NHKの朝ドラが終わった。どうやら今までの中でも最低視聴率を更新したらしい…。うーん。でも、確かにあんまり面白くなかったかな…。
テーマがわかりにくかったのかも? でも、最終回を見て、このドラマが言いたかったことが何か少しわかったような気もした。
つまりは、一人の若い女の子=瞳(榮倉奈々)が、自分の生き方を模索するというお話…。瞳はダンスをしているけれど、特に能力が優れているわけでもなく、それでも好きなダンスとどう向き合うのかを考え、自分なりにできる道=教えるということを見出す。地元の人たちに支えられて、今日も瞳は毎日を生きていくのです…というような感じなのかな。
これに里子を預かる里親制度の話が加わるけど、日常なんて確かに家庭にいろいろ問題あったり、学校や職場に問題あったりしながら、毎日を生きていくということの積み重ねなわけで、これはまあ、いいのかもしれないが、この辺があまりうまく描けていなかったのかな。きれいごとに過ぎていたような気もする。
『瞳』の最初のほうの印象は、痛すぎる…ってことだった。確かに里親制度のこととか、瞳の両親(勝村政信&飯島直子)が離婚し、女手ひとつで育てられたとかはまあいいんだけど、一番最初に引っ掛かったのが、恵子(宇野実彩子)の結婚問題。
恵子は里子第一号。誰よりも幸せな結婚を夢見ていた。暖かい家庭を作ろうと思って、婚約者を連れてくる。里親(西田敏行)に一生幸せにすると誓う婚約者。なのに、元カノが現れたとかで、恵子との結婚を白紙にしてしまう…。
こういう展開が、ちょっとひどすぎるなぁと思った。確かに最後に恵子は幸せな結婚をすることになる。けれど、その過程としてこれはなぁ…って。(でも、週刊誌の記事によると、最近こうした直前で白紙に戻るっていうのが増えているらしい。ひどいと結婚式前日や当日に。おまけに、男に妻子がいたりすることもあるんだとか…。そういう意味ではリアル路線をいったのか??)
それから、同じく里子の将太(中村咲哉)の話。事情があって里子に出していた母(小池栄子)が、結婚が決まりそうで、将太を引き取りたいと言い出す。将太も母と暮らせることを楽しみにするようになるが、母の結婚相手が、親の反対を押し切れずに破局…。母は将太を引き取れないと言い出す…。
この展開もね…。最終的にはうまくまとまったにしても…私としては納得いかない。だって、男のほうだって、里子に出している子供がいてそれを引き取るってことは、親の了承も得てからじゃないと決められないとか考えると思うからだ。最近の男は無責任で考えなしなんだろうか? それも取材済み??
ま、そんな風に人間関係について義理人情を重んじる下町っぽいのを描きながら、結構冷たい仕打ちを平気でする脚本に??とも思いながら、だらだらと最後まで見た。
唯一評価できるのは、瞳がダンスを踊る道に進まなかったことかな。これで、他のメンバーと一緒にメジャーデビューとかなったら、ちょっと怒るけど。
平凡に毎日を生きていくのよ〜っていう、何もかもはっきりさせない終わり方も、自分好みではなかったな。周りの人間関係が今後どうなるのかも含めて、どうせなら10年後くらいに飛んでくれてもよかったかも。
テーマは悪くないし、周りの人たちの生き方とか、セリフとかにたまにいいものがあっただけに、あんまり盛り上がらなかったのが残念な気がする。瞳役の榮倉奈々の笑顔がよかったかな。
奥田英朗 集英社 2007
STORY: サニーデイ:ネットオークションにはまっていく42歳の主婦は…。 ここが青山:突然会社が倒産し、妻が働き、夫が主夫になったら…。 家においでよ:妻が家を出て行き、自分の家の家具をそろえていくうちに…。 グレープフルーツ・モンスター:在宅ワークの営業マンに影響され、ちょっと卑猥な夢を見るように…。 夫とカーテン:毎回突然転職を繰り返す夫に呆れつつ、イラストレーターの妻は…。 妻と玄米御飯:ロハスにはまる妻やその知人と接するうちに、夫のユーモア小説家は…。
感想: 思いもかけず短編集だった…。
どれも家族の日常を描いた作品なのだが、固有名詞などが出てくるので、リアリティがある。いそういそう!と思わず思ってしまうような人たちが出てきて、面白かった。
特に気に行ったのは、『サニーデイ』『ここが青山』『家においでよ』の3編。
『サニーデイ』を読んだら、なんだかネットオークションがやりたくなってきた。
『ここが青山』は夫が家事に目覚めていく姿が面白い。
