月。
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彼に
ありがとうとかおめでとうとか嬉しいとか 生んで欲しいとか結婚しようとか言われていたら ズルズルと引き摺ることもなかった自分だけを責めて生きていられた
わかり過ぎるほどわかっている 彼にそんなこと言えるわけがない
たかだか数ヶ月しか知らない女と家庭を持つなんて それも勢いで関係を持っただけの女と家庭を持つなんて 想像も出来なかったんだろうから
「ごめん。今回は諦めてくれないか」
どんなに時間が過ぎても消えない言葉
過ぎた時間を取り戻すことは出来ない 自分自身が招いたことだから
自業自得と言われてしまえばそれまでで 何も言い返す言葉は見つからない
今は 自分のことで精一杯 支えになる誰かを求めるよりも 自分が此処に居ることの意味を知りたい
「邪魔だった?」
そう聞くくらいなら 自分の家に帰ればいい
深夜 酔った勢いで 勝手に強引にやって来て いちいち「そんなコトないよ」なんて言って欲しいなら 言う相手を間違ってる
誰にも触手を伸ばせない今 あなたの存在は「邪魔だ」と本気で思うこともある
だけど 具合が悪くて心細いとき 手を繋いで隣で眠ってくれるのは
反則
ここ数日 身体から疲れが抜けない その上 今朝からノドが痛い
ヤバイ
このまま行くと扁桃腺が 自己主張をバリバリと始めてしまいそう
私は 小さい頃から扁桃腺が大きくて ことあるごとに真っ赤に腫らし 熱を出していた 幼い頃の行事は コイツのせいでほぼ全滅
成長するにしたがって 小さくなって来ていたのに 働き始めてから また定期的に暴れるようになってしまった
弱気になっているのかな
考え過ぎ! 頑張り過ぎ! これ以上無理すると知らないよ!
そう身体が 危険信号を発しているのかな
気持ちが弱ってしまうと 身体も弱ってしまう
身体が弱ってしまうと 気持ちも弱ってしまう
当たり前のことなのに また少し無理をしてしまったのかな ちょっと反省して 今日は自分を甘やかして 早めに帰ろう
あたたかな布団にくるまって まるくなって眠れば きっと大丈夫
私はどうしたいんだろう 私はどうなりたいんだろう
例えば誰かを想うようになったとき 例えば誰かの子どもを欲しいと思ったとき
ほんとうのことを告げることが正しいことなのか ほんとうのことは仕舞って 何も告げずにいることが正しいことなのか
いつも思考は此処で止まってしまう
過ちであったと思って諦めるには 何もかもが揃い過ぎていた 年齢も経済力も
ただ どうしようもないことに お互いに気持ちが 追い付いていなかった
気持ちが追い付いていなければ 新しく始めることは 無謀だと思った
だからこそ 選択が間違っているとは思わない だからこそ 二度と逢えなくなってしまったことを後悔していない
だとしたら 私を此処に留まらせているこの想いは何なのだろう
此処に書き綴ることで 気持ちを整理しようと思った
でも未だに 答えなんて見つかるはずなくて 私はただぐるぐると同じ場所を廻っているだけ
罪は消えない 終わらない
私は消えるわけにはいかない 終わるわけにはいかない
すごく あのひとに 逢いたい
恋とか愛とかそういう括りでなく あのひとに逢いたい
あのひとの肩に寄り掛かって ぼんやりと時間が過ぎるのを感じたい
逢いたい
周りの景色が変わってゆく 私ひとりが此処に取り残される
それは 自分で望んだことだから 仕方のないことと思う反面 焦りは確かに自分の中にある
けれど 必要と思っても居ないのに求めるのは もう二度としてはならないこと
ゆっくり少しずつ進んでゆけばいい
『華奢だけれど 綺麗なラインを描いている腕・・・』
そう心の中で思う 彼はその言葉を絶対に喜ばない
私は黙ったまま 指先でそっとそのラインをなぞる
『色が白くて 華奢な手・・・』
そう心の中で思う 彼の指先にそっと自分の指を絡める
彼が優しく私の手を解く そしてそっと私の手を握り直す 繋いでいないもう片方の手で私の頭を撫でる
優しい温もり
彼にあの人を重ねて 彼女と別れることを責める 私を欲していることを責める
別れてもすべてを無かったことにしない 彼女が落ち着くまでは連絡を取り続ける 彼はそう決めた
別れたらすべてを無かったことにする もう二度と連絡を取り合わない あの人はそう決めた
彼が彼女を見守ることは当然だと思う けれど彼を欲している部分では嫌だと思う
