カンラン
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ようやっと借りることができた『めがね』をじぃぃっと鑑賞する。
『かもめ食堂』もそうだったけど、本当に感じがいい作品だ。当たり前のように流れていく時間、さりげないことばのやりとり、漂う空気、音楽・・・のなんと心地よいことよ。 出演者の着ている洋服がまた感じがいい。なかでも、もたいまさこの衣装にため息。付け襟とかワンピースとか、かわゆすぎ。
またしばらくしたら観たいな。 そして、当然の流れとして、南の島に行きたくなったよ。
イヤホンを外すと、激しい雨音。
心の準備なんぞないままに異動の発表。
つちのこ氏ご本人は発表があることをきれいさっぱり忘れて市外へ出張。職場に帰り着いて、説明会での初司会の武勇伝をそこいらの人々に話そうとしたところ、「それどころじゃない」空気に気づいたんだとか。 「つちのこさん(もちろん本当の名前で)、異動だってよ」と声をかけられようやく事態が飲み込めたらしい。
私だったら数日前から通常業務が浮ついてしまうほどに意識してると思うが。
で、結果。 つちのこ氏は7月より新しい部署にうつることになりました。
今は高速バスで市外へ通っているのが、今度からは市内(広島駅ウラ)勤務。随分近くなりまして、「なんか安心するねえ」とつぶやき合う。 ほとんどの人は10月から動くところ、つちのこ氏は一足先に準備に取り掛かるかたちになるらしい。しばらくは大変そう。
たちまちは10月からのいきなり県外転勤は免れたのでしょうか。 ・・・どうよ?
生きるということは蔓のようだと思う。 レールなんて大そうなものじゃ決してない。 もっともっと瑞々しく、あやうげでいて力強く、柔軟なものだ。
慎重に地面に近いところをじりじりと延びるものあり、いきなり高みを狙うものあり、十人十色。 ただ、真っ青な空に向かって手を伸ばしてみたところで、雲の切れ端はおろかできたての雨つぶを掴むことすらできない。傲慢大敵。
どこぞの大きなターミナルに向かってただただまっすぐに繋がるレールなどないのだ。ましてやそんなものを誰かが丁寧に敷いてくれたり、のんびり車窓を眺めているうちに、はい到着、なんてことはありえない。 今の時代、道はうんざりするほどに枝分かれているし、足元のレールが安全とも言い切れない。 進むも戻るも本人次第なのだよ。立ち止まって考える時間があるならそれは相当な贅沢者。
だいたい、レールを辿っていく勇気のない人にレールとまったく縁のない道をゆく勇気があるのか。 そんな人ほど遠く視界の端に映るレールをこっそりと意識しているに違いない。
果たしてレールというものがあればの話だけどね。
『アヒルと鴨のコインロッカー』を観る。
タイトルからして某有名作家の匂いがぷうんと漂ってくるようで、当分敬遠していた映画。 リタイアすることも視野に入れて借りたのだけど(ちょうどレンタル料金安い日だったし)、これはジャケットの文句とかその他宣伝面で損をしているよ。たしかにカテゴライズしにくい作品じゃある。青春とかいうことばで片付けないでー。
何度も観たい映画。原作も読んでみたくなったけど、謎が解けてしまったあとじゃつまらないかなあ。 瑛太の演技に静かに興奮。すべてが明らかになった上で回想される冒頭の本屋襲撃シーンに胸がしめつけられるよ。 それと、松田龍平の役づくりってきっと想像を絶するほどストイックなんだろうなあ。
最近、本でもDVDでもCDでも、気になったもの(もしくは気に入ったもの)があればamazonなどでレヴューを確認している。
この作品についてはやっぱり高く評価されていたのだけれど、時折ものすごく低い評価がなされていて、それはちょい年齢高め(50代とか)のお客さんによるものだった。
