早瀬の呟き日記

2003年10月21日(火) 「2」再考

少し、感情の整理をしてみた。
つまり私が「2」に感じた違和感は、この一年間に原作を通じて二人のイメージを強固に作り上げてきたため、監督の描く像と摺り合わせができなかったことに起因しているのだと思う。
例えば、パンフのインタビューにあった「晴明は鬼にならない、いや、なれない」一方、博雅は「可能性はある」。
私は、逆だと思う。晴明は、なろうと思えば何にでもなれるけど、博雅は博雅でしかありえないし、鬼にならなくて済むような天命にあるに違いないと信じている(笑)
私の中では晴明=スナドリネコさんなので(笑)「なぜなれるかは問題じゃないよ」「なぜなれないのかが問題なんだ」(8巻)って、言いそうな感じ。そういう掴み所のない彼の、良い部分を引き出し繋ぎ止めているのが博雅な訳だ。
だから監督の「原作にはない晴明の人間らしさを追求したい」という方向はちょっと違うな、と。大体「弱点=人間らしさ」という定義が疑問。 そりゃ、折角映画にするんだから原作と違うものを、という姿勢はわからんじゃないが…。
博雅は笛が吹けて笑いが取れればいいってもんじゃなく、監督だっていくら何でもそうは思ってない筈なのに、今回はそう見えてしまう。なんか、あちこち神経が行き届いてないなあ、ってのがつまりは2の全体像。
もし「3」をやることになって、監督があくまでも晴明を困らせたいと思うのであれば、「鬼小町」をモチーフにするくらいでいいな。ついでにもう、ドカーン!とかバコーン!とかは結構。派手なばかりが特撮ではないだろうし、そういうのは2でやり終えたということで、地味でいいから丁寧に作って欲しい、ってのが個人的希望。
…でも結局今回もDVD買いそうな自分が憎い…。おおう(泣)



2003年10月19日(日) 陰陽師2補足

昨夜遅くまで「陰陽師2」の感想を見て回りました。「1の方が良かった」という意見が多かったですね(汗) 「スケールが大きければいいってもんじゃない」ということのようで…。萬斎様の女装については、讃:中間:嫌=5:3:2くらいでしょうか。これはもう、個人のフィルターの問題ですな(笑)
それはともかく、思い返してみると博雅の出番は決して少なくはなかったにも関わらず、ラスト近くまで存在感がイマイチなのは、筋書き自体が彼の良さを活かせないものであることと、ヒデの「慣れ」が裏目に出たという感じです。博雅は、普通の人の「いっぱいいっぱい」が常態の男です(笑) ピュアな魂を剥き出しにして生きてる。それが最大の魅力だし、彼の笛の力もそこから生まれているのであって、晴明にできないことを笛で解決する、などというのは実は二次的三次的なことです。今回彼の存在意義が笛にしかなかったことが、かなりマイナスになっています。ある人が「監督は晴明と博雅をわかっていない」と書いておられましたが、本作に限って言えば、この評価もやむを得ないと思います。
それでも、野村晴明と伊藤博雅が大好きですけどね(苦笑)



2003年10月18日(土) 陰陽師2(ネタバレ)

