感想メモ

2004年05月28日(金) もっと恋セヨ乙女とその他NHKドラマ

 NHKの夜ドラ。前作『恋セヨ乙女』はとても面白くて、その続編ということで少し期待していたのであるが、しょっぱなの週からちょっと挫折。やはりいろいろやることがあって、やりながら見ていると話がよくわからなくなってしまい、また、そこまでひきつけられるものもなかったのかも。

 ドラマというのもやはりそのときの心情と大きく絡んでいるところがあって、今、ちょうど結婚が決まっているからなのか、この作品のようにどたばたと恋を追い求めすぐに失恋するというパターンのドラマが、なんだか茶番で面白くないように感じてしまう。それに引き換えるとなぜか『冬のソナタ』などは、最初の高校時代の所を見たときにはギャグなんだろうか?と思ったものの、普通に楽しめる。つまりは今はあんまりコメディでばかげたものよりも、もう少ししんみりしたものとか、まじめなものが見たい気分なのだろうか?

 今週にいたっては、あまりにも音がうるさいので、ついには流すのもいやになってきて、ビデオの録画を見る気にもならず、脱落…。前作が面白かったのにこういうこともあるのね。

 ちなみにNHKの現在の朝ドラ『天花』。こちらもあまりにもすごい話すぎて見る気持ちが失せてくるというか、本気で見なくてもいいかなと思ってしまった。こういうことは長いNHK朝ドラの歴史の中でもあったのだが、今回のはかなりひどいと思う。前回の『てるてる家族』が面白かっただけに、そのギャップが激しすぎる。まじめなドラマなら私も見るし、しんみりするのだって、主人公がつらい目にあうのだって嫌いではないのだが…。今も見つづけているのは、突込みどころを探すのが面白いのと、今までずっと見てきている意地だけ。毎日15分の楽しみのはずが…。

 この話はやはり恋愛がらみの話で、それも親友との三角関係だったり、その他の女との取り合いだったりするみたいだ。正直、恋愛のうじうじした気分を見るような気分じゃないんだよ、今は。ほかの時だったらもう少し胸にしみたのかもしれないんだけど、今はそうは思えない。婚約もしてないのにストーカーっぽく相手に迫る主人公だとか、勝手に許婚だとか言って孫と主人公をくっつけさせようとする周りのものとか…なんかあまりにもおかしな設定で全然意味がわからない。

 『冬のソナタ』が出たついでに、今まで見たまでの分を振り返る。私はミニョンより今のところはサンヒョクの方に好意を抱いている。婚約というところまでこぎつけながら、ミニョンのいきなりの登場でユジンが突然嘘をついたりし始める。私はユジンがなぜ嘘をつくのか…よくわからなかった。やっぱり本当に好きじゃないってことなんだろうけど。本当は婚約をしているということは、お互いに信頼しているということのはずで、変に嘘をついたり隠し事をしたりしてはいけないのだと思う。もしそこでそういうことをしなければサンヒョクとユジンはそのまま結ばれていたりして…なんてね。(それじゃあ、ドラマにならないんだが…) とはいえ、この先のあらすじを読んでみたら、恐ろしくサンヒョクが嫌な奴になるような予感。だから、サンヒョクはあんまり人気ないんだろうか? ミニョン役のペ・ヨンジュンはすごい人気だそうだが、私にはそんなにかっこよいともいい男とも思えず、笑顔も素敵とも思えなかったりするが。でも、ドラマの中の音楽は美しく、時々はっとさせるような台詞があって、ついつい見てしまうのである。



2004年05月25日(火) カノン  篠田節子


篠田節子 文春文庫 1999

STORY:
学生時代に一緒に演奏をしていた康臣が自殺。音楽教師をしている瑞穂に彼が死ぬ間際まで演奏していたテープが渡る。そのテープを聞いた日から瑞穂の周りで不思議なことが起こり始めて…。

感想(ネタばれあり):
 オカルト的な内容が途中まで続くのだが、謎は結局解き明かされない。でも、まあそれでもよいのかもしれない。

 学生時代の瑞穂、康臣、そして正寛…。この3人で演奏合宿をするのであるが、その内容は壮絶だ。学生時代の恋といえばそうなのだろうが、中に描かれるのはよくわからない出来事。でも、それを受け入れてしまう女心はわからないような気もしなくもない。しかし、堕胎という結末に至って、瑞穂の青春も音楽への志も終わってしまう。

