月。
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2002年10月30日(水) 長い一日。

兄が言った言葉が
頭から離れない

何か足りないと思った
あ、伯父さんに挨拶し忘れてるって
そうか、今日は伯父さんの葬式だったんだって

私にとっては
20年ぶりの伯父の姿は
まるで夢を見ているようで
現実味がなかった

そんな話を
したいと思ったのは
たぶん 声を聴きたいと思ったあのひとで

素直に甘えられるほど
私はあのひとのことを知らないのに

だけど
やっぱり声が聴きたくて
電話を掛けた

のんびりとした口調の
あのひとの声を聴きながら
少しだけ落ち着いた

思いは半分も
伝えられなかったけれど


2002年10月29日(火) 我慢。

あのひとの 声が聴きたい
ひとことでいい 声が聴きたい

大丈夫?

それだけできっと
落ち着くから

だけどこんな時間だし
たいせつな睡眠時間を削りたくない

少しだけ 不安定になっている

気付いて欲しい と思うのは私のわがままで
気持ちは 言わなければ 相手に伝わらない

がまんが身体によくないのは
よくわかっているけれど
今夜はもう遅いから


2002年10月27日(日) 珊瑚婚式。

父と母の35回目の記念日

先週倒れた伯父が亡くなった
母は「一生忘れられない日になったね」と言った

私の動揺すると早口になるクセは
母さんから受け継いだんだね

伯父さんは
淋しがりやな人だから
きっと母さんに忘れられない日を
選んだのかも知れない

そう思った


2002年10月26日(土) ニセコ。

年末、一緒に行かない?

他愛もない会話をしていたら
笑顔と共に切り出された

心臓の鼓動がはやくなる

初めてあってから
ふたりであうのは二度目
付き合っているわけでもなく
お互いをどう思っているかもわからないのに
戸惑いながらも「こくり」と頷いた

一緒にいたいと思ったから

あのひとは早めに帰ろう と切り上げたけれど
私はもう少し 一緒に居たかった

私が もう少し と言ったら
あのひとは これからだよ と笑って改札を通っていった
見えなくなるまで見送ってしまうのは 私のクセで
あのひとは 何度も振り返って手を振ってくれた

