囚(とら)われている
嬲(なぶ)られている
痛めつけられ殴られ詰(なじ)られ、
地べたに頬を押し付けられて、這(は)い蹲(つくば)っている
頭を動かそうと全身をムカデのようにウニョウニョと左右に振り続けるしか出来ない
屈辱を忘れるために、女性は愛を作り出し、永遠へと高める
虜囚を見ないために、男性は個を作り出し、世界へと広める
暴力を避けるために、凡人は諾を作り出し、平和へと求める
痛覚を茶化すために、天才は恕を作り出し、民衆へと落ちる
早く社会的成功が欲しい、名誉が権力が権威が金銭が地位、それらで忘れられるからだ
速く性的満足を満たし続けたい、華麗や可憐が白皙が碧眼が黒髪、それらに埋没できるからだ
早く安眠できる出来る寝床を獲得したい、不安も痛覚も暴力も屈辱も永遠でさえ、安眠には敵わないからだ
速く完全なる錯覚に浸(ひた)りたい、来世が信仰が箴言(しんげん)が神話が奇跡が、私の頭の中の屈辱も虜囚も暴力も痛覚でさえない事にしてくれるからだ
地べたに頬を押し付けられて、出来るのは精々このような青空を仰ぎ見ることだけなのだ
注記:「 あり恋地獄 」は2006年06月15日(木)に、2006年06月16日(金)に「 あり恋地獄�供 廚�あります。
僕は、どうしようもなく情けない人間だったから、他の人の真剣な姿、一生懸命な行動、真面目な心に触れるのが大好きなんだ。
どうしようもないから、ないもの強請(ねだ)り
ここにとどまるしかないんだな ここでふんばるしかないんだな
真冬の太陽のような寂しさ
春分の桜のような苦しさ
夏至の長雨のような虚しさ
秋分の名月のような鬱陶(うっとう)しさ
もうすぐ片がつくんだろうけれど 先に行くかないで
先への希望を捨てて 砂浜で顔押し付けてをはいずり 塩辛い水におぼれながら、砂が耳や鼻や目に入るのを我慢しながら
ここにとどまるしかないんだな ここでふんばるしかないんだな
恋は苛立ちで醒(さ)め
愛は軽蔑で褪(さ)める
どうしようもない愛の果てに綴(つづ)る言葉を文学という人がいる
平和などうでもいい普段の日常生活を描く言葉を文学とい人がいる
凄惨な戦闘行為から人の尊厳を取り戻す言葉を文学という人がいる
チリチリと胸を焦がす苦しみ、ナレナレと胸を暖める安らぎ、キリキリと胸を突き刺す喘(あえ)ぎ
理論的事実としての文学などはありはしない
散見する黒田とサルトルとアドルノ、ユルスナール、漱石、吉村
縛られないからこその文学という結果を導くのもまた、個別的事実
書き綴り描き出し平穏を取り戻し、私はひねり出した