『家においでよ』も自分の理想の家を追求していく様子が面白かった。
最後の『妻と玄米御飯』は作家自らの体験なのか??とかちょっと思ったりもしたが、違うか。
『夫とカーテン』も妻のはじけっぷりが結構楽しかった。
唯一『グレープフルーツ・モンスター』がなぁ…。こういう女性もいるのかもしれないけど、同じ女性としてはあまり共感できず…。やっぱりこういうところは男の作家さんだからなのかなぁ…とかも思ったり…。
2008年09月22日(月) |
キャットストリート 全8巻 神尾葉子 |
神尾葉子 集英社
NHKの連ドラでやっているのを最初に見て、原作を読みたくなった。
天才子役として活躍していた恵都が、親友だと思っていた奈子にひどいことを言われ、舞台で立ち尽くしてしまう。それから7年間、引きこもりの生活を続けていたが、ある日、フリースクールに誘われたことから、もう一度やり直すチャンスを得ていく…。
原作とドラマだと登場人物も違うし、話もかなり違うことがわかった。
原作の方は、少女マンガなだけあって、やはり恋愛関係の話が多い。
でも、とても面白いことは確かで、ついつい読みふけってしまった。
引きこもりや家族や友達との付き合い、もう一度やり直すということなど、マンガでこうして描いてもらえると、今、どうしようもなくて困っている子供が立ち直るチャンスにもなるのかもしれないと思った。
2008年09月16日(火) |
モンスターペアレント |
最初は怖いもの見たさで見始めたのだが、結構面白くてびっくりした。
敏腕弁護士の高村(米倉涼子)は弁護士事務所の上司・城山(草刈正雄)から頼まれ、教育委員会の仕事を手伝うことに。教育委員会は、いろいろと難癖をつけてくる保護者=いわゆるモンスターペアレントと教師との間のもめごとを解決するために頭を悩ませていたのだ。
最初は教育のこともわからず、適当にやろうとしていた高村だったが、様々なケースに出会ううちに、気持ちがどんどん変化して行って…。
高村は高飛車で自信過剰すぎるほどの女。プライドも高くて、そういうところをくすぐられると、ついついやりたくないことでも引き受けてしまったり、決して聖人君子なわけではない。
最初は正義感溢れる弁護士が、理不尽なモンスターペアレントを成敗していくという話なのかと思っていたが、そんな単純な話は一つもなく、どの回も考えさせられる内容であった。
保護者が悪い場合も、教師や学校が悪い場合もあり、また解決がなく、先生が辞めてしまったりしたケースも…。決して毎回が成功するわけではないこの仕事。それまで一度も負けたことがなく、勝ち負けでしか物事を判断していなかった高村は、屈辱を味わいながら、成長していくのだった。
このドラマがリアルなのかどうかはさておき、なかなか面白かった。それはたぶん、毎回のゲストの保護者役や教師役の人たちの演技もよかったからだろう。木村佳乃、南野陽子、東幹久&MEGUMI、室井滋、川島なおみ&小倉久寛、高橋ひとみ…などなど…毎回のゲスト陣が本当にはまっていた。特に東幹久&MEGUMI夫婦の給食費を払わないとごねる様子は恐ろしかった。
「教育委員会」という響きからはなんだか暗くてお堅いイメージが感じられて、このドラマのような感じではないような気もするが(大体あれしか人数がいないということがあるのだろうか?)、教育現場の様々な問題が少しだけわかったような気もして、とりあえずよいドラマだったように思った。
2008年09月14日(日) |
ありがとう!チャンピイ〜日本初の盲導犬誕生物語〜 |
実話をもとにしたドラマ。初めて盲導犬を調教した塩屋(高島政信)の物語。
戦後、病で中途失明した青年・河相(伊藤淳史)は、外に出ることもせずに毎日を過ごしていた。そんな彼を見かねた幼馴染の玲子(本仮屋ユイカ)は、塩屋に河相の犬を盲導犬にしてくれるよう頼む。
日本には盲導犬を調教した人もおらず、前例がなかったため、最初は断る塩屋だったが、どうしても心に引っかかることがあり、ついには調教を引き受ける。
しかし、そのため、もともとの愛犬調教の数が減り、妻(桜井幸子)は秘かに着物を売って家計を助ける。挫折を感じた塩屋は調教をやめようとまで思うのだが…。
実話というだけあって、重みはあるのだろうが、なぜか感動があまりなかった。
夫を助ける妻像は、昔はこういう人が多かったのかもなぁと思った。
昔の日本を再現するセットがなかなか面白かった。