これ以上混乱したくない 逢いたいなんて言葉もう聞きたくない
彼女のように すべてを包み込める女性になりたかった 彼女が私にしてくれたように 無償の愛をたいせつなひとに捧げたかった
自慢の友達 気付けばみんな彼女を好きになる
いつだっただろう 自慢の友達ではなく 嫉妬の対象だと思ってしまったのは
ああそうだ
私のたいせつなひとがしていた話を 「あ、よく理解る。私も同じこと考えてる。私たちって似ているね」 そう彼女が言ったときだった
私にはどうしても理解不能だった 心の奥底から込み上げる嫉妬
彼女と彼を逢わせなければよかったと後悔した 3人で居ることがとても苦痛だった
彼はそんなことおかまいなしに彼女に甘える 彼女はそんなことおかまいなしに彼を甘やかす 私はそんな2人を目の当たりにして苦しくて苦しくて仕方がなかった
私の見たこともない 彼の表情
私たちは付き合っていたわけではなかった 単なる身体の関係があるだけの2人 彼女にそれを打ち明けることだけは出来なかった
そんなの惨めだから
あの頃 ほんの少しのプライドが 私を支えていた
何度も彼にヤツアタリをしたけれど そんなコトをしても彼には全然通じることはなくて
苦しかった
いつだっただろう そんな想いから解放されたのは
ああそうだ
彼が私を性欲の欲求不満解消対象としてしか 必要としていないと気付いたからだ 彼女が私の友達である彼を選ぶことは 絶対にないと気付いたからだ
彼と彼女がメールをしていても 彼と彼女が電話をしていても
どうでもよくなった
彼さえ選ばなければ 彼女さえ選ばなければ
あとは誰を選ぼうがどうでもよかった
私はたいせつなひとを2人 失いたくはなかったから
そうして彼女には別の彼が現われて 彼女はその彼と付き合い出した
少しずつ関係は変わってゆく それに安堵している自分
もっとひとりになりたい もっとひとりを感じたい
誰にも気付かれないように
彼を中心として 生活が動き出すのはあたりまえ
それがきっと「付き合う」と言うことだから
たかが一度 誘いを断られたくらいで それをとても淋しいと思う自分
変わることはないと思っていた関係は これからも少しずつ変わる 少しずつ少しずつ
だからと言って 邪魔はできない ワガママは言えない だからと言って 誰かと付き合おうとは思わない 淋しさを埋めて貰おうなんて勝手過ぎる
すこし ひとりで過ごす時間を 増やそう
飲み過ぎ 記憶がパズル
甘えた 自己嫌悪した
私はどうなりたいんだろう 私は何処に行きたいんだろう
誰も誰かをしあわせにもふしあわせにも出来ないのに
わかっていることは たいせつなひとはもう此処には居ないということ
女で在ることを嫌悪しながら 漂うように毎日をただぼんやりと過ごす その裏側では誰かに強く強く求められたいと思う
けれどどうしてもそれを受け入れられない
もうわからない 誰を求めているのか 誰を想って眠れないのか
わからない
いつか出逢いがすべて間違いじゃなかったと いつか女として生まれてきてよかったと いつかひとりでも大丈夫だと
笑えるんだろうか
そっと触れた指先を こわれものを扱うようにそっと繋ぐ それは決して強い力ではなくて
私はそれがとても うれしかった
あなたの指先の温度を確かめるようになぞる 繋いでいる手をこのまま離したくないと 思った
好きよ あなたに出逢えてよかった あなたに逢いたいって言われてうれしかった
でもね いろんなことが苦しくなってしまう 彼女と自分を比べて 惨めになってしまう
ポイ と捨てられたことを 思い出す
自分で望んだのにね
私は小さくて薄っぺらい身体をしているけれどアタマが大きい 彼は小さくて薄っぺらい身体をしているけれどアタマも小さい
たったそれだけなのに
ふと 鏡に映った姿を見るとその差は歴然 外見なんて関係ないなんて嘘 少なくとも私の中では
たとえば私が 彼と同じようにアタマも小さかったら
もしも私が男で彼が女だったら
たとえば… もしも…
そんなコトは言い訳でしかないのかな? そんなコトは理由にはならないのかな?
正直に話したら 彼は とてもとても傷付くと思う
けれど私は 自分のコンプレックスを強く感じながら 彼を愛していけるほど 人間 出来ていない
それは幾つかある 譲れない線のひとつ でしかないのだけれど
情けないですか? くだらないですか? 人は見た目じゃありませんか?
可愛い女で居たいと思うのは我儘ですか?
