箱の日記
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2005年07月28日(木) プレス機が刻む午後




工場から
この家の分まで
かろうじて届くから
生きているんだ
忘れかけていたよ
深みの足りない植木鉢のなかは
こわいくらい
すき間もなくなって
のばされた手足でいっぱい
だから
欠かすことがないようにしないと
いけないんだ
枯れないだけの
毎日の水を

指に力を込めて
助けようとしてるなにか
それを救えたのなら
てのひらにおいて
涙を垂らそう
と思う




2005年07月18日(月) ていう架空の話

 

 

ていう架空の話について君は話す
僕はまた、うんうんと頷いて
君の手を握っている
僕らはあの列の最後に並んで
待つかい?
 

()
 

古びた匂いのする運河に沿って
倉庫のある曲がり角でタクシーを拾った
狭くはない後部座席で僕らはくっついて座ると
握っていた手を離して
うしろを振り返った

もう日が暮れて
ネオンが点り始めていた。




 


2005年07月09日(土) O月X日



うすい戸のむこうで
正座している君は
万年筆から垂らすインク
ぽとり

ぽとりぽとり


僕もちょうどそのことで
泣こうとしていたんだ



泣いてなんかいないね



 





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