちも最高にウマイ。脇を固める俳優さんも有名どころがズラリっ。それでも並みいる才能を蹴散らして輝いていたのが藤原竜也くん。ナマモノ(笑)を観るまでは全く興味なかったのでありますが、ナマモノを見たら、そりゃぁアータ失神しそうな若さ美しさっ。たまらん魅力でありましたよー。もうやられた。メロメロ。あの笑顔は凶器だわー。ああっ。
 蜷川さんの秘蔵っ子だけあってウマイ。彼がそこにいるだけで舞台の空気が違うのですもの。あれはこれからどんどん行くだろうなぁ。ワタクシはこれから藤原竜也くんを追いかけますっ(本気)v
 この舞台、あっという間にチケット完売だったそうです。もしもチャンスがあれば是非観て欲しい。藤原竜也くんと宇崎さんの音楽。素晴らしい世界なのでありました。



2005年11月01日(火) DVD『TRU CALLING』

 トゥルー(TRU)は22歳の医師志望の女の子。医大へ進むため、モルグ(死体安置所)で夜間のアルバイトをはじめた。そしてときどき遺体から「助けて」と声をかけられるようになり、トゥルーは時を遡る・・・。その亡くなった人が死にいたる日を‘やり直し’することになり、トゥルーは奔走する。
 
 『24』に嵌っていて、そのDVDを観ていたら他の予告の中でコレが気になって仕方がなくなり、とうとうレンタル(苦笑)x 12回まで観ました。トゥルーは少女の頃に母を目の前で殺された過去に苦しんでいて、その母の死も何か彼女の力に関係があるようです。トゥルーは本当にいい娘で、ひたすら一生懸命で助けられなかった人のことで涙を流す。こんな娘がいたらいちころだわー。顔もスタイルもいいしv 毎回誰かの死に絡んでいろんな問題を提示してきます。ごく軽く。ただ彼女の姉弟、同僚、友達、恋人と人に恵まれていて安心します。やはり人が人を呼ぶのでしょうね。トゥルーの到達する真実まで付き合うつもりです。面白い。



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