2002年11月19日(火) |
ハッピー・バースディ 新井素子 |
角川書店 2002
STORY: 編集者の夫と幸せな結婚生活を送っていたあきらは、夫の勧めで小説を書き、それが新人賞をとる。幸せの絶頂にあったあきらだったが、いたずら電話やいたずらの手紙によって精神が追い詰められていく。そのうちに最愛の夫が交通事故で亡くなる。あきらはいたずら電話の主を逆恨みし出して・・・。
感想: 最初の方は非常に面白く読めたのだが、夫が死んだあたりでちょっと路線が違ってきたかなと思い出した。人がちょっとした魔がさして行ったことが、相手の人生を狂わせてしまう。そして、当の本人はそれに気づかない。これは確かに理不尽で復讐に走ろうと思う気持ちもわからなくはないような気がした。
新井素子はほとんど全部読んでいるけれど、あまり小説をたくさん書く方ではないのでそれが残念と言えば残念。この話、確かに新井素子まんまじゃん・・・という声も良く聞いたけど、設定は微妙に違うし、全然まんまではないとは思うのだけれど、世間の人は自分自身のことを書いていると確かに思うだろうとは思った。
この間読んだ「チグリスとユーフラテス」のようなSFよりも、こうした普通の作品の方がすんなりと入っていきやすい気がした。新井素子はもともとSF作家だったとは思うけど、普通の作品ももっと書いてほしいと思う。
2002年11月14日(木) |
新版 指輪物語7 二つの塔(下) J・R・R・トールキン |
瀬田貞二・田中明子訳 評論社文庫 (1954,1966) 1992
STORY: 仲間たちと別れたフロドとサムは、苦しい旅を続ける。途中、追いかけてきたゴクリを案内役にし、ボロミアの弟ファラミアと出会う。その後も旅を続けた一行はついにモルドールの敷地内に入り、キリス・ウンゴルの階段を上って峠へと向かう。
感想(ネタばれあり): 今まで読んできた中で一番面白くすんなりと読めた巻のような気がする。フロドとサムがゴクリとともに道を進むことも面白かった。そして、この巻で指輪を滅びの山に返すところまで行ってくれるのかな?と期待しつつ読んでいたのだが、やはりそこまではいかなかった。それどころか、フロドが死んだ?と思わせるような展開になり、さらにはオークに捕らえられてしまって・・・。続きが読みたい!
けれど、どうも次の8巻から第3部なわけだけれど、またフロドの話ではなくなってしまうみたい。やっぱり私はフロドの話が一番面白いのかも。
ついでに、実のところ図書館から新しい本を借りることとなったので、またもやここでしばらく中断。
ところでゴクリ・・・。どうなってしまったのかな? 私、結構いいやつなのかと思って読んでたんだけど・・・。最後の最後で裏切りに近いことをしてくれたよー。
2002年11月07日(木) |
新版 指輪物語6 二つの塔(上2) J・R・R・トールキン |
瀬田貞二・田中明子訳 評論社文庫 (1954,1966)1992
STORY: ガンダルフ一行はローハンに向かいセオデン王と会う。そして、彼らは一致団結してアイゼンガルドのサルマンの元へと向かうことになる。サルマンは先に到着していたエントたちに大打撃を受け塔の上に立てこもっていた。エントとともにやってきていたピピンとメリーと一行は再会を果たす。
感想: 間に2回別の本を読むという作業が入ったため、段々わけがわからなくなってきてしまった。そして、再び読もうと思うとどうも身が入らなくて・・・。
ようやくフロドとサムを除くメンバーたちが合流したのでほっとした。しかし、これからどうなるのか? そして、次巻はすでに読み始めているけれど、フロド一行の話に戻るのでそちらの方も楽しみ。
2002年11月04日(月) |
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 J・K・ローリング |
松岡祐子訳 静山社 (1999)2001
