2004年07月30日(金) |
妻の卒業式 (ネタバレあり) |
NHKの月曜ドラマシリーズ。
一人娘が結婚を決意したとき、夫は職場での役割も夫としての役割も嫌になってしまい、思わず妻に離婚を切り出す。はじめは真剣に取り合わず、次に驚き、夫の都合のよさを非難する妻だが、そのうち離婚しようと自らも思い、自立の道を探し出す。夫も辞職し新たな道を進むことを決意するが、その頃には二人はなぜ離婚するはずなのかわからなくなっていた…。というか、視聴者である私には、この二人がなぜに離婚をしなくてはならないのかが全くわからなかった。そして思ったのが、やはり自分が弱っていたり判断できる状態にないときに大きなことを口に出さない方がいいということかもしれない。
娘の結婚の問題も絡めて、今の日本では熟年になってからも離婚をすることは体裁が悪いし、よっぽどのことがない限り一緒に添い遂げるべきだという風潮が残っていること、また、離婚ということは口には出さなくとも周りに何があったのかなどと邪推されるということも描かれていた。結婚とは何か、離婚とは何かを考えさせるドラマに仕立て上げようと思ったのだとは思ったけれど、力不足というか、中途半端だったような気がする。結局最後の結論を先延ばしにするような演出も、一体この先をどう決着つけるのか?と思わせるもので、今まで見てきたのになんだ、この終わらせ方は?と思ってしまうほどだった。
確かに一話一話のエピソードは面白いし、ひきつけられるし、思わず見てしまうのだが、結局やはりどうしてこの二人が離婚せねばならないのか、離婚に踏み切ってしまうのかもわからず、また最後にも納得がいかなかった。
とはいえ、昨今、もしかしたらこのような感じで友達離婚のようなものが増えているのかもしれない。これも時代の流れなのかもしれないが…。
2004年07月29日(木) |
昔の女性はできていた 三砂ちづる |
─忘れられている女性の身体に“在る”力 三砂ちづる 宝島社 2004
昔の女性は生理のときにどうやって過ごしていたのか? これに関しては疑問に思っていたし、昔に生まれなくてよかったと思ったものだ。この本では昔の女性は出血を自らコントロールし、トイレで排泄を行っていたということが主に述べられている。そして、それこそが現代人が忘れてしまったもので、身体にもすばらしくよいのである!ということのようだ。
そのようなコントロールをどうしたらできるのか? それにはゆる体操と呼ばれる体操や、大和撫子のからだづくりと呼ばれる講座を受講せよ…ということらしい。そう、つまりやり方については述べられていないに等しい。そこが肝心なんだよー、とツッコミを入れたくなった。これを読んでその体操講座に通わせようということなのだろうが…。
ということで、自己流で今度やってみようかと思った次第。ほかにもこのシリーズは出ているみたいだけど、そっちにやり方が書いてあるのかしら??
2004年07月28日(水) |
ワイルド・フォレスト サンドラ・ブラウン |
ワイルド・フォレスト サンドラ・ブラウン 松村和貴子訳 ハーレクイン 2002
STORY: 突然の飛行機墜落事故により怪我を負いながら生き残ったラスティ。もう一人の生き残りベトナム帰還兵のクーパーとともに原生林をさまようことになるが…。
感想: 久々のサンドラ・ブラウン。それにしてもハーレクインといえば、なんとなく手を出しにくいイメージがあったけれど、こうして文庫本を出すと、抵抗なく手に取れるからわからないものだ。読み終わって出版社名を見るまでわからなかった。ロマンス小説だなというのは途中でわかったのだけど。
前にも書いているけど、サンドラ・ブラウンはロマンス小説でなくても、ストーリー展開だけで十分面白い作家だと思う。だから、そういう小説に欠かせないラブシーンがなくても特に問題はないような気がする。この作品も飛行機が墜落して二人でどうやって生き残るかというのだけでも面白い作品だったと思う。
それにしてもどうして男女がいつも素直に交わらないのかなー。読んでいるほうとしては実はイライラする部分かも。どうせくっつくんでしょ…というのがあるので…。最初から惹かれあうほうが読んでいて楽な気もしなくはない。
2004年07月23日(金) |
結婚の条件 小倉千加子 |
小倉千加子 朝日新聞社 2003
なぜ少子化や晩婚化が起こっているのかについて分析した本。
表紙がふざけた感じだったので、中身も軽いノリなのかと思ったらそんなことはなかった。大学で教えたりしている著者がどうして最近の日本では結婚をしない人が増えているのか、晩婚化、少子化などについて分析した、いたってまじめな本であった。いろいろ書いてあってうなずける部分もあれば、そうかな?と思う部分もあった。
若い世代は結婚するなら条件のいい人としたいと思い、そうでないのなら一生一人の方がいいと思っている。それは私もそうかなーと思う。実際独身時代はそう思っていた。けれど、実際に結婚する相手が出てくると、よっぽど自分の中でこれはまずいだろう・・・というようなことを相手がしない限りは、条件などどこかにいってしまうものだなーと思った。つまり、そういうインタビューに答えていた女性たちは、まだそういう人物に出会っていないからこそ好き勝手に言えるのではないかと思う。それは、最近そういう女性の心を動かせるだけのいい男というものが減っている・・・ということでもあるのだろうが。
こういう問題は難しくて、一言では片付かないのだろうけど、このまま行くと日本は滅びるとか・・・。という私も、まだ子供を作る気はなく、少子化に貢献している一人だったりするのだが・・・。
2004年07月16日(金) |
博士の愛した数式 小川洋子 |