降って湧いたような出逢い

これは恋なのだろうか
まだ戸惑いの気持ちが強くて
まだ認めたくない気持ちが強くて
誰にも言い出せないでいる

知っているのは
此処だけ


2002年10月25日(金) 病めるときも。

病めるときも
健やかなるときも
この世に生のある限り
例え他のすべてを捨てても
慰め、守り、愛し続けることを誓いますか

そうして一緒にいることを選んだふたりは
今にも一緒に壊れてしまいそうに見える

がんばれという言葉は通用しない

だけど今を乗り越えられれば
きっと


2002年10月24日(木) 運命。

私は運命論者ではないつもりだけれど

たとえば

出逢って数ヶ月で
一生を共にするひとに出逢うふたりも居れば

出逢って人生の半分を占めるほど傍に居ても
永遠に結ばれることのないふたりも居る

どんなに想い合っていても
ほんの少しタイミングがずれただけで
永遠にすれ違ってしまうのは
もうどうしようもないのだろうか

私にはたぶんとても愛しているひとが居る
一生を共にするなら彼しか居ないと
思っていた

けれど
彼からの連絡はないまま
一年半が過ぎようとしている

がんばろうと思ったけれど
もうこの恋はがんばれそうにもない

いつかは思い出になるのだろうか
次の恋に踏み出せる日は来るのだろうか


2002年10月23日(水) 撤回。

深夜の突然の電話

『泊めて』

かなり酔っ払っている彼からだった

もう二度と会うこともないと思っていた
泊めてと言われて断れなかったのは
私の意志の弱さ

数十分後に彼は やって来たけれど
今までと同じ言い争いを繰り返すだけで
私たち二人の間には もう何も生まれないことを思い知るだけだった

止まらない涙と
ごめんねと何度も繰り返す彼の言葉だけが
悲しいほど部屋の中に残るだけなら
もういらない

今まで 無駄な出会いなんてないと思ってきたけれど
出会わなければよかった
私たちは


2002年10月22日(火) 虚勢。

泣きたくなるけれど
泣かなくなった

投げ出したくなるけれど
投げ出さなくなった

だけど
自分自身が「まだやれる」と思ううちは
此処で 虚勢を張りつづけたい

弱いけれど
強くないけれど
私が此処に居たいと思う限りは

虚勢だと言われたとしても


2002年10月21日(月) 羨望。

これから先の不安に耐えられなかったのだろうか
自分のチカラではどうにもならないと
気付いてしまったのだろうか

支えとして傍らに居る
たいせつなひとを悲しませることが
つらいのだろうか

わかるようで
わからない

だけど
そんなあなたを
羨ましいと思ってしまった

彼を頼り切って
ひとりの時間に耐えられなくて
淋しいと泣き喚ける
あなたを


2002年10月20日(日) こたえ。

好き
口癖のように彼は言う

好き?
口癖のように彼は聞く

私は曖昧な笑みを浮かべて
その場を遣り過ごそうとするけれど
それはきっと反則

だけど「嫌いじゃない」は「好きじゃない」と言うこと


2002年10月18日(金) くしゃくしゃ。

ほぼ2週間ぶりに彼に会った

突然の彼の出現は
会いたかった!なんて気持ちではなく
『ヘボい後輩のフォローに来てくれた先輩』
というなんとも自分勝手な都合のいい解釈だった

あとは「有難い」と「申し訳ない」の気持ちが心を占領

だけど彼の中から出てくる
周りの人たちに対する敵意を 強く感じて
会わないほうがよかったと思った

私はきっと耐えられない

傍に居てくれるひとの口からは
悪意に満ちた言葉を聞きたいとは思わない
彼から離れようと思った自分の選択は間違っていない

◇◇◇

でも
ありがとう

頑張ってるね ヨシヨシ
ってくしゃくしゃしてくれて

自分のチカラが足りなくて
どうしようもなくて情けなくて
泣きそうだったけれど

まだ頑張れると
思えた


2002年10月17日(木) 迷路。

忙しさにまぎれたのか
傍に居なくなったせいなのか
彼に会いたいとは思わなくなった

終わりにしないと前に進まない
前に進まないと終わりにならない
同じことを繰り返しては また立ち止まる

苦しい記憶が消えることはないけれど
時間が経てばいつかは優しい記憶になるのかも知れない

だけど ふとした瞬間に戻ってくる記憶

おおきく息を吸って 深呼吸して
ざわついた気持ちを鎮める

私は何を探しているんだろう
いつまで探し続ければいいんだろう


2002年10月16日(水) がんばろぅ。

最近は毎日
これくらいの時間に一日が終わる
忙しいというよりは自分がいっぱいいっぱいなだけ

自分のチカラのなさが情けない
だけど今は仕方ない

これから頑張ればいい

帰り道
ワンコがちょこんと
ご主人さまを待っているところに遭遇
かわいいなと思ってあのひとにメールを出した

洗濯物を干していたら
携帯のメールの受信音が鳴る

このメールがあのひとだったら

と少女じみた賭けをしてる自分に
苦笑いしつつメールを開く

あのひとだった

ほんわか気持ちが
あったかくなって
なんだか

照れた


2002年10月13日(日) 末永く。

いちばんの仲良しが
彼と二人暮らしを始めた

12月の彼女の誕生日には入籍も決まっている

今日は その二人で新しい生活を始める家の引越しの日だった
私が行ったときには あらかた荷ほどきも終わっていて
あとはいくつかのダンボールを残すだけ

プチ引越し祝いの
ガーベラの小さなブーケを手渡して
部屋を見渡す

うん 感じのいい家

しあわせそうに笑っている二人を
傍らで しあわせな気持ちで見つめつつ
この笑顔が永遠に続くことを 願った

彼女をほんとうによろしくね
私のたいせつなたいせつなひとだから


2002年10月12日(土) おおきな手。

二人きりで逢うことに
慣れていないわけじゃない
だけどどこかドキドキしている自分が居て

のんびりした話し方
にかっと笑う口

帰り際
ふっと一瞬
つながれた手のぬくもり

いつか
少しずつでいい
このひとを好きになれたらいい
と思った


2002年10月11日(金) 傾斜。

としをとるのはステキなことです そうじゃないですか
忘れっぽいのはステキなことです そうじゃないですか

悲しい記憶の数ばかり
飽和の量より増えたなら
忘れるよりほかないじゃありませんか


もう随分まえに聴いた曲なのにふと思い出すことがある
何度も何度も繰り返し聴いていたからか
今でもほとんど覚えている

大事な いろいろは 忘れてしまうのに

私はあの頃と比べれば 大人になったのかも知れない
年をとるのは素敵なことだ と思えるようになっただろうか


2002年10月10日(木) 放棄。

今月に入ってから
新しい環境での仕事が始まって
カツカツのスケジュールで余裕なんて全然ない

気遣って電話をくれたつもりなら
最後まで労わってください

最初の「お疲れさま」以外は嫌味の応酬

なんなの?
一瞬にして険悪になって
さんざん嫌味たっぷりの台詞を残して
電話を切るというそのやり方は

「ぜーんぶマイナスの方向に取るんだねー」

・・・あなたの冗談は冗談に聞こえません

言いたいことの半分も言えずに
悶々としてしまうのは
もううんざり

もう必要ない
さようなら


2002年10月09日(水) 柵。

しがらみを全て
断ち切ったとしても
強くなんてなれないのかも知れない

また男という性を
怖いと思うようになってしまった

私がしたこと
私が決めたこと

わかっているのに
どうして立ち止まってしまうんだろう
この先 前に進むことは出来るのだろうか

このまま此処で
周りの景色が変わってゆくことを
じっと見つめることしか出来ないのだろうか


2002年10月08日(火) 指輪。

食器棚の隅に

ぽつん

と置いてあったマリッヂリング

あなたが棄てた
彼女とお揃いのプラチナ

初めて会った日はあなたの左手の薬指につけられていて
私があなたのその指に心惹かれていたと
あなたは気付いていないでしょう

今もきっと同じ場所に置かれたまま

これから先もきっとずっとそのままだと思ったら
なんだかとても悲しかった

今でも思い出すと
胸が痛むのは どうしてなんだろうね


2002年10月04日(金) ムダナコト。

彼は彼女を見棄てたけれど
一生涯 彼女を見棄てることはない

立ち止まらないで前を向こうとしても
私を必要だと何度言われたとしても
絶対に彼だけは選ばない

同じ選択をしても
同じではない

私は見棄てられたまま
あの人は何事もなかったかのように
のうのうと生きているのに

ああだめだ
こんな気持ちじゃ眠れない


2002年10月01日(火) 年月。

最後のメールをもらってから
一年が経った

あの人はもう幸せで居るだろうか

色々なことがあったけれど
私は結局 何処にも行けないまま
此処に居てもいいのかもわからないままだ

ただ 周りの景色は
めまぐるしいほど変わったのかも知れない

目を閉じて
耳を澄ましてみるけれど
何も聴こえない

それでもまだ
諦めたくは ない


杏 |MAIL

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