感想メモ

2003年09月30日(火) こころ

 NHKの連ドラが終わった。

 仲村トオルが好きだったのに初期の段階で死ぬし。まあ、そういう話の予定だったのだから、仕方ないが。子供たちはかわいかったな。

 この話、所々、つっこみどころがたくさんあって、真実味がない部分も多かったけど、最後の方はキャラがしっかりしてきたのもあって、何とか見られる感じだった。ちょっとだけ最後は感動したし・・・。

 でも、すごい面白かったか?と言われると疑問・・・。



2003年09月20日(土) 星々の舟  村山由佳

文藝春秋 2003

STORY:
戦争に行き地獄を見た父、次男暁を生んですぐに死んだ母、母が存命中から不倫をし後に後妻となった養母、その連れ子として家に入るが本当は父の実の娘だった紗恵、その後二人の実の子供として生まれた美希・・・。複雑な家庭に生まれ育った子供たちは皆、それぞれ様々な愛の形に苦しみ・・・。

感想:
 この作品、直木賞を取ったとか・・・。よく知らずに借りてきたのだけれど。

 正直最初こういう話と思わず、びっくり。複雑な家庭環境、兄と妹の激しい愛・・・、不倫はあるし・・・。でも、段々読んでいくうちにその後の家族の様子がちょっとずつ出てきて、ちょっとずついい方に進んでいるような感じがうかがわれて・・・。そういう感じが確かにいいような気はした。でも、帯に書いてあるような感じには取れなかったような気も・・・。好き嫌いがわかれる作品のように思う。



2003年09月19日(金) 街の灯  北村薫

文藝春秋 2003

STORY:
社長の娘として生まれた英子は裕福な子供たちや身分の高い子供たちのための学校に通う恵まれた暮らしをしていた。ある日、学校の送り迎えの運転手にベッキーさんという女性がつくことになり・・・。

感想:
 面白かった。何といっても時代の描写がいいと思った。こういうのは好きな人は好き、嫌いな人は嫌いかもしれないけれど。時代設定は昭和初期かなんかみたいだった。華族とかの身分がまだあり、戦争には突入していなくて、裕福な最後の時代だったのかなというようなイメージ。銀座の描写とかかなり面白かった。

 またベッキーさんの描写がいい。何でもこなせる女性というだけでも憧れるんだけれど、心も素晴らしい人で、色々な世界を見ているように思う。主人公の英子も彼女の考えに少しずつ影響されていくんだけど、それもまた自然な感じでよかった。

 中にちょっと推理めいた部分があったりするんだけれど、そういうのが好きな人にも面白いかもしれない。

 それから、この本のタイトルはチャップリンの映画から取ったらしい。見たことがないんだけれど、見るともっとこの作品の世界がわかるのかも・・・。



2003年09月09日(火) リトル・バイ・リトル  島本理生

講談社 2003

STORY:
父が異なる妹と母親と3人暮らしのふみ。2人目の養父とはうまく行かず、母が離婚したことにより大学進学を1年あきらめバイトをしながら懸命に生きている。ある日、キックボクサーの周と出会って二人は恋に落ちる。

感想:
 なんかいいなぁ〜っていう感じだろうか。主人公の女の子は18歳くらいの設定。複雑な家庭に育ち、自分の気持ちを人に告げない習慣がついている彼女が、周という男の子と会ったことから少しずつ変わっていく。ピュアっていう感じかな。自分の生い立ちを不幸とか思ってはいなくて、変に卑下することもなく普通に生きている姿勢がなんだかいいなと思った。

 こういう系統の小説は受け付けないことが多いのだけれど、この小説はかなりよかった。多分主人公が変にひねくれたり人生を達観していないからかなと思う。普通に生きている感じ。何がどういいというわけじゃなくて、何となくあとに暖かいものが残った。



2003年09月04日(木) 神々のプロムナード  鈴木光司

講談社 2003

STORY:
塾を経営する史郎は、友人松岡が失踪したことを松岡の妻深雪から聞かされる。一児を抱えて大変なことになっている深雪を手助けしながら、史郎は松岡の失踪の手がかりを探し始める。そこには新興宗教の陰が見え隠れして・・・。

感想:
 久しぶりに鈴木光司の小説を読んだ。

 なかなか最初の方は面白かった。しかし、最後の方があっけない感じだった。謎解きの部分は後から書き下ろしたみたいなんだけど、なんだ・・・とちょっと思ってしまったり。でも、スリリングな展開だし、男と女の心の動きとかすごくよく描かれていて、引き込まれる作品だった。

 あとがきにこの作品が完成するまでに8年かかったとあった。ちょうどオウム真理教などの事件が起こってしまい、ストーリー展開も変えざるをえなかったらしい。最後のつじつま合わせの部分につながったのはそういうことだったのかな?などとちょっと思ったりもしたが、それは関係なかったのかな・・・。


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