埼玉県川越市を舞台にしたNHKの朝ドラが終わった。
最初、あまりのぶっとび過ぎについていけないかも…と思ったのだが、そのあたりを通り過ぎると案外面白い?と思い出し、なんだかんだでノリに慣れると、最後までどうなるのか気になって、結構毎日楽しみになってきたから不思議…。
たぶんあまりのドタバタぶりに最初でついていけなくなった人も多いのだろうなぁ…。もう少し控え目な演出にして、しっかり最初に視聴者をつかんでおいて、そこからもう少しドタバタに持っていてもよかったのかもなぁ…と少し残念な気もする。(視聴率は低かったみたいだけど、たぶんコアなファンがいたはず…)
主人公のつばさ(多部未華子)は、老舗和菓子屋・甘玉堂の一人娘。母親の加乃子(高畑敦子)はつばさと知秋(富浦智嗣)が幼い頃に家を飛び出し、1年に1回、川越祭りの近くになると帰ってくることがあった。父(中村梅雀)は菓子職人で、祖母(吉行和子)がおかみを務めていた。
そんなとき、加乃子が再び甘玉堂に戻って来て、今度は一緒に住むことに。店は借金で立ち行かなくなっており、加乃子は店に機械を入れることを提案。しかし、見事に騙されてしまい、その借金もかさみ、蔵造り通りの店を売りに出すことに…。
つばさは借金の返済のために元・川越キネマの跡地でコミュニティ・ラジオをやろうとしている真瀬(宅間孝行)の手伝いをすることになって、ラジオの開局を手伝い、流れで、ラジオのパーソナリティーに。
ラジオを通し、人と人とを繋ぐということに夢を見出したつばさ。恋愛相手の翔太(小柳友)ともすったもんだ…。そうこうするうちに真瀬もつばさに恋を?? またラジオを聞いてつばさに一目惚れした浪岡(ROLLY)もいたりして…。
親に幼い頃に捨てられ、それからは自分が一家の主婦となるべく、おかんとしてがんばってきたつばさ…。悩み多きつばさがラジオでいろんな人間関係を修復していく…。
うーん。このやり方がどうかな?と思う回もあったりなんかしたけどね。あとはそこまで過剰にみんな反応しなくても…と思うようなエピソードとかも…。
翔太と真瀬…最後はどちらを選ぶのか…それが結構ポイントだったような気がするんだけど、翔太とあんな別れ方をしたのに、その後も付き合いがフツーに続く様子が、私の常識じゃ考えられないなーとちょっと思ったり。
まあ、真瀬もどうかと思ったけど、翔太も私にはあまりいい男とは見えず…。
最終回はこの先も続編ができてもおかしくないくらいの中途半端なところで終わったような気もするが、とりあえず今後のハッピーな展開を予想させるような終わり方で、まあまあだったのかなぁ…。私はちょっと翔太とのことは納得いかなかったけどね…。
2009年09月22日(火) |
森に眠る魚 角田光代 |
角田光代 双葉社 2008
STORY: 同じ幼稚園に通うことになった3人と産院で出会った1人、そして、その同じマンションに住む1人の5人が仲良くなるが、子供のお受験などをきっかけにぎくしゃくとし出し…。
感想: 色々なタイプの母と子がいる。それが、同じ幼稚園、同じ産院、たまたま同じマンションだった…などというだけで知り合い、価値観なども違うけれど、仲良くなる。
しかし、付き合ううちに何かが違うと感じ始め、それが次第にストレスとなり、何かがおかしくなっていく…。
誰にでも起こりうるような日常のことを描いた作品で、面白かった。