小川洋子 新潮社 2003
STORY: 交通事故により記憶が80分しか保てなくなってしまった教授とその家政婦として働くことになった女性、その息子との3人の交流を描く。
感想: とても感動できるすばらしい作品だという評判が高かったので借りてみることにした。読売文学賞を受賞している作品。
評判に違わずとても面白く、また感動的だった。私は子供の頃から数学が大嫌いだったし、公式に当てはめればそれで十分と思い、証明などには興味も持てなかった。物語中の数式は難しくて私には理解不能ではあったけれど、何か教授が表したいものが伝わってくるような気がした。そして、素数や約数などすっかり忘れていたわけだけれど、なんだかすごく素数が素敵なものに思えてきたり、数学が素敵なものに思えてきてしまった。もし数学嫌いの人がこの文章を読んで数学に興味を持ったらすごいことかも。きっと私と同じように感じた人も多かったのではないだろうか。でも、それが一過性のものだったりするわけだけれど・・・。
何がいいと一言では言えないけれど、素敵な作品だった。
2004年07月11日(日) |
世界の中心で、愛をさけぶ 片山恭一 |
片山恭一 小学館 2001
STORY: 朔太郎は交際中のアキを白血病で亡くし、空虚な日々を送っていたが・・・。
感想(ネタバレあり): ものすごいベストセラーで、映画化、ドラマ化などもされたこの作品。いったいどんなものかと思って本を読んでみることにした。元々大体のストーリーみたいなものは聞いていてちょっとバカらしいのかななんて思っていた。最初のほうを読んでいるときはやっぱりそうなのかな・・・なんて思ったのだが、読み進むうちに結構面白くなってきた。
しかし、疑問がある。アキは確かに白血病で長くはなかったのかもしれないが、もしかして二人で抜け出そうなんて思わなければ、もう少し長く生きたのではないかと思う。あんな無茶をしなければ多分・・・。ただ、苦しみを長くするのもかわいそうという気もするし、でも、愛していればこそ、もっと長く生きてもらいたいとも思うような気もする。だから、この二人が無茶な逃避行をした後、アキの両親はどう思ったのだろうか?と思う。一人娘を亡くした悲しみもあるだろうに、オーストラリアに朔太郎と一緒に行ったのは両親が偉かったのかもしれないなーと、全然書かれていないことを思った。
最後のシーンで、朔太郎のずいぶん後のことが書かれていて、そこを読んで救われる気がした。大切な人を亡くし空虚な気分になっても、やはり時は人間を癒してくれるのだなと。そして、前向きに生きる気になり、新たな恋をした朔太郎にエールを送りたくなった。
2004年07月08日(木) |
ブルーもしくはブルー 山本文緒 |
山本文緒 角川文庫 1996
STORY: 広告代理店に勤める夫の下で愛はないが経済的には裕福な生活を送る蒼子は、海外旅行からの帰り道、福岡で自分にそっくりな蒼子Bと出会う。蒼子Aは蒼子Bと生活を入れ替えてみることにするが…。
感想: NHKの夜ドラで面白かったドラマの原作。人気の本でなかなか入手できなかった。(図書館で予約したため…) 読んでみるとやはり面白いなーと思った。テレビとは若干設定も異なっているところもあった。テレビも面白かったし、本も面白かったといったところ。両方見てみると味わい深いかもしれない。
海外に旅行に行ってきたので、機内を含め、3本ほど映画を見てきました。とりあえずその映画について書いておきます。
★エージェント・コーディ2 機内で見た映画。ちなみに「エージェント・コーディ」の1は日本ではまだ公開されていないとのこと。機内だったのもあり、落ち着いて見てはいなかったのと、最初のところがよくわからなかったのとで、意味が不明なところもあったけど、ギャグも交えながら結構面白いかなという感じの映画だった。内容は子供のFBI(?)か何かのエージェントが事件を解決するというもの。優秀な楽器奏者になりすまし潜入しているという設定だったので余計に楽しめたのかも。
★The Terminal(ターミナル) スティーブン・スピルバーグの最新作。ちょうど現地で公開されるということで、現地の映画館で見てきた。もちろん日本語の字幕はなしなので、英語バージョンを見た。この映画の日本公開は12月ごろとのこと。主人公はクラコージアとかいう国の出身でニューヨークにやって来るのだが、空港で入国を拒否されてしまう。クラコージアではクーデターみたいなのが起こり、国がなくなってしまったのだ。帰ることもできなくなった男は空港に住みつくが…という話。一応コメディということと、主人公が英語がわからないという設定なのもあり、英語がよくわからない私にも楽しく見ることができたかもしれない。笑いのつぼが現地の人とは違ったのがすごく面白かった。こっちが笑っているところであっちの人は全然笑わず、いったいどこがそんなにおかしいんだろう?というような場面で、ものすごいバカうけしていた。国民性の違いなのだろうか?
★ 解夏(げげ) 帰りの飛行機の中で見た映画。こちらも落ち着いて見られなかった。この映画はすでに公開済みでDVDが出るらしい。話の内容は結構暗い。ベーチェット病という失明する病にかかってしまった主人公の話。婚約者の彼女がいい人である。いつ失明するのかという恐れと戦いながら毎日を生きている主人公にお坊さんが解夏の話をする…。最後のシーンがよかったかもなーと思った。暗い話ではあるが、まあ、最後がなかなかなのでよし…。
以上、3本を見たのだけれど、どれもこれもしっかり見たとは言いがたいのでまとめてとりあえず書いておこうかと思った次第…。
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