2009年10月27日(火) |
筆談ホステス 斉藤里恵 |
斉藤里恵 光文社 2009
銀座でホステスをしている聴覚障害者・斉藤里恵の自伝的エッセイ。
TVで取り上げられていて興味を持ち、読んでみた。
が、あまり私の琴線には触れなかったような…。
確かに聴覚障害を持ちながらの接客業、それも銀座でのホステス(最初は地元のホステスから始めた…)なんて、すごいとは思うけど…。
もっと筆談でやり取りしたお客様とのほのぼの(?)エピソードとかが多いのかと思ったら、そうでもなかった。そっちを多く取り上げてもらった方が、筆談でどのように売上を上げるホステスとしてがんばっているのかがわかりやすかったような気もした。
2009年10月21日(水) |
僕たちの戦争 荻原浩 |
荻原浩 双葉社 (2004)2006
STORY: 21世紀を生きるフリーターの健太と昭和19年に生きる軍国青年の吾一が時空を超えて入れ替わってしまう。それぞれの時代に戸惑う二人だったが…。
感想: 前にドラマ化もされていた覚えがある。読みたいと思って借りて読めなかったりというのがあって、ようやく読むことができる。
やはり面白かった。時代のギャップとかもそう…。
私たちは一応歴史を知っている。だから、私たちが戦争中に行くのはまだいいのかな…とも思った。逆に戦中を生きている青年が未来に来る方がわけがわからなくて順応するのが難しかったりして…。(敗戦という事実も受け入れ難いだろうし…)
吾一は自分の墓を発見し、自分が昭和20年に死んだことを知る。そして、自分が入れ替わってしまった男が昭和19年に飛んでいってしまったとわかる。
逆に健太はそういうことは一切わからない。特攻隊として、魚雷兵器・回天を操るところへ飛ばされる。飛行機以外にもこんな兵器があったのかと驚く健太。
同じ部署には未来の恋人・ミナミの祖父や健太の祖父も…。そして、健太は決死の決断をすることに…。
最後の終わり方が何とも言えなかった。これはこういうことなのか?と推測するしかないなんて…。もう少し先まで書いてほしかったなぁ…。
2009年10月13日(火) |
終の住処 磯崎憲一郎 |
磯崎憲一郎 新潮社 2009
STORY: 30代に入り、何となく結婚してしまった夫婦。夫は仕事に忙しく、おまけに浮気を。子供もいるのにどうしても浮気癖が治らない。そのうち妻は夫と口をきかなくなり…。
感想: う〜〜ん…。これ、かなり微妙…。
芥川賞を受賞した作品。やっぱり私、芥川賞の小説はイマイチ受け付けないみたいな感じ…。
夫婦2人の結婚から子供が自立するまでを淡々と描いているんだけど、もう結婚するところから、この2人の気持ちがよくわからなかった…。不満を持ちながら結婚生活を続けたり、夫が浮気を繰り返したり…。
よくこれで離婚しないなぁ…と、正直全く感情移入もできず…。
終わり方もかなり唐突で…。
この作品、とても短い短編。それなのに、余白をたくさん取って1冊の本にまとめている。同時収録の「ペナント」という作品も入っているのだけれど、これ以上読むのがキツそうだったので、こちらは読まず…。
篠田節子 日本経済新聞社 2009
STORY: ひょんなことから地方に埋もれていた郷土画家・宮嶋哲郎のことを知った橘は、宮嶋の画集を出そうと奔走する。著作権を持つ画家の妻は、生涯夫に献身的であったが…。
感想: 画家である夫を献身的に支え続けた妻…と言えば、美談を想像するもの。最初、橘もそのように思った。宮嶋の一生を知るにつれ、画集を出したい気持ちが募っていくが、著作権者であるプライドの高い妻に拒絶されてしまう。
何とか妻の機嫌を取り、画集を出そうとする橘は、宮嶋の絵を一地域で支えていた頒布会や市の人たちとともに、宮嶋の絵に深くかかわっていくことに…。
そこで明らかになっていく、妻の献身という美談とは正反対の事実…。
妻が夫のすべてを把握していると思ったとき…確かに夫は息苦しさを感じて逃げ出すのかも…。
妻も夫もそれなりに自分の世界を持ち、お互いにそれに対してあまり干渉しない…。そういうのが夫婦円満の秘訣なのかな…とも思わせるような話だった。
なんとなく連ドラかと思っていたら、単発ドラマだった。(続編あるのかな?)
「泣かせのゴン」という異名を持つ報道記者の権俵よし子(篠原涼子)は、2児の母。夫が家のことはすべてやってくれていたのだが、愛人ができ逃げられ、離婚。残された2人の子を一人で育てることに…。子供たちは母が仕事で忙しすぎてあまりかまってもらえなかったため、よし子になついてない感じ…。
職場でも離婚のことをなぜか言えず、一人で奮闘するよし子。時には子供との約束を守れないことも…。それでも、仕事を辞めるつもりはないよし子なのであった…。
よし子のもとに幼児誘拐事件の知らせが。結局この事件は母親(戸田菜穂)の狂言だったことがわかる。息子を連れ去ったのは離婚した元夫(安田顕)だった。誘拐犯にされた夫は、妻を困らせようと子供は妻に虐待されていたという話をするが、これまたでっち上げ…。
その真相を掴むべく、よし子や新米報道記者の泉(香里奈)、これで報道部を異動になる篠田(風吹ジュン)等が奔走する。
すっごい面白いというわけではなかったけど、まあ面白かったかな。子役の2人がかわいかったし…。
でも、時刻表を読んでと言われて、読み出すシーンはちょっとびっくりしたな…。鉄道好きなお子様はそんなのを喜ぶものなのかしら…。
篠原涼子が好きなので、母親のダメっぷりと、仕事のきりっとした感じとのメリハリが効いていてよかったかも。仕事をやる原動力が子供たちっていうのも、携帯の待ち受けを見ながら仕事したりすることでよく表されていたし…。
もしかしてこのシリーズでこれからもたまーにドラマ作ったりするのかな??
|