が、最後の方で、誰が誰なのかはっきりさせない描写が続き、その点がちょっと読みづらかった…かも。
子供を育てる、父親とうまくやる、ママ友と付き合う…どれもこれもうまくやりたいとは思ってもなかなか難しいことばかりなのかも。ちょっとママ友と付き合うのが怖くなりそうな1冊…。
任侠ヘルパー 最初は何となく草なぎくんが悪い役で出るみたいな感じを聞いていて、ちょっとした興味から見出した。つまらなかったらやめようと思ったら、結構はまって最後まで見てしまった。
やくざの幹部を決めるために、なぜか老人ホームでヘルパーとして働くことになった、やくざの面々…。正体がばれたり、誰かが逃げ出したら、連帯責任ということで誰も幹部にはなれない。最初はいやいやヘルパーの仕事をしていた面々だったが…。
老人ホームの経営とか、今の介護が抱えている問題を、毎週様々な事件が起きて、浮き彫りにしていく手法は、なかなか面白かった。特に老人役で出ているゲストの皆さんの演技が素晴らしく、毎週、興味深い内容だった。
これに絡んでくる大手介護チェーンを経営する羽鳥晶(夏川結衣)とその息子・涼太(加藤清史郎)…。晶は若年性アルツハイマーに侵されていて…。涼太役は最近大人気の子役の子。確かにかわいかったし、母が病気に侵されて自分を忘れていくのに、健気な演技で涙を誘う。
やくざ役では、翼彦一(草なぎ剛)の悪っぽい感じもうまかったが、四方木りこ(黒木メイサ)のキャラもなかなかよかったな。そして、最後に活躍した六車雅人(夕輝嘉太)がいい味出していたな。
そして、老人介護施設タイヨウの所長(大杉漣)やヘルパーの晴菜(仲里依紗)、和泉(山本裕典)もよかったかな。
でも…最後までなんで幹部を決めるのにヘルパーの仕事をしなくちゃならなかったのかがよくわからなかった。「ヘルパー=任侠の心」みたいなのは何となくはわかったが…。結局、この研修を通して、やくざをずっとやっていける心意気があるかどうか試したかったってことなのか…。最後にはやくざから足を洗う人が続出してしまったし…。
まあ、深いことは考えないということなのか。とりあえず介護現場の問題を浮き彫りにし、多くの人にそのことを見てもらえたということが、このドラマの功績なのかもしれない。
橋田壽賀子脚本で昔大ヒットしたドラマのリメイク。嫁姑の確執を描いた作品と聞いて、見てみた。
知子(瀬戸朝香)は夫・要(大倉孝二)と2人の子供の4人暮らし。貯金を切り詰め、念願のマイホームを手に入れて、毎日をエンジョイしようと思っていた…。しかし、そこに兄夫婦と暮らしていたはずの姑(泉ピン子)がやって来て、要が調子のいいことを言うものだから、同居することになってしまい…。
いやぁ…最初から、どんどん泥沼にはまっていき、毎週どうなるのかとついつい見てしまったけど、こんなのありえない!!の連続ではあった…。
例えば、夫の理解のなさ…。姑のためのお金を家計から出してくれなんて言うけど、お金には限りがあるわけで…。自分の給料の額を知っていて言ってるの?
そして、いきなり平手打ちが来たりしたら、私なら出ていくね…。
何より、言葉遣いが最初から最後までちょっと違和感あった…。でも、聞いたら、どうやらこの作品、前回やったときと台詞が全く同じなのだとか…。もう少し時代に即して変えた方がよかったんじゃないかなとも思ったけど、それくらい嫁姑問題って今も昔も変わらないってことなのか?
