感想メモ

2007年07月28日(土) ダイ・ハード4.0


 「ロッキー・ザ・ファイナル」を見に行ったときのキャンペーンに応募したら、「ダイ・ハード4.0」の劇場招待券が当たった。ということで、見に行くことに。「ダイ・ハード」は確かシリーズの2までは見たような覚えがあるのだが、3はどうだったか思い出せなかった。でも、4だけでも大丈夫とのことで行ってみる。

 聞くところによると、「ブルース・ウィリスじゃなかったら6回は死んでいる」んだそうで、それほどのハードなアクションシーンの連続。確かにそうだなーと思いつつも、速いテンポとどうなるのかというのとでぐいぐいとひきつけられ、あっという間に最後のシーンへとたどり着いた。

 サイバーテロに襲われたアメリカ東部。刑事ジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)は、ハッカーで重要参考人のマット・ファレル(ジャスティン・ロング)を連行するためマットの家に行くが、そのときに何者かに襲撃され、命からがら逃げ出す。2人はテロリストたちを倒すために立ち上がる。

 シリーズを見ていなくても、楽しめること間違いなし!なアクション映画だった。そして、サイバーテロに限らず、私たちの生活がいかにコンピューターのシステムやネットワークに頼っているか、そして、それが崩れたときにどのような大混乱が起こるのかについても考えさせられる映画だった。

 それにしても、いつの間にか奥さんと離婚していて、娘にも嫌われていたのね・・・。夫に聞いたら、3の段階で離婚していたらしい。やっぱり3は見てないんだろうなぁ・・・。



2007年07月15日(日) DEATH NOTE 全12巻+1巻  大場つぐみ/原作 小畑健/漫画


大場つぐみ/原作 小畑健/漫画 集英社

 映画化もされていた『DEATH NOTE』を読む。これは高校生の夜神月(ライト)が、死神が落としたDEATH NOTEを拾ったことから巻き起こるサスペンスである。DEATH NOTEに名前を書くと、名前を書かれた人は死ぬ。死因などもある程度は操ることができる。月はこのノートを使って自分の理想の世界を作ろうとするが・・・。

 これは漫画か??と思うほど、字が多い。だから、1冊を読むのに1時間くらいかかることもザラで、おまけに内容がすっごい複雑で難しくて、頭が悪い私にはついていけない部分もあった。

 ちなみに本編は12巻までであるが、13巻は登場人物のデータ集や漫画家と原作者の対談などが収録されていて、こちらも興味深い。また巻末に『DEATH NOTE』の番外編も収録されている。

 以下ネタバレあり。

 月の理想とする社会は、悪人は殺してもよく(いる必要はなく)、善良な人々が暮らしやすい社会である。確かに殺さなければわからない凶悪犯人などもいるとは思う。政治家などにも悪いことをしている人だっているだろうし・・・。ただそれを殺してもいいという月の考え方は、やはり段々ゆがんでくる。最後には、自分がその社会の神になろうとし、自分を過信しすぎてしまう。

 多分月がこのノートを手に入れなければ、それこそ日本のために警察に入ってよいことをしたのではないかと思う。私が一番好きな月は監禁され記憶を失ったときの月。本来の性格はこういういい奴なのだと思う。でも、ノートを手にし、人を殺し続けていくうちに、人を殺すということの罪悪感も薄れ、追跡劇もただの勝つか負けるかのゲームとしてしか見られなくなっていく。

 何かもう少し違う方向に行けばよかったのになぁ・・・とも思う。もちろん月は倫理的にはいけないことをしているのだが、こうした世界を作りたいという気持ちは非常に理解できる。ノートがなくなった途端、人々は前のように悪いことを悪いとも思わずやるようになる。それがまたリアルで考えさせられてしまうのである。

 月の最期は多分こうなるのであろうと思われた最期だったので、納得ではあるが、その他の人が気になる。特に月を好きだった海砂(みさ)はバカだったかもしれないけれど、明るくて楽しくてとても好感が持てただけに、最後どうなったのかが描かれていなかったのが残念だった。

 やっぱり私はキラよりだったのかなぁ・・・。でも、自分はキラのようには絶対になれない。ノートがたとえ落ちていたとしても、拾わないだろう。

↓映画版『DEATH NOTE』



2007年07月14日(土) 「天才」の育て方  五嶋節


五嶋節 講談社現代新書 2007

 五嶋みどり、五嶋龍という名ヴァイオリニストを育てた五嶋節が語る「天才」の育て方・・・と書くとちょっとこの本の内容と合わないかも。

 節さんの人柄が表れる文章で、自慢めいた表現とかもないし、タイトルとはちょっと違うなぁという気がした。だから、自分の子供をヴァイオリニストにしたい人とか、子育ての参考にしようと思っている人には物足りないかもしれないけれど、自信を持って自分流の子育てをすればいいのかな・・・と少し気持ちが楽になる人もいるかもしれない。

 新書ってほとんど読んだことがなく、もっと堅苦しいイメージだったけど、結構気軽に読めるものも出ているのかな。だから、最近新書のベストセラーが多いのだろうか。



2007年07月10日(火) 佐藤さん  片川優子


片川優子 絵・長野ともこ 講談社 2004

STORY:
幽霊が見えてしまう高校生の佐伯と隣の席に座る幽霊に取り憑かれやすい佐藤さん、佐藤さんに取り憑いた幽霊の安土さん、そしてクラスメイトたちの織り成す青春模様。

