2003年10月29日(水) |
死ぬまでにしたい10のこと |
レディースデイの昼間に見てきた。変な時間帯だったのに、結構人が入っていてびっくりしてしまった。が、ちょっと期待していたような内容とは違っていまいち乗れないまま映画が終了してしまった。隣に座っていたおば様は途中から眠ってらしたし・・・。泣いている人はいたのだろうか?
主人公アンは17歳で妊娠し結婚、23歳の現在はかわいい女の子2人がいる。が、だんなは失業中で自分が夜に清掃の仕事をしている。そんな矢先に余命2〜3ヶ月であると告げられるわけだが・・・。
アンは死ぬとわかったときに死ぬまでにしたい10の事柄を手帳に記す。その10のことはすべてを完了できなかったように思うけれど、そういう意味では前向きでもあると思う。ただ、アンの気持ちを想像すると、正直「私の人生何だったんだろう?」というのが一番大きかったような気がする。父親は刑務所に服役中でずっと会っていない、母親ともソリが合わない感じ。早く結婚してしまったせいで夢を全部あきらめなくてはならず・・・。子供はかわいいし、だんなを愛しているとは言っても、他の生き方はなかったんだろうか?と思ってしまうであろう。もうすぐ24歳という矢先に死ぬことに直面せざるをえなかったアン。別の生き方をしていれば・・・と思ったかもしれない。それからもしかしたらこのまま死んでしまうのも悪くないとも思ったのかも・・・。
この映画はかなり中途半端だった。どうやらお涙頂戴物ではないみたいで、悲しいシーンが全くない。だから、全然泣けないので、泣けることを目的に見に行くと拍子抜けすること間違いなしだ。ただ単に日常が淡々と描かれ進んでいくだけで、アンが死ぬシーンもないし、苦しむシーンもほとんど描かれない。アンが周りの人と交流していったりするシーンがあるだけ。泣かせるならもう少し泣かせるシーンを入れるべきだとは思うけれど、そういう映画じゃないから仕方ないんだろう。
だんなと子供たちとの間の愛はかなり深くて、こういう関係もいいなーと思わせるのであるが、だんな一人しか知らない自分を変えるために、リーという男と付き合い始めるアン。しかし、付き合ううちにだんなとは別にリーの方も好きになっていく。私はリーがかわいそうだなーと思った。アンの日常はよく知らないけれど、不倫関係であることは知りながら付き合う。結局リーはアンを深く愛するようになるのに、その頃にはもう死んでしまってアンはいない。男にとってはとっても残酷なことのような気がした。なぜに付き合わなくてはならなかったのか・・・。自分がよけりゃそれでいいのか?とも思わせる行動である。大体だんなにとってもかわいそうなことだ。
結局死後のことはほとんど何も描かれていない。それはそれできれいな終わり方なのだが、物足りないというか、一体何のためにここまで見せられたんだ?というような気持ちにさせられてしまう。
何だか途中退屈で、どうでもいいやと思ったりもしてしまった上に、最後の結末もいまいちな感じで、暗いテーマなだけに一気に気分がどーんと沈むような感じである。やっぱり映画は暗いのを見るより明るいのを見て元気をもらった方がいいな。泣けるならもっと泣かせてもらってすっきりとか・・・そういうのならいいんだけど、中途半端で泣けないし、暗いし、重いしでは、ちょっと救いがないというか。あんまり気に入らなかったのだけは確かだ・・・。
講談社文庫 1996
STORY: 絵画の修復家の成美は日本でも権威のある画家高岡が死んだため、その絵画の修復を頼まれる。高岡の家に出入りすることになり、元恋人の阿佐村が高岡の代作をしていたことを突き止め、その死に疑問を抱くようになるが・・・。
感想: 絵画の修復とか絵の世界のこととかについて書かれてあって興味深いものはあった。が、かなりディープな世界というか、あまりにも愛憎がどろどろとしていて、途中で気持ち悪い部分もあった。ストーリー的には悪くはないけれど、何だか謎が謎を呼ぶというよりかは、わけがわからなくなっていくという感じで、そういう点ではあまり乗れないような気もした。絵の世界に興味があれば多分もっと楽しめたのかもしれない。
