感想メモ

2005年09月29日(木) 時生  東野圭吾


東野圭吾 講談社文庫 2005

STORY:
不治の病にかかった息子の最期を目前にし、父は母に「過去に息子に会ったのだ」という話をし出す・・・。

感想:
 NHKの夜ドラ『トキオ 父への伝言』の原作本。最近文庫本が出たので読んでみることにした。

 結末がわかっているだけに、最初の部分からなぜか涙が出そうになる。最後を知っていて読むと、胸に来るものがある。

 やはり父・拓実はものすごい嫌な男に描かれている。でも、だからこそ、最後の感動があるのかもしれない。

 過去と現在がつながって、終わりを読んでからもう一度はじめの方から読んでみると、さらに泣けた・・・。

★ドラマの感想はこちら



2005年09月20日(火) ドラゴン桜 (ドラマ)



 楽しみに見ていたドラゴン桜が終わった。最終回、かなり引っ張るなぁと思ったけれど、まあ感動できる終わり方だったのではないか・・・。

 もし自分が現役高校生のときにこの漫画を読んでいたら、東大に行こうと思ったような気がする。私はかなり漫画などに影響を受けやすい・・・。この通りにやったからといって受かるかどうかはわからないけれど・・・。だからといって、私はどんなに受かりやすいからといっても、理系に進むのは勘弁かな・・・。ドラマの中に出てくる数式みたいなのも全く覚えがないものばかり。多分やったこともないと思う。やったのに忘れた・・・というわけではないと思う。全然意味がわからなかったし・・・。

 桜木先生の話って、なぜか納得させられるものがある。特に「子供にレッテルを貼っているのは親である」なんていう部分はそうかな・・・とも思った。

 一番気になったのは双子のその後。あの偉そうな弟は東大に不合格。兄が受かったわけだけれど、その後、家庭での立場はどう変わったのか。非常に気になったが、そのシーンがなかった。それにしてもあの弟、ひどすぎる。弟と兄のシーンではちょっとあまりのことに泣きそうだった。

 このドラマを見ると、なんだかこっちまで「あきらめたらダメだ!」と元気になるような気がした。最後に全員受からなかったところもよかったかな。弟には「こんなので感動するか?」と言われたけれど、なんかやっぱり熱い気分になれたと思う。受験生には特にオススメかも。

 原作の漫画も読んでみたいような気がする。

★原作漫画は『ドラゴン桜』



2005年09月19日(月) 三畳ガーデニング  かたぎりもとこ


かたぎりもとこ メディアファクトリー 2005

 ベランダでガーデニングに励む人のことを「ベランダー」というらしい。そして、この本はそんなベランダーの日常の様子を漫画を取り入れながら描いた作品である。

 ガーデニングや家庭菜園のようなものに興味がある人には面白いと思う。軽く読める。けれど、特に栽培法とかが詳しく載っているわけではないので、そういうのを期待する人にはあまりオススメできないかな。

 イラストがとてもよい感じで、興味がない人でもやってみようかな・・・と思うかもしれない。



2005年09月18日(日) ひとりずもう  さくらももこ


さくらももこ 小学館 2005

 久しぶりのさくらももこのエッセイ。青春を題材としている。小学校高学年くらいから漫画家デビューするまでのことを思い返している。

 最近はずっと絵が多く文章が短いエッセイばかりだったけれど、久しぶりにきちんとしたエッセイ。おまけに元のさくらももこに戻っているような気がする。これならお金を出しても惜しくはないかも。

 一番感銘したのは、自分がなりたいものになるためにどうするかということ。なりたいからといって誰でもがなれるわけでもないが、それに向かってアプローチを変えたりするというような部分は、今現在進路をどうすべきかと思っている人には感銘を与えるかもしれない。

 さくらももこの高校時代は何もせずだらだらとしていたらしい。でも、これも後に忙しくなる人だったからなのかしら・・・。のんびりしている時期が多い人は、後に忙しくなる運命だからなのかなぁなんてちょっと思う。忙しくなったらのんびりしていた日にはもう戻れない・・・のかも?



