感想メモ

2006年05月11日(木) 別人「群ようこ」のできるまで  群ようこ

別人「群ようこ」のできるまで
群ようこ 文春文庫 1988

 群ようこがどうして物書きになったかを大学時代後半の就職活動の頃から順を追って書いた作品。

 群ようこも抵抗があって読んだことがなく、これが初めてだったのだが、すごく面白くてびっくりしてしまった。

 就職活動、就職してからの苦労、転職・・・と、ものすごく濃い人々との出会いを繰り返しながら、本当に面白い毎日を送っていて・・・。

 頭をあまり使わず、楽しく読める作品だった。



2006年05月05日(金) あ・うん  向田邦子


向田邦子 文春文庫 1983

STORY:
寝台戦友として知り合った水田と門倉は家族ぐるみで付き合うほどの仲。男同士の友情、水田の妻と門倉との微妙な関係、門倉と愛人との関係、水田の娘の恋愛など、昭和初期の一般家庭の様子を描く。

感想:
 向田邦子は有名だけれど、どうも抵抗があって読んだことがなかった。読んでみたら、結構面白くてびっくりした。

 この作品は太平洋戦争前の日本が舞台で、今では古き昔となった昭和初期の描写が素晴らしくて、昔はこんな感じだったのだなーというのがよく伝わってくる。

 たとえば、二号さんなどが当たり前のように出てきて、男が愛人を作ってもそれでも大丈夫だったし、子供を他の家の養子に出すなんていうことも、今より抵抗がなかったような感じである。

 今はもう廃れたというか、なくなってしまった風習とかも、なかなかに面白かった。

 水田の娘は年頃で、若い男性と数人恋に落ちるが、昔の恋愛とはこうだったのだなーというのも、結構面白かった。

 やはり戦争が終わってから、こうした昔の一般的な常識(今の世の中だったら不当なことも相当あるだろうが)が覆ったのかなと・・・少し思ったりもした。


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