3歳の息子を誘拐され、行方不明となってしまった柏崎結衣(沢尻エリカ)と陽一(藤木直人)の夫婦は、その後、すれ違い、離婚。結衣は傷心のまま、ただ毎日を過ごす日々を送っていた。
そんな時、もう死んだものと思われていた広(道枝駿佑)が施設で生きていることが判明。すでに13歳に成長していた。
実は犯人が放置した広は、隣の部屋にいた麻子(小池栄子)に見つけられ、虐待されている子供と勘違いされ、そのまま育てられていたのだ。
麻子は広を実の両親のもとに返すのが一番と考え、広と決別しようとするが、新しい家庭を築こうとする結衣と陽一夫婦の中で広がうまくやっていけるか気になって仕方がない。
お互いに歩み寄ろうとしたり、離れようとしたりしつつも、お互いにうまくやれそうにない麻子と結衣。
一時はもう一度施設に戻ろうかと悩む広だが、先輩(望月歩)の母との関係を見て衝撃を受け、再び柏崎家へ戻ってくる。
3人はうまくやっていけるのか? そして、育ての母との関係はどうなっていくのか?
このドラマでは、広と同年に生まれた莉沙子(板谷由夏)と太治(浅野和之)夫妻の娘・繭(藤澤遥)家族の様子も描かれる。実の親子であり、一緒に過ごしてきたはずだが、莉沙子は仕事がしたくてたまらず…。
色々な家庭があることを児童相談所の福祉司・木野愁平(中島裕翔)から聞かされ、迷いつつも、新しい家族を模索していくそれぞれの家族。
私としては、結衣が麻子を退ける気持ちは、麻子の物言いの悪さから理解はできるけれども、広を3歳から13歳までの10年間、育て上げてくれたのは麻子であるし、広にとっての「ママ」を奪い取るものでもないような気はした。
産みの親と育ての親。二人が母親でいいんじゃないかって。まあ、当事者としてはやっぱりいろいろ迷うのかもしれないけれど。
お互いに母として、広とうまくやっていけばいいんじゃないかなと。
木野が言っていた「3歳までの愛情を受けて育った子供は大丈夫」という言葉。そんなものなのかなー?
母には、ただ産んだだけじゃなれないよね。そこから先が大事だって思った。
2017年06月23日(金) |
ある日うっかりPTA 杉江松恋 |
杉江松恋 角川書店 2017
STORY: ライターの杉江松恋がひょんなことから小学校のPTA会長を務めることになり、なんだかんだで3年間会長を務めたときのことをまとめた本。
感想: ノンフィクションライターの杉江松恋が、PTA会長の3年間にあったことをまとめた本。
いやぁ…PTA会長って大変なんですね…。とてもやりたい気分にはなれない。
息子が小学校に上がり、親の私もPTAに有無を言わさず入らされている。そして、6年間で1回以上は役員をやってくださいと言われ、免除されるにはすごい条件がいろいろあって、その旨提出しないとならない。
低学年で役員をやったほうが楽だからか、1年生は争奪戦で、私はPTA役員にはならなかったのだが、来年以降が怖いわ。
役員の中から部長とかを決めるわけだけれど、それもじゃんけんみたいな話で…。やりたい人がいれば別なんでしょうが、このようなドキュメンタリーみたいなのを読んじゃうとますます二の足踏んじゃうよね。(でも、某事件を見ると、立候補する人が問題ある人の場合もあるから、怖いよね)
すでにお子さんは高校生になられて時効な面もあるのだろうけれど、やはり名称とかいろいろ変えてどのあたりの学校かとかわからないようにはなっているけれど、この人と同じ地域に住んでいる人にはどこの学校のことなのかとかわかるよね。
なんだかこの先が恐ろしくなった…。
2017年06月16日(金) |
ツバキ文具店〜鎌倉代書屋物語〜 |
小川糸原作の「ツバキ文具店」をドラマ化したもの。
最初に本を読んでいたので、ストーリーも大体把握していたものの、忘れていたところも結構あったり。
原作の雰囲気に近い感じで、とても素晴らしく映像化されていたのではないかと思った。
特に原作では雰囲気でしか味わえなかった代書をするシーン。様々な文具を使っているのが映像化されていて「なるほど〜、こんな感じなのだな」というのがよくわかってよかった。
NHKのドラマは本当にいいものが多くて、他のドラマと違って、始まる時期とか終わる時期もちょっとずれていたりして、見たいものが多いのだけれど、あまりたくさんドラマを見ても、いつも1〜2週遅れになってしまい(ひどいと3週遅れとか)、なかなかすべてを見られないのが残念である。
2017年06月11日(日) |
クラウドガール 金原ひとみ |
金原ひとみ 朝日新聞出版 2017
STORY: 浮気性の晴臣と同棲同然のような暮らしをする妹・杏。堅実に自分の将来を見つめる姉・理有。理有が留学先から帰って来ると、杏はまだハチャメチャな暮らしをしていて…。
感想: 母を亡くし、離婚した父とは別れ、二人暮らしをした姉妹。妹・杏の面倒を姉・理有がみていたが、理有が留学したことから、杏は晴臣との生活を自堕落に送っていた。
しかし、晴臣は浮気性で、毎回浮気がばれると杏が暴力を奮い、晴臣が謝って、もう二度としないと誓う…の繰り返し。
理有は妹がそんな相手と別れられないことを信じられなく思う。妹を嫌いになりたくないけれど、段々理解不能になっていく感じが、よく描かれていたと思う。
母は作家で少し精神をやられていたが、その片鱗が妹にもあるのかな?とも思う。
精神を病んでいる感じの話って、何が本当で何がウソかがわからなくて、あんまり好きじゃないんだけど、このぐらいはまあ許容できる範囲かな。
2017年06月02日(金) |
翼がなくても 中山七里 |
中山七里 双葉社 2017
STORY: 将来を有望視されていた200m走者の沙良。幼なじみの泰輔の乗る車にはねられ、片足を切断。泰輔は何者かに殺害され疑われる沙良。高額の義足を購入し、パラリンピックの出場を目指すが…。
感想: ある日、突然、将来を台無しにされてしまった沙良。自暴自棄になるものの、パラリンピックに出場することを考え出し、持ち前のバイタリティで競技用の義足を作り、競技大会に出場するのだが…。
パラリンピックの選手として出場できるというだけで、ものすごいのだというのを知ることができた。お金は自前だし、義足により性能がかなり変わるようで、その義足がものすごく高額。
その上、練習なんかも経験者がほとんどいないから自分で考えて自分でやらなくてはならないし。
もともと走ることに自信があった沙良だけれど、実際に競技大会に出てみれば、スポンサーが付き、上を目指すほかの選手がいて、圧倒されてしまう。
どんな世界も上には上がいるものだなー。
そして、泰輔の不可解な死。沙良が疑われるが義足に慣れていない状態の沙良が殺人を犯すのは難しい。
しかし、その後、沙良の金めぐりがよくなり、高額の義足をキャッシュで買うことができたりしている。警察がその真相を捜査するが…。
サスペンスとしては、結末はそんな感じかなというのはわかってしまった感じだけれど、義足のアスリートについて、どんな世界なのかを知ることができ、沙良がどのようになっていくのかを知りたくて面白く読めた。
サスペンス要素は絡んでも絡まなくてもどっちでもよかったような気はするけど…。
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