2008年11月23日(日) |
東京・自然農園物語 山田 健 |
山田健 草思社 2007
STORY: 大家が4000坪の農地を残して死んでしまい、アパートに住む4人が条件付きで農地を相続できることになる。その条件とは有機無農薬で農園を続けることだった…。4人の悪戦苦闘が始まる。
感想: とっても面白くてすぐに読み終わってしまった。
遺産を相続することになる4人組は職業も年齢もバラバラ…。
でも、5年農業を続ければ、そのあとは土地が全部自分たちのものになって、あとはどうしようと勝手という内容につられて、4人は協力することになる。
この4人の個性の違いがうまく農業につながって、展開していく物語はすっごく面白かった。
一種のサクセスストーリーなのかな…。
オススメな1冊。
大崎梢 文藝春秋 2008
STORY: 高知の祖父母のもとに下宿し、大学に通うことになった篤史は、いとこに誘われ、しぶしぶながら地元のよさこいチームに入る。篤史が高知に来た訳は、4年前によさこいに参加したときに出会った女性にもう一度会いたいからで…。
感想: 高知のよさこい祭りを舞台にした青春小説…で、なんかもっと熱くなれるのかなーと思っていたのだけれど、ちょっと期待外れで、私にはなぜか乗れず…。
でも、この本、評判いいみたいだったから、きっと私がこういう青春小説を最近受け付けてないだけなのかも…。年取ったってことなのかなぁ…。
よさこい祭りと恋愛とが絡んだ小説なのだけれど、主人公の気持ちがよくわからなかったのと、その他の登場人物もなんだか誰が誰なのか読んでいてわからなくなってしまったりもして…。
もちろん日にちがあいて読んでいるのもいけないのかもしれないけど、どうにもこうにも中に入っていくことができにくく、無理やり最後まで読んだ感じ。ちょっと面白い部分もあったことはあったんだけど…。
乗れない本が続いて、どうにも冊数が進まない。年末なので、もう少し面白い本に巡り合いたいな…。
2008年11月14日(金) |
P.S.アイラヴユー |
なんだかこの秋は泣ける映画が多い気がして、これも号泣しそうで、どうしようかためらったものの、見に行って来た。
確かに泣ける…。けど、明るいノリの場面が多いので、泣いて、普通に戻って、泣いて、普通に戻ってみたいな…。でも、いい映画で見てよかったかな。
ホリー(ヒラリー・スワンク)は夫のジェリー(ジェラルド・バトラー)を脳腫瘍で亡くしてしまう。引きこもりになるホリーのもとに30歳の誕生日の日にプレゼントが届く。それは夫ジェリーからのもので、その後も手紙が届くから、指示どおりにしなさいというメッセージ付きだった。それから本当に手紙が届き、ホリーはその通りのことをしていくが…。
大切な人を亡くしたことのある人なら、その悲しみから立ち直るのにどれだけ時間がかかるか、そして、その立ち直りにも波があるということがわかるのではなかろうか。
この映画は時に前向きになろうと思い、時にやっぱり無理で死んでしまおうかと思うような絶望を感じたり…という心の機微をヒラリー・スワンクがすごくうまく演じていたと思う。
ホリーを影に日向に見守る友人たちや母(キャシー・ベイツ)もとても現実味があった。
自分は愛する夫を亡くし、夫との間に子供を持つこともかなわなかったけれど、友人が結婚することになったり、赤ちゃんを授かったりするという報告に、おめでたいことだけれど、素直に喜んであげられないのとか、なんだか胸が痛かった。
まだ30歳…。これからも前向きに生きていってねとエールを送りたい最後だった。なんとなくいい感じの終わり方だったのも好感が持てた。
2008年11月05日(水) |
だれかのいとしいひと 角田光代 |
角田光代 文春文庫 2004
STORY: 「転校生の会」「ジミ、ひまわり、夏のギャング」「バーベキュー日和(夏でもなく、秋でもなく)」「だれかのいとしいひと」「誕生日休暇」「花畑」「完璧なキス」「海と凧」「あとがき」からなる短編集。
感想: う〜〜〜ん、イマイチだった…。面白くなくて、全然進まなかった。もともと短編が好きじゃないのもあるけど、ほとんどの作品に乗れなかった。
まあまあだったのは、「だれかのいとしいひと」と「誕生日休暇」「花畑」かな…。
短い本なのに、すごく時間がかかってしまった…。
|