感想メモ

2014年10月31日(金) 消滅 VANISHING POINT  恩田陸

恩田陸 読売新聞 2014

STORY:
巨大台風が迫る成田空港の入管にて、足止めを食らった人々。嵐の中、通信障害も起こって携帯も通じない。面識もない彼らの中に、テロリストが一人いて、何かを消滅させるらしい。果たしてこの中にテロリストはいるのか?

感想:
 読売新聞の朝刊連載小説。

 登場人物が結構多いのだけれど、やはり朝刊小説なので、前を読み返すことができず、結構細かいことを忘れてしまう。この人、どんな人だっけ…みたいな…。

 入管で足止めを食った彼らが出会ったのは、人造ロボットのキャサリン。本物の人間とほぼ見分けがつかない彼女を見て、それぞれにみんな違った感想を持ったり。

 段々仲間意識が出てくるのか、この中にテロリストがいるとは思えなくなってくる面々。

 果たして本当にテロリストがいるのか?

 とりあえず最後まで飽きずに読むことができたけれど、まあまあだったかなぁ。

 最後、ちょっと面白くなってきたかなーと思ったら、あっけなく終わった感じ。

 キャサリンの秘密を知ったからには入管から出られないとか、そんなことなのかと思った…。

 落ちがそんなことだったんだー…みたいな…。



2014年10月19日(日) はなちゃんのみそ汁


 24時間テレビのドラマを録画したものの、見る時間がなく、またまたこんな時期に…。

 千恵(尾野真千子)は新聞社に勤める信吾(大倉忠義)と出会い、恋に落ちるが、若くして乳がんを宣告される。

 千恵は信吾と別れようと思うが、信吾は千恵を支える覚悟でプロポーズする。

 何とか治療を終え、結婚した二人。幸せな生活を送る中で、お腹の中に赤ちゃんがいることがわかる。

 しかし、乳がんは妊娠・出産で再発しやすいため、二人はどうしようか迷う。

 その上で、死ぬ気で産むことを決めた千恵ははな(芦田愛菜)を出産。

 産後、乳がんが再発し、治療と育児で大変なことになる。

 そんなとき、がんを克服した人と出会い、食事を変えて体が変わったことを聞き、二人はその食事療法をすることに。

 それは玄米を食べて、だしをきちんととった根菜入りの味噌汁を飲み、納豆や漬物などの発酵食を取るといった方法だった。

 食事を変えて、みるみる元気になった千恵。

 自分の命が長くはないかもと思ったのか、娘のはなに家事や料理を仕込んでいく…。

 食事でがんが治るというのはよく聞くのであるが、結局最終的には食事に気をつけていてもがんが再発して、亡くなっていくこともあるんだなーと。

 やっぱり一度治ってもダメというのは、それが寿命だったのかな…とか思ってしまった。

 抗がん剤治療って壮絶で大変そうで、自分ががんになったらやりたくないなーとまたしても思ってしまった。

 残された二人には強く生きていってもらいたい。



2014年10月10日(金) おやじの背中

 10人の脚本家が「おやじの背中」をテーマに自由に作品を作って、結構豪華な俳優陣でドラマ化した作品。

 続き物じゃなかったのもあってか、視聴率、いまいちだったのかな?

 脚本家によって、好みもわかれるところだったかも?

 私がいいと思ったのは、「圭さんと瞳子さん(岡田惠和脚本、田村正和、松たか子ほか)」「なごり雪(倉本聰脚本、西田敏行、由紀さおり、小林稔侍ほか)」「ドブコ(木皿泉脚本、堀北真希、遠藤憲一、薬師丸ひろ子ほか)」「よろしくな。息子(山田太一脚本、渡辺謙、東出昌大、余貴美子ほか)」かな。

 逆にちょっとこれは…と思ったのは「ウエディング・マッチ(坂元裕二脚本、役所広司、満島ひかりほか)」「母の秘密(鎌田敏夫脚本、渡瀬恒彦、中村勘九郎、ともさかりえほか)」「父の再婚、娘の離婚。(橋部敦子脚本、尾野真千子、國村隼ほか)

 「圭さんと瞳子さん」は瞳子さんがよい人と出会って変わっていく過程が丁寧に描かれていてよかった。

 「なごり雪」はちょっとコメディタッチなのが面白かったし、「ドブコ」も同様。

 「よろしくな。息子」も俳優陣が良かった。万引き犯役の柴田理恵もなんか面白かった。

 「駄菓子(池端俊策脚本、大泉洋、高橋克実ほか)」は最後の展開がこうなるかなーとは思ったけど…って感じかな。

 「父さん、母になる!?(井上由美子脚本、内野聖陽、神気隆之介、夏川結衣ほか)」は、内野聖陽と神気隆之介がちょっと親子には見えないというか、お父さんの方がごっつすぎというか…。

