感想メモ

2018年12月26日(水) 下町ロケット(2018)

 池井戸潤原作の「下町ロケット」シリーズのドラマ第3弾。

 今回、佃製作所はエンジンだけではなく、トランスミッションの開発に取り組む。そして、日本の農業のために無人農業トラクターの開発に向けて動き出す。

 ロケットのバルブシステムを帝国重工に納入していた佃製作所だが、帝国重工の内部の人事が大きく動く中、ロケット事業からの撤退を帝国重工側が打ち出してきた。

 そうなると、佃製作所の大きな収入源が絶たれてしまうため、佃(阿部寛)はほかの分野への進出も考える。

 そんなときに、これまで経理で会社に大きく貢献してくれた殿村(立川談春)が、倒れた父(山本學)の田んぼを継ぐために会社を辞めることにする。

 殿村の家は代々続く農家で、跡取りがいないため、父の田んぼは終わりを迎えようとしていた。おんぼろトラクターは調子が悪く、佃は殿村の田んぼの手伝いをして、農業用トラクターの開発を思いつく。

 最初はギアゴースト社とともにトランスミッションを開発しようとする佃だが、ギアゴースト社は特許侵害で訴えられてしまった。会社を助けるために奔走した佃だが、社長の伊丹(尾上菊之助)は、私怨からかつて帝国重工に会社を倒産させられたダイダロスの重田(古館伊知郎)と手を組むことに。

 トランスミッションの権威・島津(イモトアヤコ)は、伊丹の変わりっぷりにギアゴースト社を退社。そして、佃製作所に入社することに。

 また、農家を継ぐことにした殿村だったが、田舎には田舎なりのしがらみがあり、農業法人に入るように執拗に迫られる。断ると数々の嫌がらせを受ける。また、収穫間近になって、大雨に襲われ、田んぼが全滅してしまう。融資を頼んでも農業法人に入っていないことを理由に断られる。

 帝国重工内でも、次期社長の座を巡り、熾烈な権力争いが行われている。頼みの綱の財前(吉川晃司)もロケット事業部から別の事業部に飛ばされてしまい、無人農業用トラクターの開発に関わることになるのだが、世間体を気にする次期社長候補の的場(神田正輝)などからの圧力を受けて、話は二転三転。

 何か不具合が起きると、佃の友人で無人農業ロボット用システムを開発した野木(森崎博之)のせいにして、自分たちに悪いところがあるかを探ろうともしない。

 都会でも田舎でもパワハラが横行しているよなーと思う。この話、今時なら全部パワハラだよね…。でも、やっぱり問題になるのは一部だけで、みんないろいろ我慢しながら、生活してるってのが実情なのかもとも思う。

 豪華なキャスト、しっかりした原作があるのと、以前からの流れがあるからか、やはり面白く見ることができた。

 しかし、最終回なのに、きちんと終わらずに新春にスペシャルドラマを放映するというやり方には閉口した。

 それ、最終回じゃないじゃん!!

 きちんといろんなことに片が付くと思っていただけに、はぁ? ここで終わり?って感じで。

 とりあえず、新春スペシャルも見てしまうけれど、こういうやり方はやめてほしいと思った。続きは映画でとかもね…。



2018年12月20日(木) 地球星人  村田沙耶香


村田沙耶香 新潮社 2018

STORY:
幼い頃から自分は魔法少女だと信じ込んでいた奈月。家族からの虐待や塾講師からの猥褻行為により現実逃避するしかなかった奈月は、とんでもない事件を起こしてしまい…。

感想:
 「コンビニ人間」も面白く読んだが、この「地球星人」もぐいぐいとひきつけられるものがあって、読む手を止めることができなかった。

 しかし、「コンビニ人間」よりもさらに異質な世界観を描いており、最終盤の描写は結構私的にはきついものが…。

 最初のうちは奈月に共感できるところもあるのだが、最後の部分でついて行けなくなるというのかな…。

 それと、奈月や奈月の家族、結婚相手の智臣や智臣の家族、そして、いとこの由宇の家族、さらに周りの人たちが結構極端なんじゃないかとも思う。地球星人は工場で生殖していかなくてはならないという考え方もいまだにあるかもしれないけれど、少なくとも自分の周りではここまであからさまに干渉してくるような家は少ないような気がする。

 結婚して、性行(彼らに言わせると「仲良し」と言うらしいが)がなければ、それは夫婦と言わない。夫婦は性行をして子供を持つことが幸せであるという考え方も、もちろん今も根強くあるところもあるのだろうが、だいぶ寛容な世の中になっていないだろうか?

