感想メモ

2015年11月12日(木) 幸せの条件  誉田哲也


誉田哲也 中公文庫 2015

STORY:
会社の事務員としてのらりくらりと働く梢恵は、社長の命により長野でバイオエタノール用のコメを作ってくれる農家を探してくるように言われ…。

感想:
 仕事にも生きがいを見いだせず、さらに彼氏にも見放され、どん底の気分のまま長野へ営業に行った梢恵。

 ひょんなことから、農業を一から知るために農業法人「あぐもぐ」で働くことになる。

 最初は乗り気ではなかったが、農作業を手伝ううちに、仲間たちとも打ち解け、仕事の楽しさに気づき出す。

 そこに起こったのが東日本大震災。

 被災地のためにも、食料を作り出すという仕事が重要になると確信し、長野で本腰を入れることにした梢恵。

 社長は梢恵の変わりっぷりに驚き、自分が梢恵が面白いと思うような仕事を与えられなかったと頭を下げる。

 人が幸せと感じるのは、他の人からの働きかけではなくて、自分自身がどう思うかということなんだろうね。

 ただまあ、農業なので、梢恵ははまったけれど、どうしてもはまれない人もいるだろう。

 後継ぎとして期待されていた地元の若者が、あとを継ぐ気が全くない様子なども描かれている。

 今後梢恵がどんなふうになるかが気になるところだ。農業は天候などに左右される。今回の作品では、たとえば台風で大打撃をうけるだとかそういう苦しいシーンはなかったので…。


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