しかし、高島政信、桜井幸子、伊藤淳史などはともかくとして、本仮屋ユイカや盲学校の女生徒などが、現代的な顔立ちで、昔感があまり漂わなかった感じがする。特に本仮屋は、奥さんという感じがなくて、まだまだ女子高生っぽい感じがするのだよね〜。
まあ、昔は20代前半で嫁に行く人が多かったのだから、こんな風だったのかもしれないが…。
2008年09月13日(土) |
ロト6で3億2千万円当てた男 |
反町好きな私…。面白そうと思って見始めたものの、数回見た段階でギブアップしそうに…。しかし、なぜだか最後まで見てしまったのはどうしてなのか…。
最後まで見て…失敗…大失敗だと思った。
ロト6で3億2千万円当たった立花悟(反町隆史)は、リストラされそうなしがないサラリーマン。バツイチで、子供は奥さん(中島知子)と暮らす。
この金で幸せになるぞ!と思った悟だったが、お金の使い道はろくでもないことばかり。人から頼まれると断れず、人のためにお金を使う、それもただ豪遊するために…。下手な投資話に手を出し、お金をパーにする、女に騙され、お金を持ち逃げされる…などなど、見ているとイライラすることばかり。
高級マンションを借りようとするという発想もわからない。まずはそのお金で堅実にマンションでも買おうとは思わないのか?
もし自分ならこんな風にしない!と思うと、非常にイライラするのである。この悟のキャラ自体がイライラするキャラなのだから仕方ないのかも。
「あなたは大金を持つ資格がなかったのかもしれない」などと言われ、最後には一文無しに。
それでも、最後まで自分と関係のないことのためにお金を借金する姿には、もう呆れて…。そして、それを助ける周りの人々の様子にも????????と頭の中に疑問が…。(というより、あなたたち、自分たちのために今までどれだけこの人にお金を使わせたんですか?)
コメディタッチなのはいいけど、こういうのは許されないんじゃないだろうか…と思ってしまった。
はぁ〜〜、最後まで見て、損した。
確かに反町にとっては今までにやったことのない役柄で、自分の芸の幅を広げる(た)のかもしれないけど、ここまで自分を落とす必要があるんだろうか…とちょっと思ったのだった…。
2008年09月12日(金) |
宝塚式「美人」養成講座 貴城けい |
貴城けい 講談社 2008
宝塚の元男役トップスターだった貴城けいが、宝塚音楽学校や宝塚時代に培ったマナーや生きていく上でのルールなどを、「ブスの25箇条」をもとにして綴る。
「ブスの25箇条」とは、宝塚歌劇場のとある場所に貼り出されている女性がしてはならない25の事柄。
宝塚音楽学校の様子や、宝塚の内部などに興味がある人には面白いかも…。
2008年09月11日(木) |
鹿男あをによし 万城目学 |
万城目学 幻冬舎 2007
STORY: 奈良の女子高に産休代理教師として赴任することになった男。赴任早々反抗的な女子生徒・堀田ともめたり前途多難。そんなとき鹿に突然話しかけられ、日本を救うために「目」を持ってくるように要求され…。
感想: ドラマがすごく面白くて、原作が読みたかったので、読んでみた。やっぱり面白い。
でも、ドラマと原作は違うものだというのがわかった。比べながら読むと、小説の方がすっきりとまとまっているし、わかりやすい。
ドラマは原作にはないサブストーリーを入れたり、恋愛要素を入れたりしていたし、謎解きもちょっとわかりにくかったのかも。
でも、ドラマはこの原作の世界をよく理解して、新しいストーリーを作っても違和感なくしていたのかもしれない。
藤原君が原作では男で、ドラマでは女だった。原作では鹿と話すことができたのは、先生と堀田だけで、ドラマのように藤原君が話しかけたりもなかった…。
違いは違いとして、それぞれ楽しむことができたから、よかったかも。
でも、ドラマの影響が強いのか、リチャードが児玉清にしか思えず…。それだけインパクトがあったということだろう…。
2008年09月09日(火) |
7年目のセキララ結婚生活 けらえいこ |
けらえいこ メディアファクトリー 1999
『あたしンち』の作者けらえいこが、結婚7年目の日常の様子を綴った漫画。
7年目でも夫婦二人のけら家。
その日常は、うちにちょっと似てたりして、ツボに入る部分多々あり…。
夫にも読ませてみたら、私以上にツボにはまっていた。その動向を観察するとおかしい…。(そっちの方が笑えるかも…)
夫婦二人の生活を送る人には身につまされる(?)部分があったりして…。