STORY: 2年目の夏休みを再びダーズリー一家とともに過ごしているハリー。マージおばさんに両親の悪口を言われたハリーはつい魔法を使ってしまい、ダーズリー家を飛び出す。ハリーは夜の騎士(ナイト)バスに乗ってロンドンへ向かうが、そこには魔法省のファッジが待っていて、ハリーはおとがめなしにロンドンのホテルに泊まることになる。殺人鬼シリウス・ブラックがアズカバンから逃亡中でハリーを狙っているためだった。ホグワーツの新学期が始まるが、シリウスの侵入を防ぐために学校には吸魂鬼(ディメンター)が投入され、ハリーたちはまたもや少し不自由な学校生活を余儀なくされる。
感想(ネタバレあり): 「ハリー・ポッター」の3巻目が、「指輪物語」を読んでいる途中でまたもや入ったのでこちらを先に読むことに。やっぱりものすごく面白いし、すぐに読める。何となくだけれど、この作品は1巻よりも2巻、3巻と進むにつれてハリーの父親やヴォルデモートの謎などが少しずつ明らかになっていって、段々世界に引き込まれていくような気がする。これがハリー・ポッターの人気の秘密かもしれない。
毎回伏線もしっかり貼られていて、あとから、ああ、そういうことだったのかと思うところが多く、大人でもかなり楽しめる。それからイギリスの学校生活とか習慣がわかるようなところも私には楽しい。
しかし、いまどきの中学生くらいの子ってそんなにお菓子が好きなのかなー? ハリーやロンはどうもすごくくだらないお菓子が好きみたいなんだけど・・・。ホグズミードに行く話でもお菓子を買ってくるとかそういう話題が多い。私はと言えば、中学生くらいの頃にはお菓子なんてどうでもよかったような気がする。パチパチくんとか変わったお菓子がはやったこともあったけど、そういうのは小学生の頃の話で、中学生くらいではそういうのにはあんまり興味がなかったけれど、彼らはとても幼いのかなーと、それをいつも思ってしまう。大体魔法のお菓子ってあまりおいしそうなものはないんだよね、書いてあるものを見る限りでは。
今年はきちんとホグワーツ特急に乗れたハリーとロン。新入生以外の子たちがどのようにホグワーツに入るのか初めて知った。でも、マクゴナガル先生に呼ばれてしまって組み分け帽子が寮生を選ぶシーンが見られなかったのは残念だった。
ルーピン先生、シリウス・ブラック、ピーター・ペティグリュー・・・このへんの絡みがなんだかとても複雑で難しくなってきているので、一回読んだだけだと何が起こったのかわからない部分もあったけれど、でも、複雑だからこそ面白いというのはあると思う。
にしても、最初から7冊の予定で、ハリーのお父さんの謎とかそういうことも考えられて物語が作られているのだとしたら、やっぱりすごいことなのかもしれないと思う。
それから、ハリーとマルフォイというのは、どうもハリーのお父さんジェームズとスネイプ先生との関係とそっくり。というか、どうもこのハリーの学年の生徒たちとハリーのお父さんの学年の生徒たちの関係が似ているということは、やっぱりハリーはヴォルデモートといつか決着の日を迎えるのだろうと思わせるに十分だと思う。ペティグリューとネビルが似ているような気がするけど、ネビルは今後どうなるのかな? 少し気になったりして。
最後にルーピン先生が学校を去ったこと、シリウスがハリーと一緒に住むことができなくなったことだけが残念でならなかった。でも、いつかシリウスの汚名が晴らされてハリーとともに住むことができる日がやってくるのかな?
まあ、時々こんなことって?と思うシーンもなくはないのだけれど、やっぱり面白くなってきたと思う。4巻が最近発売されたけれど、このあと5〜7巻まではまだ発売されることも1年以上はないと思われるし、すごく待ち遠しいような気がする。あと、今回は魔法新聞みたいなのが入ってなかったんだけど、あの小さな紙切れもすごく面白くて好きだったので、あった方がうれしいと思った。
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