結論から言うと、思っていたのとはちょっと違って、面白くないとは言わないけれどそんなでもないというか、まあまあというか、あんまりというか・・・。
まず現代の話なのかと思っていたら、60年代の話であった。60年代と言えば、私はまだ生まれてなかったりするわけで。それにしても、その頃の日本だったらまだまだ自由に恋愛してという考えはそこまでは浸透はしてなかったような気がする。ましてやフリーセックスみたいな風潮はなかっただろうから、アメリカってすごいのかな・・・。
この話で面白かったのは、キャッチャー・ブロックの部屋の仕掛けかな。女が10分でなびく(?)ように設計された(?)部屋は妙にオートマティックとアナログが混在しているような。昔ってそういえばCDとかもないんだよね。スイッチがレバーみたいになっていてボタン式じゃないし。レコードとかオープンテープとか。飛び出すベッドに隠れるバー・・・。そんなんで女がなびくんだろうか?と疑問はあったものの・・・。昔の人なら目新しいのかもね。
ま、というように、60年代の風俗みたいなのに興味がある人にはきっと面白いんじゃなかろうか・・・とも思う。
個人的には最後のエンド・クレジットが出てるところでレニー・ゼルウィガーとユアン・マクレガーが二人で踊って歌っているシーンが一番見所かもって思ったけど。やっぱ「シカゴ」とかに出てただけあってうまいよなあ・・・。でも、本編にはそういうシーンは全然なかった。そういうのがあったほうがもっと楽しめたかもしれない。ミュージカル仕立ての方がよかったのかも??
2003年10月15日(水) |
ファイアボール・ブルース 桐野夏生 |
文春文庫 1998
STORY: 女子プロレス界でも有名な火渡とその付き人でまだ一勝もあげることのできない近田。二人は外人レスラーの失踪事件に巻き込まれ・・・。
感想: 正直、プロレスは好きじゃない。けれど、この作品を読んだら、ちょっとプロレスも楽しそうというか、そういう世界にはそういう世界なりの色々なことがあるんだなーと、興味を持てるような気がした。でも、だからといってプロレス好きには絶対にならないとは思うが・・・。
自分のことを「私」とは呼ばず「自分」と言う近田。一勝もできないという屈辱と勝たなくてはという焦り・・・。その描写がすごく面白い。それでいながら、自分が付いている先輩レスラー火渡はものすごい強さで、全く負けることがない。あまりの違いが面白い。一勝もできない近田は何とか勝ちたいと思い、勝てない理由を探そうとしたり、葛藤がある。
実は失踪事件の真相を知るよりも、そのプロレス界の実情みたいなの方が面白くて引き込まれた。多分、火渡というキャラクターがすごくしっかりできているし、その対抗馬でもある、アロウさんとか与謝野とか・・・色々そんなに出てこない人たちのキャラクターもしっかりしているからだろう。
ということで、最後の方は結構一気に読んでしまった。プロレス嫌いでも多分大丈夫だと思う。
2003年10月14日(火) |
13ヵ月と13週と13日と満月の夜 アレックス・シアラー |
金原瑞人訳 求龍堂 (2002)2003
STORY: 赤毛でちょっとぽっちゃり気味の女の子カーリーは、親友を求めていた。そんなときに転校してきた美人の少女メレディス。カーリーはメレディスと仲良くなろうとするが、メレディスと一緒に住んでいるおばあちゃんからメレディスの秘密を聞かされて・・・。
感想: 面白い小説だった。次に何が起こるのかというのが結構意外な展開で・・・。ちょっと最初思い描いていた内容とは違ったのだけれど、それがかえってよかったかも。
何といっても年を取ることの悲しさ、つらさみたいなのがちょっとわかったような気がする。そして、若さって何だろうというのも考えさせられるかも。
何か大変なことが起こったときに、説明するのが老人だったり、幼い子供だったりすると相手にしてもらえないこともある。見かけというのは本当は重要ではないはずだけれど、人はやっぱり見かけで判断するんだと思った。たとえ親であっても自分の子供の外見が変われば、それが自分の子供だとは思わない。ただ最後にお母さんが言う台詞にちょっとほっとさせられたけど・・・。
