2008年08月28日(木) |
天国までの百マイル 浅田次郎 |
浅田次郎 朝日文庫 2000
STORY: バブル崩壊とともに妻子や会社すべてを失ってしまった安男。心臓病で余命わずかの母に奇跡を起こすことができる外科医のもとまで母を送り届けることを決意するが…。
感想: 久しぶりの浅田次郎の本。やっぱり読みやすく、ぽんぽん読める。
すべてを失った男が、母の最期を目の前にして、奇跡を起こそうと奮闘するという話は、なんとなく元気が出てくるような気がした。
なかなか面白い話だった。
ただ、女の視点としては、マリがかわいそうな気もした…。
賛否両論色々あるらしい『崖の上のポニョ』を見に行く。
見終わっての感想は、うーん、不思議な話だったなぁ…。
路線としては『となりのトトロ』とかの感じなんだろうけど、トトロみたいに終盤の盛り上がりとか、ワクワク感がちょっと足りないかも。
一番盛り上がるのは、中盤あたりの嵐のシーンかな…。
盛り上がるシーンを後半に持って行った方がやっぱり断然映画としては面白いのかな…なんて思うのだけれど。
でも、世界観や絵の感じなんかはやっぱり好き。
それと子供なら子供なりの、大人なら大人なりの見方があるような気はした。大人目線で見た場合、色々な観点から映画を語れそうで、一言でどうとかは言えない。何か色々なことを象徴しているのかも…と深読みしようと思えば読めるような感じがしたかな。
パンフを買うと、この映画の世界観や謎が詳しく説明されているので、なるほど〜と思うことができる。いまいち理解できなかったという方は、パンフを読んでみるのもオススメ…。
何度か見直したい作品のような気がした。でも、もう映画館にはたぶん見に行かない…。
2008年08月21日(木) |
本家のヨメ 全20巻 岡田理知 |
岡田理知 集英社
次男坊に嫁ぎ、東京のマンションで何不自由なく暮らしていた新婚ののぞみ。ところが、長男夫婦が家を飛び出し、勘当されてしまったことから、次男の慎二が家を継ぐことになり、のぞみも本家の嫁として田舎の山田村に行くことに…。
東京者には勤まらないと離婚させられそうになるのぞみだが、愛の力で慎二と一緒に暮らすことを選ぶのであった。しかし、大姑、姑もおり、2人から嫁としての雑用を押しつけられて…。
とても明るくなれる漫画で、ノリもよくて、気晴らしにはちょうどいい感じだった。
それだけでなく、時として感動話も混じっているし…。
途中でのぞみと慎二の間に三つ子が生まれて、この子たちもかわいい!
家族の愛とかあり方とか、ギャグの中にしんみりと感じさせてくれるのがいい。
のぞみも嫁として成長していく様子がわかる。
でも、最後の終わり方が唐突で…。もっともっと続けてほしかったなぁ…。
どうもドラマ化もされていたらしい…。見なかったな…。
スピルバーグを夫とともに最初から見る企画第3弾…と言っても、1弾から2弾まではずいぶん空いてしまったけれど。
今回は3作目の『ジョーズ』を見ることに。実は、私、あまりにも怖そうなので、この映画、見たことがなかったし、見るつもりもなかったのだけれど、夫の強い強い要望により、一緒に見ることになってしまったのだった…。
でも、見てみたら、怖かったんだけど、すっごい面白かった!! もしかしてスピルバーグの中でもかなりイケてる作品なのでは?
時代はかなり昔なので、そういう点では違和感もあるけれど、今見ても、このスリル満点な展開は、全然遜色ない感じ。時代を考えると、本当に当時すごかったのだろうなーと改めて感心したり。
人食いザメが出たアミティ島は海の観光で栄えている。そのため、サメが出たからといって、すぐにビーチを閉鎖すると多大な損害が出る…ということで、市長は署長(ロイ・シャイダー)の「ビーチをすぐに閉鎖するべきだ」という考えに首を縦に振らない。そのせいで犠牲者が増え…。
こういう展開を見ると、市長悪すぎ…って思うけど、夫に言わせると、当時の映画は大体こういう市長みたいな権力者が馬鹿で、そのせいで犠牲が広がるというパターンが多かったんだよ…とのこと。なんか納得…。
しかし、子供の犠牲者が出て、その母親に責められたことから、署長はサメを捕獲するため、海洋学者のフーパー(リチャード・ドレイファス)、漁師のクイント(ロバート・ショー)とともに、海へ出ていくが…。
この署長、海が大のニガテ。私は一緒に行かないのだとばかり思っていたけれど、自分にも子供がいるし、子供の犠牲者が出たことが相当こたえたようだ…。
そして、3人は海上でサメとの死闘を繰り広げる。
少し『老人と海』みたいなノリを感じた。
サメはもちろん偽物を使っているのだけれど、本物そっくりでびっくりする。当時、塩水にやられてなかなかサメが動かず、撮影にものすごい時間がかかったそうだけれど、苦労が報われたのね…。
途中ちょっとグロいシーンもあるものの、おおむね正視できないような場面はないので、怖がりな人でもたぶん大丈夫…。
クイントがサメ退治をするようになった理由というのが、広島の原爆を船で運んだ帰りに、日本軍の魚雷を受けて、船が沈み、海に投げ出され、その時にサメに襲われたから…ということで。実はこの話、もっと聞きたいなぁってちょっと思った。それにしても男たちは自分の傷跡を勲章のように見せびらかしたがるのよね…。不思議…。
2008年08月15日(金) |
続・激突! カー・ジャック |
スピルバーグのデビュー作のようで、夫と一緒に見る。(前作『激突!』はテレビムービーだったらしい)
夫婦で犯罪を犯し、妻(ゴールディ・ホーン)が先に出所したものの、夫(ウィリアム・アザートン)は更生施設に。しかし、2人の子供は里親に引き取られ、妻は前科者ということで、親権を取ることができなかった。
そこで、妻は更生施設に入る夫を脱獄させ、2人で子供を取り返すことに。途中、パトロール中の警官(マイケル・ザックス)を人質に取り、パトカーで逃げる2人…。
2人をたくさんのパトカーだけでなく、野次馬やテレビ局なども追いかけ出し…。
車での逃亡劇ということで、『テルマ&ルイーズ』や『パーフェクト ワールド』などを思い出すような感じだった。夫に言わせると、こちらの方が最初ならしいから、その意味では画期的な作品?