気づけば初日に見に行ってしまった…。
もう少しシリアスな映画かと思ったら、全然違って、ハートウォーミングでコメディタッチの軽いノリの映画だった。動物好きな人にもオススメな元気の出る映画で、かなり気に行った。
13年間自分のアパートから出たことのない作家のアレックス(ジョディ・フォスター)が主人公なのかと思っていたら、主人公は南の島に住むニム(アビゲイル・ブレスリン)。海洋学者の父ジャック(ジェラルド・バトラー)と2人で、火山のある孤島(北海道に形が似ている)に住んでいる。
ニムはアレックスの描くアレックス・ローバーが出てくる小説が大好き。いつも想像の世界で遊んでいる。
そんな2人の接点は全くないはずだった。作品作りに行き詰まったアレックスが火山に興味を持ち、ジャックにメールを送ったことから2人はメールのやり取りをするようになる。ちょうどジャックは一人で海に外出中だったのだ。
しかし、突然の嵐でジャックの船と連絡が取れなくなってしまい、謎の海賊船が島を襲おうとしているのを見て、ニムはアレックスに助けを求める。
外出恐怖症のアレックスはためらうものの、少女がけがをして、父が帰ってこないということを聞いて、意を決して外の世界に飛び出していく…。
でも…全然シリアスじゃなかったりする。
ニムは動物たちと仲良く暮らし、自分のことは自分でできる元気な子。アレックスはドジっぷりで笑わせてくれるし…。父は不死身(?)で、動物たちは協力的で…。
ありえないって思うところも、コメディタッチなので気にならない。
もしかして今年見た中で一番くらいに面白かったかも。(今年、あんまり映画を見に行けてないので…)
どこかで見たことが…と思ったら、子役のアビゲイル・ブレスリンは『幸せのレシピ』の子役だった。これよりほかの映画の方が有名らしいけど、そっちはまだ見たことがない。今度見てみようかな…。
2008年09月05日(金) |
eensy-weensy モンスター 全2巻 津田雅美 |
津田雅美 白泉社
『彼氏彼女の事情』の作者の新しいマンガということで、読んでみた。
高校生の七花(なのは)は心の中に潜む悪魔の存在にビビりながら過ごしていた。女子から「王子」と呼ばれるいけすかない男・葉月にその悪魔が暴言を吐き…2人の関係は最悪の状態に陥るかと思われたが…。
友達から恋愛に…次第に移り変わる感情を月ごとに描いている。すっごい軽いノリ。だけど、このマンガはやっぱり中高生くらい向けか…。
大人が読んでもつまらないわけじゃないけど、ちょっと物足りないような…。
気張らずに高校時代などの青春を思い出したい人にはオススメかな…。
2008年09月04日(木) |
おいしい関係 全16巻 槇村さとる |
槇村さとる 集英社
何不自由なく育った百恵は、父の死によって生き方を変えなくてはならなくなる。グルメ好きな父に連れられ、あちこちの店を食べ歩いていた百恵は、自分の天職はコックだと思い、偶然立ち寄ったものすごいおいしい店で働かせてもらうことに…。しかし、このとき百恵はご飯もろくに炊けない女であった…。
この漫画は、レストランで働くということを描く職業マンガでもあり、それでいながら、恋愛要素もふんだんに取り入れられている。一目惚れしたプチ・ラパンで働く一匹狼のシェフ織田は、すべてを兼ね備えているかのような可南子と交際を始め、百恵はずーっと片思い。
最初の方は父の死で生活が一変する辛さ、片思いの辛さとか、料理が上達するまでの葛藤とか、そういうのが面白かったのだが、後半物語は複雑な様相を…。
三角関係なのか四角関係なのか…。様々な男たちが百恵の周りをうろつくんだよね…。
百恵に対する可南子の嫉妬もすごくなっていき…。
でも、百恵は結構しれ〜〜っと、男の心に入り込むのだよね。
読んでて、これは可南子の立場だとどうなの??って思うシーンも多々ある。
やっぱ自分がつきあっている人に片思いしている人が、あきらめずにいちいちちょっかい出してきてたら気持ちが穏やかでいられないんじゃないだろうか…。
マンガだから、主人公に感情移入するのが普通だろうけれど、そんな感じで、この主人公の行動、どうなの?って思うこともあった。
最後の方は、可南子の方がどうかしちゃってるな…とは思ったけど…。
大人向けのコミックなのかな…。
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