カンラン
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昼頃、ポニョの替え歌をうたいながら川沿いを自転車で走っていて、ふと上を見上げたところ、ピカッ!。 一瞬、自分でも何がピカッ!なのかあやふやなまま流しそうになったのだけど、もう一度あらためて上を見上げる。
すると、お空に大きく「ピカッ!」の文字。・・・なぜ。 思わずぴのき(もちろん文字は読めない)に「ねえ、ねえ、あそこに文字が書いてあるよねえ。ピカッ!って」と何度も確かめる。広告にしても意味がまったくわからんし。一体誰が何のために。
あとになって、そういえば午前中に川べりを通ったとき、橋のたもとにパトカーが2台ほど止まっていて、警察の人が5人ぐらい集まって空を見上げていたのを思い出した。警察のっぽいヘリコプターもばりばり音を立てて飛んでいたっけ。 取り締まりの対象になるのかどうかはわからないけど、きっと「ピカッ!」を書いた飛行機を見てたんだろうなあ、きっと。 で、多分問題なかったのだろう。昼ごろになって私が「ピカッ!」を目撃したのだから。
あ、前出のポニョの替え歌。 「ぼーよぼーよぼよ」で始まります。 おしっこでぼよぼよに膨らんだぴのきのおむつの歌。おむつ交換のときに歌ってたのが、今ではいろんなシーンに登場。
私がうたうと「まま、ぼーよぼよじゃないでしょ。ぽーにょぽーにょぽにょさかまのぽーでしょ」(最後ら辺があやふやなのがかわいらしい)と言い返してくるのが面白くてたまらんのです。
お昼までは下がりに下がる。
内向的な自分の性格がぴのきにもよろしくない影響を与えているのではなかろうかと思いはじめ、自分ひとりのことならまだしも、ふたり分かあ・・・と悲しい気持ちになる。 明るい公園に似つかわしくないずんと暗い気分。
ぴのきが生まれた日かその翌日のこと。 お腹を切った私はいろんな管をつけられ、術後の痛みにたえながら生まれて初めての寝たきり生活を始めていた。ぴのき(その時点では名無し君)とはお腹から出てきた直後に顔を合わせたあとは、日に一度病室で対面した。 自分ではそんなもんなんだろうと思いながら過ごしていたのだが、別室のぴのきの様子を見て戻ってきた母がなんとなく口にしたひとことがうまく消化されなかった。 それは「今日出産したばっかりのお母さんがもう起き上がって赤ちゃんを見に来てたよ」というものだった。
夜になって、もやもやしていたものが溢れだした。 普通に産めていたら私もしょっちゅう自分の赤ちゃんに会いに行けていたんだ、とか、なんで私はここでじっとしているんだろうなどと考え出したら涙がとまらなくなった。生まれたてのぴのきに触れなかったことを悔いた。 人前で泣くことはめったになかったのに、その日は耐え切れずに仕事から帰ったばかりのつちのこ氏に電話してわんわん泣き喚き、消灯確認にまわってきた看護婦さんを困らせてしまった。(しかも看護婦さんに対してはもはや理由を説明するほどの冷静さも気力も持ち合わせていなかった)
頭の片隅では、きちんと、これから先嫌でもずーっと子守りの日々が待ち受けていることも理解していたのに、自分を抑えきれなかった。
産後ってそういう極めて不安定な時期なんだろう、と今になれば思う。
子育てのことで悲しくなると思い出すのは、子どもが生まれて一番最初に悲しくなったこの日のことだ。 これはきっとずっと忘れないような気がする。そして何度も思い出すだろう。
ちょっとしたできごとで深く暗い穴の底に急降下(というか落下)するのはやめたいなあ。
でも、これまたちょっとした脱出の術を見つけたのだよ。 穴に落ちるのは仕方ないけど、これで自分で這い上がれる。
膨れる本棚に秋を感じる今日この頃。
本が読みたくて読みたくてじたばたしている。 どうじたばたしているのかというと、まず隙を見つけては本を開く。とにかく開く。
普段は、詩やら短編をじっくりじっくり時間をかけてつまみ食いスタイルで読む私。 なのに、今の私ときたら人が変わってしまったかのようになんとも軽快なスピードで読みすすめ、手元に読む本がなくなると「本よ、本よーい」と本屋に行きたくてうずうずしている。 が、さすがにそうじゃんじゃん買いあさるわけにもいかず、じたばた。
図書館に行くことも考えたが、そこには問題が2つ。
交通手段が車に限られるのだけど、駐車場の様子がわからないのでありんす。 週に一度か二度ぐらいはハンドルを握るようになり運転には慣れてきたものの、やはりこれは気になる。 図書館の位置は分かっても、駐車場への進入経路やら広さやら復路のことやら考えると気苦労が絶えず…それだけで尻尾が丸まる思い。
もう一つの問題はというと、実は以前、付近の交差点ではた迷惑な立ち往生をしたことがあるのです。 幸いにもクラクションひとつ浴びることもなく、周りのドライバーさんたちによけて通ってもらって難を逃れたのだけど、以来、トラウマ・ポイントになっているのだ。
そんなこんなで、図書館は却下。