でも、『続・激突!』というタイトルだけれど、『激突!』とは全然話の内容が違うので、ちょっと違和感あるかも。
こちらはどちらかというと母の愛が中心な、よくいえばハートウォーミング系の映画、あちらはスリル満点な映画という違いが…。
でも、この前科者の両親は、子供を取られてしまったことは同情するけれども、やっていることは子供じみていて、子供の幸せのためにはどうなのかな…なんて思ったりも…。
実際にあった事件をもとにした映画だそうで、それもまたちょっと驚きだったりして…。
2008年08月13日(水) |
すーちゃん 益田ミリ |
益田ミリ 幻冬舎 2006
これはコミックスの部類に入れるべきなのかも…。
主人公はすーちゃん、独身で彼氏なし。同期の女の子に職場で唯一の独身男性と結婚されてしまう…。
今、独身の人たちの間で気持ちがよくわかるとブームなのだとか??
で、読んでみたわけだが…「疲れた」を連発し、女一人でも入りやすいセルフうどんの店で夕食をとったり、同じく独身で不倫関係に悩む女の子と一緒にご飯を食べたりカラオケしたり…。
でも、前向きに生きようと日記を書いたり…。
独身で毎日の生活にもがく様子が描かれているわけだけれど、実はあまり共感できず…。たぶん私は一人暮らしをしたことがないからかも…。
夫は一人暮らし経験者で、気持ちがわかるらしく、つぼに入った箇所があったみたい…。
2008年08月07日(木) |
雨の日も、晴れ男 水野敬也 |
水野敬也 文春文庫 2008
STORY: 2人の幼い神がいたずらで一人の男に不幸を連続で起こさせる。しかし、男は持前の前向きな心でそれを乗り越えていくが…。
感想: とっても薄い本であり、さらに文章も短くて、ものすごいスピードで読める。
前に読んだ『夢をかなえるゾウ』もそうだったけれど、ノリが軽い。
でも…そのノリの軽さについていけなさも若干感じる…。
軽いノリの本を読みたい人には向いているかも…。
ちょっとあまりにもバカバカしすぎて、その辺が薄っぺらになってしまう印象がするのだけれど…。
2008年08月06日(水) |
夜明けの街で 東野圭吾 |
東野圭吾 角川書店 2007
STORY: ひょんなことから不倫をすることになった渡部は、妻子ある身。不倫相手に殺人の疑いがかけられていることを知るが、渡部は妻子を捨てようとまで思い出し…。
感想: うーん…これは…面白くないわけではないのだろうけれど、不倫が嫌いな人は絶対に読まない方がいい感じ。
私も妻という立場なので、主人公・渡部の勝手な不倫理論に、すっごく不愉快になってしまった…。
特に最初の方は、ミステリー要素よりも不倫要素の方が80%以上なので、読むのが苦痛で、やめようかと思ったほど…。
でも、だんだん相手に殺人の疑いがかけられていることなどがわかってきて、少しずつ面白くはなっていくのだけれど…。
ああ、それにしても男って身勝手よねぇ…。ま、男に限らないのかもしれないけど…。
その点、相手の秋葉の方は、男の心理をよく知って、それを巧みに利用しているというか…。男より一歩も二歩も上手というのだろうか…。
最後に番外編として、渡部の友人の新谷の話が収録されているんだけど…これ、いらないんじゃ?? いるんですか? 男性陣には読んでもらったほうがいいのかなぁ…。
なんというか、妻の立場としては、不愉快な感じで、つけなくてもよいのでは…って感じだったけど…。
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