感想メモ

2008年12月31日(水) ストロベリー・フィールド  小池真理子

〜2008.12.31 読売新聞朝刊小説

STORY:
再婚の夫と継子の3人で暮らす女医は、継子の友達の兄妹と知り合う。夫が秘書と浮気していることに気づいた女医は、兄と秘かに会うようになり、そのことを相談する。兄は秘書に取り入り、さらには継子にも手を出し…。

感想:
 人間関係が複雑で、面白い話だった。というか、どうなっていくのか興味があったというか。

 小池真理子はあんまり読んだことがないのだが、人間のドロドロした感情とかを書くのがうまい作家さんではなかったかな…。

 ちょっと時間が経ってしまったので、主人公の名前などを忘れてしまい、STORYもあいまいにしか書けないけど、兄の名が「旬」だったのだけは記憶にすごく残っている。

 女医の家庭は、夫が作り上げた偽の仲のよさそうな家族…というような気持ちのまま、継子ともうまくやろうとがんばって来た女医…。でも、夫が長年秘書と浮気をしてきたという事実に気づいてから、その気持ちが一変してしまう。

 女医の衝撃はわかるし、そこから旬に相談したりとかはわかるのだが、旬の行き過ぎた行動には、女医じゃないけどびっくりだよ…。

 そして、結末はどうなっていくのかと思ったら、案外丸く(?)収まったのでよかったのかも…。



2008年12月26日(金) 流星の絆


 今季のドラマ、しんみり感動するのは『風のガーデン』、続きが見たくなるのが『流星の絆』だった。と言いながら、またもやドラマ放映終了1週間が経ってしまったが…。

 幼い頃に両親を刺殺された有明3兄弟は、施設で育つ。時効間近になっても自分たちで犯人を捜し出し、殺そうと思っている。兄弟は詐欺をして助け合いながら暮らしている。当時から事件を担当していた刑事も時効前に何とか犯人を逮捕しようと乗り出してきて…。

 犯人が誰なのか気になっていたが、事前に他の人から犯人らしき人を聞いてしまい、「えーー??」と思いつつ、やっぱりそれしかないのかな…という心境に。

 そして、やはり犯人は…。

 コミカルな演出の中に、しんみりした部分も多く、とてもよかった。特に子供時代のシーンが素晴らしい。大人になってからの3人と似たような子供を使っているのもあるけれど、この子供たちの演技があって、大人のシーンが光ってくるというのかなぁ…。

 原作とはまた違った味わいになっていると聞いたので、ぜひ原作の方も読んでみたいと思う。



2008年12月25日(木) 風のガーデン


 倉本聰の「風のガーデン」を見た。緒方拳の遺作となった。

 静かないいドラマだった。

 浮気がちな麻酔科医の貞美(中井貴一)が末期のすい臓がんに侵されていることを知り、生き別れた娘のルイ(黒木メイサ)と息子で知的障害がある岳(神木隆之介)を影で見守ろうとする。彼の妻は貞美の不倫のせいで自殺し、実の父で医者でもある貞三(緒方拳)に勘当され、故郷の富良野に足を踏み入れることができないでいた。

 しかし、貞美が余命いくばくもなく富良野に戻っていることを知った貞三は、貞美を許し、最期を生まれ育った家で過ごさせようと奔走するのであった…。

 中井貴一の演じた貞美は、女好きで冗談が大好き。病院でも学生たちに面白いことを言いまくる。そのせいで妻を自殺に追いやったことには負い目を感じているが、その病気がなおることはなかった。でも、自分が死ぬとわかったときから、女性との関係を絶ち、息子や娘のもとに帰って行くのだ。

 医者だからこそ、自分の病状もこの先どうなっていくのかもわかる。やり残したことをやろうとする姿に心を打たれた。

 最期に、麻酔科医をやっていてよかったと漏らすシーンがよかった。苦痛を減らす医療、それは大切ですごいことなのだと当事者になって初めてわかったと…。

 いいドラマだった。

 けれど、こんな風に家族に敬語を使う家って、今はあまりないんだろうなー。言葉の使い方がきれいで、家族に対しても敬意を表する話し方。いまどきのドラマにはない重いものを見せてもらった感じ。

 挿入歌である「カンパニュラの恋」=「ノクターン」(?)もすごくいい曲だった。



2008年12月24日(水) 探偵ガリレオ  東野圭吾


東野圭吾 文春文庫 2002

STORY:
刑事・草薙は難事件の解決のために同級生の物理学者・湯川のもとをたびたび訪れる。難事件を解決することから、刑事仲間からはガリレオ先生と呼ばれるように…。

