カンラン
覧|←過|未→ |
以前日記に書いた、14年ぶりに連絡を取り合うことができた友人よりメールが届く。私が送った手紙と安産のお守りが無事海を渡って手元に届いたらしい。
最初にもらったメールは英語だったのだけど、今回は日本語で。「長らく日本語を使っていないので、恥ずかしい」と書いてあった。彼女のお母さんはアメリカ人で、昨年結婚したお相手も外国の人だもんなあ。
一緒に遊んでいたころ、私たちは日本語で会話していたし、古典は彼女の得意科目で「特講」だか「特論」だなんていう教科を好き好んで選択していた。 私はと言うと、国語に関しては普通クラスに入れたものの(数学は標準以下のクラス)、編入してはじめて古典という教科の存在を知り、大きな衝撃を受けたのだった。意味がわからない以前にまともに読むことすらままならないし、文法は謎のままに終わった。最後の試験では百人一首を気合で暗記。 こんなことならいっそのこと国語関係でも標準以下のクラスに入っておけばよかったと悔やみに悔やんだのだった。とほほ。
そんな彼女が日本語を思い出しながら一生懸命に打ってくれた短いメール。 あたたかくて、少しせつないよ。
気がつけばつちのこ氏がフリースのパジャマを着ている。上は半袖Tシャツで、なぜか下(ズボン)だけ。 私の実家では、父は着る物なんかには本当に無頓着で、何から何まで母がセッティングしておかないとどうにもならないのだが、わが家ではそのあたりまったくもってそれぞれがそれぞれのことを管理している。時代、なのかなと思うけど。
それで、私はいつ冬もののパジャマに切り替えようかなあと今まで二度ほど衣裳部屋(というより物置)から引っ張り出してはみたものの、なんとなくあとで寒さに苦労しそうでいまだ踏ん切りがつかない状態。
今日になって、寝室の敷きパッド(というのかシーツカバーというのか)をボアのものにごっそり替えておいた。布団はまだ冬仕様じゃない。 こうして少しずつ、冬支度。
島のお義母さんより、年賀状の必要枚数を知らせてください、とメールが入る。 親戚に郵政公社勤めの人がいて、そこを通して購入するため、うちの年賀状は毎年はるばる名古屋(だったと思う・・・)からやってくる。
今まではサ○ダやらキ○タムラに印刷をお願いしていたのだけど、だいぶ枚数も落ち着いてきたし今年からは自宅でプリントする方針で。節約、節約。何と言っても今年は旅行貧乏ですから。
でも一体どうやってやったらいいんだろう。本屋さんとかで指南書とか素材集とか買うのだろうか。 転居のお知らせしか作ったことないので、心もとない。
思い切って庭の朝顔を取り除いた。 足元に無数の種が転がる。
昨日今日と、思いがけず山歩きをする。 二日連続で!なんで!?と我ながら不思議ではある。
昨日は廿日市で極楽寺を目指していたところ、しょっぱなから道を間違い、山中をうろうろと徘徊した。間違いに気づかないままのぼったりおりたりしていたらキャンプ場にたどり着き、蛇之池を眺めながらこれからどうやって帰ろうかと不安に駆られていたところ、実はスタート地点の駐車場近くに戻っていたことが判明。最高にほっとした。力も抜けた。
そして今日は二葉山。 つちのこ氏とぴのきが前々より興味を持っていた山頂の仏舎利塔を目指す。 遠い昔、小学校の遠足で訪れたことがある私には結構しんどかった記憶があって、それをふたりに話すも絶対そんなはずはないと聞き入れてもらえず、家を出発することに。
東照宮のあたりに車をおいていざ山頂へ。 つらい、かなりつらい。しかもまた道を間違え、一時は道なき道(ぴのきは四つん這いになる感じ)を進むハメに。たぶん、昨日の極楽寺よりしんどかった。昨日の疲労が残っているのもあるかも知れないけれど。 木々のむこうにきらめく仏舎利塔が見えたときのうれしさといったらなかったね。遭難したかと思った。広島駅にほど近い場所で。
嬉しげにぱしゃりぱしゃりと写真を撮っていたら、なにやらやけに「ちょっと来ちゃった風」(つまり全然疲れていない感じ)の人がいて、塔のまわりをぐるりとまわって下を眺めてみたところ、普通に道路が。そして車からひょいと降りてくる小さな子どもが。 足でのぼらずとも車で来れたようです。がっくり。 帰りは膝をがくがくさせながら、山を下りましたとさ。
運動嫌いな私にしてはよくがんばったように思う。 たまにはからだ動かせよ、ということだったのだ。よくできている。 明日から筋肉痛間違いなし。