古本屋へ出かけ、二冊購入。 ハードカバーので気になるのもあったけど、とりあえず今回は我慢。
かわりにケーキを買って帰る、食欲の秋。
連日の残業だけでは飽き足らず、土日までも早朝から夜遅くまで働きづめのつちのこ氏。 なんてこと。
ただでさえ普段から曜日感覚が鈍っている私は、これにより完全に麻痺。自分が今カレンダーのどのあたりを生きているのかわかりましぇん。 まさかうちの家庭にこんな生活がやってくるとはなあ・・・。
最近のぴのき語録:「ぴのくんがねんねしたらー、ぱぱかえってくる」
うぅ、泣ける。つちのこ氏(と私たち)に一日も早い平穏な日々を。
今朝、買い物に行く必要はないがぴのきをどこかに遊びに連れて行こうと思い、近くの河川敷まで自転車で出かける。
自転車のバッテリー残量を気にしながら頑張って行ったのに、到着するなりわけのわからぬ抵抗をするぴのき。自転車をとめた途端に座り込み、なにやらぶつぶつ言ったり駄々をこねたりで動きやしない。その間、見通しのよい片側5車線の国道沿いで立ち尽くすしかない私。信号待ちの車からの視線が痛い。
結局、そのまま来た道を引き返す。(この日記を読んだことのある方にはおわかりだと思いますが、うちは山の上です) ぎりぎりのバッテリーでぜーぜーはーはー頑張ってペダルを漕ぐ私に、テンションを取り戻しどうでもいいようなことをぬかすぴのき。
家に着くなり、倒れ込みました。
「あれー、ままどうしたのかなあ」などと言いながら遅れてぴのきが部屋に。本当にしんどかったのと腹立たしさも多少残っていたので、しばらく死んだふりをしていると、私のまわりをぐるぐるまわりながら「ぼーくらはみんなーいーきているー」と唱えだし、思わず爆笑。 今月入ってから一番笑ったね。
ああ、生きているともさ。あんたと歩く道は舗装なんてされちゃいないんだよ。そのちっちゃい足でずんずん踏み均して、次に弟か妹ができたときには今よかほんの少しでも歩きやすいようにしておいておくれ。 いや、でも正直、ひとりで手いっぱいだな。
秋の夜長(最近ほんと長い)の相棒たち。
・東野圭吾著「パラレルワールドラブストーリー」(未読。この人の作品はまだひとつも読んだことないのでどんなのか楽しみ) ・編み物(黒のシルク糸でぐるぐるとバッグを編んでいる。亀ペースで) ・日記(もっとこまめに書けるように精進!) ・くるり「The Tower of Lovers」 ・斉藤和義「うたうたい15」
(おまけ)ほとんど使うことないけど、携帯の着信音は椎名林檎「SSAW」とUA「Love scene」を行ったり来たり。基本的にあれこれ変えない。
あまり人に根掘り葉掘り訊かないらしい私は、ふと、自分が友人知人について意外に知らないことが多いと気づいたのです。
知り合って間もないころに訊いてておかしくないような内容が今更ぽこぽこと疑問となって小さなトイレの天井までのぼり、かといってはじけることもなくぷかぷかと浮かんでいるので、口をぽかんと開けて見上げるのです。
そんな、秋の夕暮れ。
季節の便りを2通書く。 クロワッサンの店で新たに購入した便箋につらつらとあることないこと綴っていたら、結構なボリュームになった。流れるように話が進む縦書き便箋が近頃のお気に入りだ。
80円で届くかどうか不安を覚えつつも、ぴのきに奪われるようにしてポストに投函。足りなければまた舞い戻ってくるであろう。
体調を崩せと言わんばかりの気まぐれ気候が続く。 数日前には寒さを覚えてタートルの上に長袖のTシャツ、さらに綿ニットのカーディガンを重ね着していたと思ったら、今日は半袖Tシャツ1枚でも暑くて公園では必死に木陰の人となっていた。
連日の雨天が明け、洗濯物のなんとまあバラエティー豊かなことよ。
食欲の秋に物欲の秋。 (2部制になってから)しばらくいい加減な夕飯タイムを送っていたが、ここらに来てむくむくと食欲増進。今食べたいものは、甘くてねっとりとした焼き芋。
物欲の方はというと、たびたび切れるチェーンに嫌気がさし、お金もないのに金のネックレスを買ってしまった。金といっても本物の金ではなく、銀に金をコーティングしたものを選んだあたりに気弱さがうかがえる。
ちなみにたびたび切れてたびたび修理に出しているのは、母から譲り受けた本物。この度の修理でついにトップから留め具までの左右の長さが違うようになってしまった。(切れた部分が前側だったため、修理箇所を目立たなくする目的で一部切除とあいなったのだ)
この話にはまだ続きがあって、新しく買った金色ネックレスがこともあろうに不良品で、よりにもよって石のど真ん中が欠けていた。すぐにお店に連絡して返送したので、なにやら恋しさが募ったり自らの物欲にまかせた衝動買いを反省してみたりぷすぷすしているのであります。
10月1日。 本日よりつちのこ氏の勤め先が正式に始動。 門出を祝してお肉を焼く。
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