感想:
 探偵ガリレオシリーズの第1弾。短編が5本収録されている。

 どの事件も科学の知識がなければ犯人を特定できないような、事件性を立証するのが難しい事件ばかりだ。

 その事件を科学の知識を総動員してあっさりと解決していく湯川…。

 草薙と湯川のやり取りがいい感じ。

 短編があまり好きではい私も、一つ一つの作品にのめり込んでしまった。

 みんなが面白いと思うわけがわかったような気がした。



2008年12月13日(土) のだめカンタービレ ドラマ2夜スペシャル


 今年の1月に放映した「のだめカンタービレ」の2夜スペシャルを今さらながら見た。

 だいぶ内容を忘れていたが、面白かった。

 でも、のだめ役の上野樹里の演技が大袈裟すぎる気がして、ちょっと鼻についたかも…。

 前のを忘れているから余計にそう感じたのか、コミックスを読んで別のイメージが私の中に湧いたのか…ちょっとよくわからないが…。

 どうやら来年映画化が決定したらしい。千秋役の玉木宏はかなり年を取っているような気もするけど、大丈夫なのかなぁ…。

 というか、映画化するならなぜドラマが放映した直後にしなかったのかな? 今ではだいぶブームが去っているような気がする。

 キャストを別の人にするとかしても良かったような…。

 何はともあれ、コミックスだとやっぱり音が聞こえないので、どんな演奏かを推測することが難しいので、こうして映像にしてもらえると、やっぱり音楽的にはわかりやすい。

 ドラマを見てたら、またコミックスが最初から読み返してみたくなって来てしまった…。



2008年12月11日(木) 第4の神話  篠田節子


篠田節子 角川文庫 2002

STORY:
夫と子供に恵まれ、たくさんの作品を残しながら、若くして急逝した夏木柚香の死後5年に際し、仕事が急激に減りつつある40間近で独身フリーライターの万智子に柚香の記事を書いてほしいという依頼が…。

感想:
 久しぶりの篠田節子。やっぱり面白い。

 仕事を依頼された万智子は39歳独身。ゴーストライターとしてしか使ってもらえない自分に、破格の依頼がやって来た。

 郊外にマンションを買ったものの、仕事が減っていてローンを払っていくのが辛い。ライターとしてがんばってきたものの、切られていく自分を感じつつ、何か自分の名前が残る作品を残したいと思っている。そんな万智子にとって素晴らしい申し出だったが、柚香について万智子はあまりいい印象がなく、はじめは乗り気がしない。

 しかし、柚香のことを調べていくうちに、柚香がただの恵まれたベストセラー作家というだけではなかったという事実に気づいていき…。

 柚香の人生と万智子の人生…。全く違ってその対比が面白かった。どちらかというと、万智子の不安定な立場により実感を描くことができたけれど…。

 結婚しないで一人で生きていくこと、親の老化、お金を稼ぐ辛さ…。なんかすごく身につまされるというか。

 とにかく万智子がどうなるのかが知りたくて最後まで読んでしまった感じ。なかなか良い作品だった。



2008年12月01日(月) ハッピーフライト

 『ウォーターボーイズ』の矢口監督最新作『ハッピーフライト』を見に行ってきた。

 最初から最後までドキドキワクワク…飽きさせない展開で面白かった。

 ただ登場人物が多くて、誰がどこの部署でという説明もないため、あとからパンフを見て、なるほど〜、そうだったのか…と思う部分も。

 ANAの羽田発ホノルル行きの飛行機を巡る物語。

 操縦は機長の昇格試験を受けることになっている鈴木(田辺誠一)。突然、教官が無口でとっつきにくい原田(時任三郎)に代わって緊張感いっぱい。一方フライトアテンダントには、国際線初搭乗の斉藤(綾瀬はるか)をはじめ、ベテランのチーフパーサー山崎(寺島しのぶ)、田中(吹石一恵)らが搭乗。飛行機は整備不良のため、整備士がぎりぎりまで調整作業をしている。

 乗客の搭乗が開始されると、オーバーセールの問題が発生。グランドスタッフの木村(田畑智子)が後輩を叱咤しながらてきぱきと作業を進める。なんとか乗客の搭乗を終え、定刻に飛行機を出発させることができてホッと一息…のはずが…、離陸の際に鳥が機体にぶつかってしまう。本来なら鳥が機体にぶつからないようにバードパトロールが鳥を追い払うのだが、たまたま愛鳥団体にいちゃもんをつけられ、しくじってしまったのだ。

 特に問題がないように思われた鳥の衝突だったが、航行数時間後、突然自動操縦が外れ、機体が揺れ始める…。飛行機は無事にホノルルにたどり着けるのだろうか??

 ま、そんなわけで、空港の様々な職業の人々や様々な乗客、そして、機内のパイロットやフライトアテンダントなどなど…多彩な人物が繰り広げる物語だった。

 面白おかしい部分もありながら、シリアスな部分ももちろんあって、飛行機が着陸するまで、ドキドキワクワク…。どうせハッピーエンドだろうとは思うけど、やっぱりこういう映画を見ると、無事に着陸するまで手に力が入ってしまう。

 しかし、私は飛行機があまり好きじゃないのもあるけれど、絶対に飛行機に関係のある仕事はごめんだと思った。

 パイロットなんて緊張感ありすぎて無理だし、フライトアテンダントも絶対やりたくないし…。地上の仕事も…。って、要は接客業がイヤなだけか??

 映画の序盤、また飛行機に乗ってもいいかもなーと思ったけど、途中からやっぱり乗りたくないって思ってきちゃった…。

 特にこの田辺誠一が演じた鈴木のようなパイロットの飛行機には、乗りたくないなーと思った…。っていうか、こういう人と一緒に仕事したくないって思った…。


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