帰りに立ち寄った東照宮にて安産お守りをいただいて帰る。 先日15年ぶりに連絡を取り合った友人への手紙に同封する。
台風がやってくるというので庭のこまごまとしたものを片す。 たまねぎボックス(島のお義父さんお義母さんにもらったたまねぎ。日当たりの良すぎるわが家でもなんとかストックできている)を少し高い場所に避難させ、上から関テ〜レのピクニックシートを被せておく。
明け方、ひどい風音で目を覚ます。ふと、関テ〜レが飛ばされているのではないかという心配が湧き上がるも、表を見、窓を開ける勇気がどうしても出ずにそのままぐずぐずと眠れない時を過ごす。 お隣さんエリアにまで行ってたら、いやいやもっと関係希薄なお宅に飛ばされて行ってたら(しかも枝に引っかかってるとかすごく目立つ感じで)、などと無駄に考え込んで無駄に疲れてみる。
朝がやってきておそるおそる軒下を見ると、関テ〜レもたまねぎもしっかりあるべき場所にあってほっと胸をなでおろす。
まだ大々的な衣替えらしきことはせず、日々いろんなものを引っ張り出してきては着込んでいる。今日は長袖のばばシャツが仲間入り(今期初)。
毎夜ちびりちびりと飲んでいたウイスキーもなんだか寒いので、ミルクティーにラムとはちみつをちょいとたらしたやつを飲む。 あったかい。
昨日は汗ばむほどの陽気だったのに、今朝起きてみると驚くほどの肌寒さ。 引き出しの奥からウールのカーディガンを引っ張り出して羽織り、ごつめの靴下も履く。それでもまだ手や足の先が冷たい。 おまけに生理痛で、今期初のカイロを腰に貼る。 いきなり寒い季節がやってきたなあ。 今宵、おでんをつっつく。
うれしいことが、ふたつ。
まずひとつめ。晴れて印鑑を注文。 おかしな話だけれど、枝、デザインともに何かに導かれるようにして決めた。受け取った書面を手にすると自分でもどうしたのかと思うほどどきどきどきどきとして、でももう目が冷静にひとつを選んでいる、といった具合だった。 とは言え、なにせ即決慣れしていないので、決定を下したあとになって「ほんとうによかったのかな」「こっちのほうがおもしろかったんじゃないかな」などとふらふらしたのも事実。
ひょっとしたら、私のために枝をいくつか選び、文字をデザインしてくれた職人さんは私がどれを選ぶかわかっていたんじゃないかなあとも思った。並び順とかで、なんとなく。
楕円のようなかたちの印面にすっきりとした印象の文字でフルネームが入る。 はやく実物を見たいな。待つ日々も楽しく。
うれしいこと、ふたつめ。消息不明だった友人と連絡がつきそうなこと。 高校最後の年に仲良くなった友人で、大学入学直後に一度、当時私が住んでいたマンションに遊びにきてくれたのを最後に連絡が取れなくなっていた。
まずは判明したアドレスにメールを送ることから始めるのだけれど、はやく手紙が書きたい。
東京から友人が会いに来てくれた。
忙しい日々のなか、突然「行くよ!」と宣言してくれちゃうノリには相変わらず驚かされもするが、ありがたいなあと思う。 特に今回なんて火曜日の正午ごろうちにやってきて、翌水曜日の正午ごろにはまたさようならというあわただしさ。 滞在中は、お昼にちらっと近所のカフェに出かけた以外はうちで過ごすという地味さ加減。申し訳なくなってしまいつつも、再会できた喜びに話は尽きず。ぴのきに話の腰を折られたらまた接いで・・・といった調子でしあわせな時間を過ごした。
たくさん相手してもらって早々に眠ったぴのきを寝室に移動させて、夕食。 仕事から戻ったつちのこ氏が「せっかくだから出かけておいでよ」と言ってくれ、小雨降るなか、電車に乗って夜のカラオケへ。 カラオケなんて多分4、5年ぶりぐらいになるんじゃなかろうか。興奮のあまり、家の鍵を持ってでてくるのを忘れ(しかも出がけにつちのこ氏に忘れないよう言われたのにもかかわらず!)てしまったほど。 結局、つちのこ氏に連絡を取って対処してもらった。保護者化するつちのこ氏。
日づけ変わってまで遊んだのっていつぶりだろう。こんな日がくるとは思わなんだ、少なくともぴのきが大きくなるまでは。
こそーっと帰ってきたのもおもしろかったな。
そして、楽しい時間はあっという間に流れる。 部屋のすみっこの方にまだあたたかく浮かれた空気が残っているような気がして、少し、さみしい。
|