素直に真っ直ぐに 逢いたいと気持ちを伝えてくれる彼を 怖いくらい欲しいと思うときがある
声のトーンや丁寧な話し方 私に対して綴ってくれることば ひとつひとつに心がキュウとなる自分が居る
けれど… どうしてもどうしても彼を受け入れられない
どうして いけないと思う気持ちは 気付けばどうしようもなく加速しているのだろう
もっともっと強くなりたい 誰にも甘えなくても大丈夫なくらいに
私は大丈夫と言えるように
たいせつに たいせつに 読ませて頂いていた日記さんが 更新を止めてしまうと知りました
あなたの綴ることばに たくさんたくさん勇気付けられていました ありがとう ほんとうに ありがとう
これからの あなたと彼の未来が どうかどうか しあわせでありますように・・・
求められているのなら 思い切って寄り掛かってしまえばいい
それが出来ないのなら 差し延べられている手を振り払えばいい
簡単なこと
見失ってしまったのは 誰にも必要とされていない自分が 彼に必要とされたことが嬉しかったから
彼の中にある闇を包み込むことは出来ない 彼の全てを受け入れることは出来ない 彼に私の全てを預けることは出来ない
此処から居なくなることを選ぶ
そう 私は逃げるのだ
いつもより痛みが酷いのは あなたに女性として必要とされたから
今日は アンテナを全て閉まって 何も考えずに丸くなって眠っていたい
深い深い闇の奥底で 傍らに居るあなたに甘えていたい
宅急便のお兄さんの「お届けモノでーす!」という声で起きた ボサボサの寝起きの姿で荷物を受け取る
寝ぼけていたアタマが活動を始める 昨夜から降り続いた雨はすっかり止んでいた
さて、やることはたくさんあるゾ と自分に気合を入れて、動き出す
電話が鳴る
私の たいせつなたいせつな友達 からだった
『最近はいつも大人数で集まるから、ゆっくり話す時間がないよね。ま、それも楽しいんだけど』
なんて言いながら 積もりに積もった話をひとつずつ 電話は相手の表情が見えなくて苦手に思うときもあるけれど こうして彼女と話す時間が、私はとても好きだ
電話をしながら 洗濯をして冷蔵庫を開けて林檎をかじる お湯を沸かしコーヒーを入れて飲む
話は尽きない 優しく穏やかな時間
だけど彼とのことは話せなかった、話さなかった 彼を、女の部分では必要としているけれど、踏み出せない
必要と思っているのに 彼との未来を思い描くことが出来ない
ずるい私
逢いたい…
たった一言 書いてあったのはこれだけ
それだけで 私の身体は熱を帯び もう 二人きりで逢うことは止めよう と決めていたのに すぐに崩れ落ちてしまった
狭い玄関先で靴もまだ履いたまま 出迎えた私の腕を少し強い力で掴んで引寄せて抱き締める
何度も唇を重ねる 何度も耳元で好きと囁く 何度もお互いを求め合う
彼を愛おしいと思う気持ちが自分の中に芽生え始めている
怖い そんな気持ちが 怖い ほんとうのことを打ち明けたら 彼は 今よりももっと苦しむことになる
冷たい雨が降っている 私の熱を下げて
必要とされたい
何にだろう 誰にだろう
自分の存在の 軽さを 思い知る いつも いつも そうだ
例えば 私が 此処からいなくなったとしても 誰も 困らないことを 痛いくらい 思い知る
あなたが大切と言われるより あなたが必要と言われたい その言葉に 涙が止まらなかった
もともと 彼女の好みに近いことは知っていた だから彼女に彼を引き合わせたのだ
私は彼に対して、特別な感情を持ち合わせてはいなかったから 自分の気持ちが揺れるかどうかを試したかったのかも知れない
彼女が彼に興味を示した
彼女が少し恥ずかしそうに 彼からメールが届いたことを話し出した 自分が彼の好みではないことを淋しそうに話す彼女
その姿を可愛らしいと思いはしたけれど 彼女を励ましている自分を面白くも感じたけれど
それを知った今でも私の気持ちは揺れては、いない
ただ、ひとりきりになるいつかの未来を思い描き その寂しさだけで誰かを衝動的に必要としないよう気を付けなければ
そう感じた
言って良いこと、悪いこと 言って良い人、悪い人
そういう区別がどうしても甘い 少し親しくなると、理解ってくれると思い込んでしまう 自分の気持ちを理解ってくれると思い込んでしまう
「おまえの方が年上なんだからそんなこと言うな」
彼の言っていることは正論、間違っていない 仲間だと思っているからこそ 私の口から批判めいた言葉を聞きたくなかったんだと思う
