ものかき部

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「 乙女は脆く女はしたたかで母は盲目 」
2009年07月17日(金)



 笑顔、そう笑顔だけだった
 求めていたのは
 恋だけだった

 金銭、そう金銭だけだった
 求めていたのは
 安定だけだった

 スパリ、と変わる女性の好み
 女は弱し母強し
 ではなく、乙女は脆く女はしたたかで母は盲目 

 つまりね、あたしゃあ、女に振られたんでござすよ
 それが悔しいだけですよ こんちくしょう

「 いっそこの身を投げ出して 」
2009年07月16日(木)





 比較すれば地獄へいっちまう
 比較せずば天国へいっちまう

 数千年の変わらぬ真理じゃあございませんか
 給与と年齢に加えて、いまじゃあ労働時間に、保険価値、資産に身長
 他人様と数字で比較されちまう

 ご先祖様への感謝の世界もどこへやら
 あたしゃ独りになっちまう

 世界の流れが止められないのなら
 いっそこの身を修羅道へ 投げ出しちまうのが賢いかしら

 いやんなるじゃあございませんか
 あたしゃあ望まれて、生まれてきたんじゃなかったんですかねぇ

「 肉体の当たり前のこと 」
2009年07月15日(水)



 肉体は私のものではない
 私がいくら寝たくなくても、睡眠を要求し最後には強要する
 私がいくら食べたくなくても、他の命の犠牲を強いるし、果ては戦争になる
 服を着たくなくても、異性を無視したくても、名誉を捨てたくても

 そんな当たり前のこと
 だけれど大切なこと

 肉体は私のものではない
 だから労ってあげなければならない
 適度に運動をして肉体を喜ばせ、栄養を考えて嬉しがらせ、要求されるままに仮眠睡眠を与える
 何時かはこの借り物の肉体が崩壊する
 そして私もいなくなる

 そんな当たり前のこと
 だけれど大切なこと

 後50年もあるかと思ったけれど、肉体の欲求を満たす時間を差し引けば
 もう何年あるのだろうか

「 すがりつく芸術 」
2009年07月13日(月)





 僕は何度も何度もある言葉を飲み込む

 「どうしてこんなに駄目なんだろう」
 「どうしてこんなに駄目なんだろう」

 声を出すことさえ恐ろしい言葉を胸の内に
 闇夜の光で増殖してしまう言葉を
 
 JAZZを聞くとサーっと空気中に散乱していく
 朝日を浴びるとポタッと氷解していく
 落葉を観るとスーッとしていく

 僕は芸術を愛しているんじゃない
 僕は芸術を愛してなんかいない



注記 「落葉」は「観る」を受けるので、観賞の意味となる。菱田春草の「落葉」を指す。ただ、前文の自然物「朝日」とも対比。「落葉」は日の光のそぎ方にすがりつく価値があるように想われるので、前文に「朝日」を。

「 パウンドケーキ 」
2009年07月12日(日)



 肉体の滓と記憶の残滓のパウンドケーキ
 ゲーテ的なもの、という社会のレッテルが貼られた
 多くの人に理解され、輪郭を押し付けられ、高値で売れそうだ

 思わず微笑んで、蒸し暑い夕暮れ
 午後の遅いお菓子のように、モフモフとしている内に うっぱらってしまおう

「 しばしの休息 」
2009年07月01日(水)


 滝のような汗の後の風呂上り
 しばしの休息
 滝のような問の前の布団の上
 しばしの休息

 ザワメク家族の雑音 
 サザメク義務の体温
 サワメク肉体の会話

 しばしの休息
 深夜の海中、息苦しくもないような
 しばしの休息
 見上げれば、ただゆらめく満月のような


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