産後初めて映画館で映画を見ることができた…。
「レスラー」を撮った監督の映画ということで、夫も絶賛していたので、期待して見に行った。
以下ネタバレあり。
バレエのシーンがとてもきれいで、久しぶりにクラシック・バレエの世界を感じることができた作品だった。
また主役を得たニナ(ナタリー・ポートマン)が段々追い詰められて精神をやられていく様がとてもよく描かれていた。
どっちかというと、ホラーだった…。かなり怖い…。
何が本当でどこからがニナの妄想なのか…よくわからないところがさらに怖かったり…。
ただ…賛否分かれるのかもしれないが…私は結末にどうにも納得がいかなかった…。
「レスラー」で男が最後に身を投じるのは理解できるのだけれど、バレエ・ダンサーがどうしてこういう結末を迎えないとならないのかなーと…。
主役を演じることで情緒不安定になって、狂気と隣り合わせになるのはいいとして、本番であんな風になってしまうなんて…。これを乗り越えて、克服してこそ…なんじゃないかなーと思ってしまって。
何だかそこだけがとても残念な気がしてしまってならなかった。「ここで終わり? この先は?」ってつい思ってしまったし…。
でも、怖いけれど、よい映画だったとは思った。
林真理子 毎日新聞社 2010
STORY: 息子の翔は高校中退。その上、20歳なのに結婚したいと言い出す。娘の可奈は日々玉の輿に乗ろうと躍起になっている。夫は早稲田卒、自分も国立大学卒で一般的な家庭だと思っていたのにどこで何を間違えてしまったのだろう…。
感想: 格差社会という言葉が使われるようになり、ワーキングプアと言われる人がいたり…。それはなんとなくがんばってもどうしようもできない社会構造であり、社会が悪いというような意味合いを感じていた。
でも、ここに出てくる翔は自ら努力することを放棄し、楽な生き方へ流されていく。がんばることがプレッシャーなのだという。
翔の彼女の珠緒は、翔の母・由美子の失礼な言葉に医者になると言い張って、努力を始めるが、そんな努力を始める珠緒と翔はだんだん離れて行って…。
私はこの本の登場人物の誰に感情移入できるのだろうか…。一番わかるのはやっぱり由美子なのかな…。
自分も子育て中だけれど、自分が一生懸命育てたのに、自分の子供が翔のように何にも興味を持たず、一生懸命やることが嫌で、夢中になることもなく、お金がほしいわけでもなく、ただのんべんだらりと生きているだけでいいというような風になってしまったら…。
これは育て方の問題なのか、本人の気質の問題なのか、時代の流れなのか…。
祖母の「まだ二十歳だけど、死んでるのね」という言葉が本当にぴったりで…。
いや、でも、こういう人が増えてるんだろうな…。ちょっと恐ろしい。
可奈は可奈で、金持ちと結婚して優雅なマダムになる生活を選ぶが…。これまた落とし穴が…。
何かに一生懸命になりすぎても、全く何にも興味が持てなくても、極端なのはいけないのかもね…。
いろんな価値観、いろんな人物が出てきて、面白い話ではあったけど、自分の家庭がこんな風になったら…ってつい思ってしまって、ちょっと怖くなった。
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