見てきましたともさー。いやあ・・・面白いというか、ご馳走様でしたというか(笑)
グッズは開演前、お目当ての式神メモがなかったので、晴明の根付と絆創膏(五芒星のやつ)を購入。
本編の基本パターンは前回と一緒なんですよね。都を滅ぼそうとする敵がいて、それを阻止するという。今回はそれを包む風呂敷が大きくなった訳ですが、まあそれはそれで面白いとして、幻角夫婦ちょっと杜撰すぎないかとか藤原安麻呂の屋敷手薄すぎとか、あっちこっちツッコミどころはあるんですが、もう言ってもしょうがないという感じは「踊る」と同じでしょうねえ・・・。あ、でも人形の数は抑えられていてよかったです(笑)
ちなみにツッコミのいくつかはパンフレットを見て「ああそういうことか」と思ったのですが、パンフ買わないと納得いかないことが多いってのは、ちょっとどうなんでしょう。(出雲と都の距離なんて、普通半日だとは思わないでしょ? それに大和朝廷の出雲侵略はいくら何でも晴明と同じ時代ではないと思うし、「出雲」ではない架空の国にするべきだったと思う) なまじ、神話とか稗史のことが出てるから真面目に見ちゃいました、前回より。
まあでも目当ては全然ストーリーじゃないし!(笑)
博雅くんはシノプシスの段階でもあまりに役立たず(というかむしろ足手纏い)で、どうなるのかと心配してたらやっぱり役立たずでした・・・。あのさー一応武官なんだしさ、矢筒と弓も持ってるのにさ、その上「この博雅が守ってやるからな」とか蜜虫にカッコいいこと言ったくせにさ(ここで「ほおおう」と晴明が小馬鹿にしたような顔をしてるのが萌え)、鬼が来て晴明が危ないときに構えもしないってのはどうなの(笑) もっと必死で晴明守りなさい! 石蹴飛ばして結界壊すぐらいは、博雅だから仕方ないとしても、あの場面では笛を吹くまで博雅が映らないので、存在感がないんだよね。それがちょっとなあ・・・結果はヘタレでも構わないけど、姿勢が大事なのよ?(笑)
惚れっぽい博雅は今回、ぱっと見にも10近く年下の姫相手にものすっごい純情ぶりで(笑)中学生かアンタは。前回よりも退化してますがな。おまけに晴明は、日美子の前で博雅の株を下げようとしたり(少なくとも援護しているよりは邪魔しているように見える)、固めた博雅を抱っこして除けたり(このアングルがまたねえ・・・)、なにげに見せつけてる(笑) だから、「日美子のため」(BY監督)に命を賭けるとは到底思えないんだよなあ。まだ前回の「お前のために行こう>博雅」の方が納得できる。イヤ、萌えだからとかじゃなく(それもあるけど)、私は、晴明ってのは基本的に「できるけど面倒だなあ」って人だと思ってるので、「滅びるときには滅びる」と言ってる晴明が、日美子のために命賭けるかなあ、と。なんか、「やってみたかったから」の方がまだしも納得できるんですが(笑) 単純に「これ以上の人死にを防ぐ」ってことなのかなあ。
時勢が時勢だけに、大和の侵略とそれに対する幻角の復讐について、ちょっと考えてしまいました。うーん、確かに彼の「出雲再興」は完全に妄執なんですが(あれで国をどーしろと)、出雲の人にしてみれば殺され損ですしね。
・・・ここまで書いて気付いたんですが、晴明の行動、「日美子が好きだから」とも解釈できますね(苦笑) えーでも博雅を邪魔扱いする晴明なんてありえないしー、あまり、日美子に好意的にも見えなかった。正直。
まあでも、そんなことも別にいいんですけどね!(笑)
「お前が命を賭するときに、黙って見ている俺であると思うのか」
「お前がいるなら、たとえ地獄の底でも怖くはない」
ああああ!ダーリン!ラヴです、ラヴいっす!ラヴ過ぎますっ!!それって心中の台詞ですよっ! ここで晴明を抱き締めても違和感ないです(笑) 意識を失った晴明を屋敷に運んで、ずーーーっと眼を覚ますまで側にいたしな!(断定。あの様子では絶対仕事には出てない) 最後のらぶらぶ酒シーン、「お前がどこかに行ってしまいそうで、怖かった」「ここにいるではないか」って、もうもうもう!! 夢枕師匠や監督が「博雅あっての晴明」と強調する割には、今回出番少ねえなあと思いましたが、最後の20分くらいでチャラです、チャラ!
萬斎様は狩衣姿も女装姿も大変色っぽく、どこを取っても様になっておりました。まさに萬斎様とファンのための映画。中井貴一氏は珍しい悪役がとてもかっこよかったです。真田氏のよーな怪しいオーラは出てなかったですけど(笑) 深キョンと市原隼人は、ビジュアル的にはばっちりでした。ただ、演技が・・・(笑) あと、男勝りの姫の言葉遣いがちょっと現代的過ぎて気になったかな。
ところで、晴明は式神で博雅を日常的に作って遊んでいることが判明。ダーリンの出張中はあれがお相手をしているのでしょうなあ・・・。
という訳で、やっぱりラブい2人でした。