2005年09月14日(水) ガラスの地球を救え  手塚治虫

ガラスの地球を救え
二十一世紀の君たち
手塚治虫 光文社 1989

 故手塚治虫氏が、子供時代のことやこれからの日本についてなどを21世紀に生きる子供たちに宛てて書いた本。

 地球というかけがいのないものを危機から救うためにどうするかなどが書かれている。

 子供時代のエピソードがなかなか面白かった。

 最後に未来の日本の予測(21世紀になる前に書かれた)を読んだけれど、なるほどなーと思った。やはり想像力豊かでないとダメだなと。当たっているかはともかくとして、将来どうなるかとか、自分自身でも考えていかないとダメかもしれない。



2005年09月13日(火) さよならバースディ  荻原浩


荻原浩 集英社 2005

STORY:
ボノボの言語習得の研究に没頭する真は恋人の由紀に結婚の申し込みをし、幸せの絶頂にいたはずだった・・・。ところが由紀が自殺。真は自殺の真相を知ろうと動き出す。

感想:
 ボノボというサルについてよく描かれていた。実際に見たら結構かわいいのかもしれないとも思った。

 恋人の死の真相を知ろうとする主人公。つまらなくはないのだけれど、前作『明日の記憶』ほどの面白さは感じられなかった。

★その他の荻原浩の作品
『明日の記憶』
その感想ページ



2005年09月07日(水) キップをなくして  池澤夏樹


池澤夏樹 角川書店 2005

STORY:
キップをなくしたイタルは同じような子供たちが集まる詰所に連れて行かれ、「駅の子」として働くことになるが・・・。

感想:
 この本は大人向けなのだろうか。それとも子供向けなのだろうか? どちらかというと、大人より子供が読んだ方がいいのではないかと思う作品だった。

 色々と工夫が凝らされていてつまらないとは言えないけれど、かといって面白いとも言いがたい。大人の頭で読んでしまうと、どうしてこんなことが? こんなことありえない・・・とついつい思ってしまうのだ。もっとファンタジーテイストが強いとかなら割り切って楽しめるのだが、描写がリアルなところがあって、どうもそういう部分が引っかかった。

 ちなみに作品中の言葉などより、どうやらこの作品の舞台はかなり昔だ。昭和50年代を描いているらしい。台風の「ヘクトパスカル」は「ミリバール」だし、青函トンネルもまだできていない。

 鉄道ファンには多分楽しめる作品なのではないかと思う。



2005年09月06日(火) 積み木くずし 真相

 2夜連続で放送された「積み木くずし 真相」を見る。

 「積み木くずし」の原作(『積木くずし―親と子の二百日戦争』)は読んだことがないのだけれど、当時テレビドラマは見ていた。あの頃はもしかしたらまだ小学生だったか、それとも中学生だったか・・・。あまり覚えていないけれど見ていてすごいインパクトだったような・・・。

 彼女のその後が気になっていたのもあるし、また安達祐実が結構好きなのと杉田かおるがどういう演技をするのかも興味があったというのもあって、思わず見てしまった。2夜連続とは知らず、1夜目を見て、続きがあるのに気づいた。そして、2夜目もはまった・・・。

 どの人も演技がうまい! 杉田かおるもひどい母親を演じ切っていた。舘ひろしの演技もかなりはまっていた。安達祐実ももちろん・・・。そういう意味でも安心して見られるドラマだったかも。

 強引だと思ったのは、出版社の編集者。彼が父親に「娘のその後のことを書け、それが娘に対して懺悔になる」というようなことを執拗に言い続け、本を出すことにした・・・という設定なのだが。父親がちょっとかわいそうに思ってしまう。もしこの部分が本当だとしたら、なぜこの編集者はそこまでしてその後のことを本に出そうと思ったのか?