最初は要が嫌な奴だなーという感じだったけど、知子が働き出すと言い出したときから、知子の考え方にもちょっと?マークが…。小学生の子供が2人もいるのに、塾に行かせたいだとかそういう理由で、メンズクラブなんてところで深夜まで働くかな〜。その辺のパートとかに行くくらいのものかと思ったら…。
そのうち夫が自分の友達の時枝(三浦理恵子)と不倫…。
そこまでの間に要の顔を見るだけで気持ち悪い心境になっていたので、噂のベッドシーンは不気味だった…。よくこんな男と寝られるなー。
そして、それがばれたあとの時枝の言い訳がましい態度も「ええっ?」って感じ…。
とにかく最終回でなぜかハッピーエンドになっていたのだが、私が知子なら、だいぶ前から子供2人を連れて家を出るなーと思った。働いてそれだけお金があるなら、2人の子と3人で暮らすのに十分なのでは?(途中知子が夫よりも稼ぎがいいみたいな感じで夫をちょっと見下していたのもなんだかなーと思っていた)
最後には仕事もやめて家庭に落ち着くことになった知子。そして、夫とすぐに仲直りできるだなんて、ちょっと信じられない展開だ…。大体毎週、仕事を辞める辞めないで、殿村(大杉蓮)に超迷惑かけてると思うんだけど…。仕事には責任があるんだから、そんなにすぐに今日から辞めますってわけにはいかないと思うんだけど…。
やっぱり子供のいる女は家庭を守るべき、仕事なんてすると家庭内が不和になるというような人生観が垣間見えるような感じがして、いまどきのドラマとしてはちょっとどうなのかな?とも思った…。でも、なんだかんだで最後まで見てしまうから、続きは気になるんだけどね…。
なんとなーく見てしまったドラマ。
ひょんなことから突然病院の院内学級の教師となった石原(大泉洋)は、院内学級のなんたるかも知らずに空回りばかり。赤い鼻をつけて授業をし、子供たちの笑いを取ろうとするが、子供たちには全く受けず、同僚教師・太川(小林聡美)からも小児科医・七瀬(香椎由宇)からも最悪の教師というレッテルを貼られてしまう。
そんな状態だったが、一生懸命子供たちに接するうちに、次第に子供たちの心も和らいでいき、そんな石原を周りの人々も徐々に認め始める…。
とはいえ…、私は石原は中学教師ではなく、小学校教師の方がよかったのでは?と少し思ったりした。いまどき赤い鼻をつけただけで、中学生の笑いを取ることは無理では? またこんなバカらしい授業をするのは、どうなのかなー?と見ていて思ったり…。
正直、自分が病気でこの院内学級に通うとしたら、石原先生には習いたくないな…とかは思った。
けど、なんだかんだで毎回ほのぼのしたり、ちょっと感動したり…。主題歌もとっても合っていて、また来週も…という気になって最後まで見てしまった。
特に小林聡美がよかった。この先生がいたからこその石原先生なのかな。あと小児科医の香椎由宇や定食屋のマスター(尾美としのり)、気の弱い院長(上川隆也)もいい味出してた。
そして、子役時代から見ている神木隆之介、須賀健太がある程度の大人になって登場しており、結構楽しめた。
2009年09月09日(水) |
トワイライト 重松清 |
重松清 文春文庫 (2002)2005
STORY: 小学校が廃校になることになり、卒業記念のタイムカプセルを開けるために再会した仲間たち。皆それぞれに様々な事情を抱えていて…。
感想: 重松清はこれまで子供が主人公のものしか読んだことがなかったかも…。この話は子供ではなく、40歳近い大人たちが主人公。そして、この世代が背負う哀愁が満ち溢れて、結構辛い小説だなーと思った。
小学校時代は、ジャイアン、のび太などとあだ名で呼び合っていた子供たち。大人になって再開してもあだ名は出てくるけれど、当時の面影がない面々。
そして、同級生同士で結婚したジャイアンとしずかちゃんには、子供が2人。でも、ジャイアンとしずかちゃんはうまくいっておらず、離婚の危機を迎えている。取り繕って同窓会に参加したものの、最後にはそれがバレ、しずかちゃんは特に親しくもなかったはずの同級生ケチャの家へ…。
このしずかちゃん、小学校時代の初恋の相手がのび太だったわけだが、のび太には家庭がある。のび太もかつてしずかちゃんのことが好きだったのだが、あまりのしずかちゃんの変わりっぷりにびっくりし、翻弄される。
でもねー、この翻弄っぷり、どうなんでしょ? ちょっといただけない感じ。
ジャイアンの自暴自棄っぷりもすごかったけれど…。
かわいそうなのはいつの時代も子供たちなのかな…。
のび太はリストラされかかっており、それを妻に伝えられない。ケチャは独身をとおしており、昔は名の売れた予備校教師だったが、今ではどんどん落ちぶれており、お先真っ暗な感じ…。
でも、同級生と会って、色々ありながらも、みんなちょっとだけ前向きに人生を歩み出せたのかな?
最後には、再びタイムカプセルにそれぞれの品を入れて、埋めることに。10年後、またみんながそろって開けられるといいね…とちょっと思った。
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