箱の日記
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2012年01月15日(日) |
雪がつもる場所のこと |
どどっどどっ
天井は人が棲む穴の蓋だ
おはようございますいただきます
かしゃかしゃと鳴る皿や鍋の音 それに
祈りとか願いのことやらなんかを
すいこんで分厚くなっていく
雪が降りてきて重なる音
が聞こえないのは
人間がぎしぎしと軋むからだ
声を出すずっと手前の部分だったり
それは明日のことだったり
なので
屋根が“ぶ厚い”から ではなく
台所から立ちのぼる湯気のせいでもない
どすん
と
あるていどの雪がかたまって落ちると
蓋のような屋根がすこしだけ軽くなり
幸せについて考えてみた
こんばんはいただきます
ふくらんだ指もくちびるも
かさかさのままおやすみなさい
今夜も
天井は僕を生かしておくし
雪が積もる場所には
変わらず降り続けるだろう
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