2003年10月11日(土) 市村正親30周年記念リサイタル オモチャ箱

リサイタルですよリサイタル! この世でジャイアンしかやらないと思っていた「リサイタル」なのですよ。
ということで、行ってきました。
何を隠そう、ワタクシ中学生の頃からイチムリストでございまして(勿論山口さんも大好きでしたが)、濃ゆい趣味の中学生でした。
舞台は巨大な(シアターコクーンはとても天井が高いのですね)オモチャ箱を模したセット、その蓋が開いて中からタキシード姿の市村さんが顔を出し、ご挨拶と「ようこそ劇場へ」(『アプローズ』)を歌います。
すごいオモチャ箱です。もし子供がこんなオモチャ箱を与えられたら、グレるかもしれません。
で、箱が左右に開いてバンドが現れ、爆笑必至のMC(今だからできる四季時代の話はエライ面白かったです/笑)を挟みつつ、市村さんが過去演じてきたミュージカルのナンバーが次々と披露されます。 「ヘロデ王の歌」、市村さんで聴けて嬉しいわ〜。四季のヘロデ王のイメージは市村さんが固めたような感じしません?(笑) そして、なんと「エレファント・マン」のワンシーンも演じてくれました。いやー藤原竜也くんも年の割には上手かったと思いますが、市村さんのジョン・メリック、やっぱりよかったです。ほんのちょこっとなのに、胸に来ますね。舞台で見たかったなあ。「ありのままのわたし」(『ラ・カージュ・オ・フォール』)も好きな歌です。
第2部のダンスヒストリーでは、黄色いゼッケン(01って書いてある/笑)のラッパーな格好でラッパを持って登場。こんなベタなギャグ(しかも「ラッパー!」って叫んだ)が許されるのは市村さんだけでしょう。お客さんの手拍子&合いの手でラップ、そして踊る踊る54歳。うーむ、年齢不詳だ・・・。
そしてそして、「オペラ座の怪人」メドレー! 暗くなったステージに何十本という(後に判明したが30本)キャンドルが浮かび上がり、あのオーヴァーチュアが流れると、私は、十年ちょっと前初めてこの作品を見たときと同じぞくぞく感に捉えられました。「オペラ座の怪人」を見てから舞台に行くようになりましたし、3ヶ月のロングラン中3回見に行って、親に怒られたのも懐かしい思い出です。そのときにはもう山口ファントムだったのですが(若いしかっこいいしで、クリスティーヌがラウルを選ぶ理由がわからなくなるファントムだ。あ、佐野さんも石丸さんも好きですよ私)、CDが市村さんだったんですよね。誰だろう、と思いつつ、その一度聴いたら忘れられない特徴的な歌い方(←苦笑い)に惚れまして、今に至ります。
今日聴いても、CDのまんまでした!(爆笑)「んざっふぁあああんとむ、おぶじっおっぺっら、そぅお〜♪」っての(笑) エンジニアも当時のまんまで「あああめりかん、どぅりぃぃんむっ♪」(笑)
何でも、最初にオーディションを受けたのはラウル役だったとか。当時39歳。それはそれで凄い話です。で、「僕は一生懸命やりました。ただ、一緒に受けた相手が悪かった・・・」 ここで、知ってる人は爆笑。そう、山口さん(笑) 「口を開かなきゃ二枚目なのに」(BYいっちー)の山口さんです。
市村さんのファントムはもう二度と生では聴けない筈だったので、マジで(そろそろこういう言い回しがキツくなってきたお年頃)嬉しかったです。長生きはするもんですなあ(笑) あー得した。
最後に、30周年だからキャンドルが30本、ということで、「ハッピーバースデー」が観客に強要・・・もとい、観客から贈られました(笑) 「どうぞお気軽にいっちゃんとお呼び下さい」との本人指定により(笑)「ハッピーバースデーDearいっちゃ〜ん♪」
・・・ちょっとこれどうなのよ54歳(笑)
いやー楽しかったです。なんか、ほんとサービス精神豊かな方で、イチムリストでよかったなーと改めて思いました。これからもその濃ゆいキャラを活かした舞台を見せて下さい(笑)
そして、オペラ座の怪人ことエリックさん、早く東京に戻ってきて下さい(切実)



2003年10月06日(月) 陰陽師2ときがたり絵巻

見る前に映画のムックを買いました。こういうのって見つけたときに買わないと、店頭から消えるの早いしー(←弁解)
しかし、予想以上に衝撃的な内容がそこにはあったのでした。例えば、インタビューの中で萬斎様の女装についてヒデが

「あれは、現場で見てても色っぽいなあって思ってましたからね。だから、次は博雅が晴明に惚れるっていうのもアリじゃないですか?」(P89)

……アリなのかよ! しかも(笑)がついてない。ついてないのよっ! 更に更に、撮影日記によれば、萬斎様とのロケ最後の日に別れを惜しんだ(と本文にも書いてある)ヒデは萬斎様の写真を撮りまくり、「撮影会かよ(はーとまぁく)」と愛のあるツッコミをされていた(※一部に編集があります)という…………もうさ、付き合ってるだろ?そうだろ?(笑)
こりゃ腐乱系生物女子への挑戦ですな。つか、アレコレ気を使うのがバカバカしいよ、これ(笑) 舞台挨拶の模様をTVで見ましたが、二人並んでるととってもお似合いv 絵になりますなあ。



2003年10月01日(水) もう一年経つのね

ちょうど去年の10月でした…TVで「陰陽師」を見て即ハマりしたのは…(遠い目) 勢いでサイトまで作ったものの、更新ペースは牛歩戦術(←古い)、気は焦るのに生活はぐーたらのまま、煩悩が増しただけで一年経っちゃったよ(泣)
そんなことはさて置き、今回は去年以上にカットが酷い! 前半あまりに酷いので見るのやめちゃった。この話は「神は細部に宿る」の好例で(笑)本筋よりも二人のラブい様を楽しむ映画なのです(断言)。2の予告も流れましたがしかし、映画になると途端に話のスケールが大きくなるあたり、ドラえもんと似ている(笑)


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琳 [MAIL]