感想:
 ちょっと気弱な佐伯と幽霊に取り憑かれやすい佐藤さん。この2人が取り憑いた幽霊を除霊するために奮闘し、そのうちに恋愛模様に発展・・・。

 とてもわかりやすい読みやすい作品。講談社児童文学新人賞を受賞している。つまりは中高生くらい向けかな。

 作者がこの作品を書いたのも中学生のときのことらしい。

 気楽に楽しく一気に読める。子供も大人も割りに楽しめるように思う。



2007年07月08日(日) てるてる坊主の照子さん  なかにし礼


なかにし礼 新潮文庫 2003

STORY:
岩田家の春男と照子夫婦の間には4人の女の子が生まれる。照子は上の2人の才能を伸ばすために奔走する。

感想:
 この作品はNHKの朝ドラ「てるてる家族」の原作で、以前、とても読みたいと思っていたのだが、結局読むことがなかった。読んでみると、ドラマを思い出すところもあり、楽しかった思い出がよみがえってきた。ドラマとは若干違う部分もあるし、ドラマの方が、さらに先のほうまで映像化している。

 春男と照子の馴れ初めや、夏子が肺炎にかかり奔走するところ、春子と夏子にスケートを習わせ、次第にその才能が開花していくものの、スケートはお金がかかる競技で、大変な思いをするところ。夏子の芸能界デビュー、そして、春子のオリンピック出場など、やはり懐かしい気持ちがした。

 ドラマでは秋子には天才的な能力があって、カップヌードルを発明したりしたような覚えが。冬子は宝塚音楽学校に入り、パン屋を継ぐんだったか・・・。でも、原作ではそこまではない。パン屋も途中で廃業し、喫茶店経営だけになっている。実際の秋子はフィギュアスケートを高校から始め、国体に出たりしていたらしい。冬子は宝塚音楽学校を卒業し、芸能界に入るが、そこで出会ったなかにし礼と結婚、今に至る・・・という・・・。ちなみにこのドラマの夏子の実物はいしだあゆみ。

 戦中・戦後の普通の一家の様子がすごくわかる。照子の商売に対する目の付け所のすごさとか、春男の堅実さとか・・・。真面目そうな春男はなぜか浮気、そして、照子はそれを許すとか・・・これぞ昭和!って感じがする。

 ドラマと一緒に楽しむのがオススメな本。

↓てるてる家族



2007年07月06日(金) 鬼嫁日記 いい湯だな

鬼嫁日記~いい湯だな
 前に「鬼嫁日記」を見ていたので、ついつい見てしまった。

 一言で言うと、ワンパターンの楽しさというのか、毎回同じことを繰り返すので、安心感があるというかマンネリの中に楽しさがあるというのか・・・。

 いつも一定のパターンがあるから、くだらないとか思いつつも思わず見てしまう・・・。何だか不思議なドラマだった。

 加藤茶の演技がよかった。一時重病だったけれど、復活してくれて軽快なしゃべりがまた聞けてよかった。これからも活躍してほしい。



2007年07月02日(月) 無銭優雅  山田詠美


山田詠美 2007 幻冬舎

STORY:
お互いに42歳同士の慈雨と栄は付き合うようになり、2人だけの生活リズムを楽しんでいるが・・・。

感想:
 山田詠美は昔から合わない気がして、ほとんど読んだことがないのだが、面白そうで読んでみたら、結構はまった。

 女で独身・42歳となると、色々複雑な身の上になってくる。慈雨は実家の両親とともに二世帯住宅で暮らす。下の階には兄夫婦と姪っ子が2人。姪はすでに一人は大学生、一人は高校生である。父に出してもらったお金で友達とともに花屋を開きそこで働く。

 栄は天涯孤独で乗り物酔いがひどいため、自転車で行ける範囲しか出かけることができないという不思議なキャラ。一見女々しく情けない男だが、慈雨にはそんな男がぴったりだったのである。

 この2人のお互いを愛する気持ちが書かれていて、何だか満ち足りた気分になれる。幸せな気分に・・・。

 でも、最初からの疑問は、なぜこの2人はこんなに気が合うのに結婚しないのか?ということであった。ここまで相性がいいなら、年も年だしすぐに結婚した方がいいのではないか?とか。

 ここから多少ネタバレありになってしまうかもしれないんだけど、最後まで読んでみて、なるほど〜とちょっと納得。

 元々この小説の始まりでは2人は45歳になっている。でも、45歳まで結婚はしていない。42歳で出会い、そこから1年ちょっと付き合ったところまでを描いている。2人はこのあときっと結婚するのだろう・・・と好意的な解釈をした。

愛っていいな、相思相愛っていいな・・・って素直に思えるちょっと幸せな話だった。



2007年07月01日(日) ブラックジャックによろしく 全13巻  佐藤秀峰


佐藤秀峰 講談社

 新米の研修医が研修中に様々な騒動を巻き起こすというストーリー。13巻までで一応完結ではあるけれど、この先は集英社の方で連載が決まったとか・・・。でも、13巻まででもう十分かな・・・。

 給料が安すぎるため、知識も経験もまだ未熟なのに夜勤のバイトをしなくてはならない研修医。夜中に救急で重症の患者が運ばれてきたのに、主人公の斉藤先生は逃げ出してしまう・・・。病院はたくさんあっても医師不足が深刻であることとか、病院が置かれている現状に警鐘を鳴らすという意味では、非常に考えさせられる作品である。

 それはその後のガン闘病やNICU(小児科のICU)、精神科でも同じで、本当に今の(と言っても、少し時代が移っているから、こんな風じゃないところもあるのでは?とも思うのだが)医療について考えさせられる漫画だった。

 でも・・・絵があまり美しくなく、正直受け付けない。グロテスクなところはすごくグロテスクで、それが実際だとしてもあまり見たくない。

 それから、ガン闘病編では、こんな医者に当たりたくないと思ったし・・・。

 一番興味深かったのは精神科編か・・・。


 < 過去  INDEX  未来 >


サーチ:
キーワード:
Amazon.co.jpアソシエイト
ゆうまま [MAIL]