そこに書いてあった感想を読んで寂しくなる。 私も着実にそっちへ近づいていっているんだろうなあ、今抱いている感情も消えてなくなって、さらにはなくしてしまったことさえ忘れちゃうんだろうなあ、と。
ぽとりぽとりと物を落としてゆく夜更け。
実家にて寄生虫生活。 あつーいお風呂に入って(この家のお風呂の温度設定は本当に高い!)ゆでだこになったり、歯の治療に行ったり、広電に揺られたり、刑事ドラマを観たりしておきらく時間を過ごしている。 のびきった編地のようだー。もう戻れないー。 しかし明日にはお迎えがやってくるぞ。
肩掛けできるかごバッグが欲しくていつの頃からかネットであれやこれやと物色していたのだけれど、「え、かごなのに?」と思ってしまうほど高価なものから、見るからにすぐくたばってしまいそうなチープなものまでまさにピンキリ。よくわからなくなってしまった。酔った。
昨日、夕食の買い物に立ち寄ったデパートで吸い寄せられるようについに購入してしまった。安めのものを。 「安いし、まあいいかな」と思って買ってしまうと、のちのち買い替えたりして結局高くついてしまう恐れがあるので、なんかちょっとぷすぷすしている。 疲れているときのお買い物は危険がいっぱいなのだ。と、常々感じているのに。
これはカスタマイズしてお気に入りの一点にするべし! 決めた。決めたぞ。 そんなわけで、現在、内袋とカバーづくりを検討中。ぷすぷす。
どうやら梅雨入りはまだらしい。数日前に九州北部と山口が梅雨入りした模様で、おそらくそこいらからこちらに向かってだらだらと動いていらっしゃるのでしょうな。 昨日の雨が一転、快晴の昼さがり。
めだかの水槽に浮かべているほてい草(変換したら最初に「創」が出てきて想像・・・なんと不気味)が立派な花をつけた。すっと背筋を伸ばしたように咲く上品な薄紫色。
そういえば、去年お義父さんからもらったほてい草には咲かなかったなあ。今年は「元気なのをください」とちょっとリッチにデパート内のペットショップで購入(ただそこ以外に思いつかなかっただけ)したのが吉と出たか。一週間ほど前には水槽内に以前はいなかったタニシを発見したし。
朝一番の発見にこころを和ませる。
週末に買った小川洋子著「寡黙な死骸 みだらな弔い」をじっくりじっくり読み進めている。ちなみに、代表作「博士の愛した数式」はいまだ読んでいない。(テレビでやってるのをちらっとだけ観たけど) 彼女の紡ぎだす「まぶた」や「薬指の標本」あたりの薄気味悪い空気感が好きだ。
もったいなくて、少しずつ読む。
いばらのような手縫いの道を手探りで進んでいる間は「これが終わったらあれをやってやるんだ」「いやいや、それよりもあれを作るのだ」と野望めいた邪念だか邪念めいた野望が目白押しだったのに、ぱたっと立ち消えてしまった。ただただ立ち尽くしている。ぼうっと。 ひょっとしてひょっとするとこれが燃え尽き症候群なのか。むうう・・・なんてニュウトラル。
とりあえず、天気があやしいのでワンピースはまだ洗わずにいる。そうなると袖を通したくなってきて、今日も着ている。
それでなくてもぼうっとするのが休み明け。(昨日はつちのこ氏がお休みだったので)
嗚呼、冷蔵庫には一体何が残っているのだっけ。 何を買い足せばいいのだっけ。 ていうか、何を作ればいいのだろう。 ・・・できるのかなあ。
そんな具合で朝から途方にくれる。あと何年主婦業続けたとしても私はこれから抜け出せなさそうだ。
台所にたたずんでいると珍しく電話が鳴り、うろたえる。「さっさとしなさい!」と誰かに怒られたような気分で受話器を上げると、お義母さんの声。 「○子(お義母さんの名)です〜」と言われてもいつもぴんとこずに少し間があいてしまう。瞬間返しがしたいぜ。
それかいっそ「お義母さんです〜」って言ってもらいたいかも。 でも処理が亀並みに遅いので有名な私の脳みそは、「おかあさん・・・ってこの声は実家の母じゃあないよなあ」→「と、いうことは」→「は、お義母さん!」という流れをまいたんび繰り返すのだと思う。ばか丁寧に。
