2015年02月25日(水) |
未来へ…… 新井素子 |
新井素子 角川春樹事務所 2014
STORY: 双子の姉・香苗を事故で亡くした母親・若葉。妹・菜苗の成人式の日に姉の仏壇を出してほしいと頼まれてから、あの事故を起こした年の夢を毎日見るようになり…。
感想: 久しぶりに新井素子の作品を読んだような。(気がするだけで、実はそうでもない?)
かつて保育園の遠足でバス事故が起こり、双子の姉・香苗は死んでしまった。
妹の菜苗のためにもと夫と仏壇を片づけ、姉の存在はひた隠しにしてきたはずなのに、成人の日に突然菜苗から姉の仏壇を出してほしいと言われる。
そして、その日から、若葉は事故を起こした年の夢を毎日見るようになり、それがあまりにもリアルすぎ、もしかしたら、過去の香苗を助けられるのではないか?という思いにがんじがらめになってしまう。
過去の自分と意思を通じさせるために、飲めない酒を飲んだり…。
悩み憔悴していく若葉に気づいた菜苗は、母をどうにかして助けようとして…。
どこへどう転がっていくのかわからない面白さがあった。
そして、この作品、夫=父が出てこないわけではないのだけれど、一緒の部屋に寝ていて一緒に暮らしていても、夫=父は妻=母の異変に薄々は気づきながらも何もしないというね、なんか日本の昔ながらの夫=父像がすごいなーと。
こういうのって、今も昔もなのかなー? 少なくとも自分のうちならこうはならないような気も…。
とにかく新井素子の不思議ワールドを堪能させていただきました。
見てからずいぶん経ってしまった…。
まず同時上映の「愛犬のごちそう」がすごく良くてひき込まれた。最近涙もろいので、なんかちょっとうるっときた…。
そして、「ベイマックス」は思ったのと全然違って、かなり面白かった。
結構アクション映画だったのね…。
そして、ベイマックスのキャラがいい。
思わず抱きしめたくなるようなあのフォルム。
なんか「スパイダーマン」とか「スーパーマン」とかいろんなヒーローものが混じったようなそんな感じだったけど、飽きずに最後まで見ることができた。
息子も面白かったみたい。
声優もあとから気づくと結構豪華で(見たのは吹き替え版)、お兄さん役を小泉孝太郎、おばさん役を菅野美穂が演じておりびっくりした。
特に小泉孝太郎の声は優しくてお兄さんにぴったりだった。
予告編を見てから、見たいと思っていた「マエストロ!」を見てきた。
さそうあきら原作、佐渡裕監修ってことで、音楽ファンにはそれだけでも楽しめそう。
笑いあり、ちょっとしんみりほろっとくるシーンありで、飽きずに最後まで見られた。
あまね役のmiwaの子供時代を演じた子がうまかったなー。泣けた。
指揮者の西田敏行、コンマスの松坂桃李もうまかった。
そして、オケの個性的な面々の方々も、みんなツボにはまっていた。
クラシック好きな人ならきっと楽しめること間違いなしの映画。
2015年02月03日(火) |
グリーン・グリーン あさのあつこ |
あさのあつこ 徳間書店 2014
STORY: 大学を卒業し、田舎の農林高校の国語教師として赴任することになった翠川真緑(みどりかわみどり)はその名から生徒にグリーン・グリーンというあだ名をつけられ…。
感想: 失恋の痛手を立ち直らせてくれたのは兎鍋村のお米だった。その美味しさにひかれ、農林高校の教師となることを決意した真緑。
彼女が受け持つことになったのは1年2組園芸・栽培科の25名の男女。個性的な生徒たちに先生たち。雑用に追われつつも教師として次第に成長していく姿を描いている。
真緑はなぜか畜産科の豚とちょっと哲学めいた話をしてしまったり…。
生徒と年が近いせいか、生徒たちの心情や成長がよくわかるみたいなのもよかった。
農業や園芸の未来の姿は後継者不足などで危機を迎えているような気もするが、この中に出てきた朝日山先生の言うように頭を使えば何でもないようなものから新たな道が拓けるのかもしれないと、目からウロコって感じの面も。
爽やかな感じで、安心して読める作品で、面白かった。
続編もできそうな感じの終わり方。まあ、ないとは思うけれど、あったら読みたいかも。
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