私は頭を撫でられるのがすき
陰る葉の上に月明かりが差し込む夜露(よつゆ)をそっとふき取るように撫でられるのがだいすき
私は体を抱きしめられるのがすき
使い込んできて体温が残っているような等身大の抱き枕を思いっきり抱きしめるように包み込まれるのがだいすき
私は他にもいろんなことがすき
じっと眺められて恥ずかがるのも、さり気無くても逢った瞬間に誉められるのも、安くてもあなたにちゃんと認められているプレゼントもすき
でも、貴方は、時々意地悪だったりする
それらはみんな君だけじゃないし、他の子にしても同じように嬉しがるからつまらないんだ、本当に君でいいのか不安になるんだって、大きな意地悪をいう
わたしはぐっと我慢して心の中で魔法を唱えるの、そうだっていいじゃない、そうだっていいじゃない、わたしはあなたがすきだもの、って
逆にあなたは可哀想だなって想うわ、だって好きに不安が入ってくるんだもの、意地悪で正直な気持ちを邪魔するんだもの、どんどん自分でつまらなくしているんだもの
それってあなたがモテてモテてきた税金のようなものなのかもしれないのよね、だって占いでずーっといい人なんていないもの、血液型性格判断で神様のように素敵な人っていないんだもの
あなたがとってもだいすき 貴方のように意地悪をいう人でもとっても大好き
それはかわらないわ
あなたは私たちの終わりをわたしの個性のなさにもとめようとするけれど、それって何だか世間一般的に正しい判断じゃないかしら
わたしは私たちの終わりは気持ちの終わりだとおもうの、だからそれって本当は気持ちが醒めたときじゃないかしら、もう全く興味関心がなくなったとき
だから、撫でて欲しいの、ぎゅっとして欲しいの、意地悪もいって欲しいの、わたしに関心をしめして欲しいのよ
全ての充足の後、疲労した肉体でしか感じられないその感覚
その感覚をさらに鈍重にしていくと突然と現れてくる、彼方
私という観念でしか観得ないその彼方
肉体の疲弊という事実に契機する彼方
消えていく二元論と魂という救済
対立しない精神と肉体は順序だてを間違うと出逢えない彼方
もう、物理的な扉が降りる鐘が鳴り始めた
もう、精神的な昇華に耐えられない悲鳴が鐘を喜び始めた