 「北別府さん、どうぞ(三谷幸喜脚本、小林隆、小日向文世ほか)」は三谷幸喜の強引な感じがあんまりなんだけど、最後のシーンで、ちょっと感動するようなやり方が微妙…。

 色々なドラマが見られていいっちゃいいのかもしれないけど、CMも入って、なので、賞味時間短いから、あんまり深くは描けないのもいまいちだったのかな〜。



2014年10月03日(金) 神秘  白石一文


白石一文  毎日新聞社 2014

STORY:
突然、末期のすい臓がんで余命1年と宣告された出版社役員の菊池。かつて電話で話しただけの病を治したり胸を大きくしたり小さくしたりできるという女性を探すために神戸に行くが…。

感想:
 すっごく不思議でみんながつながっているという壮大な話。多分1回読むだけじゃなく、何度か読むとさらに味わい深く読めそう。

 すい臓がんを患った菊池は、医師の治療をせず、今までの生き方とは違う生き方をしてがんを克服しようとする。

 その手始めが、会社の仕事を放棄して、神戸に移り住むこと。そして、神戸に住んでいたであろう女性を探すこと。

 偶然は必然である…というような考えにのっとって、自分が出会う人々、そして、起こる出来事に意味を見出そうとしたとき、そのすべてがつながっていたことに気付くという、何とも不思議な話。

 こんなこともあるんだろうなー、がんになったら生活をこういう風に変えてみるのも手なのかなーとかも思ったけど、この主人公はお金もあるし、やりたいことが結構できる身分だからなのかもしれない…とちょっとひねくれた考えもちらっと…。



2014年10月01日(水) 花子とアン


 NHKの朝ドラ。終わってからだいぶ経ってしまった。

 このところ、朝ドラははずれがない感じで、この「花子とアン」も視聴率も高かったし、評判もよいまま終わった。

 「赤毛のアン」を翻訳した村岡花子さんが「赤毛のアン」を出版するまでを描いているけれど、実のところはフィクションの部分も結構多くて、どこからが本当でどこからが創作なのかなーと興味深く見た。

 もともと子供時代、「赤毛のアン」は大好きな話で、小説も読んだけれど、アニメも美しい映像で大好きで、プリンスエドワード島、行ってみたいなーとか思っていたこともあったから、村岡花子さんの一生はどんなだったのか興味があり、面白く見ることができた。

 戦時中は翻訳すること自体、敵国語ということで、肩身が狭かったんだなーと、やりきれない思いになったり…。

 また息子さんを亡くす場面では、ちょうど今、自分の息子が同じぐらいの年齢のため、こうして健康で生活できているということに感謝しなくてはなーと思ったりもした。

 花子(吉高由里子)と蓮子(仲間由紀恵)との友情は、ヒビが入ったり、また元に戻ったりの連続で。それと、寄宿舎で一緒だった醍醐さん(高梨臨)とは一生涯の友情を築いていて、なんと義理の姉になってしまったり…。(どっちかというと、親友は醍醐なんじゃないのかなーとも思ったり…)

 関東大震災、第二次世界大戦といった激動の時代を乗り越えて、自分の夢を追い続けた村岡花子。大変だったけれど、きっと良い人生だったのだろうなーと思った。

 その他思ったこと。

 関東大震災で妹・かよ(黒木華)のプロポーズのあとで、相手が死んでしまったのはひどすぎる展開だと思った。

 妹・もも(土屋太鳳)の再婚相手が結核になったけれど、戦前だったのに助かることもあるのかと意外だった。

 兄・吉太郎(賀来賢人)は醍醐さんと一緒になれてよかったね。憲兵の制服姿がなんか凛々しかった。

 花子の夫・英治(鈴木亮平)がいい人過ぎたー。でも、不倫なんだよね、実は…。こんな夫がいたら、年とってもほのぼのお茶飲んだりしてそう…。

 梶原編集長(藤本隆宏)と富山先生(ともさかりえ)が一緒になってよかった。

 朝市(窪田正孝)が煮え切らなかったけど、別の人と結婚してよかったね。その母・リン役の松本明子もいい味出してた。

 徳丸さん(カンニング竹山)のサポートぶりがよかったね。この人、NHKに結構出てるね。
 
 花子の母・ふじ(室井滋)の話し方を聞いてると、田舎の山梨の祖母のことを何か思い出したなー。方言はちょっと違うみたいなんだけどね。父・吉平(伊原剛志)の死に方が良かったね。おじいやん(石橋蓮司)もいい味出してたなー。

 蓮子の夫となった嘉納伝助(吉田鋼太郎)もよかったね。関東大震災の後、花子に援助した話は多分作り話だとは思うけれど、人柄をすごく表していた。

 そして、蓮子と駆け落ちした龍一(中島歩)もそんな人いそう…って感じだったね。

 次の作品「マッサン」ももう始まってるけど、こちらも同じく大正〜昭和に向かって激動の人生を歩んだ実在の人物がモデルの話なので、面白そうだよね。

 大正〜昭和って、近代なのに、そこまでよく知っているわけじゃなくて、ドラマを見るたびに、こんなことがあったんだ、こんな風な時代なんだって思うことができて、すごく興味深い。


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