批判したかったんじゃない 私なりに頑張っていたことを認めて欲しかった 頑張ったなって理解って欲しかった
けれどそれすらも甘えなんだと思い知らされた
私のほうが年上だから
此処できちんと線を引こう もう彼の前でほんとうの気持ちは言わない 何があっても、仲良くやって行けるよう笑顔で居よう 歪んでいると言われてもいい、剥き出しの感情は何処にも出さない
甘えた気持ちは、全て此処に仕舞って 笑顔に全てを押し込める
私の心配なんてしないで どうした?なんて聞かないで
彼女をまだ大切に想っているのに 彼女をまだ捨て去ることが出来ないのに
抱き締める腕の強さも 逢いたいと繰り返し言ってくれる声も 好きだよと伝えてくれる真っ直ぐな瞳も うれしいと しあわせだと 思うけれど 苦しいだけ
あなたに 惹かれているなんて 認めたくない あなたを 必要としているなんて 認めたくない
どうして私に気付いたの どうして私に近付いたの
私を甘やかさないで
甘えたくない 甘えたくないの あなたにだけは
どんなに頑張ってみても 相手が受け入れようとしてくれない限り 気持ちが伝わることはなく報われることも無い
報われたいと思う気持ちが奢っている
もっと強くなりたい こんな出来事も全て包み込めるくらいに もっと強く
苦しくなるとわかっていて 選んだのは私
少しずつでいいから前に進もうと 決めたのは私
いつか心から誰かを想える日が来るまで 此処に甘えた気持ちを沈める
大丈夫 まだ 大丈夫 笑えるのだから 大丈夫
もっと遠くへ行きたい と思うことがある 衝動的に 誰も知っている人の居ない街へ行ってしまいたい と思うことがある
また誰かを好きになった時に 同じようにまた置いてけぼりにされてしまうのが怖い
あの日から 永遠なんて 信じられなくなった
彼は私の元から去って 今はあの彼女としあわせで居るのだろうか 私との間にあったことなんて もう記憶の彼方にあるのだろうか
私は忘れられなくて 未だ 彷徨っているのに 彼の身体には 記憶には もう何も残っていない気がしてならない 不公平だって思っている自分が情けなくて 嘲笑ってしまう
この間 ふと 『彼がこの世から居なくなってしまえばいいのに』 と呟いた自分を 恐ろしいと思った
自分の存在価値を何処に見出したらいいのだろう 「何処にも無いよ」と声がする
昨夜 深夜に掛かってきた電話
「決めたから!」
妙に意気込んでいる 彼女の言葉に 一瞬「はぁ?酔っていらっしゃる??」と思ったけれど 次の瞬間 気が付いた
彼女が彼と付き合うことを決めたのだ 遠くない未来 が あっという間に現実へと変わった
出逢ってそろそろ2ヶ月になろうとしている二人 何度か二人きりで出掛けながらも まだ手も繋いでいなかった二人 初々しい二人
「杏が嫁くのを 見届けてから」
なんて言っていたけれど 仕事柄 休みの合わない二人だから もしかしたら先を越されるかも知れない
なんだか思ったより さみしいキモチが強い自分に驚いている そしてそんな自分に苦笑い
誰よりも大好きで 誰よりもたいせつな彼女だから いつも私のことをいちばんに考えてくれる彼女だから 誰よりもしあわせになってもらいたい
彼になら それが出来ると思ったから 二人が付き合い出すことは とても嬉しい それは素直なキモチ
けれど
さみしい めでたい さみしい めでたい さみしい めでたい
今日 思い切って 彼にメールを出した
> 彼女をお願いします。 > 大切にしてね。
仕事が終わってすぐに 彼から返信が届いた
> まかしとき > 大切にするよ、約束する。
うれしくて さみしくて うれしくて 涙がこぼれおちた
3日間家を空けている間に 葉書が届いた
父からだった
誕生日に贈った薔薇のアレンジメントのお礼 そして父の気持ちがそのまま流れるように綴られていた
「貴女もそこそこにけじめがつきませんか?」
待ち望んでいる娘の結婚 いつまで経っても気侭なひとり暮らしを続ける娘に 温厚な彼もとうとう待ち切れなくなってしまったのだろう
でも 無理かもしれない
自分の我儘で 生命をひとつ握り潰した私 そんな自分が許せない 記憶は薄れて行くけれど 許すことが出来ないのだ 時が経てば 少しは楽になるのかも知れない と思っていた けれど そんなことは無くて 悲しみの輪郭だけは年々濃くなる
だから 私は
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