 そして、夫婦のそういったことには、周りはやきもきしていろいろ聞いたりはするかもしれないけれど、それはおかしいとか否定してもどうしようもないんじゃないかなぁ…とも思うのであった。

 いろんな夫婦の形があってしかるべきと思うし、そういう考え方も広まっている気がするので、ここまで極端に行くのも珍しいのかもしれないなとも思った。

 少なくとも自分は、結婚してもしなくても、子供を産んでも産まなくても、その人の生き方がその人らしく幸せならばそれでいいんじゃないかと思うので…。

 それにしても、最後は、食料がなくて飢えてしまい、死にかかっているということなのか…。確かにアフリカの飢えに苦しむ子供たちがお腹が膨らんで骨と皮ばかりになっているようなのを見たような気もするのだが…。

 うーん…。やっぱり最後は厳しいな…。



2018年12月19日(水) 植物男子ベランダー2

 シーズン1に続いて、シーズン2も見ることにしたが、ドラマシーンを中心にして、歌とかのコーナーは飛ばしながら見た。

 相変わらずマニアックな話が多い。ツボにはまる回とそうでもない回があるのだが、シーズン1に出てきたいわくつきの人物がシーズン2にも登場してきたりして、「またコイツか…」みたいな変な面白さがある。

 息子はバー植物の回が相当気に入ったらしく、録画したのを消さずにいまだに見てゲラゲラ笑っている。子供のほうがこういうのは受けるのか?

 シーズン3はあるのかな?



2018年12月14日(金) さよなら、ビー玉父さん  阿月まひる


阿月まひる 角川文庫 2018

STORY:
フリーターとして生きるコンのもとに、離婚して離れ離れになった8歳の息子が突然訪ねてきて…。

感想:
 背表紙に、「泣ける」みたいな感じのメッセージがあったのと、自分の息子がちょうど8歳なので、いいかな…と思って選んでみたんだけれど…。結論から言うと、ちっとも泣けないし、あまり乗れなかった感じ。

 8歳の息子との交流、その後、中学生の息子との再会、そして、就職し、結婚した息子との話…と3本立てだけれど、そのどれもがなんだか共感できず…。

 8歳の息子と再会して、息子のことを愛おしいという感情が初めて芽生えるコンだけれど、その後も連絡を取ることもせず…。

 コンの思っていることと行動が全く違うし、なんだかなーと。

 いまいち自分には合わなかったな…。



2018年12月09日(日) 僕とシッポと神楽坂

 動物のことを「シッポ」と呼ぶ高円寺達也(相葉雅紀)は、実家のある神楽坂に戻り、徳丸先生(イッセー尾形)の動物病院を手伝うことにするが、行ってみたら、徳丸はいなくて、動物病院を任されることに。

 一人で動物病院を切り盛りすることになるが、出会った加瀬トキワ(広末涼子)が動物看護師として病院を手伝ってくれることになる。

 トキワには小学生の一人息子・大地(矢村央希)がいるのだが、夫は海外へ研修旅行に行ったまま行方不明になっていて、何年もの月日が流れていた。

 大地も達也のことをコオ先生と呼んで慕い、毎日のように病院にやって来る。

 また、研修を終えた獣医大生の堀川広樹(小瀧望)も動物病院を手伝うようになる。

 色々な動物や動物の飼い主たちとのふれあいなどを、やさしくほのぼのとした視点で描くけれど、手術シーンなどは人間顔負け。動物にもいろんな病気があるんだなーと思った。

 息子も時々一緒に見ていたが、深夜枠のドラマなので、ちょっと説明に困るようなシーンとかもあったり。

 なかなか面白かったけれど、最後がちょっと切なかったかな。



2018年12月08日(土) ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅


 息子が新作を見たいと言い出し、テレビで録画した前作「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」を見ることに。

 ハリー・ポッターシリーズのJ・K・ローリングが脚本で、ハリーが生まれるより前のお話。

 ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)は魔法動物学者。アメリカに魔法動物を返すため、イギリスから旅をしてきたのだが、魔法動物が入ったトランクをジェイコブ・コワルスキー(ダン・フォグラー)のトランクと間違えてしまう。

 ジェイコブが魔法動物が入ったトランクを開けてしまったため、魔法動物がニューヨークに逃げ出してしまった。

 その罪で、ティナ・ゴールドスタイン(キャサリン・ウォーターストン)は、ニュートを捕まえて連行するのだが…。

 アメリカでは、人間のことをマグルではなく「ノーマジ」と呼び、時代的なものなのか、色々なことが禁止されている。

 ジェイコブの人柄がいい。そして、ティナのお姉さん・クイニー(アリソン・スドル)がお色気ムンムンなのに、ジェイコブの心を読んで、ジェイコブに惹かれていくのも面白かった。

 魔法動物たちの創造力のたくましさ、そして、絡む様々な陰謀…、ところどころに魔法でこんな素敵なことができるんだー!というわくわくするシーンも交えつつ、悪いことをするとこんなに悪く魔法を使うこともできるんだなーという、使う人次第で良くも悪くもなる魔法についても考えさせられる。

 何はともあれ、普通に面白かったので、行けたら映画館で新作も見たいと思う。


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