2006年04月26日(水) |
綿谷りさ『蹴りたい背中』 |
ちょっと中途半端感が否めないなあ。
すっきりすとんとふに落ちる感じがしないまんま、それでもどこかでうまいことまとまるのかと思って読んでたら終わっちゃった。
悪くはない、というより、さっぱりしすぎていてひっかかってこない感じでした。
あいかわらず、思春期女の子グループの超微妙な人間関係の内側とか、自意識が強すぎて素直になれない心情なんかはものすごくよく描けているんだけど、それを語る主人公自身がどんなキャラなのかが中途半端。 主人公は、半分大人になりかけて斜に構えているのかと思ったら、そう思っているのは自分だけで、実際は、そんなにかっこよく生きれないし、かといって素直にかわいくしようとしてみてもうまく振舞えず周りをひかせてしまうちょっと痛い存在、なんだろうと思うのですが、あまりよくわかりませんでした。 にな川という少年はオタクだけど、他の同級生にはないなにか個性的でかっこいい何かを持っているっぽい・・・。ぽいけどさ。 にな川に対する主人公の好意が「蹴りたい背中」っていう言葉で表されてるんだと思うんだけど、”憎たらしいほど好き”みたいな気持ちでもっと共感させて欲しかったなあ。
うーん、もうひと練り欲しかったです。
2006年04月15日(土) |
Mr.Children『未来』 |
♪生きてる理由などない だけど死にたくもない こうして今日をやり過ごしてる
というMR.CHILDREN 『未来』の歌詞を非常な共感を持って聴いていたあの頃。
自分が何のために生きているのか、わからなかった。
毎日毎日へとへとになって働いても、何のために働くのかがわからなかった。 課せられた「やらねばならぬこと」をやり続けなければ、ドロップアウトしてだめな自分を他人の前に晒さなければならない、その恐怖から逃れるために勤勉に働き続けた。 いうなれば、私は働き続けるために働いていた。 いつか暗く長いトンネルの出口まで走りきる、それだけが目標だった。
すべてが周りとの調和のために望まずともせねばならぬことだった。 だからあの頃、自分の人生が自分のものであるという実感がまったくなかった。 ただ、不可抗力でこの人生が終わってくれないか、とぼんやりと考えていた。
例えば、誰か自分を殺してくれないかとか。 深刻な病気が見つかって入院とか。
本気で思っていた。 拒否することすら受動的な私。
久しぶりに『未来』を聴いて、歌詞がまるで人ごとに聞こえた。 あの頃と劇的に現状が変わったわけではないけれど、だめなりにがんばり続けることで、少しは自分の人生を受け入れられるようになってきたということなのかもしれない。
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