2009年01月28日(水) |
ハリー・ポッターと死の秘宝(上)(下) J・K・ローリング |
J・K・ローリング 松岡佑子訳 静山社 (2007)2008
STORY: ダンブルドアに託された分霊箱探しに出ることを決意したハリー。ロンとハーマイオニーはハリーとともに行くために着々と準備をしていた。ビルとフラーの結婚式が執り行われる中、ついに魔法省が乗っ取られ…。
感想: いよいよ「ハリポタシリーズ」の最終巻…。実際には去年の夏頃発売されたわけだけれど、図書館だと待つのが長い。やっと読む順番が回って来たときには、前作より2年ほど経っていて、内容をまたもや忘れていた。
そこで、ネットで調べたりしたら、7巻の重要な部分を少し見てしまって、ショックを受けたり…。
それはともあれ、全部読み終わっての感想は…もう一度最初から読みなおしたい! それも図書館じゃなくて、自分で買って…ということだったりする。(単行本サイズのものが出ているみたいなので、全部出たら一気買いするかも…)
7巻で、ついに色々な伏線がすべてつながる。このつながり方は、本当にあっと驚くもので、最初から考えられていたのだとしたら、素晴らしい!の一言。
でも、だからこそ、最後までのストーリーまでを知った上で、忘れてしまった最初の部分から、もう一度読み直してみたら、絶対に面白いだろうし、もっともっと深く「ハリポタ」世界に入り込めそうな気がした。
それにしても、この本は、本当に大人の自分が読むにしても、内容がなかなか複雑で難しく、一度読んだだけでは、状況がよくつかめず、何度も前を読み直したりして、それで、なるほど、なるほど…と思う部分が多すぎだった。(読解力がなさすぎるのかもしれないけど…)
子供向けではなく、大人が読んでも十分に面白い大長編だったと思う。ファンタジーファンの人なら、読んで間違いなし!
とにかく、物語が完結してよかった…。
亡き息子の命日に集まった家族たちの夏の1日を描いた作品。
老いて医師を引退した父(原田芳雄)、父を支えた母(樹木希林)は子供たちが出ていった実家で2人で暮らす。父母の家を二世帯住宅にしてもらって一緒に住みたいと思っている娘(YOU)はちゃっかり者。父に似てちょっと頑固なところのある次男の良多(阿部寛)はバツイチで失職中、子連れの再婚女性(夏川結衣)と結婚。
長男は15年前の夏のある日、海で溺れた子供を助けるために亡くなった。それ以来、毎年、命日には家族全員で集まることになっている。
母と姉は朝から料理で大忙し。気がすすまないながらも両親の家に向かう良多一家。お互いに気を使ったりしながら、親戚同士の夏の一日が更けていく。
台詞がとってもいい感じで、それぞれの人物の思惑がちょっとずつずれていたりする。でも、どこの家族にでもありそうな話で、なんかよくわかるーと思わせるものがあった。
父母は出来の良かった長男の死を克服できずにいる。父は医者を継いでほしかった。母は、毎年、命を助けた青年を家に呼ぶ。その子の成長が楽しいわけではなく、そこには屈折した気持ちが…。
でも、娘は案外さばけていて、死んだ兄よりも生きている者の幸せが大事と、思い出の家を壊して二世帯住宅にしようという提案をしていたりする。
そんな中で良多は父に反発しつつも、そこまで割り切ることもできずにいる。というか、たぶん子供の頃から出来のいい兄に比べられて育って、ちょっと鬱屈した気持ちがあるのかなーと思う。
良多の継子は父を亡くし、そのことを克服できずにいる。でも、命日の集まりに参加して、少しずつ心に変化が起こって行く。
親は大変大変と言いながら、年に数回の子供たち一家の帰省を楽しみにしている。けれど、娘や息子は1年に1回も帰れば十分だと思っている。
親子はつかず離れず…。また夫婦同士にも秘密があったり、それを知っていても言わなかったり…。
なんとなくいかにも日本人らしい感覚があふれた映画で、見てよかったと思った。
2009年01月18日(日) |
5年3組リョウタ組 石田衣良 |
石田衣良 角川書店 2008
STORY: 名門公立小学校の5年3組の担任となった良太。いつもクラス競争ではビリを争ってきた。クラスの子供が教室を抜け出すようになってしまい、今年も先行きが不安に。しかし、そんな良太のよき理解者が現れ…。
