箱の日記
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2005年08月11日(木) 貝拾い





貝殻の集まる浜辺は
それなりのにおいがして
振りかざす熊手の空
ずいぶん高くまで
入道雲が重なる

死を拾うように
そうして私はまた細長い針金の指を入れ
不確かな手応えをきいている

きみよ
もしつながっているのならば

捕らえたさまざまな無言の雑物を
ほどいて
見つけようとする
繰り返し

貝殻の失われた日々を知らず
潮の満ち引きの
なれの果てを知らず





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