高速道路を横切る黒い影はカラスつみ重なった雲は遠いまま、届かない場所で雨を降らすぴゅうぴゅうと目にはみえない隙間からしめった煙のような外気が入ってくると知っている季節の匂いがしたぴゅうぴゅうという声が誰もが帰ったはずの仕事場から届いているのに振り返りもせずずっと先の雨に向かっている