ストーリーも楽しめながら、ちょっと考えさせられもするなかなかよい作品だった。
NHKの夜ドラ。ものすごく面白かった!! 最初の頃は毎日、泣いたりしていた・・・。やっぱり朝のドラマに比べると夜ドラのほうが断然質がいいし面白いと思う。ニコ役の女の子の演技がうまいこと! ケイちゃんのキャラも好きだったし、花名子さんとか黒めがねとか先生とかケイちゃんのお母さんとか・・・脇のキャラもよかったと思う。
しかし、私は晃太郎にはちょっと共感できないところが・・・。一体何様のつもりじゃ??とか思ったり。特に最初の方。まあ、恋愛ってのはわからないところがあるから仕方ないんだろうけどね。
ニコの母親と父親に対する渇望、飢えた愛を取り戻していく過程・・・すべてが丁寧に描かれていてすごくよかった。私も子供ができたらぎゅっと抱きしめてあげられるような母親になれたらいいなー・・・なんて・・・。そんな予定はないけど・・・。
原作の漫画もぜひ読んでみたいものだわ・・・。
2003年10月02日(木) |
シモーヌ (ネタバレあり) |
落ちぶれた映画監督がすべての女優に出演を断られ、自分の映画監督生命を賭けてCGで作成した女優を主演にする。そして、その映画が大当たりしたものの、女優の人気だけがうなぎのぼりになって・・・。
ストーリー自体も面白い感じだけれど、実は売れたあとの話の方がメインなんだろうな。どちらかというと家族愛の大切さとかを思い出させてくれる。途中途中ユーモアがあって笑えるシーンもあり、展開がどうなっていくかもありきたりではなかったし・・・。すごく面白かった。
個人的に娘役の女の子が気に入った。すっごいかわいい。細いし。監督役はアル・パチーノ。演技がうまかった。シモーヌ役の人は本当にブタの役を演じていたのだろうか? あれもCG??
確かにこんな風になるわけないだろ!!って思ってしまう部分がないわけではない。たとえば、スタジオに関係者が乗り込んでいく場面とか。広場恐怖症というだけであっさりと納得するのがよくわからない。それに、そういうことを言いつつ、いきなり歌手デビューとか・・・。あとは葬儀とか逮捕とかも、普通、戸籍とかを調べりゃわかるんじゃ?とか、日本だったら埋葬の許可証みたいなのがないとああいうのはできないだろうとか・・・。まあ、そんな細かいことに突っ込みを入れようと思えば入れられるけど、映画だし、フィクションだから、そこまで突っ込んではいけないんだと思うし、それが許される映画なのね。面白さが帳消しにしてくれる。
にしても、人気というのは怖い。人はその人の元に殺到するし、人気があればあるほど、その評判を汚すのってなかなか難しいらしい。まあ、あそこまでやるとやりすぎというか、笑えるんだけど。いるかのから揚げだっけ?? そんなことを言ったら普通なら動物愛好家が黙っていないはずだ。特にアメリカはそういうことにうるさい・・・。でも、そんな否定的な意見も「自分に正直で飾らない」と肯定されてしまうところが何とも言えない。
ところで、私がわからなかったところ。アカデミー賞にノミネートされ、受賞したときのスピーチで、監督へのお礼を言わなかった。あれってどうして?? お礼を言うように設定したはずなのに・・・。まさかCG女優が一人歩きを??(って、最初はそういう話なのかと思ってた・・・)
なかなか面白い映画なのに、結構すぐに終わってしまったのは残念かも・・・。
2003年10月01日(水) |
侵入者 サンドラ・ブラウン |
松村和紀子訳 MIRA文庫 (1986)2001
STORY: インディアンと白人の混血として生まれたグレイウルフは刑務所を脱獄する際に写真家エスリンの家に忍び込み、エスリンを人質にとって逃亡を始めるが・・・。
感想: この話もやはりロマンス系だった。あんまり好きなシチュエーションというわけでもなかったけれど、だんだん二人の愛が深まっていく様子が描かれていてなかなかかもしれない。あとはインディアンと白人の確執が少し覗けたりするような感じ。
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