箱の日記
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心地の良い静けさだった
陽が強すぎるので半分はカーテンを閉めると
遠い車のタイヤ音がそれなりに聞こえていた
どこかの子供の誰かを呼ぶ声は 駆り立てるものではなく
ささいなノイズだ
時折 小鳥がベランダに降りてきては
仲間と小声でさえずり合っていた
以前エサを撒いていたので かすかな期待があったかもしれない
小鳥はいい
子孫を残すためのもの以外はいらないから
相手の気持ちを考えたりはしない
それは傷つくことがないから かもしれない
エサがないことを責めている様子もない
ちいちい
と鳴いて去って行った
たまっていた洗濯物を片付けるため
スイッチを入れると、それは動いた
時々ガタゴト と身震いするたび
この部屋にもうひとりいるような気がしては
靴下 とか Tシャツ は今頃びしょぬれだろうし
ぐるぐる回っていて たいそう辛いだろう
とか思った
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