想うに、近々の充足感は幾つかに支えられている
食欲、睡眠欲、性欲、名誉欲の充溢、という基底
道理、目算、研鑽の結果や法理の体得、という既定の理解
これらを統合が生み出す全能
全能を派閥争いや蛸壺につぎ込まない中庸
中庸を操作する対極の、滅びの恐怖
全能と中庸を清浄に保たせる滅びの恐怖の按配
その差配こそが充足感を生み出しているのだろう、と想うに
だからこそ、常に自己を解放し、他者からの解体を受け入れられる、という
解体する自己の充足の
惑わず、ではなく、惑えぬ、である
闘争の炎で不安を焦がし
老化の不安で死命を数え
不安の数が社会的地位で減らされ
公的意識の広がりが私を滅して減る不安
惑わず、ではなく、惑えぬ陥穽が待っているのだ
付記:陥穽(かんせい)とは落とし穴のこと。蓋で見えない穽(おとしあな)がそれぞれの年齢で待っている。その落とし穴にはまり「惑わぬ」になると考える。自らの実力の向上、意図の結果の「惑わず」ではなく、落とし穴にはまり「惑えず」に陥っている、と。