朝の通勤、通学でにぎわう道路わき
うつむき姿が、あなたとそっくりだった
驚きを、心のことばが打ち消す
「もう終わったのだ」
から
「もう10年以上が過ぎたのだ」
へと心のことばは変わったけれど
今のあなたを見ないのは、過去もあなたを見ていなかったから
あなたの個性を見ていなかった
あなたの持つ黒髪、白皙(はくせき)、筋の通った小鼻、割と低めの声 を見ていたから
同じ属性を持つアイドルの写真を集め、動画を見て、夢中になって胸を焦がしていた、そんな恋だった
あなたを見ていなかったから、あなたに夢中になった
まさしく哲学用語のアイドル(idea)ような、完璧な理想像をあなたの中に追い求めた
完璧な理想像が、現実世界に存在しない、と想定されている
あなたの中にある理想像に反する部分を、私はひたすら黙殺した
そうして続いったのだった
理想に反する部分にふたができなくなって離れた
ずるい私は「あなた自身が離れる」と想わせた
朝の通勤、通学でにぎわう道路わき
うつむき姿が、あなたとそっくりの人をみるだろう
私は幸せだ
理想像を手に触れられないアイドルに投影するのではなく、
血肉をもった白皙の君を想い出すのだから
そうして、私は、通勤者の群衆に埋没するのを受け入れられる
付記:「白皙の君へ�供廚�2008年06月15日(日)です。
http://www.enpitu.ne.jp/usr7/bin/day?id=75000&pg=20080615
萌え出でる新緑に吹かれ、いのる
朝、目がさめた、そのことに
朝、目がさめて、起きてくださった、
目の前を通り過ぎていく、その人に
空に、大地に、大空に
ありがとうございます、といのる
私は遺伝子をつないでいく、乗り物である
私は遺伝子で使用期限が決められていて、捨てられる乗り物である
その現実はきびしいけれど、恐れや皮肉や絶望ににげない
にげないからこそ、
朝、目がさめた、そのことに、
ありがとうございます、といのる
いのる
新緑の香りが、体の中をも吹き抜けていく
仮の世ときくけれど
曇天のように動かぬ若楓
萌え出づらむ
(前半部分のみで完成 以下は言外の意味)
祈る
朝、目覚められたこと 眼前の方が目覚めてくださったこと
天照の恵みで朝が作られ、車が動き、電気が使えること
心の中でいのる)