 その後、それぞれの道を歩み始めた3人。瑞穂は音楽教師としてやりがいのある日々を過ごしていたはずだが、自分を納得させて平凡な人生を演じていただけに過ぎないのかも…と気づいたときに、教師を辞め新たな人生を過ごそうとする。しかし、ここで家族も捨てようとした瑞穂にはびっくりした。とはいえ、最後には家族は捨てられないでいたのは、ちょっとほっとした。

 才能にあふれ、何でもできたはずの康臣が、自ら欠けていたもののために、転落一途の人生を送り、最後には自らの命を絶つ。その一方で正寛はすべて成功しているかに見えつつ、やはりそれは無理をしつづけた結果であるということに気づく。瑞穂もまた平凡な女としての人生に飽きてきていることに気づく。二人の心を康臣のテープが揺さぶったのだ。

 けれど、私は思う。どんな人だって、みんな若い頃に進みたかった道に進めるわけでもなく、どうしてこんな道をたどってきたんだろう…などと思いながらも、毎日を生きているのだと。だから、その意味で、康臣のテープが引き金になったとはいえ、瑞穂も正寛も家庭を捨てて、一人で生きていこうとする姿勢にはちょっと納得がいかなかったような気もした。



2004年05月09日(日) 月の砂漠をさばさばと  北村薫


北村薫 おーなり由子 絵 新潮社文庫 2002

STORY:
小学校3年生のさきちゃんとお母さんのほのぼのとしたやり取り。おーなり由子の絵が随所にちりばめられ、絵本のような雰囲気を醸し出す。

感想:
 おーなり由子の絵がとてもかわいい感じで、文庫なので持ち運びも便利。文章は多くないのですぐに読めてしまう。

 お母さんと娘との日常の一コマを暖かい視点から描いた作品。小学生の頃の懐かしい日常を思い出すような気がした。

 解説を読んで、さきちゃんの家が母子家庭であるということがわかった。私はあらいぐまの話を読んでもそこまでピンと来なかったのである。ただどうしてお父さんが出てこないのかなーとは思ってはいたのだが…。どういう事情なのかとかは一切触れられていないし、別に母子家庭だからどうとかというものもない。気づかなくても楽しめる作品だと思う。というか、気づかなくてもいいのかもしれない。



2004年05月07日(金) ドリーム〜90日で1億円

 NHKの夜ドラ。うーむ。これはね、不思議な話だった。すごい乗れない回もあれば、面白くて引き込まれる回もあったという感じ。

 でも、正直、千春には全然感情移入ができなかった。ひどい女だなーという感じだし、大体楽して1億円貯めようなんて、まず発想そのものがちょっと違うかなと思うし。ネットオークションとかの件では、どう考えたらこんなのにだまされるんだよ?と思ったし、さらにそこからほかの人をだましてでもお金をせしめようという考えには??????という感じだった…。

 唯一かわいかったのは、やっぱりしゅうちゃん役の子役の子。この子のナレーションの声がかわいいんだよね。そして、こんなかなりやばい母親でも親は親であって…。それからもう一人。少女時代の千春を演じた子がかわいかったね。この誘拐のエピソードはすごく面白かったんだけど…。

 なんかこういう部分のつなげ方が下手だったのかな。ともかく面白い素材だったのにもったいない。そして、くだらないわき道にそれる話が多く、視聴者を飽きさせる。気が短い人は途中で見るのをやめたであろう。

 それとタイトルと内容が合ってなかった。もっとお金をもうけるうまいやり方を…という話かと思ったら、全然違うんだもの。主人公が失敗しまくるという話だし、そういう意味では現実感がゼロだったと思うのだが。

 ストーリー的には面白い部分もあったけれど…。もう少し千春が子供を大事にして…とか、殊勝な性格だったらもっとよかったんだけどね。でも、時々さびしそうな姿が映ると、こんなバカな親でもかわいそうな気がしてきちゃったので…。しかし、そのすぐあとにはけろっとなって、バカなことをしまくってるのがよくわからなかったが…。



2004年05月06日(木) ダブル・スチール  藤田宜永

ダブル・スチール 藤田宜永
角川文庫 1988

STORY:
プロ野球の名投手だった本多は八百長試合の濡れ衣を着せられて日本からパリへと姿を消す。それから18年後、パリで裏稼業に関わることになった本多は、ある日野球の素質のある少年と出会って…。

感想:
 あんまり野球のことはよくわからないのだけれど、なかなか面白い設定で楽しく読むことができた。でも、主人公の本多はかなりかわいそうな気が…。フランスの裏社会のことだとか、野球のことなどいろいろな要素があってよかったかな。


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