千羽鶴
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「ホラ、ホラ、音がする」
何度も訊かれたんだ 何度訊かれても 俺は何も言えないんだ
「ネェ」
あざ笑う音がする すすり泣く音がする 音無き「今」の足音がする
「ネェ、ドコニ イキタイ?」 「ナニ? キコエナイ」 「ネェ、ドコニ イキタイノ?」
あざ笑う声が聴こえる すすり泣く声が訊こえる 声無き「今」の声が聴こえる
「ネェ、キミハ ドコニ イキタイノ?」
何もかもが中途半端で 存在自体が中途半端で
それでもいいや
って
もぅいいや
って
ふと気づくと風は止んでた 不気味なほどに静かだった
でも、やっぱり風は吹いてくる
止んだり吹いたり
何時も変えたいって 何時も消したいって
何かを望むくせに
理由をつけては 自分に言い聞かせては逃げてばかり
行動する事を 傷つく事を恐れ続けて
「いつかは」 って又理由つけて 逃げてばかりだ
本当は逃げたく無い いや、本当は逃げたいのかもしれない 何処までも逃げ続けたいのかもしれない
矛盾と中途半端と存在と
いつも何より分からないのは いつもすぐ近くにあるはずの 「自分」 という存在
俺は何処に行きたいんだろう
無の足音 響き渡る
音も無く 響き渡る
白い部屋に咲く一輪の黒い華
姿亡き足音に脅え
声亡き叫びに脅え
静かに散りゆく
眩しい程の白い部屋で ただ独り
小さな窓から見える空に心焦がしながら
何かに脅え
ただ独り
いくら探しても
いくら見渡しても
ただ独り
何も無くて
誰も居なくて
ただ独り
それでも響き続ける 無の足音
それでも聞こえてくる 無の足音
発狂した魂は
帰る場所を見失った
光を…
見失った…
mocco
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