感想: 石田衣良は、人気作家のようだけれど、1冊読んで、どうも合わない…と敬遠してきた。今回、評判がよさそうなこの作品を読んでみて…悪くはないな…と思ったのだが、一つだけどうにも許せないことが…。
前にも思ったのだけれど、どうして簡単な漢字を平仮名で表すんだ!!! どうにもこれが耐えられない。難しい文字は漢字なのに、どうしてそうでない文字が平仮名なんだ…。なんだかイライラするんだよね、こういうの…。生理的に受け付けないっていうか…。
ま、それは、個人的な感想で、本の内容とは関係ないんだけどね…。
作品の方は、すっごくいいわけでもなかったとは思うけど、まあ、教育現場とか教育について考えさせられる話にはなっていた。
この作品はどうも新聞に連載されていた小説をまとめ、大幅に書きおろしを加えたものらしい。連載されていたのが2006年だから、わりに最近の教育現場について書かれているのかもしれない。
私は夏目漱石の「坊ちゃん」は読んだことがないのだが、この作品にはその場面がたまに出てきた。「坊ちゃん」が好きな人にはさらに面白いのかもしれない。
内容は主に4つ。生徒の一人が教室を抜け出すようになり、学級崩壊の危機を迎える4月。登校拒否になってしまった4年生の担任教師を助ける7月。自分の家を放火した兄弟の問題を解決する12月。そして、クラス競争を勝ち抜くために生徒たちに変化が起こる3月…。
5年生の1年間を良太の恋愛模様も若干交えて描く。6年生の1年間も見てみたいような気にはなった。
2009年01月16日(金) |
チェリーブラッサム 山本文緒 |
山本文緒 角川文庫 2000
STORY: 母が亡くなり、姉と父の3人暮らしに。落ち着いてきたと思っていたら、父が突然銀行を辞めて便利屋になると言い出して…。
感想: 読んでいて、途中で「なんかこのノリ、コバルト文庫っぽいなぁ…」なんて思った。中高生の頃、よく読んでいたそのノリに近いなぁ…って。
そしたら、この作品、1991年にコバルト文庫で発表された「ラブリーをつかまえて」という作品の改訂版のようで、納得…。
父が便利屋になると言い出して、ラブリーという犬を探すことになる。
主人公は中学生で、姉や父、クラスメイトなどとなかなかうまくいかないけれど、心が成長するにつれて、みんなとの関係にも変化が…。
やはりコバルト文庫だったからか、大人の人が読むと、違和感あるかもだけれど、こういうノリもすごく懐かしいなーと思った。同年代の人なら、わかるかな…。
2009年01月14日(水) |
2008年 映画ランキング |
2008年の映画ランキング。今年も本数が少ないので参考にならないと思うけど…。
1:おくりびと 2:幸せの1ページ 3:P.S.アイラヴユー 4:ハッピーフライト 5:最後の初恋 6:インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 7:アキレスと亀 8:崖の上のポニョ 9:西の魔女が死んだ 10:いつか眠りにつく前に
以上。
今年はなんと邦画と洋画が半々になってる! でも、1位は邦画だったりして…。
1位の「おくりびと」は完成度がすごく高かった。人間の死とか尊厳とか…いろいろ考えさせられる素晴らしい作品だった。
2位の「幸せの1ページ」は子供向けのような気もするが、気軽に楽しめる映画で、明るい気分になれたので。
3位の「P.S.アイラヴユー」は、人の死からどう立ち直っていくか、考えさせられる映画だった。
4位の「ハッピーフライト」は飛行機に携わるいろんな職業の人がいるんだなーと、興味深かった。
5位の「最後の初恋」は、風景が素晴らしくよかった。海辺のロッジが雰囲気いい。
6位の「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」は、ありえない!!と思いつつ、ついつい見てしまうシリーズながらの楽しさといったところかな。
7位の「アキレスと亀」は芸術って何だろうとか、人と人とのつながりってなんだろうって考えさせられる映画だった。
8位の「崖の上のポニョ」は歌が印象的だった。風景が美しくてきれいだったかなー。ラーメン、美味しそうだった。
9位の「西の魔女が死んだ」は自然の描写が美しい。自然とともに生きたくなる。
10位の「いつか眠りにつく前に」はシリアスな恋愛もの。死を目前にしたとき、思い返せる恋愛があるかどうか…。
今年も10本以上映画を見に行けるかな?