で、電話の用件は法事のことだった。 家族旅行でも入っててはいけないので、日にちの確認のため電話をくださったのだそう。7月かあ。まだ遠そうだけど、きっとあっという間にやってくるんだろうなあ。 映画に出てきそうなたくさんの扇風機に囲まれた暑い島の法事。 流れ落ちる汗。しびれる足。
電話口にぴのきを出させているうちに焼き網の上のパンが焦げてしまった。
その後、近所の友人からメールで健康相談に誘われ出かける。
集会所にはごろりごろりと赤ん坊が転がっている。こないだまでは私たちの子どもが一番若かった(というか生まれたてに近かった)のに、確実に後輩たちが誕生している。 郊外のショッピングセンターとか最近はどこへ出かけても赤ちゃん連れに対する配慮がなされているし、本当に少子化なのか。 近所でも2人目ブーム。
・今日のぴのき録 身長 91.1cm 体重 12.3kg
気分も変わって晩御飯つくれるかな。 つくらないわけにもいかないのだし。
カレンダーのさわやかな配色にもかかわらず、雨の日がちょこちょこと訪れる。6月だもん。梅雨だもん。
毎年のことなのだけど、梅雨入りはもうしたのかなあ。 先日テレビで、関東・東海・近畿などが梅雨入りと言っていたのだけれど、「など」部分に私の住む中国地方が含まれているのかいないのかわからない。わざわざ調べる気にもならないので、たちまちは自分任せにしてしまおうと決める。今よりもう少しばかり雨、雨、雨となれば梅雨入りを宣言する。しばし待て、の姿勢。 近所にはちらほらとあじさいの彩り。
暇さえあればちくりちくりぶすっ(指先に刺す)とやってきたワンピース(mammagoto参照)がついに完成。ただし、諸事情により丈が短くなったため、ワンピースではなくブラウスもしくはチュニックといった趣き。どのみちパンツと合わせるつもりだったので特に問題はなし。 手編みの部分はバラの模様になってます。写真じゃわからないね。
裾に縫いつけるレースのテープもちゃんと買っていたのだけど、結局最後の力を振り絞ってヨークと同じレース糸で手編みしたものをつける。 出来た途端(今日の午前2時頃)にいそいそと鏡の前で試着し、しばし酔いしれる。出来上がりのすばらしさにというよりも自分のど根性に。
今日、さっそく着ておでかけ。 裏を返せばしっかりチャコペンのあとがあったりしているのだけど、その辺には目をつぶるのだ。着心地は悪くない。 明日の洗濯が最初の関所。どうか原型をとどめてくれるよう今から願っておく。
出かけた先で初めて食べたアイスクリーム。
東京ら辺で有名なコールドストーンの何番煎じかみたいなノリのお店が広島にも出来て大盛況とのことをテレビで知り、ひそやかに興味を持っていたわが家の面々。
今日は平日で人出が少なめだったこともあり、食べごとに並ぶのが嫌いな我々もちょこっとだけ並んで、苺のミルフィーユ的なやつ(名前忘れた。そういえばお店の名前も)をひとつ買って食べてみた。
出来上がったのは、気軽にアイスクリームと呼んでいいのかどうかもわからないようなものだったよ。もはやパフェとかケーキとかそのあたり。でも立ち食いスタイル。(いや、それが気軽な感じでいいのか) 座れる場所を探して仲良くわけていただきました。美味。
でもやっぱり並ぶのは嫌だなあ。
・『私たちのしあわせな時間』 イ・ナヨンが観たくて借りたのだけど、見事にぼろぼろ泣かされる。 3人を殺した罪で服役中の死刑囚と3回の自殺未遂をした女性(イ・ナヨン)の話。 罪の大きさは他人によって裁かれるけど、その深さは本人が感じるもの。 観終わってからもやるせなくてせつなくて涙がとまらず、トイレに篭城する。 ちなみに相手役の人は、ぐっさんをいじりにいじって男前にした風。
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