 それは、このドラマの制作についても一緒なのであるが。人それぞれだとは思うが、「父親はやっぱりわかってなかった、結局金儲けのために娘と母親のその後のことを本にしたのだ」という意見もあることだろう。私も言われて見るとそうなのかなとも思ったりもした。

 ただ考えてみるに、父親も現在72歳。俳優を続けているのかはよくわからないのだけれど、続けているとしてもあとどれだけ続けられるかもわからない老齢に入ってきているはず。老後のことを考えても印税が入って余裕が出るならそれでもいいような気もした。

 でも、それより何より、ドラマを見て、そして、時間が経って思うのは、やっぱり父親は自分のことよりも娘のことを考えて本を出し、ドラマ化したんではないかということだ。というのは、このドラマは本当に娘を美化して美化しまくっている。確かに不良少女になり、悪いこともやって、薬もやって捕まったり色々なことがあった。でも、その原因は自分たち親にあって、(もちろん非行に走ったきっかけはいじめとレイプであったわけだが)親の接し方が悪かったということをひたすら描いているのである。そして、最後に娘が死ぬところでは、娘が町中の人から愛されていたことや、親の知らない人間関係があったことなどが明かされるのである。

 死者に鞭打つようなことはしないということなのかもしれないけれど、でも、この部分で私は泣いた。きっとドラマを見ていた人の多くがこのシーンで涙したことであろう。やっぱりこのドラマは娘を美化した作品だ。

 親のエゴ、マスコミの執拗さが娘をあらぬ方向に導いてしまったのだということを言いたかったのだろう。

 もう一度元の話に戻ると、杉田かおるをだまし続けた一家の経理を担当していた女が恐ろしかった。それから武田鉄也の警視庁の人。この人の言うことはどうなんだろう?とも思ったけれど、どうやら当時からこの人の言葉は非行に走る子供を持つ親にとってはバイブル的だったみたいなことを聞いたので、間違いではないのかな。何となく逆効果?と思う部分もなきにしもあらず・・・と思ったのだけれど。

 とにかく久しぶりにガツンと重い考えさせられるドラマであった。

★ドラマの原作は『由香里の死そして愛―積木くずし終章』
★当時のドラマは『積木くずし』



2005年09月01日(木) スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還 見比べ



 夫は『スター・ウォーズ』のシリーズはリアルタイムで映画館で見ており、レーザーディスクを持っている。元々この作品は「エピソード6」ではなかったし、『ジェダイの帰還』というタイトルも『ジェダイの復讐』というようなタイトルだったらしい。

 夫によるとDVDとレーザーディスクでは終わり方が違い、一部のファンには不評なのだとか。夫もこのDVDを初めて見て、終わり方が本当に違う!と愕然としていた。

 そこで、レーザーディスクを取り出してきて、見比べてみると・・・。

 最後の終わり方が確かに違う。元々はイウォークたちが踊りまくって終わるらしいが、色々な星の人たちが帝国の支配の終焉を祝うシーンが挿入されている。また使われている曲が違う。元の方がユニークな感じ。さらにダース・ベイダーの亡霊の顔が違ってるらしい。元々は別の人だったのだが、ヘイデン・クリステンセンの顔に変わってるとか・・・。

 さらに思ったのは、字幕が古い! レーザーディスク版は字幕の言葉遣いがすごく古く、また英語の訳し方がもっと意訳になっているように思った。その点では今のDVD版の方がいいかも・・・。

 元々はこの作品は9部作の予定だったらしいが、ジョージ・ルーカス監督は「この物語はダース・ベイダーの物語。だから続編はない」と言い切ったらしいので、もうできないのだろう。そのため、DVDにするときに大団円のように終わらせる必要があり、内容が変わったのだとか。

 こうした違いを見つけるのも面白い見方なのかもしれない。

『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』の感想ページ


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