2009年01月13日(火) |
2008年 本のベスト・テン |
毎年恒例、独断と偏見による2008年 本のベスト・テン。
2008年の総読書数は125冊。そのうち本は54冊、漫画は71冊だった。月平均読書数は10.4冊。本は4.5冊、まんがは5.9冊。
今年も本を読む冊数が減っている。私の場合、電車で移動する時間が主な読書タイムなのだが、最近、あまり移動することがなくなっているため、本を読む時間が取れないのが主な原因。
また、最近は図書館で料理本とかマニュアル本とかを借りることも多く、こういったものを数えていないのもあるのかも…。
前置きはともかくとして、2008年のベスト・テン。
1:鹿男あをによし 万城目学 9月 2:愛しの座敷わらし 荻原浩 5月 3:第4の神話 篠田節子 12月 4:東京・自然農園物語 山田健 11月 5:家日和 奥田英朗 9月 6:猫の橋口さん 水無月さらら 10月 7:天国までの百マイル 浅田次郎 8月 8:冷蔵庫のうえの人生 アリス・カイパース 4月 9:君たちに明日はない 垣根涼介 2月 10:借金取りの王子 垣根涼介 2月
以上。
今年も海外の作家のものをあまり読まなかった。
読んだ冊数が少ないのもあって、候補に挙がる作品も少なくて、なんとか10本ひねり出したというような感じ。
1位の「鹿男あをによし」は、ドラマを見て、原作を読んだ。両方見ると楽しいと思う。
2位の「愛しの座敷わらし」はちょっとバラバラになった家族が、座敷わらしのおかげでよい方向に向かっていく…というほのぼのとしたストーリー。
3位の「第4の神話」は、今で言うアラフォー独身の主人公が、セレブで子供にも恵まれた亡き作家のルポを書く仕事を依頼されるという、ちょっと現実的な話。女性の方が共感できると思う。
4位の「東京・自然農園物語」は、遺産として農園をもらったアパートの住人たちが、慣れない農業に悪戦苦闘する話。野菜作りに興味がある方には、楽しいと思う。
5位の「家日和」は、最近の家族模様を描いた短編集。なかなかリアルな気がした。
6位の「猫の橋口さん」は子供向けかも。母を亡くした子供に猫が話しかけてくるというファンタジー。
7位の「天国までの百マイル」は、重病の母を治すため、最後の賭けに出る男の物語。母を天才医師のもとに無事に運べるのか…。
8位の「冷蔵庫のうえの人生」は母と娘の冷蔵庫の上に貼られた手紙で物語が進む変わった作品。母はがんに侵されていて…。
9位と10位の「君たちに明日はない」「借金取りの王子」はシリーズもの。リストラを請け負う者とリストラされる者とのやり取りも面白いけれど、主人公の私生活もまた楽しい。
今年はもう少したくさん本を読めるといいんだけど…。
映画館で予告編をずーっとやっていて気になっていた『ウォーリー』だけど、案外人気がなかったのか、もうすぐ終わってしまう…ということで、慌てて見に行ってきた。
子供向けと判断されたのか、吹き替え版ばかりで、字幕版の上映館がほとんどなかった。ロボットたちのセリフはほとんどないので、映像だけで読み取っていかなくてはならないし、実は結構高度な話なのかもと思った。子供にはちょっと難しいかも?
シニカルな部分がたくさんあり、大人にも楽しめる映画になっていたとは思う。SF映画好きな人だと、いろいろな映画のパロディみたいな部分がたくさんあるそうで、それも楽しめるみたい。
以下、ネタばれあり。
この映画は、あまり現実的なことは考えちゃいけないのかも。科学的にどうなの?と突っ込みたくなるところはあったが、そういうことを考えてはいけない映画みたい。
一番思ったのは、人間があんなに太って歩けない状態なのに、あの荒れ果てた地球に戻って、やっていけるのかなー?ってことだった。
でも、優秀な(?)ロボットがいるから大丈夫なのかもしれないと、エンドロールの画像を見てちょっとだけ思った。
ウォーリーとイヴの恋愛模様はなかなかいい感じだったけどね。
悪くはないけど、すっごく面白いわけでもないし…。なんとなくジブリ映画の教訓めいた話の外国版見たいな感じがしちゃったかなー…。
2009年01月04日(日) |
容疑者Xの献身 東野圭吾 |
東野圭吾 文春文庫 2008
STORY: 高校の数学教師・石神は秘かに恋心を抱く隣の部屋の住人が殺人を犯したことに気づき、手助けを申し出る。石神は湯川の同期で好敵手であった。草薙は湯川に協力を願うが、今回ばかりは協力を拒まれ…。
感想: 「ガリレオ」シリーズの初の長編だそう…。
前回シリーズ1作目を読んでいたので、登場人物については理解できていたので問題はなかった。
このシリーズでは、犯人が誰かは最初からわかっているので、そのあとの展開がどうなっていくのかが勝負。
今回は、殺人を犯してしまったとはいえ、この親子に同情的な気分になる。
その上、タイトルにもある「献身」という言葉の重みを感じさせられるラストであった。
うーむ。深い?
とりあえず面白かった。
スピルバーグを最初から見る計画の何回目か忘れたが、ついに「未知との遭遇」までたどり着いた。
「未知との遭遇」は中学生か高校生かよく覚えていないが、その当時にテレビでやっていたのを見て、感動した覚えがあった…。
しかし、今回は…。
元旦の疲れの中で見たのが悪かったのか、途中、半分寝かかるようなところもあり、単調であんまり面白くないなーという感じであった。
というか、すっかり話の内容を忘れていて、こんな話だっけ? こんなにつまらなかったっけ?みたいな感じがしてしまった。
この間見た「ジョーズ」はすごくスリリングで怖かったけど、続きがすごく気になる。けど、この映画は、そのスリリングさがあまりなくて単調。
当時はすごかったのかもしれないけど、宇宙船の描写も、今見ると、そんなに大したことなく感じてしまうしなぁ…。
時代のせいなのかな…。
夫はこの映画が大好きならしいけど、スピルバーグの面白さ、スピーディな展開で先が気になる感じはこの映画にはあまり見られないような…。
同じ宇宙ものなら、「E.T.」の方がいいかなー。
まあ、私の体調が微妙な状態で見てしまったし、半分眠りそうになりながらの鑑賞だったので、それがいけなかったのかもしれないけれど…。
|