荒木源 小学館文庫 2010
STORY: 高校の数学教師・中島はたまたまアマオケのコンサートを聴いて、ずっと弾いていなかったバイオリンを取り出す。しかし、連絡を取って入団することになったのは、老人ばかりの全く別のアマオケで…。
感想: 自分もバイオリンを習っていたので、オーケストラ、いいなぁ…、またバイオリンをやりたいなぁ…と思ってしまった。
でも、子供の相手をしながら読んでいたのも悪かったのか、ちょっとわかりにくいところもあった。
それと、ロシアのスパイの描写はなくてもいいような気がしてしまった…。
2011年02月17日(木) |
ドラマチックチルドレン 乃南アサ |
乃南アサ 新潮文庫 1999
最初、創作なのかと思っていたら、実話をもとにした話だった。
富山市郊外にある「ピースフルハウス・はぐれ雲」。川又夫妻が主宰する不登校や引きこもり、非行などの子供〜青年までが共同生活する施設だ。ここで生活する子供たちやそれを取り巻く大人たちの様子を描く。
この本が書かれたのは今から10年以上前のこと。今もこの施設があるのかと調べたら、あった。こうした施設を運営していくのは並大抵じゃないだろうな…と思った。そして、これからもがんばってほしいなとも思った。
子供たちはここに来て、立ち直る場合もあるし、そうでない場合もある。自分に合う場所かどうかが重要なのかも。
自分も子育てを始めたばかりだけれど、この先、子供がどう成長していくのかわからない。ちょっとした躓きで不登校や引きこもりなどになってしまうかもしれない…。その時に対処していけるかな…とかいろいろなことを考えてしまった。
2011年02月14日(月) |
四十九日のレシピ 伊吹有喜 |
伊吹有喜 ポプラ社 2010
STORY: 育ての母である乙美の死。夫の浮気と相手の妊娠が発覚。失意のどん底で離婚を決意し、実家に戻って来た百合子。妻の死後、何もする気になれずにいた父のもとには、乙美に四十九日の大宴会をするように頼まれたという井本がやって来ていて。
感想: とても読みやすい文章で、あっという間に読めた。改行が多いからかな…。会話が多いからかな…。
父と娘がどん底にいる中、周りの支えで生きる希望を取り戻していくというお話は、私の好きなタイプの物語なので、面白かった。
でも、最後がちょっとひねりが効いていて、ただのお話の中に、不思議要素が入っていて、本当はどうだったんだろうな?と少し考えさせられる。
乙美のために年表を作ろうとするのだが、実際、自分の親の人生とかってよくあからず、白い部分が多くなってしまいそうだ。自分の人生ですら、数年前のことでさえ、結構忘れちゃうものだから…。
乙美の残した家事や料理などのレシピ本、実際どんななのか見てみたいかも。
ちょうどいいタイミングでテレビドラマ化されたみたい。ドラマも見ちゃおう。
2011年02月06日(日) |
日本人の知らない日本語2 蛇蔵&海野凪子 |
蛇蔵&海野凪子 メディアファクトリー 2010
前に面白かった「日本人の知らない日本語」の続編。
今回も面白かったけれど、1よりパワーダウンしてるかな。
感想を書く暇がなく、見てからだいぶあいてしまった。
第1部から1年…。きっと内容を忘れているだろうと思ったが、そうでもなかった。それほど第1部の印象が強かったのだろう。
第2部は、日露戦争に向かっていく日本の様子などが描かれていたのだが、私はどうもそっちよりも人間ドラマのほうにばかり目が行ってしまった。
特に正岡子規(香川照之)の死と、広瀬武夫(藤本隆宏)の恋愛と死である。
正岡子規は痛みに苦しみながら、最後まで創作を続ける姿が壮絶だった。その世話をした妹の律(菅野美穂)も苦しかっただろう。兄が死んだとき、喪失感と安堵感がどっと沸き起こったに違いない。その後、女学校で勉強に励む律。兄の親友の真之(本木雅弘)のことが多分好きであっただろうけど、その妻となる季子(石原さとみ)と仲良くしちゃってるのが気の毒というか、お人好しというか…。
広瀬武夫はアリアズナとの恋愛が何とも悲しい。ロシアでの様々なエピソードがよかった。意外だったのは、滝廉太郎の「荒城の月」などがロシアで演奏されていたこと…。そして、ロシア人の中には日本人にそんなものが作曲できるわけないと、滝廉太郎のことを認めない人もいたらしい…。ちょっと無謀(?)みたいな作戦で、広瀬が死んでしまったのは悲しかった。恋を成就させてあげたかったな。アリアズナはこの後どうなったのだろう。気になる。
第2部は秋山兄弟はあんまり活躍しなかったような…。
第3部はまた12月に…。にしても、さすがNHK? ロケがすごかった…。
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