感想メモ

2011年06月29日(水) ツリーハウス  角田光代


角田光代 文藝春秋 2010

STORY:
祖父の突然の死により、祖父母が旧満州に渡って知り合い、日本に引き揚げてきたことなどを知る良嗣。彼は祖母とおじとともに長春へと向かい、家族の歴史を知ることになる…。

感想:
 戦前・戦中・戦後…そして、平成…。めまぐるしく変わった激動の時代を生き抜いた祖父母。そして、戦後高度成長期に青春時代を過ごした父母…自分は家族のことを何も知らなかったと気付く良嗣。

 彼は祖母とともに旧満州に渡り、家族の歴史を知ることになる。

 言われてみれば、自分も祖父母のことはあまりよく知らないし、聞くことも何だかできないままだった…。

 祖父母の世代は本当に歴史に翻弄された人も多いのだろうなと、今更ながら思う。もしまだ祖父母が生きている人は聞くなら今なのかもしれない…。

 なかなか考えさせられる面白い小説だった。



2011年06月06日(月) マドンナ・ヴェルデ  海堂尊


海堂尊 新潮社 2010

STORY:
産婦人科医の娘・理恵に代理母になることを頼まれた55歳のみどり。娘が子供を産めない体であることを知ったみどりは娘のために代理母になることを決意するが、娘は勝手に離婚をしてしまい…。

感想:
 ドラマ「マドンナ・ヴェルデ」の原作ということで、読んでみた。海堂尊…。噂には聞いていたけれど、読んでみたことはなかった。医療系の小説を書いている。どうやら実際に医者だったらしい…。

 ということで、たぶん医療現場のこととかは緻密に描けているのかも?

 この小説は「ジーン・ワルツ」の姉妹編だったみたいで、「ジーン・ワルツ」は娘・理恵が主人公。こちらはその母・みどりの視点で描かれるので、両方読んでみるといいらしい。「ジーン・ワルツ」のほうが先なのかな?

 小説を読んで思ったのは、ドラマを先に見たのもあるんだけれど、ドラマのほうが一般受けするように設定とかも変えられていて、小説よりもよかったなーということである。

 以下、その理由を適当に書いていこうと思うが、ネタバレあり…。









 まずこれはドラマでも思ったのだが、55歳にして妊婦になるということの大変さがあまり描かれていない。もちろん閉経後の妊娠になるので、ホルモン薬を使って生理を再び起こして…というような描写はあるんだけれど…。

 一度で妊娠してしまうのも、もちろんそれがなくては小説が始まらないので仕方ないとは思うけど、どうなのかなとも思ったし、妊娠経過が順調すぎるのも…。(逆に同じクリニックに通う別の妊婦たちが若くても障害のある子供を授かったり、流産をしてしまったり…とトラブル続きだったりしたが…)

 小説では双子を授かるが、その際、受精卵を3つ体内に戻し、そのうち1つはなんと理恵の不倫相手の精子と理恵の受精卵であるというのもちょっとなぁ…という感じだし、同じクリニックの不妊に悩む女性の子宮にその精子との受精卵も混ぜていたり…理恵がと飛んでもないことをしていたりするのも気になった。

 双子の妊娠はただでさえリスクが高いのに、55歳という年齢で普通に生活できているところがリアリティに欠けているような…。結構途中から入院して安静にしなくてはならない人が多いみたいだし…。

 と、色々と思ったりした。ドラマのほうが好きだったかもなーと原作を読みながら思った。



2011年06月04日(土) マドンナ・ヴェルデ 〜娘のために産むこと〜

マドンナ・ヴェルデ ~娘のために産むこと~
 代理母の問題を取り扱ったドラマ。原作は海堂尊の「マドンナ・ヴェルデ」と「ジーン・ワルツ」の2つらしい。

 ドラマを見て興味を持ち、原作も読むことにした。まだ読んでいる途中だけれど、原作の「マドンナ・ヴェルデ」はドラマよりももっと意地悪な感じというか、ドラマのほうがすっきりいい感じに仕上がっているのかも…と思ったり…。

 母・みどり(松坂慶子)は産婦人科医の娘・理恵(国仲涼子)に自分の代理母になるよう頼まれる。55歳で妊婦になるのはリスクが伴うし、また代理母はまだ日本では認められていないということを知り、最初は戸惑うみどりだったが、娘が子宮がんで子供を産めない体になったということを聞かされ、娘のために子供を産むことを決意する。

 しかし、理恵はかなり勝手で、みどりには内緒で事をどんどん進めてしまったり、みどりの気持ちを無視した行動が多くなり、みどりは段々娘に不信感を抱くようになる…。

 松坂慶子は非常に優しいお母さんという感じの役を好演している。段々理恵に不信を抱いていく様子や、妊婦として日々を過ごすことになる感じもなかなか良かったと思う。

 国仲涼子も冷たい女医の無感情な感じの演技がすごくよく合っていたかな…。

 そして、よい味を出していたのは、夫の伸一郎役の片桐仁、三枝茉莉亜役の藤村志保と丸山役の長塚京三。藤村志保は役作りなのかちょっと痩せすぎになっていて、心配になったけれど…。

 それにしても…私が松坂慶子の立場なら、すぐに娘のために子供を産むことを決意できるかなー。それも結構冷たい娘だったりするし…。

 エンディングの主題歌がとても美しい。そして、映像もなんか美しくて良かった。

 見てよかったと思えるドラマだった。


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